【全85事例】国内外のメタバース関連企業・参入企業総まとめ
MetaのXRヘッドセットのQuestシリーズが累計販売台数2,000万台を突破し、Appleも初のXRデバイスの発売を発表するなど、近年メタバースのビジネス活用への注目は、より一層高まっています。
MetaやAppleなどのビッグテック企業の動向に注目が集まりがちなメタバースですが、他にも優れたサービスやプラットフォームを提供する企業が数多く存在します。
そこで今回は、国内外の主要なメタバース関連企業・参入企業の事例を分かりやすくご紹介します。
本記事は、以下のような方におすすめの記事となっています。
- 企業によるメタバースの活用事例をできるだけ多く知りたい
- 国内外の主要なメタバース関連企業を一通り抑えておきたい
- メタバース活用に当たり、検討や開発を支援してくれる会社を探している
本記事さえ読めば、メタバース活用を検討する上で、必須となる情報を一気にキャッチアップできる内容となっておりますので、ぜひ最後までご一読ください。
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目次
- 【業界別】メタバース活用を進める企業48社
- ①小売:PepsiCo、ローソン、ニトリ
- ②アパレル:BEAMS、バレンシアガ、アダストリア
- ③日用品:PRADA、資生堂、ZOZO
- ④飲食:マクドナルド、ドミノピザ、モスバーガー
- ⑤観光・ホテル:マリオット、ANA、大日本印刷
- ⑥エンタメ:フォートナイト、ソニーミュージック、エイベックス
- ⑦スポーツ・フィットネス:マンチェスターシティ、Black Box VR、KDDI
- ⑧教育:スタンフォード大学、Labstar、角川ドワンゴ学園
- ⑨広告:Snapchat、博報堂、サイバーエージェント
- ⑩不動産・まちづくり:The Alexander Team、大和ハウス、トヨタ自動車
- ⑪医療・ヘルスケア:NeuroSync、メディカロイド、comatsuna
- ⑫金融・保険:JPモルガン、みずほ銀行、東京海上日動
- ⑬製造:NVIDIA、ダイキン、旭化成
- ⑭物流:Amazon、JR東日本
- ⑮建設・建築:鹿島建設、奥村組
- ⑯エネルギー
- ⑰公共機関・自治体
- 【業種別】メタバースサービス運営・開発を行う日本企業37社
- ①企業向けメタバースコンサル会社2社
- ②企業向けメタバース開発会社10社
- ③企業向けメタバースソリューション提供会社9社
- ④消費者向けメタバースプラットフォーム運営会社9社
- ⑤消費者向けメタバースコンテンツ提供会社7社
- 費用対効果・実現性が高いメタバース活用方法
【業界別】メタバース活用を進める企業48社
業界別の注目を集める活用事例48選は以下の通りです。
- ①小売:PepsiCo、ローソン、ニトリ
- PepsiCo:流通センターの効率化とコスト削減
- ローソン:アバター接客スタッフを募集
- ニトリ:家具や設置場所を測定しサイズ違いの不安を解消
- ②アパレル:BEAMS、バレンシアガ、アダストリア
- BEAMS:メタバースイベントへの出展を通じリアル店舗への送客も
- バレンシアガ:Fortnite上でバーチャルファッションアイテムを販売
- アダストリア:メタバースイベント来場者にアバター用の洋服を提供
- ③日用品:PRADA、資生堂、ZOZO
- PRADA:香水のプロモーションにバーチャルモデル「Candy」を起用
- 資生堂:ARで複数の化粧品を組み合わせて自分の顔で試せる機能
- ZOZO:ARメイクで自分の顔で化粧品を試せる機能
- ④飲食:マクドナルド、ドミノピザ、モスバーガー
- マクドナルド:限定ゲームを楽しめる段ボール製のVRゴーグルを提供
- ドミノピザ:チーズの名産地を巡る旅をARで提供
- モスバーガー:仮想店舗をオープンし、ハンバーガーづくり体験会を開催
- ⑤観光・ホテル:マリオット、ANA、大日本印刷
- マリオット:デジテルツインを活用したバーチャルホテル
- ANA:バーチャル旅行プラットフォーム設立を目指す
- 大日本印刷:「バーチャル秋葉原」をオープン
- ⑥エンタメ
- ⑦スポーツ・フィットネス
- マンチェスターシティ:VR空間上にスタジアムを再現
- Black Box VR:VRを活用した体験型フィットネスジム
- KDDI:VR上で熱狂しながらサッカー日本代表戦を観戦
- ⑧教育
- スタンフォード大学:メタバース上での講義を実施
- Labstar:メタバース上で理科実験ができる世界最大のプラットフォーム
- 角川ドワンゴ学園:メタバースを活用した授業を実施
- ⑨広告
- Snapchat:世界最大のARSNS上で広告を配信
- 博報堂:国内初メタバース内の広告枠の販売を開始
- サイバーエージェント:メタバース上での店舗開発に特化の子会社設立
- ⑩不動産・まちづくり
- The Alexander Team:メタバース内で不動産を売買できるコミュニティをローンチ
- 大和ハウス:メタバース上の住宅展示場を自由に見学
- トヨタ自動車:スマートシティ「WovenCity」を開発中
- ⑪医療・ヘルスケア
- NeuroSync:脳の機能障害を診断するVR機器を開発
- メディカロイド:MRを活用した手術支援ロボの操作
- comatsuna:アバターを介した対話によるメンタルケアサービスを提供
- ⑫金融・保険
- JPモルガン:Decentraland上に仮想店舗を開設
- みずほ銀行:メタバース上に店舗を開設し、決済機能提供などを検討
- 東京海上日動:大災害の予測にデジタルツインを活用
- ⑬製造
- NVIDIA:業務効率化向けのメタバース構築プラットフォームを提供
- ダイキン:メタバースを活用し製造ラインのロスを削減へ
- 旭化成:人手不足の解消と技術継承にメタバースを活用
- ⑭物流
- Amazon:デジタルツインを活用し倉庫の配送オペレーションを最適化
- JR東日本:VRを活用した体験型の安全研修システムを導入
- ⑮建設・建築
- 鹿島建設:建築の全フェーズでデジタルツインを実現
- 奥村組:メタバース上で設計・施工のシミュレーション
- ⑯エネルギー
- 英国原子力公社:原子力発電設備の設計と製造の効率化
- Siemens Energy:発電施設の保守管理の効率化により大幅なコスト削減
- ⑰公共機関・自治体
- シンガポール:世界初 国全体をデジタルツイン化
- 国交省:デジタルツイン構築により都市づくりのDXを推進
- 手塚プロダクション×鳥取県:地域還元型のメタバースゲーム
それぞれの事例を分かりやすく紹介していきます。
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①小売:PepsiCo、ローソン、ニトリ
PepsiCo:流通センターの効率化とコスト削減
PepsiCoは、流通センターの効率化とエネルギー消費量の削減にNVIDIA Omniverseを活用しています。
AIを活用したデジタルツインを構築し、機械と作業員の作業を最適化することで、ダウンタイムとエネルギー消費量を減らすことに成功しています。
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ローソン:アバター接客スタッフを募集
ローソンは2022年11月にオープンする新店舗「グリーンローソン」に設置されるアバターをリモートで操作するアルバイトスタッフを10〜30人募集すると発表しました。アルバイトスタッフは遠隔地からアバターをPCで操作し、身振り手振りを交えた会話を通じて、接客や販促活動を行います。時給は1100〜2200円で、将来的には在宅勤務を可能にすることも検討されています。2025年には全国のローソンに勤務するアバター接客スタッフを1000人の育成を目指すとのことです。
ニトリ:家具や設置場所を測定しサイズ違いの不安を解消
ニトリは公式アプリ上で、家具やそれらの設置場所のサイズをスマホのAR機能を使って計測できるサービスを提供しています。顧客はこのサービスを活用することで、家具や家電を選ぶ際に重要なサイズの計測が簡単にできるようになり、サイズ違いの心配をすることなく家具をECで購入できるようになりました。
顧客は公式アプリを起動した状態でスマホカメラで家具や設置場所を撮影すると、大きさなどが記載された画像が生成され、その画像は編集・保存ができメモとしても活用できます。
②アパレル:BEAMS、バレンシアガ、アダストリア
BEAMS:メタバースイベントへの出展を通じリアル店舗への送客も
ファッション大手であるビームスはメタバース領域への参入を果たしています。具体的な取り組みとしては、世界最大のVRイベントである「バーチャルマーケット」に4度出展を行っています。バーチャルマーケットとはメタバース上にある会場で、アバターなどのさまざまな 3D アイテムや、リアル商品(洋服、PC、飲食物など)を売り買いでき、日本はもとより世界中から100万人を超える来場者を誇る世界最大のVRイベントです。
