メタバースを活用したイベント事例9選|3つのメリットも紹介

コロナウイルス感染拡大による行動制限の影響で、現実世界でのイベント開催が大きな制限を受けています。

 

そんななか、日本初のメタバースイベント「バーチャルマーケット」が来場者数のギネス記録を記録するなど、メタバース活用したイベントが注目を集めています。

また、実は既にサンリオや阪急阪神HDなど大手企業がイベントへのメタバースの活用を進めていることをご存知でしょうか?

 

そこで今回は、メタバースを活用したイベントの事例9選と3つのメリットを分かりやすくご紹介します。

本記事をお読みいただければ、メタバースをイベントに活用するためのヒントが得られるかと思いますので、ぜひ最後までご一読ください。


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メタバースをイベントに活用する3つのメリット

メタバースをイベントに活用する3つのメリット

メタバースをイベントに活用するメリットとして以下の3つが挙げられます。

 

  • ①幅広いユーザーを集客できる
  • ②メタバースならではの体験を届けることができる
  • ③多くのビジネスチャンスに繋がる

 

それぞれのメリットについて分かりやすく紹介していきます。

 

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①幅広いユーザーを集客できる

幅広いユーザーを集客できる HIKKY
(画像:HIKKY

メタバースを活用したイベントのメリットの1つとして、「いつでも、どこからでもアクセスしてもらえる」という点があります。従来のリアルな空間でのイベントでは、ターゲットとなる人が地理的に大きく制限されているため、一定程度ターゲットが密集している都心部など以外で施策を実施しづらいという課題がありました。そこで、メタバース上でイベントを行うことで、幅広い地域のターゲットにリーチすることが可能です。

 

また、メタバースを活用することで、従来若者世代との接点獲得に苦戦していた企業・商材のマーケティングを加速させることもできます。メタバースがデジタルネイティブの比較的若い世代から人気を集めていることや、人気のコンテンツなどとコラボしたりゲーミフィケーションを取り入れたプロモーション施策との相性が良いことから、若者世代の顧客獲得への打ち手としての活用が進んでいくことが考えられます。

②メタバースならではの体験を届けることができる

メタバースならではの体験を届けることができる VARK
(画像:VARK)

メタバースを活用したイベントでは、現実世界のイベントでは実現の難しい体験をユーザーに提供することができます。

 

バーチャル空間を自由に設計できるという特徴を活かし、非日常的なアトラクションやブースを設置したり、他ユーザーとの交流を楽しめるという特徴を活かし、遠隔地の友達と一緒にイベントに参加できるようにするといった体験が提供可能です。

③多くのビジネスチャンスに繋がる

メタバースを活用したイベントを開催/出展することで様々なビジネスチャンスを獲得することができます。

 

現実世界のイベントと同様、プロモーション・マーケティング効果が見込めることはもちろん、イベントへの入場券やデジタルコンテンツの販売など非常に収益性の高い新たなビジネスを展開することが可能です。

メタバースを活用したイベント事例9選

メタバースを活用したイベントとして以下の9つが挙げられます。

 

  • ①バーチャルマーケット:世界最大のメタバース上のイベント
  • ②NTTドコモ:アプリ「XRシティ」で有力IPとのコラボイベントを実現
  • ③サンリオバーチャルフェス:有名アーティストがメタバース上に集合
  • フォートナイト:米津玄師や星野源がバーチャルライブを開催
  • ⑤JM梅田ミュージックフェス:阪神阪急HDによるメタバース上での音楽フェス
  • ⑥VARK:メタバース上でのライブイベントプラットフォーム
  • ⑦NeoMe:ぴあによるVR上のバーチャルライブ向けの独自メタバースPF
  • ⑧Metaverse Music Festival:世界最大級のバーチャル音楽フェスティバル
  • ⑨日産自動車:VR chat上で新車発表・試乗会を開催

 

それぞれのイベントについて分かりやすく紹介していきます。

 

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①バーチャルマーケット:世界最大のメタバース上のイベント

バーチャルマーケット:世界最大のメタバース上のイベント
(画像:バーチャルマーケット)

バーチャルマーケット(VirtualMarket)とは、メタバース上で開催される世界最大規模のオンラインイベントです。

参加者はメタバース上の企業やクリエイターが出店しているブースにて、アバターなどの3Dデータ商品やリアルの商品(食品、PC、洋服など)を購入することができます。

 

