【初心者向け】メタバースとは?定義や活用事例を簡単に解説

2021年末のFacebookのMetaへの社名変更をきっかけに、世界的に注目を集めるメタバース

メタバースの定義は人によって様々であり、VRやARなど似たような言葉と混同されることも多いため、理解が難しい概念となっています。

 

そのため、「メタバースのなんとなくのイメージは湧くけど、具体的な定義はわからない」「メタバースについてざっくりどのようなものか理解したい」という方も多いのではないでしょうか?

 

そこで、今回はメタバースの定義や活用事例を初心者の方にもわかりやすく解説します。

本記事は、以下のような方におすすめの記事となっています。

 

  • メタバースの意味や定義がよくわからないので正確に理解したい
  • 個人や企業がメタバースを活用することでどのようなメリットがあるのか知りたい
  • 企業がメタバースをどのように活用しているのかが知りたい

 

本記事を読めば、メタバースとは何か?をしっかりと理解できると思いますので、ぜひ最後までご一読ください。 


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目次

メタバースとは

そもそもメタバースとは VRChat
(画像:VRChat

メタバースとは一言でいうと、人々が様々な活動を行うことのできるインターネット上の3次元の仮想空間のことを指します。

 

メタバースの語源は「超越」を意味する「meta」と「世界」を意味する「universe」を組み合わせた造語だと言われています。メタバースという言葉が世界で初めて使われたのは、1992年にニール・スティーヴンスン氏が発表したSF小説「スノウ・クラッシュ」です。

 

メタバースにおいて、ユーザーはアバターと呼ばれる自身の分身の姿でメタバース空間にアクセスし、他のユーザーとコミュニケーションや経済活動を行うことができます。例えば、集まって会話をしたり、イベントやスポーツ、買い物などを楽しむことができます。

 

一般ユーザーに広く普及しているメタバースサービスとして、「Fortnite」や「Roblox」、「どうぶつの森」などのゲーム型のメタバース、「VRChat」や「Cluster」などのSNS型のメタバースが挙げられます。

 

メタバースへのアクセス方法としては、スマホやPCからもアクセス可能ですが、Apple Vision ProやMeta Questのようなヘッドマウントディスプレイからアクセスすることにより、より世界に没入したような体験が可能になります。

 

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メタバースとXR(VR・AR・MR)との違い

メタバースとXR(VR・AR・MR)との違い

メタバースと似た概念として、VR、AR、MRといった言葉をよく耳にする方も多いと思います。これらはまとめて、XR(エックスアール)と呼ばれ、リアルとバーチャルを融合した空間を創り出す先端技術を総称した言葉として定着しています。

 

XRがリアルとバーチャルを融合した空間を創り出す先端技術の総称である一方、メタバースは、XR空間上で人々がコミュニケーションや交流を行うように進化した空間やサービス全体のことを指します。

 

メタバース空間では、集まって会話をしたり、スポーツやライブ、買い物などを楽しんだりと現実世界に存在する幅広い活動を楽しむことができます。また、将来的にメタバース上のサービスとデバイスが進化していけば、SF映画のような「食事と睡眠以外のほぼ全てが体験できるようになる世界」に近づいていくとも考えられています。

個人にとってのメタバース利用の6つのメリット

個人にとってのメタバース利用の6つのメリット

個人がメタバースを利用することでできることは主に以下の6つです。

  • ➀ゲーム・エンタメサービスの利用
  • ②オンラインショッピング
  • ③他ユーザーとのコミュニケーション
  • ④イベントへの参加
  • ⑤NFTの売買・利用
  • ⑥仕事をしてお金を稼ぐ

 

それぞれをわかりやすく紹介していきます。

➀ゲーム・エンタメサービスの利用

ゲーム・エンタメサービスの利用 Fortnite
(画像:Epic Games)

1つ目はゲーム・エンタメサービスの利用です。メタバース/VRゲームは、従来のゲームに比べ、3Dでのリッチな映像表現や他のユーザーとチャットやボイスチャットによって交流できる点が特徴です。

 

さらに、MetaQuestなどを活用することでよりゲームの世界に入り込んだような体験をすることができます。ゲーム・エンタメサービスの利用は、現在メタバースの利用事例として最も主流となっており、世界的に多くのユーザーが利用しています。