バーチャルマーケットでは、アバター用の洋服であるデジタルアイテムの販売やライブなどのイベントの開催が行われました。アバター用の洋服であるデジタルアイテムは、ビームスの2022年の秋冬商品を3Dモデルに起こした、Tシャツやワンピースなどの全7種類が販売されました。また、ライブでは池田エライザさんがバーチャルライブを開催し、メタバースに着想を得た新曲の発表も行われました。一方でリアルでの商品販売も行われ、バーチャルマーケットの出展を記念したリアルな洋服の商品もビームスの公式オンラインショップにて販売されました。4度目の参加の際には、関西のショップスタッフも含む約50名の社員が交代でバーチャル接客にあたり、メタバース上での接客を通じてリアル店舗への来客に繋がっている事例も生まれてきているとのことです。
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バレンシアガ:Fortnite上でバーチャルファッションアイテムを販売
ラグジュアリーブランドのバレンシアガは人気オンラインゲームであり、近年メタバース化が進みつつある「フォートナイト」とコラボレーションを行いました。バレンシアガがゲーム用のデジタルファッションアイテムを制作し、同様のデザインのリアルのアイテムをバレンシアガの一部店舗やオンラインショップにて販売しました。リアルのアイテムの価格や約5万~17万円ほどでした。
フォートナイトのゲーム内では、バレンシアガの仮設店舗をオープンし、ウェアやスキンを取りそろえました。それらのアイテムはバレンシアガの2020~2021年のコレクションアイテムをスキャンし3Dモデル化して制作されています。また他にも、ゲーム内にバレンシアガが2021年秋コレクションのために制作したオンラインゲーム「アフターワールド:ザ・エージ・オブ・トゥモロー」に着想を得たエリアを特設するなど、ユーザーが楽しみながらバレンシアガのブランドに触れられる取り組みが行われました。
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アダストリア:メタバースイベント来場者にアバター用の洋服を提供
ファッション大手であるアダストリアはメタバース領域への参入を果たしています。具体的な取り組みとしては、阪急阪神ホールディングス主催の「JM梅田ミュージックフェス2022 SUMMER」にて、アダストリア参加のブランドである「レイジ―ブルー」と「ハレ」のアイテムをアバター用の洋服として来場者に無料で提供しました。これらのアバターアイテムの作成にあたり、洋服の質感やデザインの再現性を高めるとデータ容量が重くなってしまうという問題があり、バランスを調整しながら作成が行われました。
同社のメタバース領域への参入の狙いとしては、「デジタルの顧客接点・サービスを広げる」という成長戦略の実現に向け、メタバースの世界でもファッションを楽しむきっかけをつくることとのこと。同社は将来的に、様々なメタバースプラットフォームへの展開、メタバース内でのコンテンツ提供、イベント開催なども予定しています。
③日用品:PRADA、資生堂、ZOZO
PRADA:香水のプロモーションにバーチャルモデル「Candy」を起用
PRADAは、ReThink Realityキャンペーンで「Prada Candyフレグランス」をリニューアルするために、ブランド初のバーチャルモデルの「キャンディ」を発表しました。香水にちなんで名付けられたこのバーチャルモデルは、従来のセレブリティやインフルエンサーのマーケティング戦略に代わり、テクノロジーに敏感なZ世代をよりターゲットにするためのものです。
現在、ロレアルのライセンスを受けたこのブランドは、バーチャルモデルを使用して、若い消費者とのデジタル交流を活性化し、バーチャルインフルエンスの未来への探求を促しています。バーチャルモデルの「キャンディ」は、ラグジュアリーブランドが自らのデジタルストーリーを主導するための社内バーチャルモデルとしても活躍しています。「キャンディ」は、一見すると物理的なモデルと見間違うほどです。
資生堂:ARで複数の化粧品を組み合わせて自分の顔で試せる機能
資生堂は、自社の総合美容サイト「ワタシプラス」内でARを活用したメイクのシミュレーション機能を導入しました。
様々なブランドのアイシャドウを組み合わせてシミュレーションすることができ、手持ちの商品との相性なども、店舗を訪れずに手軽に確認できます。
ZOZO:ARメイクで自分の顔で化粧品を試せる機能
ZOZOTOWNはZOZOTOWN上のコスメ専門モール「ZOZOCOSME」でバーチャルにメイクアップアイテムを試せる新機能「ARメイク」を提供しています。
ZOZOTOWNの「ARメイク」機能は、商品詳細ページからワンタップで起動し、簡単な操作で顔にメイクを施すシミュレーションを行うことができます。
「ARメイク」機能では、メイクの濃淡を調整したり、メイクのオンオフを切り替えることができ、実際にコスメアイテムを使用した際の色や質感を容易に想像することができます。また、「ARメイク」画面下部の「カートに入れる」ボタンから直接商品の購入に進むことができます。
④飲食:マクドナルド、ドミノピザ、モスバーガー
マクドナルド:限定ゲームを楽しめる段ボール製のVRゴーグルを提供
スウェーデンのマクドナルドは、ハッピーセット販売30周年を記念して、ダンボール製のVRゴーグル「Happy Goggles」をハッピーセットのおまけとして販売しました。
Googleが開発したダンボール製の本体に手持ちのスマートフォンと組み合わせることで完成するヘッドマウントディスプレイ「Google Cardboard」と同じ仕組みで、ボックスを解体して組み立て、中にスマートフォンを入れれば、メタバース上でスキーのゲームを楽しむことができます。詳細は下記の動画をご確認ください。
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ドミノピザ:チーズの名産地を巡る旅をARで提供
ドミノピザ社は、AR上で世界のチーズをめぐる旅を体験してもらいながら、チーズピザの購買に繋げるというプロモーションを行いました。
チラシや特設サイトからARカメラ起動ページにアクセスすると、目の前に地球儀が登場し、世界中のチーズの名産地が表示されます。ユーザーは各産地のチーズの特徴や楽しみ方を確認することができました。
モスバーガー:仮想店舗をオープンし、ハンバーガーづくり体験会を開催
モスバーガーは。世界最大のSNSメタバースプラットフォーム「VRChat」上に仮想店舗をオープンしました。
この取り組みは、モスバーガー初となる“月見”商品「月見フォカッチャ」に合わせたもので、仮想店舗は月面上に設置されており、VRゴーグルを持っていれば誰でも自由にアクセス可能です。
また、3日間の期間限定で、都内3店舗でVRゴーグルの貸出・メタバース上でのハンバーガー作りの体験会も開催されました。
⑤観光・ホテル:マリオット、ANA、大日本印刷
マリオット:デジテルツインを活用したバーチャルホテル
世界最大規模のホテルチェーンマリオットは、メタバースに参入しています。マドリッド マリオット オーディトリアム ホテルは、メタバースにカンファレンス センターを含むデジタルツインを導入し、ホテルやカンファレンスセンターをメタバース内に再現しています。ゲストはホテルへの宿泊を検討する際に、PCとヘッドセットを用いて利用することができ、ヘッドセットを通して施設内を歩き回って見学することができます。
マドリッドマリオットの最大のセールスポイントは、ホテルとイベント施設が 1 つの建物内にあることです。メタバースを利用することで、ホテルのレイアウトをアピールするために現地で説明することが不要となり、コスト削減が図れます。さらに、ホテルの情報を発信するためにメタバースを活用することは、利用者にとってWebサイトよりも実際の現場を理解しやすく、集客に効果的です。
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ANA:バーチャル旅行プラットフォーム設立を目指す
ANAホールディングスは、2022年5月に新会社「ANA NEO」の設立を発表しました。同社は、インターネット上の仮想空間で様々なアトラクションを体験できる「バーチャル旅行プラットフォーム」SKY WHALEの設立・運営を担当する予定です。2022年内のサービス開始を目指しています。
ANAホールディングスでは、アバターロボット「newme」を用いた遠隔案内などの実証実験を行っていますが、ANA NEOでは、ANAグループが航空会社として培ってきた知見や「newme」が提供する各種サービスを活用し、ビジネスモデルのデジタル化を推進します。仮想空間での地域コミュニティによる経済発展や社会課題の解決を促進することで、生活者に新たな価値の創造を目指すとのことです。
同社がリリース予定のSKY WHALEは、「Skyパーク」「Skyモール」「Skyビレッジ」という3つのサービスで構成されています。
「Skyパーク」はバーチャル旅行テーマパークであり、3次元CGで描かれた世界のさまざまな都市や景勝地で、誰もが気軽に楽しめる新しい旅行体験をお客様に提供します。
「Skyモール」では、ご家族やご友人と自由にモール内を回遊し、お買い物や各種イベントを楽しむことができます。スカイモールは、ANAグループならではの品揃えを世界中のお客様のお手元にお届けする越境ECサービスで、偶然の出会いの楽しさや利便性を提供し、地域振興や地産外商の促進を図ります。