同イベントには、Meta Questなどのヘッドマウントディスプレイはもちろん、PCやスマホのブラウザからでも簡単に参加が可能です。
同イベントは株式会社VR法人HIKKYによって2018年から開催されており、2022年夏の開催で8回目を迎えます。

 

株式会社HIKKYはVRイベント開催とVR開発エンジン提供の事業を展開する、日本を代表するメタバース/VR企業です。
2021年に開催されたバーチャルマーケット6では、73社の出店企業と100万人を超える来場者数を記録し、世界最大のVRイベントとして、ギネス世界記録にも認定されました。

②NTTドコモ:アプリ「XRシティ」で有力IPとのコラボイベントを実現

NTTドコモ:アプリ「XRシティ」で有力IPとのコラボイベントを実現
(画像:NTTドコモ)

NTTドコモは、スマートフォンを使ってデジタルとリアル世界を融合させた街遊びARサービス「XR City」を、2022年7月に提供開始しました。ユーザーは、サービス提供エリアで専用アプリの画面をかざすことでARコンテンツを楽しむことができます。このアプリリリースと合わせて、人気ゲーム「白猫プロジェクト」や人気映画「ソニック・ザ・ムービー」とのコラボイベントを開催しました。

 

既に人気のあるIPコンテンツとのコラボイベントによって、アプリの新規顧客との接点を増やし、魅力を伝えて継続的なサービスの利用につなげていく狙いがあると考えられます。

 

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③サンリオバーチャルフェス:有名アーティストがメタバース上に集合

サンリオバーチャルフェス:有名アーティストがメタバース上に集合
(画像:サンリオバーチャルフェス)

サンリオバーチャルフェストは、メタバース上で開催された、リアル/バーチャルのアーティスト総勢52組が集まったライブイベントです。

アーティストは、AKB48などのリアルアーティストから、Vtuber、VRChat上で活動するアーティストまで、幅広いジャンルのアーティストが一堂に会することで、大きな話題を呼びました。

 

この取り組みのポイントは、ユーザーが求めるものを実現するために、企業や団体の垣根を超えたコラボレーションを実現させた点です。このように、ユーザーを特定の企業やプラットフォームに囲い込もうとするWeb2.0的な発想とは違った取り組みが、今後のメタバース市場の盛り上がりに繋がっていくでしょう。

④フォートナイト:米津玄師や星野源がバーチャルライブを開催

フォートナイト:米津玄師や星野源がバーチャルライブを開催
(画像:フォートナイト)

米津玄師や星野源は、フォートナイト上でバーチャルライブを開催しました。

米津玄師は2020年に開催中であったライブツアー「米津玄師 2020 TOUR / HYPE」の中断等に伴いフォートナイトでの全世界同時バーチャルライブを開催し、世界中から様々なプレイヤーが参加しました。米津玄師は「STRAY SHEEP」のジャケットに描かれた羊のマスクを被った3DCGの姿で様々な場所に移動しながらパフォーマンスを披露しました。

 

星野源はフォートナイト内で開催されるバーチャルイベント「Soundwave Series」に参加して世界中のアーティストとともにバーチャルライブを披露しました。

 

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⑤JM梅田ミュージックフェス:阪神阪急HDによるメタバース上での音楽フェス

JM梅田ミュージックフェス:阪神阪急HDによるメタバース上での音楽フェス
(画像:阪神阪急HD)

大手関西私鉄である阪神阪急HDは、メタバース上での音楽フェスである「JM梅田ミュージックフェス」を開催しました。JM梅田ミュージックフェスは、阪急阪神HDが百貨店を含む大阪・梅田の街を忠実に再現したメタバース空間上で実施されるオンライン音楽祭です。

 

当イベントでは、メタ―バース空間となった大阪梅田を舞台に、VTuber等のバーチャルキャラクターによる音楽フェスが実施されました。アバターの姿で参加する来場者は、コンサートの参加、グッズ販売などのコンテンツが提供された他、バーチャルな梅田を高い没入感で体感できました。音楽フェスには30名を超えるVTuberなどのバーチャルアーティストが参加し、来場者数は8万人以上を記録する盛況となりました。

 