②オンラインショッピング

オンラインショッピング 三越伊勢丹
(画像:三越伊勢丹)

2つ目はオンラインショッピングの利用です。メタバース上でのオンラインショッピングは従来のECサイトでのショッピングとは異なり、商品が3Dで立体表示されるため、サイズ感や魅力を確かめやすかったり、店舗スタッフや同行者とボイスチャットで会話を楽しみながら買い物をすることができるといった特徴が存在します。

③他ユーザーとのコミュニケーション

他ユーザーとのコミュニケーション ZEPETO
(画像:ZEPETO

3つ目は他ユーザーとのコミュニケーションです。メタバースの特徴として、3Dでのアバターの表現や相手との位置関係が反映されるボイスチャット機能などにより、まるで相手と同じ空間にいるような感覚を得ることができるという点があります。その特徴が最もシンプルに活きるのがオンラインコミュニケーション手段としてのメタバースの利用です。

 

コロナによるオンラインコミュニケーションの増加により、様々なコミュニケーション型のメタバースプラットフォームが利用者数を伸ばしています。

④イベントへの参加

イベントへの参加 HIKKY
(画像:HIKKY

4つ目はメタバース上で行われるイベントへの参加です。メタバースでは、3Dでのコンテンツ表示、頭の動きに合わせた視点の切り替え、相手との位置関係が反映されるボイスチャット機能などにより、まるで実際のライブ会場を訪れているような体験をすることができます。

 

コロナウイルス感染拡大の影響により、リアルでのイベント開催が大きな制限を受けるなか、音楽やライブ、アニメ・漫画など様々なイベントがメタバース上で開催されるようになりました。

⑤NFTの売買・利用

5つ目はNFTの売買・利用です。人々がメタバース空間で過ごす時間が増えると、メタバース空間上でのデジタルアセットが現実の世界と同様の価値を持つようになり、やり取りにNFTが活用されるようになります。具体的にはアバターやアバターの着用する洋服、土地もNFTとして売買されています。

 

これまで、デジタル上のアセットはリアルな商品と比べ複製が容易に行えるため、価値がつきずらいという現状がありました。そこでブロックチェーン技術を活用することで、そのアセットデータが唯一無二であることを証明できるNFTが注目を集めるようになり、企業・個人間での売買が活発化するようになりました。

⑥仕事をしてお金を稼ぐ

6つ目は仕事をしてお金を稼ぐという利用方法です。人々がメタバース空間で過ごす時間が増えると、現実世界の仕事のメタバース版が次々と登場することが予想されます。

 

例えば、メタバース上の建物をデザインする仕事や、メタバース上で商品の接客を行う仕事などが今後需要を高めていくと考えられています。

企業にとってのメタバース活用の7つのメリット

企業にとってのメタバース活用の7つのメリット

企業がメタバースを活用するメリットとして以下の7つが挙げられます。

 

  • ①メタバース領域での新たなビジネスの創出
  • ②メタバースから得られたデータの活用による商品・サービスの改善
  • ③作業現場のサポートのよる品質と作業効率の向上
  • ④新たな顧客接点の獲得
  • ⑤シミュレーションによるバリューチェーン全体の効率化
  • ⑥社内コミュニケーションの円滑化
  • ⑦研修への活用による社員のスキル向上

 

それぞれのメリットをわかりやすく解説していきます。

➀メタバース領域での新たなビジネスの創出

メタバース領域での新たなビジネスの創出 KDDI
(画像:KDDI)

1つ目のメリットはメタバース領域での新たなビジネスの創出です。検索エンジン、EC、SNSに並ぶ次なるキラーサービスになるとも言われているメタバースですが、多様な業界の企業がメタバース領域に参入しており、サービス構築を目論んでいます。

 

メタバースがより人々に普及し、メタバース上で過ごす時間が増えるようになると、メタバース領域でのビジネスの市場規模も拡大していくと考えられます。

 

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②メタバースから得られたデータの活用による商品・サービスの改善

2つ目のメリットはメタバースから得られたデータの活用による商品・サービスの改善です。メタバース上の人々の行動データはWebサイトやSNS上のものに比べ圧倒的にリッチになると考えられています。

 