「Skyビレッジ」ではバーチャルにおけるスマートシティの実現を目指して、バーチャル上での医療・教育・行政などのサービス展開を予定しているとのことです。
大日本印刷:「バーチャル秋葉原」をオープン
大日本印刷とAKIBA観光協議会は、現実世界と仮想世界を融合させた地域共創型XR街づくりプロジェクトとして、2022年4月に「バーチャル秋葉原」をオープンしました。生活者は、PC用アプリケーションやVRゴーグル、Webブラウザなどを通じて、世界のどこからでもいつでも秋葉原の魅力を楽しむことができます。仮想空間には、ショッピングができる店舗やギャラリースペース、広告看板などが設置されており、コンテンツホルダーをはじめとする様々な企業が、情報発信や販促活動を行う「第3のチャネル」として利用することができます。
秋葉原の特徴である商標の看板等も地元企業の協力のもと、バーチャルリアリティ上で再現します。一部のバーチャル店舗の中には、商品などを展示するスペースがあり、ECサイトへ誘導して購入に繋げることができます。
バーチャル秋葉原は、ユーザーの分身であるアバターが集まり、動画視聴や商品購入、バーチャルゲームへの参加などを同時に行うことができる空間です。現実の特性を踏まえ、企業はコンテンツを提供・実施するだけでバーチャル秋葉原の世界に参加できます。
また、クリエイターが同一IPの二次創作を行い、スペース内で展示・販売できるよう、新たなビジネススキームを準備しています。コンテンツはNFTで管理し、クリエイティブビジネスの健全な循環を実現するとのことです。
⑥エンタメ:フォートナイト、ソニーミュージック、エイベックス
フォートナイト:トラヴィス・スコットがバーチャルライブで記録的集客
アメリカの人気ラッパートラヴィス・スコットは2020年、メタバースゲーム「Fortite」上でバーチャルライブを開催しました。楽曲ごとにフィールドが変化し、巨大なトラヴィスが登場するなど、10分弱のライブながらバーチャル空間ならではの演出が盛り込まれました。ユーザーはFortnite内のアバターを操作し、まるで実際に参加しているかのようにライブを楽しむことができます。
同時接続数はライブイベント史上最多の1230万人、グッズ販売を含めた売上は2000万ドル以上と、記録的な数字を残しました。比較として、トラヴィスが前年に行ったツアーは56公演の合計で売上5350万ドルとなっており、バーチャルライブの集客力、収益性の高さを示す代表的事例となっています。
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ソニーミュージック:最先端のXRライブプロジェクトを実施
株式会社ソニー・ミュージックレーベルズは新たな仮想空間プロジェクト「ReVers3:x(リバースクロス)」の始動を発表しています。「ReVers3:x」では独自に制作した仮想空間を舞台に様々なアーティストのライブを楽しむことができるショートライブプロジェクトです。「ReVers3:x」の第1弾として、ラッパーのKEIJUのライブが配信されました。仮想空間上に作られた東京のストリートに設置されたステージ上にはデジタルアーティストによるアートも配置され、音楽のみならず、空間としても楽しめるコンテンツとなっています。
エイベックス:The Sandbox上にエイベックスランドを開設
エイベックス・テクノロジーズは、The Sandboxとパートナーシップ体制を構築し、アーティストとファンが仮想空間上で交流できるテーマパーク「エイベックスランド(仮称)」をオープンすると発表しました。エイベックスランド(仮称)は2022年度中に、「The Sandbox(ザ・サンドボックス)」内にオープンする予定で、アーティストのライブ配信やファンミーティングの実施、NFTアイテムの販売などが検討されています。
これらに先駆けて、ピコ太郎さんや浜崎あゆみさんに関連するNFTアイテムなどをセットにしたプレミアムLANDを2022年3月3日に販売しました。
⑦スポーツ・フィットネス:マンチェスターシティ、Black Box VR、KDDI
マンチェスターシティ:VR空間上にスタジアムを再現
英国のプロサッカークラブであるマンチェスターシティが、ソニー株式会社と協力し、ホームスタジアムであるエティハドスタジアムの仮想バージョンをVR空間上に構築しました。ファンは自由にカスタマイズ可能なアバターの姿でこのVR空間を訪れることで、選手やチームを身近に感じながら、ファン同士での交流を図ることができます。
今回の取り組みには、ソニーのソニーの画像解析技術やセンシング技術に加え、ソニーのグループ会社であるホークアイのエレクトロニックパフォーマンストラッキングシステムが活用される。これらの技術により、VR上に全選手の位置や骨格の動きレベルでのプレーの様子が、精度高く再現されます。
マンチェスターシティとソニーはこの取り組みを通じて、バーチャルを融合した新たなスポーツエンターテイメントの構築と、特定のチームの選手やファンだけでなく、リーグ全体のファンの繋がりの創出を実現したいとしています。
Black Box VR:VRを活用した体験型フィットネスジム
Black Box VRは、カリフォルニア州やアリゾナ州などで展開されているVRを活用した体験型フィットネスジムです。
ジムの会員はVRヘッドセットを着用し、オリジナルのVRゲームを楽しみながらフィットネスを行います。1バトルは30分となっており、プレイヤーの動きがゲーム内に反映され相手への攻撃に繋がります。
また、トレーニングを続けていくことで、利用できるキャラクターの種類が増えたり、レベルが上昇するなどやり込み要素を備えています。
さらに、トレーニングを経て収集された各種データは専用のアプリから確認できるとのことです。
KDDI:VR上で熱狂しながらサッカー日本代表戦を観戦
KDDIは、VR上でのサッカー日本代表戦のパブリックビューイングを開催しました。このイベントは、日本最大のVRプラットフォームであるCluster上で開催されました。参加者はサッカー日本代表のユニフォームを着たアバターの姿で、試合の中継スクリーンの前に集まり、ファンが一体となって応援しながら観戦したり、有名YouTuberのトークイベントを楽しんだりすることができました。
このイベントの目的は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、リアルでの観戦や応援が制限を受けるなか、サポーターが一体となり熱狂しながらサッカー観戦が行える環境を提供したいというものです。
VR上でのサッカー日本代表戦のパブリックビューイングイベントは、3試合で延べ約3万人を集めるほどの盛況ぶりだったそうです。また、3試合の来場者の約8割の方が、日本代表戦を初めて観戦した方となっており、サッカー日本代表のファン層拡大に繋がったとのことです。
⑧教育:スタンフォード大学、Labstar、角川ドワンゴ学園
スタンフォード大学:メタバース上での講義を実施
スタンフォード大学は、Meta(旧Facebook)が開発した「Virtual People」というVRを活用した教育カリキュラムを導入しました。2021年から始まったこのプログラムには数百人の学生が参加し、年間約150日間の授業がVR空間内で行われています。学生は同社製のVRヘッドセット「Oculus Quest 2」を使い、ほぼ全ての内容をVR上で学習しています。
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Labstar:メタバース上で理科実験ができる世界最大のプラットフォーム
Labstarは、VR上で最先端の様々な理科実験を低コストで実施できるプラットフォームです。通常高度な理科実験は設備や費用、安全性などの関係から実施が限られることが多い一方で、こちらのプラットフォーム上ではバーチャルに再現することで、いつでもどこからでも低コストで実施することが可能です。
このメリットから多くの高校や大学に導入され、500万人以上の学生がこちらのプラットフォーム上で学習を進めています。
角川ドワンゴ学園:メタバースを活用した授業を実施
IT企業ドワンゴの運営する通信制高校である角川ドワンゴ学園の普通科では、2021年4月からVRによる授業が導入されています。VR内で学習できるようにVRヘッドセットを配布し、同校で販売されている教材の大半はVRに対応しています。これまで紙の読み書きを覚えることが中心だった授業が、3D教材や史跡に触れるなど、疑似体験に重点を置いた授業に変わりました。
⑨広告:Snapchat、博報堂、サイバーエージェント
Snapchat:世界最大のARSNS上で広告を配信
Snapchat上でのAR広告は様々な業界の大手企業により活用されています。
Snapchatとは、ARを活用した画像・動画投稿が楽しめるSNSで、10~20代の若者を中心に人気を集めており、米国を中心に3億人を超えるアクティブユーザーを抱えています。
Snapchatの広告を活用する企業の例として、DiorやGUCCI、PRADAなどが挙げられます。
Snapchatを活用したプロモーションは、他のSNSでの広告と比べ、立体的なコンテンツで訴求できる点やゲーミフィケーションを取り入れられる点などが特徴であり、注目を集めています。
博報堂:国内初メタバース内の広告枠の販売を開始