同社は、100年以上続けてきた「街づくり」のノウハウをメタバース領域でのビジネス展開に活用できるのではと考えています。

⑥VARK:メタバース上でのライブイベントプラットフォーム

VARK:メタバース上でのライブイベントプラットフォーム
(画像:VARK)

VARKは、メタバース上で現実と同じようにライブイベントを楽しむことができるアプリケーションです。決まった時間に開かれるイベントに誰でも参加でき、そのイベントに「いる」アーティストのライブを、一体感を感じながら楽しむことができます。目の前で歌う」「一瞬で世界が変わる」など、バーチャルの可能性をフルに活用し、最高の体験を提供することを目指します。

⑦NeoMe:ぴあによるVR上のバーチャルライブ向けの独自メタバースPF

NeoMe:ぴあによるVR上のバーチャルライブ向けの独自メタバースPF
(画像:ぴあ)

ぴあ株式会社は、バーチャルライブプラットフォーム「NeoMe」(ネオミー)をスマートフォンアプリのサービスとして提供開始しました。「NeoMe」は、ユーザーがアバターとなってバーチャル空間に入り、バーチャルライブを中心に、ユーザー同士の交流やアバターのコーディネートを楽しむことができるスマートフォンアプリです。

 

ぴあは、「NeoMe」を通じて、次世代を担う若手パフォーマーに対して、バーチャルを起点とした新たな表現や活動の場を提供しています。ユーザーやファンは、同じ趣味の人とつながる場を提供し、パフォーマーとユーザーの新たなコミュニティづくりを支援します。

 

バーチャルライブの第1弾となる「NeoMe Live Vol.1」には、ヤバイTシャツ屋さんが出演しました。

 

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Metaverse Music Festival:世界最大級のバーチャル音楽フェスティバル

Metaverse Music Festival:世界最大級のバーチャル音楽フェスティバル
(画像:Meta Tokyo)

メタバースプラットフォームDecentralandにて世界最大級のバーチャル音楽フェスティバル「Metaverse Music Festival」が開催され、海外のアーティストから国内のバーチャル界隈で活動するアーティストら約150名が参加しました。Decentralandとはメタバースとブロックチェーン技術の融合によってできたVR空間のプラットフォームであり、将来性のあるコンテンツとして期待されています。

 

このイベントでは、メインステージに加え合計15ステージの様々なコンセプトのライブを楽しむことができます。唯一の日本ステージである「MetaTokyoエリア」には特設ビジョンが設けられ、日本のアーティストのコンテンツを上映することで、世界に向けて日本のカルチャー、エンターテイメントが発信されました。

⑨日産自動車:VR chat上で新車発表・試乗会を開催

日産自動車:VR chat上で新車発表・試乗会を開催
(画像:日産自動車)

日産自動車はメタバース上で、新型軽電気自動車「日産サクラ」の発表・試乗会を開催しました。イベントは参加者は世界最大のVR上のメタバースSNSプラットフォーム「VRChat」で開催されました。

 

発表会では日産副社長のアバターが登場し、ボイスレターが再生されました。また、試乗会では日本の四季を感じられるドライブコースでバーチャルなサクラを運転することができます。自分で運転席に座って運転したり、後部座席に座ってみたりと、現実の試乗さながらの体験ができ、新車の特徴を確認することができます。VRメタバース上での試乗は通常の試乗とは違い、書類での手続きなども不要で、いつでもどこからでも体験可能なのが強みです。

 

今回の取り組みにより、販売スタッフのアバター操作経験不足やリアルな商品を仮想空間上でプロモーションする難しさなどが明らかになったとのことです。このような試験的な取り組みを重ねるなかで、将来的に製品のプロモーションチャネルとしてメタバースイベントが本格的に活用できるユースケースが確立されていくことが期待されます。

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このナレッジの著者

メタバース総研 代表取締役社長

今泉 響介

株式会社メタバース総研(現・CREX)代表取締役社長。
慶應義塾大学経済学部卒業。学生起業した事業を売却後、日本企業の海外展開/マーケティングを支援する株式会社Rec Loc を創業・社長就任を経て、現職に。メタバースのビジネス活用に特化した国内最大級の読者数を誇るメディア「メタバース総研」の運営やメタバースに関するコンサルティング及び開発サービスの提供を行っている。著書に『はじめてのメタバースビジネス活用図鑑』(中央経済社)

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