メタバース上ではいつ、誰と、どのような行動を取っていたかはもちろん、ウェアラブルデバイスの発展によりどのような感情になっていたかなどの多様なデータを取得できるようになると考えられています。そのため、メタバース上のユーザーに商品やサービスを試してもらい、その反応をデータとして収集することで、商品やサービスの改善につなげることが可能です。

③作業現場のサポートによる品質と作業効率の向上

作業現場のサポートによる品質と作業効率の向上 メディカロイド
(画像:メディカロイド)

3つ目のメリットは作業現場のサポートによる品質と作業効率の向上です。AR/MRメタバースに工場などの作業員がゴーグル等を用いてアクセスすることにより、作業指示や図面などの情報を適宜確認しながら作業を進めることで、品質と作業効率を向上させることができます。

 

これまでは紙の作業手引書やタブレットの情報を基に作業をしていたものが、メタバース×ゴーグルを活用することで、両手をふさぐことなく適切な情報を取得できるというインパクトは非常に大きいものです。また、各作業員がどのような作業を行い、どこでミスが起こっていたかなどのデータを収集することにも繋がり、企業全体としての作業効率を高めることもできます。

 

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④新たな顧客接点の獲得

新たな顧客接点の獲得 IKEA
(画像:IKEA)

4つ目のメリットは新たな顧客接点の獲得です。メタバース空間にはいつでもどこからでもアクセスできるという特徴があり、コロナウイルス感染拡大の影響で実店舗での顧客との繋がりが希薄化するなか、新たな顧客接点としての活用が期待されています。

 

メタバースの特徴である、3Dのコンテンツで、スタッフが説明しながら商品やサービスを訴求できるという点を活かし、今までEC化に苦戦していた業界の企業にとって、貴重なオンラインでの接点になり得ると考えられます。

 

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⑤シミュレーションによるバリューチェーン全体の効率化

シミュレーションによるバリューチェーン全体の効率化 川崎重工
(画像:川崎重工)

5つ目のメリットはシミュレーションによるバリューチェーン全体の効率化です。メタバース/デジタルツインを活用することで、現実世界に存在するもの/しないものを含め、都市や建物、設備を仮想空間上に再現し、シミュレーションを行うことで、現実世界でモックアップ作成や試運転をするコストをかけずに最適な設計や運用を算出することができます。

 

このシミュレーションにより、企画・生産・物流・販売・アフターサービスといった一連のバリューチェーンを効率化することで、大幅なコスト削減やリードタイムの短縮などに繋げることができます。

⑥社内コミュニケーションの円滑化

社内コミュニケーションの円滑化 マイクロソフト
(画像:Microsoft)

6つ目のメリットは社内コミュニケーションの円滑化です。コロナウイルス感染拡大の影響で、多くの企業がリモートワークへの移行を進めています。

 

一方で、リモートワーク環境下ではホワイトボードを用いた共同作業ができない、相手の細かな表情や声色が読み取れずコミュニケーションが停滞する、自然発生的なコミュニケーションが減ってしまうなどの課題が存在します。それらの課題をメタバース空間上のオフィスメタバースオフィス」で一緒に働くことで解決することができるのではないかと期待されています。

⑦研修への活用による社員のスキル向上

研修への活用による社員のスキル向上 ANA
(画像:ANA)

7つ目のメリットは研修への活用による社員のスキル向上です。メタバースを企業の研修に活用することで、コンテンツが3Dで表示されるため学習効率が向上する、非常時のシチュエーションを簡単に再現できる、学習の時間的・地理的制約から解消されるなどのメリットがあり、社員のスキル向上に繋げることができます。

代表的な企業によるメタバースの活用事例7選

業界別|メタバース新規事業の事例7選

メタバースを企業が活用した代表的な事例として、業界別に以下の7つが挙げられます。

 

  • 小売業界:三越伊勢丹が独自メタバース上に百貨店を再現
  • ②音楽業界:ぴあがバーチャルライブ向けの独自メタバースを構築
  • アパレル業界:BEAMSがメタバースイベントへの出展を通じリアル店舗へ の送客
  • 観光業界:ANAがバーチャル旅行プラットフォーム設立を予定
  • 広告業界:博報堂が国内初メタバース内の広告枠の販売を開始
  • 不動産業界:大和ハウスがメタバース上の住宅展示場を自由に見学
  • 製造業界:川崎重工が工場を丸ごとメタバース化を目指すと発表