博報堂は国内企業としては初となる、メタバース空間内の広告枠の販売事業を開始しました。博報堂傘下のデジタル・アドバタイジング・コンソーシアム(DAC)社は、デイリーアクティブユーザー約5000万人を誇る、世界最大級のゲーム型メタバース「Roblox(ロブロックス)」内での広告枠の販売を開始しました。広告主はRoblox内の建物や看板に画像や動画の広告を掲載することが可能です。広告費用は場所やサイズによるものの、2週間の掲載枠が80万円~とのことです。
サイバーエージェント:メタバース上での店舗開発に特化の子会社設立
サイバーエージェントは、バーチャル店舗開発に特化した子会社「株式会社CyberMetaverse Productions」を設立しました。同社はメタバース空間におけるバーチャル店舗のあり方を確立し、NFTを活用したデジタルコンテンツ制作や独自の暗号資産の発行支援まで一貫した支援を行うとのことです。
具体的には、小売・アパレル等の業種の企業向けにメタバース上の店舗におけるアバター接客サービスなどを提供し、顧客の購買意欲促進に貢献しています。
同社は体制強化のため2023年までに、Unreal EngineやUnityエンジニア、CGアーティストを中心に100名の新規採用を予定しています。
⑩不動産・まちづくり:The Alexander Team、大和ハウス、トヨタ自動車
The Alexander Team:メタバース上で不動産を売買できるコミュニティをローンチ
米国の不動産会社The Alexander Teamは2022年、メタバース不動産開発会社Everyrealmと共同で、メタバース上でアーキテクチャの売買ができるコミュニティ「The Raw」をローンチしました。
著名なアーティスト達が作った作品がNFTとして売り出され、招待制で選ばれたメンバーが購入することができます。
実際にメタバースで生活している人口はまだ少ないなか、実用性より作品性の高い建築がメタバースで展開され、感度の高いファンに購入されているようです。
リアルと違い物理的な制約や資源の消費がないため、より先鋭的で大規模な建築を作れると考えられます。
⇒関連サービス:メタバース総研の不動産・ホテル業界向けメタバース活用支援サービスはこちら
大和ハウス:メタバース上の住宅展示場を自由に見学
大和ハウスはアバターを用いて担当者と見学者がコミュニケーションを図りながら仮想空間上の住宅展示場を自由に見学できる「VR住宅展示場」を公開しました。ユーザーはスマホやタブレット・PCからVRにアクセスでき、最大6名の見学者とともに担当者にリアルタイムに質問や相談を実施することが可能です。
VR上にある住宅展示場という特徴を活かし地面から屋根の上までさまざまな角度から見学できることに加え、室内では子どもやペットなどの視点でも見学が可能です。また、見学者が床や壁紙・天井等の色や素材、インテリアなどを瞬時に切り替えて、イメージを検討することもできます。今後、対応する住宅商品ラインナップを拡充していく方針とのことです。
トヨタ自動車:スマートシティ「WovenCity」を開発中
トヨタ自動車は、自動運転やMaaS、ロボット物流などの様々な技術・サービスの実証実験を行うスマートシティである「Woven City」を静岡県裾野市の自社工場跡地に建設しています。
WovenCityでは、地上に自動運転車用、人と小型モビリティ用、歩行者用の3種類、地下には自動運転車などによる物流の道路が開通する予定です。
また、WovenCityは「人中心」、「実証実験」、「未完成」をコンセプトとしており、実際に人が住む環境下で、モビリティ・エネルギー・IoTなどの12領域での多数のサービスの実証実験が行われる予定です。
これらの実証実験は「ソフトウェアファースト」の考え方がベースとなっており、リアルの世界での建物や設備を建設する前に、バーチャルの世界でのシミュレーションやソフトウェア開発を先行させ、仮説検証の効率を高める狙いがあります。
⑪医療・ヘルスケア:NeuroSync、メディカロイド、comatsuna
NeuroSync:脳の機能障害を診断するVR機器を開発
米国のスタートアップNeuroSyncは、脳の機能障害を診断するVR機器を開発し、実用化しています。患者にVR機器を装着してもらい、60秒間の視線トラッキングをすることにより脳震とうなどが起きていないか判断できるとのこと。正式に医療機器としてFDA(米食品医薬品局)の承認も下りています。
主にバスケットボールなどのスポーツ選手が、プレー中の衝突などで脳にダメージが発生していないか、診断のために活用しているとのことです。
従来の診断方法よりも患者への負担が小さく、短時間で診断が完了することで、今後さらに普及していくと考えられています。
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メディカロイド:MRを活用した手術支援ロボの操作
2020年、川崎重工業とシスメックスの合弁会社であるメディカロイド社が初の国産遠隔手術支援ロボットである「hinotori」を実用化しました。同年12月に前立腺がん手術の1例目が行われ、その後も実績を積み上げています。
Hitonoriは4本のロボットアーム、内視鏡カメラ、手術器具を搭載した手術ユニットで構成されており、医師は3D画像を見ながら、内視鏡カメラと手術器具を搭載したアームをコントローラーで遠隔操作します。
手術支援ロボットを活用した手術は患者側、医師側双方に多く存在します。患者側のメリットとしては手術の出血や手術後の少なさ、感染症のリスクの低さなどが挙げられ、医師側のメリットとしては直観的な操作が可能、手術部位を拡大して確認できる、手の震えが伝わらないなどのメリットが挙げられます。
comatsuna:アバターを介した対話によるメンタルケアサービスを提供
デジタルヘルスケア・産業保健事業を手がけるcomatsuna社は先ごろ、メタバースを活用した法人向け社員メンタル支援サービス「メンサポドクター」をリリースしました。メンズサポートドクターは、アバターを介したオンラインでのコミュニケーションによりメンタルヘルスの改善を図るもので、人見知りや対面でのコミュニケーションに抵抗のある方にも、気軽に利用できるメンタルヘルスケアサービスを提供することを目的とし開発されました。
同社はアバターを介したコミュニケーションが、対面での対話に比べ、人々の緊張を和らげ、より早く心を開いてもらい、悩みを相談しやすくすることができると考えているとのことです。
企業もこのサービスを導入することで、社員の潜在的な不満や不安、問題点をいち早く検出することができるとともに、社員のメンタル不調予防、離職予防に繋げることができます。
⑫金融・保険:JPモルガン、みずほ銀行、東京海上日動
JPモルガン:Decentraland上に仮想店舗を開設
米国大手銀行のJPモルガン・チェースは、仮想空間上に自由に建物を建てられるメタバース空間である「ディセントラランド(Decentraland)」に仮想店舗を開設しました。ユーザーはアバターとしてこの店舗を訪れることで、暗号資産に関する情報を得ることができます。仮想店舗の開設を通じて、実際のメタバース上での顧客の需要を探りながら、将来的な金融サービスの提供を検討しているものと考えられます。
同社が発表したレポートには「ウォルマート(Walmart)、ナイキ(Nike)、ギャップ(Gap)、ベライゾン(Verizon:米携帯端末事業者)、Hulu、PWC、アディダス(Adidas)、アタリ(Atari:米ゲーム企業)などの有名企業をはじめ、さまざまな形態や規模の企業がさまざまな方法でメタバースに参入している」、「やがて仮想不動産市場でも、クレジット、住宅ローン、賃貸契約など、物理的な世界と同じようなサービスが始まるだろう」との記載がありました。
また、同社でクリプト・メタバース関連を統括するクリスティン・モイ氏は「メタバースの発展は、ユーザーがリアルとバーチャルの世界を行き来できるような、強固で柔軟な金融システムを構築できるかにかかっている」と述べています。
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みずほ銀行:メタバース上に店舗を開設し、決済機能提供などを検討
みずほフィナンシャルグループは、2022年8月に開かれる世界最大のメタバースイベトである「バーチャルマーケット2022」への出展を発表しました。
銀行店舗をイメージした出店ブースでは、ボルダリング体験やオリジナル3Dモデルの配布をはじめ、ゲストを招いた金融知識に関する座談会が行われる予定です。座談会では、金融知識を有するみずほ社員と、アバターを介したコミュニケーションを取ることも可能となっています。
同社は、将来的にはメタバース上の店舗にて資産形成の相談や商談を実施したり、決済手段の提供などを含めたメタバース上での新たな経済活動に対するソリューションの提供を目指すとのことです。また、現状メタバースには統一された決済手段が存在しないため、みずほの決済サービス「J子コインペイ」の技術を応用した決済サービスの提供が検討されています。
東京海上日動:大災害の予測にデジタルツインを活用
東京海上日動はNTTコミュニケーションズらと共同で、地震や水害など複数の種類の大規模災害をデジタルツインで予測する研究を開始しました。この研究の目的は、予測に基づく安全対策や補償を検討することです。