 

それぞれの事例をわかりやすく紹介していきます。

 

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①小売業界:三越伊勢丹が独自メタバース上に百貨店を再現

小売業界:三越伊勢丹が独自メタバース上に百貨店を再現
(画像:三越伊勢丹)

三越伊勢丹は、独自のメタバース上の仮想都市である「レヴ ワールズ」を構築し提供しています。来場者はアバターの姿で、デジタル空間の「バーチャル伊勢丹」での買い物を楽しむことができます。店員のアバターも配置され、チャット機能を使った接客も受けられます。

 

また、メタバース上ではバーチャルファッションショーを楽しんだりや人気格闘漫画『刃牙』シリーズに登場する“地下闘技場”をモデルとしたイベントスペースが設けられ、アバターとなった一部の人気キャラクターに会えたり、関連するデジタルアイテムを入手したりすることもできます。

 

他社のメタバース上で開催されるイベントへの出展事例が多いなか、三越伊勢丹は既に独自のメタバース空間を構築・提供しており、小売・百貨店業界のメタバース活用をリードする存在といえます。

②音楽業界:ぴあがバーチャルライブ向けの独自メタバースを構築

音楽業界:ぴあがバーチャルライブ向けの独自メタバースを構築
(画像:ぴあ)

ぴあ株式会社は、バーチャルライブプラットフォーム「NeoMe」(ネオミー)をスマートフォンアプリとして提供開始しました。「NeoMe」は、ユーザーがアバターとなってバーチャル空間に入り、バーチャルライブを中心に、ユーザー同士の交流やアバターのコーディネートを楽しむことができるスマートフォンアプリです。

 

ぴあは、「NeoMe」を通じて、次世代を担う若手パフォーマーに対して、バーチャルを起点とした新たな表現や活動の場を提供しています。ユーザーやファンは、同じ趣味の人とつながる場を提供し、パフォーマーとユーザーの新たなコミュニティづくりを支援します。

③アパレル業界:BEAMSがメタバースイベントへの出展を通じリアル店舗への送客

アパレル業界:BEAMSがメタバースイベントへの出展を通じリアル店舗への送客
(画像:BEAMS)

ファッション大手であるビームスはメタバース領域への参入を果たしています。具体的な取り組みとしては、世界最大のVRイベントである「バーチャルマーケット」に4度出展を行っています。バーチャルマーケットとはメタバース上にある会場で、アバターなどのさまざまな 3D アイテムや、リアル商品(洋服、PC、飲食物など)を売り買いでき、日本はもとより世界中から100万人を超える来場者を誇る世界最大のVRイベントです。

 

バーチャルマーケットでは、アバター用の洋服であるデジタルアイテムの販売やライブなどのイベントの開催が行われました。アバター用の洋服であるデジタルアイテムは、ビームスの2022年の秋冬商品を3Dモデルに起こした、Tシャツやワンピースなどの全7種類が販売されました。

 

また、ライブでは池田エライザさんがバーチャルライブを開催し、メタバースに着想を得た新曲の発表も行われました。一方でリアルでの商品販売も行われ、バーチャルマーケットの出展を記念したリアルな洋服の商品もビームスの公式オンラインショップにて販売されました。

 

4度目の参加の際には、関西のショップスタッフも含む約50名の社員が交代でバーチャル接客にあたり、メタバース上での接客を通じてリアル店舗への来客に繋がっている事例も生まれてきているとのことです。

④観光業界:ANAがバーチャル旅行プラットフォーム設立を予定

観光業界:ANAがバーチャル旅行プラットフォーム設立を予定
(画像:ANA)

ANAホールディングスは、2022年5月に新会社「ANA NEO」の設立を発表しました。同社は、インターネット上の仮想空間で様々なアトラクションを体験できる「バーチャル旅行プラットフォーム」SKY WHALEの設立・運営を担当する予定です。2022年内のサービス開始を目指しています。

 