デジタルツインにおいて、人の流れ・空間・気象・自然災害などに関するデータと防災科学技術研究所の災害予測技術を活用し、リアルタイム性の高い被害予測モデルを構築する予定です。また、このモデルの予測に基づき、災害の種類や規模に応じた複数パターンの災害初動対応策を策定します。
また、災害発生時の個別避難誘導、災害情報の一元管理、インフラの安定運用を目的とした、防災アプリケーションやクラウド型防災管理システムの研究も行います。
さらに、防災ソリューションの高度化にむけ、メタバース上でのリスクデータの活用やデータドリブンな保険商品についても研究していくとのことです。
⑬製造:NVIDIA、ダイキン、旭化成
NVIDIA:業務効率化向けのメタバース構築プラットフォームを提供
大手半導体メーカーNVIDIAは、業務効率化向けのメタバース構築プラットフォーム「NVIDIA Omniverse」を企業向けに提案していますです。
企業は同ツールを活用することで、企業の企画・設計・製造・配送・アフターフォローという幅広いバリューチェーンの効率化を進めることができます。
同ツールの提供する機能は大きく2つで、1つ目は3Dデザインのコラボレーション空間の利用、2つ目は製品や製造ラインなどのデジタルツインの構築・シミュレーションです。
2020年のリリース以来、BMWやAmazonなどの大手企業700社、15万人以上のユーザーに利用されており、業務効率化向けのメタバースサービスとしては最有力といえます。
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ダイキン:メタバースを活用し製造ラインのロスを削減へ
空調製品を生産するダイキン工業は、堺製作所臨海工場(大阪府堺市)向けに、デジタルツイン機能を搭載した新しい生産管理システムを開発しました。デジタルツインでは、部品の流れや組み立て、塗装、プレスなどの工程状況を再現します。
この工場では、デジタルツインを活用することで、生産ラインの停止原因を事前に予測し、迅速に対応することができます。このシステムは、製造設備や組立作業、ワークフローなどの状態を監視し、仮想空間上に再現します。そして、過去に発生した事象を詳細に分析し、将来起こりうる事象をシミュレーションすることで、潜在的な問題を予測します。
デジタルツイン生産管理システムの導入の結果として、2021年度には2019年度比で30%以上のロス削減を見込んでいるとのことです。
旭化成:人手不足の解消と技術継承にメタバースを活用
旭化成はプロセス設備のデジタルツインにより運転の最適化、保守保全の高度化と遠隔監視を実現しています。
同社のプロジェクト「福島水素エネルギー研究フィールド」では、世界最大級の水素の製造プラントにデジタルツインを導入し、リモートで運転監視を行っています。旭化成はプラントごとに製造する化学製品が異なり、それぞれの専門性を持った熟練者が必要です。そこで同社は、熟練者が現場に出向かずとも遠隔で対応できる体制づくりを目指し、デジタルツインを活用し、熟練者がウェブアプリケーションやスマホのアプリケーションから作成したデジタルツインへとアクセスし、離れた場所からでも現場の状況をリアルタイムに把握できるシステムを開発しました。このシステムにより、旭化成はプラントの安全性と生産性の改善を実現しています。
⑭物流:Amazon、JR東日本
Amazon:デジタルツインを活用し倉庫の配送オペレーションを最適化
Amazonは全世界の倉庫内にある50万台以上の配送ロボットのオペレーションの最適化にNVIDIA Omniverseを活用しています。AIを活用したデジタルツインを構築し、倉庫の設計と流れを最適化しています。これにより、配送オペレーションの効率化や、シミュレーションのリードタイム・コストの削減が可能です。
JR東日本:VRを活用した体験型の安全研修システムを導入
JR東日本は鉄道の事故現場のシュミレーションを研修に取り入れ、研修の質の向上に取り組んでいます。鉄道の3大労災である。「触車」、「墜落」、「感電」のうち、「触車」と「墜落」に関する4つの事故を再現しました。高額で準備する手間のかかるHMDを使用せず、スマホを使ってVRコンテンツを体験するため、社員が集合して研修することもないというメリットもあります。
⑮建設・建築:鹿島建設、奥村組
鹿島建設:建築の全フェーズでデジタルツインを実現
鹿島建設はオービック御堂筋ビルの新築工事において、プロジェクトの全フェーズにおいてBIMによるデジタルツインを活用することで、プロジェクトの各フェーズにおける建物データの連携・共有を可能にしました。
企画・設計フェーズでは周辺環境へのビル風のシュミレーション、建物内のシュミレーションに、施工フェーズでは工事プロセスのデジタル化と進捗管理、MRの活用による、実際の施工状況の確認に、維持管理フェーズでは、ファシリティマネジメントのデータへの連携、日常の点検から得られた情報を収集し、その後の建築の企画・開発への活用になど、多岐にわたるユースケースでデジタルツインを活用しました。
デジタルツインを活用することで、建物自体の高品質化はもちろん、企画・設計から竣工後の管理・運営までの一連の建物にまつわる情報をデジタル化し、お客様に提供することが建物の更なる価値向上に繋がると考えているとのことです。
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奥村組:メタバース上で設計・施工のシミュレーション
奥村組はメタバース上でのシュミレーションにより設計・施工の工数削減を目指すため、独自のメタバース空間である「メタバース技術研究所」の構築を発表しました。
メタバース技術研究所の構築にはSynemon社のVR構築サービス「NEUTRANS」が活用されたました。
従来は建築用のモックアップを作るのは当たり前のことでしたが、原寸大で製作する場合、多くの産業廃棄物を発生させることになります。また、縮小版で制作する場合も、手戻りが発生した際に膨大な工数が発生するという問題がありました。
そこで、同社の技術研究所内にある実験棟をメタバース化することで、設計や施工の細部の精度を高め、室内環境の際現に必要な施工にかかる工数を削減することができます。
メタバース技術研究所では、4種類の日射条件が室内環境の快適性や省エネルギーに与える影響を検証することができます。仮想空間上で工事関係者の合意形成を行い、実験結果をもとに実際の増改築工事を進めることで、手戻りを減らすことが期待できます。
また、同社はメタバース技術研究所の取り組みによりSDGs(持続可能な開発目標)を推進するとしています。その理由は、現実の素材を一切使用しないことにあります。
⑯エネルギー
英国原子力公社:原子力発電設備の設計と製造の効率化
英国原子力公社は、原子力発電設備の設計と製造の効率化にNVIDIA Omniverseを活用しています。
設計フェーズでは、物理や建築、デザインなど様々な分野のエキスパートがリアルタイムでコラボレーションしながら3Dデザインを進めることができたり、製造フェーズでは各設備の最新の製造進捗がデジタルツインに反映され、製造計画を常に最適化することができたりします。
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Siemens Energy:発電施設の保守管理の効率化により大幅なコスト削減
Siemens Energyは、発電施設の保守管理の効率化にNVIDIA Omniverseを活用しています。デジタルツインを活用し、設備の腐食を正確に予測することで、検査回数を減らしながら安全に運用することができ、大幅なコストと工数の削減に成功しています。
⑰公共機関・自治体
シンガポール:世界初 国全体をデジタルツイン化
シンガポール政府は、自然や建物、道路や人・車などのあらゆるデータを集約し、国全体のデジタルツイン化に世界で初めて成功しました。この空間は「バーチャルシンガポール」と呼ばれ、都市計画へのデジタルツインの活用事例として世界中から注目を集めています。
バーチャルシンガポールに活用されるデータは、政府機関やインターネット、IoTからのリアルタイムデータなど幅広いソースから集められています。
この取り組みの成果は、最適な都市計画の策定や自然災害のリスク評価・対策、国民への最適な交通ルートの提案など多岐にわたり、国全体のDX化の基盤となっています。
国交省:デジタルツイン構築により都市づくりのDXを推進
2020年度から国土交通省がスタートしたProject PLATEAUは、スマートシティをはじめとする都市開発のDX化を目的とし、都市の3Dモデルの整備・活用を推進するプロジェクトです。
地方自治体や民間企業を巻き込みながら、3D都市モデルのデータ整備、ユースケース開発、3D都市モデルの整備・利活用ムーブメントの惹起とオープンデータ化に取り組んでいます。
近年の自然災害の深刻化・頻発化に伴い、平時から災害リスクを認識した上で、河川氾濫時の危険箇所や避難場所などの情報を的確に提供することが重要となっています。
一方で、現在のハザードマップは、2次元の地形図に洪水浸水域を重ね合わせて作成されており、地図に慣れていない子供や土地勘のない観光客にとっては分分かりにくい場合が多いことが問題となっています。