ANAホールディングスでは、アバターロボット「newme」を用いた遠隔案内などの実証実験を行っていますが、ANA NEOでは、ANAグループが航空会社として培ってきた知見や「newme」が提供する各種サービスを活用し、ビジネスモデルのデジタル化を推進します。仮想空間での地域コミュニティによる経済発展や社会課題の解決を促進することで、生活者に新たな価値の創造を目指すとのことです。

⑤広告業界:博報堂が国内初メタバース内の広告枠の販売を開始

広告業界:博報堂が国内初メタバース内の広告枠の販売を開始
(画像:博報堂)

博報堂は国内企業としては初となる、メタバース空間内の広告枠の販売事業を開始しました。博報堂傘下のデジタル・アドバタイジング・コンソーシアム(DAC)社は、デイリーアクティブユーザー約5000万人を誇る、世界最大級のゲーム型メタバース「Roblox(ロブロックス)」内での広告枠の販売を開始しました。

 

広告主はRoblox内の建物や看板に画像や動画の広告を掲載することが可能です。広告費用は場所やサイズによるものの、2週間の掲載枠が80万円〜とのことです。

⑥不動産業界:大和ハウスがメタバース上の住宅展示場を自由に見学

不動産業界:大和ハウスがメタバース上の住宅展示場を自由に見学
(画像:大和ハウス)

大和ハウスはアバターを用いて担当者と見学者がコミュニケーションを図りながら仮想空間上の住宅展示場を自由に見学できる「メタバース住宅展示場」を公開しました。ユーザーはスマホやタブレット・PCからメタバースにアクセスでき、最大6名の見学者とともに担当者にリアルタイムに質問や相談を実施することが可能です。

 

メタバース上にある住宅展示場という特徴を活かし地面から屋根の上までさまざまな角度から見学できることに加え、室内では子どもやペットなどの視点でも見学が可能です。また、見学者が床や壁紙・天井等の色や素材、インテリアなどを瞬時に切り替えて、イメージを検討することもできます。今後、対応する住宅商品ラインナップを拡充していく方針とのことです。

⑦製造業界:川崎重工が工場を丸ごとメタバース化を目指すと発表

製造業界:川崎重工が工場を丸ごとメタバース化を目指すと発表
(画像:川崎重工)

川崎重工業はマイクロソフトのカンファレンス「Build2022」で、工場全体をメタバース化する「インダストリアルメタバース」の構築に取り組むと発表しました。
この取り組みにより、工場内の全工程を仮想空間に再現できるデジタルツインを構築し、離れた場所にいる人が各工程の状況を確認したり、操作したりできるようにすることを目指しているそうです。

 

同社は、マイクロソフトのIoTクラウド/IoTマネジメントソリューション、MRデバイス「HoloLens 2」、エッジAIソリューション「Azure Percept」により、複数の拠点で同時に、遠隔地の専門家からリアルタイムにアドバイスや支援を受けられるようにしました。これにより、ロボットの故障への迅速な対応、トラブルを未然に防ぐ予知保全が可能になります。

 

また、「Azure Digital Twins」も利用しており、過去、現在、未来の稼働状況を仮想空間で把握することで、物理的に離れた工場の問題の原因を特定し、対処・解決することができるようになるとのことです。

ユーザー数の多いメタバース5選

ユーザー数の多いメタバースとして、以下の5つが挙げられます。

 

  • ➀Fortnite:全世界で3.5億人以上がプレイする大ヒットゲーム
  • Decentraland:バーチャル空間上の土地が高額で取引される
  • ③The SandBoxブロックチェーン上のオープンワールドNFTゲーム
  • ④Roblox:ユーザー自身がゲームを作成できるプラットフォーム
  • ZEPETO:スマホで簡単に自分のアバターを作成

 

それぞれについてわかりやすく紹介していきます。

 

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①Fortnite:全世界で3.5億人以上がプレイする大ヒットゲーム

Fortnite:全世界で3.5億人以上がプレイする大ヒットゲーム
(画像:Fortnite)

大ヒットオンラインビデオゲーム「Fortnite」はEpic Games社によって運営されています。同社は、「Fortnite」などのコアなバトルロイヤルゲームだけでなく、仮想音楽イベントやダンスパーティーのようなグループ交流の場を広げています。

最近では、トラヴィス・スコットがフォートナイトのメタバースで仮想イベントを開催し、大成功を収めました。

 

ユーザーはゲームをプレイするだけでなく、お金を払って自分のアバターに服やアクセサリーを身につけることができます。

 

Epic gamesは、プレイヤー同士がバーチャルに交流できるメタバースをコンセプトとしています。これは、エモートを使って他のプレイヤーと交流するのとは大きく異なります。ゲーム性を高めるためにバーチャルゲーム、ショッピング、その他多くの体験を、NFTの形をしたデジタルアセットと統合することを計画しています。

②Decentraland:バーチャル空間上の土地が高額で取引される

Decentraland:バーチャル空間上の土地が高額で取引される
(画像:Decentraland

Decentralandは、2015年にアルゼンチンでAri MeilichとEsteban Ordanoの2人の友人によって制作されたサービスです。このプラットフォームには、land parcelsと呼ばれるデジタル上の土地があり、その価格は13,000ドルからとなっています。このプラットフォームは2020年2月から一般公開されており、その後、土地区画の価格は指数関数的に上昇しています。メタバースプラットフォームの中では最も歴史が古いサービスです。

 

このプラットフォームでは、ユーザーがコンテンツやアプリを作成し、交流し、マネタイズすることができます。また、ユーザーはメタバース内の仮想的な土地の一部を購入することができ、その土地に建設をして収益化することができます。土地の供給は限られており、コミュニティのみがDecentraland DAOを用いて土地を作る権利を持っています。このプラットフォームを通じて、ユーザーはビルダーツールを使ってドラッグ&ドロップするだけで、独自の3Dモデルを作成することができます。

 

Decentralandは90,601の異なる区画で構成されたゲーム環境を提供し、それぞれがNFTで表現されています。ユーザーは、Decentralandの独自トークンMANAを使ってのみ購入することができます。土地の区画はOpenseaで取引することも可能です。

③The SandBox:ブロックチェーン上のオープンワールドNFTゲーム

The SandBox:ブロックチェーン上のオープンワールドNFTゲーム
(画像:The SandBox

The SandBoxは2012年にArthur MadridとSebastian Borgetによって設立されました。2018年にAnimocaブランドによって買収され、ゲームに3Dとブロックチェーンを導入しました。2021年11月には、The SandBoxのプラットフォームは完全にメタバースに移行しました。彼らは独自の暗号通貨を持っており、それはSANDと呼ばれています。不動産、エンターテインメント、金融、ゲーム、また香港の映画業界など、さまざまな業界の複数のパートナーと協力し、仮想の巨大都市を作り上げています

 

プレイヤーはイーサリアムのブロックチェーンでゲームを構築し、マネタイズすることができます。The SandBoxは165以上のブランドとパートナーシップを結んでいます。これは、バーチャルな世界に企業のキャラクターや製品を作成するためであり、実際に様々なキャラクターや製品がリリースされています。

④Roblox:ユーザー自身がゲームを作成できるプラットフォーム

Roblox:ユーザー自身がゲームを作成できるプラットフォーム
(画像:Roblox)

Robloxが他のメタバースプラットフォームと異なる点は、すべてのゲームがユーザーによって作られていることです。現在、このプラットフォームには、ユーザーによって公開された2,000万以上のゲームがあります。

 

Robloxは、無料でダウンロードできるサービスですが、プラットフォーム上のゲーム内でアイテム課金が存在します。スキンのようなアイテムや武器のアップグレードなどを購入することができます。たとえば、Adopt Me!というゲームでは、プレイヤーはペットを飼って、世話をすることができ、プレイヤーはペットを孵化させる卵を購入することができます。

 

Robloxは、Metaverse空間の強化を試みており、「空間ボイスチャット」を導入しました。これは、仮想空間上での会話をボイスチャット形式で行える機能です。

⑤ZEPETO:スマホで簡単に自分のアバターを作成

ZEPETO:スマホで簡単に自分のアバターを作成
(画像:ZEPETO)

ZEPETOは、韓国発の写真加工アプリ「SNOW」が運営しているモバイルチャットアプリで、ユーザーが3Dアバターとして様々な世界を作り、交流することができます。チャットベースの世界とゲームベースの世界があり、ユーザーは自身が作成した世界の公開範囲を全世界にするか友人だけにするかを決めることができます。

 