そこで、Project PLATEAUでは、3D都市モデルの三次元であり、視覚的に理解しやすいという特徴を活かし、災害ハザード情報をわかりやすく表示する取り組みを実施しました。
具体的には、全国48都市を対象に、構造浸水想定区域のマップ等を3D都市モデルに重ね合わせ、人々に直観的・視覚的に理解しやすい形で表現しました
手塚プロダクション×鳥取県:地域還元型のメタバースゲーム
鉄腕アトムなど世界的マンガ・アニメコンテンツ制作する手塚プロダクションや旅行事業を行うJTBの設立したJ&J事業創造らが、日本各地にちなんだNFTを使用したメタバースゲームを開発しました。
このプロジェクトは、コロナ禍で大きなダメージを受けた地域経済および国内観光マーケットの回復と支援を目的としています。
ユーザーは、日本各地の魅力や文化の詰まったNFTを資産として所持し、それを使用して遊んだり、カード同士を合成することで新たなカードを生成したり、カードの売買によって収益をあげたりすることができます。その第一弾として、県を掲げ宇宙産業の飛躍に向けた取り組みを進める鳥取県とのタイアップが決定しました。
このNFTの販売を通じて得られた売上の一部は、各地域産業に寄付されるという新たな復興支援の形を目指しています。
【業種別】メタバースサービス運営・開発を行う日本企業37社
メタバースサービス運営・開発を行う日本企業として以下の37社が挙げられます。
- ①企業向けメタバースコンサル会社2社
- MoguraVR:国内最大のニュースメディア運営とコンサルティングを提供
- メタバース総研:国内最大のナレッジを基にしたコンサルティング・開発支援を提供
- ②企業向けメタバース開発会社10社
- MESON:最先端のXR体験を構築するクリエイティブスタジオ
- 積木製作:建築用 CGVRコンテンツの制作会社
- ホロラボ:XRシステムやアプリの研究・開発
- ambr:メタバース構築プラットフォーム「xamber」を提供
- synamon:XR領域のコンサルティング・企画・開発
- ハシラス:VRコンテンツ専門の制作会社
- 面白法人カヤック:数多くのクリエイターが在籍
- セガ エックスディー:ゲーミフィケーションを活用したメタバースを開発
- パーソルマーケティング:メタバース人材の提供に繋がるワールドの構築・運用支援
- NestVisual:映像表現に強みを持つデジタルコンテンツ制作会社
- ③企業向けメタバースソリューション提供会社9社
- スペースデータ:衛星データや3DCGを駆使し仮想空間を構築
- oVice:自由に動いて話しかけられるバーチャル空間
- monoAI techonology:大人数同時接続可能なバーチャル空間プラットフォーム「XR CLOUD」を提供
- ハコスコ:脳科学の知見を活かしたVR開発
- VRC:人体の3Dアバター化技術を活用した様々なソリューションを提供
- リアルバーチャル:ビジネス活用のためのメタバース空間の制作・提供
- Symmetry:デジタルツインをフル活用したソリューションの提供
- 凸版印刷:VR上のショッピングモールメタパを展開
- イマクリエイト:VRを活用した注射手技の研修
- ④消費者向けメタバースプラットフォーム運営会社9社
- Cluster:日本最大のメタバースプラットフォーム
- GREE:海外ユーザー比率8割超えの日本発メタバースREALITYを運営
- Psychic VR LAB:XRコンテンツを作成・投稿できるプラットフォーム
- VARK:VR上でのライブイベントプラットフォームを提
- KDDI:メタバースプラットフォーム「αU」を運営
- NTT DOCOMO:100万人が利用するVR空間プラットフォーム「DOOR」を運営
- 三越伊勢丹:新たなEC体験を提供する独自のメタバース空間を構築
- バンダイナムコ:ガンダムファンが交流できるメタバースプラットフォームを構築へ
- クリーク・アンド・リバー:クリエイターに専用特化したメタバースを開発
⑤消費者向けメタバースコンテンツ提供会社7社
- HIKKY:世界最大のメタバースイベントを主催
- Gugenka:MR/メタバースで生身の推しキャラと暮らせるサービスを提供
- Thirdverse:グローバル市場向けのVRゲームを開発
- Mydearst:VRゲームの開発を行うスタートアップ
- double jump.tokyo:取引量世界1のブロックチェーンゲームをリリース
- BAL:アバター用のバーチャルファッションアイテムを制作・販売
- MATRIX:人々をハンディキャップから解放するためにメタバースサービスを提供
①企業向けメタバースコンサル会社2社
企業向けにメタバースコンサルを行う主要な会社として以下の2社が挙げられます。
- MoguraVR:国内最大のXR・Vtuberのニュースメディアを運営
- メタバース総研:国内最大のナレッジを基にしたコンサルティング・開発支援を提供
それぞれの企業の概要や特徴を分かりやすく紹介していきます。
MoguraVR:国内最大のニュースメディア運営とコンサルティングを提供
MoguraVRは、国内最大のXR・VtuberのニュースメディアであるMoguraVRを運営しています。また、同社はメディア以外にもPodcastやイベントなど幅広いチャネルでの情報発信も行っています。
Moguraは、国内最大のメディア運営を通じて得たメタバースに関する知見を強みに、リサーチや開発、運用などのメタバースコンサルティングを提供しています。
メタバース総研:国内最大級の知見に基づき企画から開発まで支援
メタバース総研は、企業向けのメタバース/XRのコンサルティング・開発を行っている会社です。
同社は、多数のメタバース/XR活用支援と国内最大級のビジネス向けメタバースメディアの運営により培った、豊富な経験と知見を武器とする、高品質のコンサルティングから制作/開発までの一気通貫での支援を強みとしています。
さらに、各領域に強みを持つ、38名のクリエイター/エンジニアや12社のパートナー企業による強力な支援体制を有しており、各企業の目的や要望に合わせた、オーダーメイドでの制作/開発が可能な点も特徴です。
そのため、現状構想段階にあり事業・企画の立案から支援してほしい企業や、テンプレ的な設計ではなく自社ならではのメタバース/XRを制作/開発したい企業におススメです。
※メタバース総研は豊富な経験とナレッジに基づき、各社様に合わせた先進事例や具体的な活用アイデアなどの最新ナレッジをご提供させていただいております。 メタバース/XR活用でお困りの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
⇒メタバース/XRのビジネス活用個別無料相談会の詳細はこちら
②企業向けメタバース開発会社10社
企業向けにメタバース開発を行う主要な会社として以下の10社が挙げられます。
- MESON:最先端のXR体験を構築するクリエイティブスタジオ
- 積木製作:建築用 CGVRコンテンツの制作会社
- ホロラボ:XRシステムやアプリの研究・開発
- ambr:メタバース構築プラットフォーム「xamber」を提供
- synamon:XR領域のコンサルティング・企画・開発
- ハシラス:VRコンテンツ専門の制作会社
- カヤック:数多くのクリエイターが在籍
- セガ エックスディー:ゲーミフィケーションを活用したメタバースを開発
- パーソルマーケティング:メタバース人材の提供に繋がるワールドの構築・運用支援
- NestVisual:映像表現に強みを持つデジタルコンテンツ制作会社
それぞれの企業の概要や特徴を分かりやすく紹介していきます。
MESON:最先端のXR体験を構築するクリエイティブスタジオ
MESONは、2017年9月に設立された、XR時代の最先端のユースケースやUXを設計するクリエイティブスタジオです。ゲーム開発、建築、文化、デザインなどのバックグラウンドを持つ多様な才能で構成されたチームです。
MESONが提供する「PORTAL」「AR City in Kobe」の2サービスが、世界最大のARカンファレンス「AWE award」でファイナリストにノミネートされました。ARソフトウェア製品がファイナリストにノミネートされるのは、日本ではMagicleap、Snapchatと並んで初めてのことです。
積木製作:建築用 CGVRコンテンツの制作会社
積木製作は、建築用 CG 制作と VR コンテンツ制作を 2 本柱に事業を展開している企業です。積木製作は、大林組や鹿島建設や九州旅客鉄道や大和ハウス工業などの支援をしています。一級建築士でもある城戸太郎氏が2003年9月に設立した企業で、建築に特化したノウハウが豊富に蓄積されています。
建築の専門知識に加え、画像やCGのクオリティーにも定評があり、建築に特化したVR制作会社としてマンションやオフィス、公共事業などの支援を行っています。マイクロソフト社から「Microsoft Mixed Realityパートナー」として正式に認定されており、技術力の高さも評価されています。
また、「安全体感VRトレーニング」というサービスは160社以上に採用されたVR体感教育で、1台38,500円(税込)という低価格で利用可能です。