ディズニーやGUCCIやONE PIECEなどの有名ブランドやアニメなどとコラボレーションをしており、全世界の登録ユーザーは2億人を超えています。ユーザーは、アバターの顔をカスタマイズしたり、自分の写真をもとに自分そっくりのアバターを作成するなどして、自分の好きなアバターで仮想空間に参加することができます。

メタバースが注目を集める6つの理由

メタバースが注目を集める6つの理由

メタバースが注目を集める理由として以下の6つが挙げられます。

 

  • ①AppleやMetaなどのビックテックの本格参入・巨額投資
  • ②関連技術の大幅な進歩とデバイスの低価格化
  • ③コロナによるリモートコミュニケーションの普及
  • ④若年層を中心とするユーザー数の増加
  • ⑤仮想世界に対する人々の意識の変化
  • ⑥メタバース市場の成長性の高さ

 

それぞれについてわかりやすく紹介していきます。

①AppleやMetaなどのビックテックの本格参入・巨額投資

AppleやMetaなどのビックテックの本格参入・巨額投資
(画像:Meta)

1つ目の理由は、AppleやMetaなどのビッグテックが本格参入し、巨額の投資を行っていることです。例えば、Meta社は、2021年末にFacebookからMetaへ社名変更し、合わせて、メタバース領域に年間約1兆円規模の投資を行うことを発表しました。また、Appleは、2023年6月に、ゴーグル型XRヘッドセットデバイスであるApple Vision Proを発表するなどメタバース関連のデバイスの開発に力を注いでいます。

 

世界を代表するテック企業であるAppleやMeta社が多額の投資をしてまで、メタバースに注力していることは、メタバースには大きな可能性があるということを物語っています。

②関連技術の大幅な進歩とデバイスの低価格化

関連技術の大幅な進歩とデバイスの低価格化 oculus
(画像:Meta)

2つ目の理由は、メタバース関連技術の進歩です。メタバースは様々な領域のテクノロジーによって構成されているサービスですが、特に近年のテクノロジーの発展により体験価値が大きく向上しています。

 

具体的には通信技術の向上やコンピューターの処理性能の向上、メタバース向けデバイスの登場などが挙げられ、セカンドライフが登場した2000年代前半時点と比べると、メタバース空間内での体験をよりスムーズに、より没入感のある形で楽しむことができるようになりました。

 

このようにメタバースがオワコンであるといわれる理由の一つである通信速度の遅さという技術的な制約は、大幅に改善され、今後もさらに進化していくことが期待できます。

③コロナによるリモートコミュニケーションの普及

コロナによるリモートコミュニケーションの普及 horizon workrooms
(画像:Meta)

3つ目の理由は、コロナによるリモートコミュニケーションの普及です。コロナウイルス感染拡大の影響で、人々のコミュニケーションの機会が対面からリモートに移行し、プライベートはもちろん仕事上でのコミュニケーションも、SlackなどのチャットやZOOMなどのビデオ会話によって行われるのが当たり前の時代となりました。

 

デジタルを介したコミュニケーションの需要が拡大しているのはもちろん、人々が抵抗感なくデジタルコミュニケーションを利用するようになっているというのが非常に大きなポイントといえます。

④若年層を中心とするユーザー数の増加

4つ目の理由は、若年層を中心とするユーザー数の増加です。現在メタバースは、特にオンラインゲームでの用途を中心に若年層のユーザー数が急増しています。背景として、若年層は子供の頃から日常的にスマホを利用していること、コミュニケーションの手段としてSNSではなく、オンラインゲーム上のコミュニケーション機能を利用するシーンが増えていることなどが挙げられます。

 

ゲーム型メタバースの代表的なサービスとして挙げられる、フォートナイトが約5億人、ロブロックスが約2億人と圧倒的なユーザー数を誇ります。

 

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⑤仮想世界に対する人々の意識の変化

仮想世界に対する人々の意識の変化 VRChat
(画像:VRChat)

5つ目の理由は、仮想世界に対する人々の意識の変化です。かつては、仮想世界に時間を費やすのはおかしなことで、一部の変わった人がするものだという風潮がありました。

 

ところが、コロナのロックダウンで自宅に閉じ込められた結果、多くの人がフォートナイトやロブロックスなどの仮想世界のゲームに参加し、大いに楽しむようになりました。

 

ゲームだけでなく、バーチャルなイベントに参加したり、離れた場所にいる人と会話したりするためにメタバースを利用する人も増えたことで、仮想世界に対する人々の見方が変わり、かつてあったような偏見があまり見られなくなったと考えられます

⑥メタバース市場の成長性の高さ

メタバース市場の成長性の高さ

6つ目の理由は、メタバース市場の成長性の高さです。メタバース市場は国内・海外ともに今後大きな成長を見せると考えられています。

 

世界のメタバースの市場規模は2020年時点で約68兆円、2024年には約111兆円。日本国内のメタバースの市場規模は2021年度時点で約744億円、その後年率170%で成長し、2026年度には約1兆円にまで成長すると予想されています。

メタバースの今後

メタバースの今後

メタバース市場は、今はまだ黎明期にあり、2040年ごろにかけて「黎明期」「普及期」「定着期」の3つのフェーズを経て発展していくと考えられています。

➀黎明期(~2025年):一般ユーザーにメタバースの認知が広まる

現在〜2025年までのメタバース黎明期は、メタバースを構成する技術要素の進化と社会的なニーズの高まりを機に、多くの一般ユーザーがメタバースに興味を示し始めます。それに伴い多くの企業がメタバース市場への参入を始めます。

 

具体的には技術の発展により、VRデバイスの低価格や小型化が進み、一般ユーザーでも利用しやすいデバイスになること、新型コロナウイルスの流行により、リモートコミュニケーションの需要が高まることなどにより、メタバースが大きく発展する準備が整うフェーズといえます。

 

一方で、メインのユーザー層はVRゲームを目的とするコアユーザーであり、市場としてもデバイスやゲームタイトルが中心となっています。

②普及期(2025~2030年):メタバースが一気に人々の生活に普及

2025〜2030年のメタバース普及期は、要素技術の更なる発展と、メタバース上で提供されるサービスの充実により、メタバースが一気に人々の生活に普及し始めます。この頃にはVR/ARデバイスはかなり小型化・軽量化され、長時間装着することが可能になっており、現代におけるスマホのような感覚で、幅広い活動をメタバース上で行うようになっていきます。

 

人々がメタバースで過ごす時間が長くなるにつれ、メタバース空間上のデジタルアセット(アバターやアバターの洋服など)がより価値を持ったり、メタバース上のメディアやSNSの広告がより価値を持っていくと考えられます。

③定着期(2030年~):多くの人々が当たり前にメタバース空間で活動

2030年以降のメタバース定着期は、要素技術が一通り成熟し、人々がメタバース空間にアクセスする上での課題は解決され、老若男女問わず多くの人々が当たり前にメタバース空間で活動するようになると考えられています。

 

現代のスマホのように、あらゆる領域のサービスにアクセスするベースとなる存在に発展しており、消費者向けのサービスの充実はもちろん、多くの企業の業務プロセスにメタバースが取り込まれていくと考えられます。

 

具体的には、企業の教育研修がメタバースを通じて行われたり、製造業のバリューチェン全体がメタバース上に構築され、各種シミュレーションや現場の作業員のサポートにも活用されるなど、仕事でもメタバースを活用することがごく自然に行われるようになっていくでしょう。

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業界トップクラスの経験/スキルを有するクリエイター・エンジニア・コンサルタントから、最適なメンバーをアサイン。戦略立案から実行まで並走し、社内のリソース不足を解決します。

「課題や依頼内容が明確になっていない」、「社内で合意が取れていない」場合でも問題ございません。メタバース総研へのお問い合わせをお待ちしております。

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このナレッジの著者

メタバース総研 代表取締役社長

今泉 響介

株式会社メタバース総研(現・CREX)代表取締役社長。
慶應義塾大学経済学部卒業。学生起業した事業を売却後、日本企業の海外展開/マーケティングを支援する株式会社Rec Loc を創業・社長就任を経て、現職に。メタバースのビジネス活用に特化した国内最大級の読者数を誇るメディア「メタバース総研」の運営やメタバースに関するコンサルティング及び開発サービスの提供を行っている。著書に『はじめてのメタバースビジネス活用図鑑』(中央経済社)

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