※関連インタビュー記事:3DCG制作大手の積木製作がメタバースに参入する理由とは?|常務取締役 赤崎信也氏
ホロラボ:XRシステムやアプリの研究・開発
ホロラボは、Microsoft HoloLensの日本発売日である2017年1月18日に設立されました。マイクロソフトが開発している複合現実プラットフォームであるWindows Mixed Realityなどのシステムやアプリケーションの研究・開発を行っています。また、Windows Mixed Realityなどの最新技術を簡単に理解できるような教育プログラムの開発も行っています。
新しい技術の研究だけでなく、展示やデモ、カンファレンスなどを通じて、他者と協力して新しい技術の普及や技術者同士の交流を促進しています。
ambr:メタバース構築プラットフォーム「xamber」を提供
ambrは、「ユーザー体験の最大化」を軸に、「xamber(クロスアンバー)」などのメタバース構築プラットフォームの開発・提供を行う企業です。
これまでに「virtual world ambr」「awabar.vr」、東京ゲームショウ初のVR会場「TOKYO GAME SHOW VR 2021」など、複数のVRSNS(バーチャルリアリティSNS)の企画・UXデザイン・システム開発を手掛けています。
synamon:XR領域のコンサルティング・企画・開発
Synamonは、「XRが当たり前の世界」を実現するために、VR/ARをはじめとするXR領域のコンサルティング、XR製品の企画・開発を行う企業です。
すべての業務を仮想空間で行えるVRサービス「NEUTRANS」の開発など、最新技術の独自研究で培ったXR技術で、プロジェクトの立ち上げから開発・運用までワンストップでサービスを提供します。
ハシラス:VRコンテンツ専門の制作会社
ハシラスは、VRコンテンツ専門の制作会社です。なかでもハイエンドVRデバイスと独自のハードウェア・ソフトウェアを組み合わせたVRアトラクションの企画・制作の実績が豊富です。
ハシラスの強みは次の3点です。
- ①豊富な導入実績・事例と圧倒的な体験ユーザー数
- ②オリジナル体感ハードウェアの作成
- ③ハイエンドVRの豊富なノウハウ
1点目の豊富な導入実績・事例と圧倒的な体験ユーザー数に関して、ハシラスは2014年からVRアトラクションの開発を行なっており、国内外問わず多数の施設にコンテンツを納入しています。多くの実績と、圧倒的な体験ユーザー数から得られるフィードバックにより、豊富な技術・知見を育んでいます。
2点目のオリジナル体感ハードウェアの作成に関して、VR向けライドなどの体感ハードウェアを自主制作している点がハシラスのコンテンツ制作の特徴であり、良好な体感性やアテンド性、酔い防止などの最新の知見を盛り込んだハードウェアを継続的に開発しています。
3点目のハイエンドVRの豊富なノウハウに関して、ハシラスはハイエンドなVR機器をフル活用した体験価値の高いコンテンツ制作を得意としています。一般的な360度動画と異なり、現実の身体とVR空間が相互作用するコンテンツを実現可能です。アニメやマンガなどのIP活用においても、原作そのままの世界観に体験者自身が入り込んで活躍できるリッチなコンテンツ制作が可能です。
ハシラスは、株式会社サンシャインシティや株式会社リクルートテクノロジーズなどのハイエンドVRの制作支援をしています。
面白法人カヤック:数多くのクリエイターが在籍
面白法人カヤックは、広告やPRの受託開発を行う「面白プロデュース事業」やソーシャルゲームの開発・運用を行う「ゲーム・エンタメ関連事業」やゲームやeスポーツのコミュニティに特化した「eスポーツ関連事業」などの事業を展開する企業です。
面白法人カヤックの強みは次の3点です。
①クリエイティビティのあるクリエイターを多く抱えている点
②広告的なVRコンテンツが得意な点
③VRのニュースを語るポッドキャストを運営している点
1点目のクリエイティビティのあるクリエイターを多く抱えている点に関して、「つくる人を増やす」の経営理念のもと会社経営を行っているため、社内にクリエイティビティのあるクリエイターを多く抱えているのが特徴で面白いサービスを次々にリリースしてきました。
2点目の広告的なVRコンテンツが得意な点に関して、VR領域においては、企業の課題を解決する広告的なVRコンテンツなど、様々なシーンでVRコンテンツの企画・実装・演出を行い、世の中にまだない新しい体験を次々と生み出しています。
3点目のVRのニュースを語るポッドキャストを運営している点に関して、「カヤックVR部VRadio」をSoundCloudとYouTubeで配信中しており、運営を通じて蓄積されたナレッジをVR制作に活かしています。
面白法人カヤックは、沢井製薬やソニー・ミュージックエンタテインメントやスクウェア・エニックスや明治などの大手企業の支援をしています。
セガ エックスディー:ゲーミフィケーションを活用したメタバースを開発
セガ エックスディーは、ゲームの要素をゲーム以外の場面でも取り入れるゲーミフィケーションを活用した顧客の課題解決に強みを持ち、ゲーミフィケーションを活用したメタバースの開発サービスを提供しています。
セガ エックスディーは、「メタバースを使って何がしたいのか」ではなく、「ユーザーにどんな体験を提供したいのか」という視点を重視しています。ユーザーに提供したい体験を考えていく中で、その体験の提供に最も適したコンテンツがメタバースコンテンツである、となれば、自然とユーザーに使われるメタバースコンテンツが広まると考えています。
直近では、電通とコラボして、メタバースゲームRobloxに参入し、ブランドコミュニケーション構築を目指す企業に対しメタバース開発サービスの提供を開始しています。
セガ エックスディーは今後も、ゲーミフィケーションを活用して顧客の課題を解決するという目的のためにメタバースへの取り組みを進めていくとのことです。
※関連インタビュー記事:“利用される”メタバースのためのゲーミフィケーションとは?|セガ エックスディー片山氏、野尻氏
パーソルマーケティング:メタバースの構築と人材派遣を含む運用支援
パーソルマーケティングは、2022年1月よりメタバースデザイン事業部を設置 し、メタバース人材の提供、メタバースコンサルティング、ワールドの構築・運用支援といったサービスを提供しています。
ワールドの構築・運用支援では、システム開発に加えて、その後の活用も伴奏するスタイルをとっています。例えば、メタバースプラットフォーム「Virbela(バーベラ)」の日本公式販売代理店である株式会社ガイアリンクと連携し、メタバースプラットフォーム「Virbela」の特約販売店契約を結び、サブスクでセミオーダーメイドの形で顧客に提供しています。
※関連インタビュー記事:メタバース活用で日本の人手不足問題を解決へ|パーソルマーケティング 川内浩司氏
NestVisual:映像表現に強みを持つデジタルコンテンツ制作会社
NestVisualは、XRやインタラクティブシステム、プロジェクションマッピングなど、様々なデジタルコンテンツの開発・制作会社です。
NestVisualは、映像コンテンツとテクノロジーのかけ合わせによる高品質な映像表現を強みとし、企業のニーズに応じたメタバースの開発を行っています。また、メタバース開発キットを活用した開発からオリジナルの開発まで、予算に応じたメタバース開発に対応しています。
③企業向けメタバースソリューション提供会社9社
企業向けにメタバースソリューションを提供する主要な会社として以下の9社が挙げられます。
- スペースデータ:衛星データや3DCGを駆使し仮想空間を構築
- oVice:自由に動いて話しかけられるバーチャル空間
- monoAI techonology:大人数同時接続可能なバーチャル空間プラットフォーム「XR CLOUD」を提供
- ハコスコ:脳科学の知見を活かしたVR開発
- VRC:人体の3Dアバター化技術を活用した様々なソリューションを提供
- リアルバーチャル:ビジネス活用のためのメタバース空間の制作・提供
- Symmetry:デジタルツインをフル活用したソリューションの提供
- 凸版印刷:VR上のショッピングモールメタパを展開
- イマクリエイト:VRを活用した注射手技の研修
それぞれの企業の概要や特徴を分かりやすく紹介していきます。
スペースデータ:衛星データや3DCGを駆使し仮想空間を構築
株式会社スペースデータは、「宇宙×データ」をテーマに研究開発を行うことを目的に設立された宇宙スタートアップです。「テクノロジーで新しい宇宙を創る」をビジョンに掲げ、衛星データや3DCG技術を活用し、仮想空間上にもう一つの世界を自動生成するAIアルゴリズムの開発を行っています。
スペースデータの高精度な3Dモデルは、デジタルツインを建築シミュレーションに活用する建築会社や仮想世界を舞台にしたゲームの開発会社など、多くの企業にソリューションを提供します。
oVice:自由に動いて話しかけられるバーチャル空間
oViceとはoVice株式会社が提供している自由に動いて話しかけられるバーチャル空間サービスです。主に企業向けに、「オンラインでのコミュニケーションを最大化」することを目指して開発されたバーチャル空間で、アバターを使ってオンライン画面上を自由に動いて自由に話しかけることができます。
料金プランはオフィス利用におすすめの継続利用とイベントにおすすめの単発利用があり、継続利用は月額¥5,500〜、単発利用は週額¥2,750〜で利用することができます。また、データダッシュボードもオプションとして月額¥5,500で追加することができます。
oViceの特徴としては大きく2点あり、1点目がアバター間の距離に応じて声の大きさが変化する点、2点目がひと目でバーチャル空間全体を把握できる点です。
1点目のアバター間の距離に応じて声の大きさが変化する点に関しては、アバターを使ってオンライン画面上を自由に動いて自由に話しかけることができ、自分のアバターに近い声は大きく、遠くの声は小さく聞こえる仕組みが導入されています。
2点目のひと目でバーチャル空間全体を把握できる点に関しては、上記の写真のようにバーチャル空間全体をひと目で見渡して、誰がどこにいるかを確認することができます。
これらの特徴が多くのユーザーに刺さり、利用企業数は2,034社以上、60,000人以上がoViceを利用しています。
※関連インタビュー記事:バーチャルオフィスoviceとは?約4,000社に導入されるワケを広報担当者に直撃
monoAI technology:大人数同時接続可能なバーチャル空間プラットフォーム「XR CLOUD」を提供
monoAI technology株式会社は、XR CLOUDという大人数同時接続可能なバーチャル空間プラットフォームを提供しています。
XR CLOUDの特徴は次の2点です。
①数万人同時接続可能
②マルチデバイス参加可能
1点目の数万人同時接続可能に関して、⾼速同時多接続が特徴の5G回線を活用して、独⾃の接続エンジン技術でPCやモバイルでの⼤規模同時接続を実現しています。
2点目のマルチデバイス参加可能に関しては、XR CLOUDはパソコン、スマートフォンでどこからでも⼿軽に参加可能であり、利⽤環境による障壁が少ないため、多くの⽅が参加できます。また、VR専⽤機器やモバイル端末にハコスコなどのオプション利⽤で、より深い没⼊感が得られます。
このように、XR CLOUDは、大規模なメタバースイベントを開催したい企業にとって最適なソリューションを提供します。
ハコスコ:脳科学の知見を活かしたVR開発
ハコスコは、脳科学をベースにしたワンストップなソリューションの開発・提供を行っている企業です。ハコスコは、株式会社ソニー・ミュージックレーベルズやキングレコード株式会社やトヨタ自動車株式会社や和歌山県などの支援をしています。
ハコスコの代表取締役 CEO の藤井さんは適応知性および社会的脳機能解明を研究する医学博士・脳科学者であり、「つながる脳」(毎日出版文化賞 受賞)などの書籍も出版しています。また、ハコスコは2014年7⽉に理化学研究所の理研ベンチャー制度により創業された会社です。
箱+スコープ=「ハコスコ」の名前のとおり、ダンボールにレンズをつけ、スマートフォンを利用しただけのミニマルなつくりのHMDを提供しており、累計141万台を販売しています。
さらに、ハコスコはECメタバース、VRゴーグル、360°カメラも提供しており、VRを体験する・配信をする・映像を作るというVRをワンストップで体験できるプラットフォームを実現しています
VRC:人体の3Dアバター化技術を活用した様々なソリューションを提供
VRCは、人の身体を3Dアバター化する技術やデジタルツインを活用し、様々なソリューションを提供するサービスを展開しています。
例えば、ヘルスケアの分野では、ボディデータとデジタルツインのデータを活用することで、身体の寸法を可視化することができます。体重が1kg減った際に自分の見た目がどのように変わるのかなど、未来の変化を可視化することで、健康意識の改善を図ることができます。
また、広告の分野では、例えば、ランニングシューズの広告でシューズを履いた自分がボルトと一緒にオリンピックの決勝で100M走を走るという体験をメタバース上で実現するなど、アバターやデジタルツインの活用により、消費意欲促進に繋げることが期待できます。
VRCは、物理的なボディデータを現在の検索履歴やアクセス履歴と同レベルで収集・活用することによって3Dアバターによる経済圏を広げ、日常のエンパワーメントにつなげていきたいとのことです。
※関連インタビュー記事:進化が加速する実写の3Dアバターがもたらすビジネスチャンスとは?
リアルバーチャル:ビジネス向けに特化したメタバース空間の制作・提供
リアルバーチャルは、メタバースを通して、リアルとバーチャルが融合する新しい世界の創造を目指し、主にビジネス向けのメタバース空間を提供しています。
企業向けに新卒採用やバーチャル店舗のためのメタバース空間の提供、学校向けにオンライン授業のためのメタバース空間の提供、自治体向けにメタバース観光の実施の支援などを行っており、ビジネス系メタバースで多くの実績を有しています。
Symmetry:デジタルツインをフル活用したソリューションの提供
Symmetryは、現実世界で起きている事象をデジタルデータに変換し、デジタルツイン上に再現するサービスを提供しています。IoTによるリアルタイムデータや人工衛星データをもとに現実で起こっている事象をそのまま反映し、デジタルツイン上で、現実世界のシミュレーションを行うことを可能とします。
例えば、都市計画の際の災害のシミュレーションに役立てたり、建築会社がデジタルツイン上で建築のシミュレーションを行い安全性を確認したり、小売り分野においてオペレーションの改善と店舗の少人化経営を図ったりするなど、様々な業界の企業に対し、デジタルツインのメリットを最大限に活用したソリューションを提供しています。
凸版印刷:VR上のショッピングモールメタパを展開
メタパは凸版印刷が提供するリアルとバーチャルを融合したVR/メタバースショッピングモールです。
メタパの特徴は次の2点です。
①リアルとバーチャルを融合した新しい買い物体験
②友だちや家族とグループでショッピングができる
1点目のリアルとバーチャルを融合した新しい買い物体験に関して、メタパではリアルのお店で販売されているリアルの商品をメタバース上で購入することができます。
2点目の友だちや家族とグループでショッピングができる点に関して、メタパは メタ+パーティの造語であり、仲間と集まれるメタバース(仮想空間)です。人が集まる賑わいや、友だちや家族といろんなお店を一緒に巡ってショッピングできる楽しさをバーチャルで体験できます。
※関連記事:凸版印刷がメタバースに参入する理由とは?展開する5つの事業も紹介
イマクリエイト:VRを活用した注射手技の研修
イマクリエイト社の提供する「VRワクチン注射シミュレーター」は、VR内に表示される模型に従うだけで、筋肉注射の手順を感覚的に習得することができる研修用のサービスです。座学や教材を用いた事前学習にシミュレーターを加えることで、手順のミス防止が期待されます。
実際の患者さんに注射の処置を行えるようになるためには、十分な練習が必要です。しかし、定期的にトレーニング用品を補充する必要があることや、多数の生徒が同時に練習することが困難であり、医療現場での悩みの種となっています。そこでイマクリエイトは「実生活と同じように自分の身体を使って練習する」というコンセプトのもと、このバーチャルトレーニングシステムを開発しました。
これにより、医学生は施設や設備の有無にかかわらず、いつでも、何度でもトレーニングが可能になりました。
④消費者向けメタバースプラットフォーム運営会社9社
消費者向けにメタバースプラットフォームを運営する主要な会社として以下の9社が挙げられます。
- Cluster:日本最大のメタバースプラットフォーム
- GREE:海外ユーザー比率8割超えの日本発メタバースREALITYを運営
- Psychic VR LAB:XRコンテンツを作成・投稿できるプラットフォーム
- VARK:VR上でのライブイベントプラットフォームを提供
- KDDI:メタバースプラットフォーム「αU」を運営
- NTT DOCOMO:100万人が利用するVR空間プラットフォーム「DOOR」を運営
- 三越伊勢丹:新たなEC体験を提供する独自のメタバース空間を構築
- バンダイナムコ:ガンダムファンが交流できるメタバースプラットフォームを構築へ
- クリーク・アンド・リバー:クリエイターに専用特化したメタバースを開発
それぞれの企業の概要や特徴を分かりやすく紹介していきます。
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Cluster:日本最大のメタバースプラットフォーム
Clusterは、他ユーザーとの交流を軸とするメタバースプラットフォームです。
ユーザーは、他ユーザーや企業が製作したメタバース空間で他ユーザーと他ユーザーとの交流やゲームをして楽しんだり、自身もワールドを製作し、公開することができます。
バーチャル渋谷などの大規模イベントを開催したり、ポケモンやディズニーなどの有名企業とコラボしたりしており、知名度が高く、多くのユーザーをひきつけています。
2017年にリリースされたClusterは、総ダウンロード数100万超、累計動員数2,000万人超と、日本のメタバースプラットフォームとしては最大規模に成長しています。
※関連記事:日本最大のメタバースプラットフォームcluster(クラスター)とは?
GREE:海外ユーザー比率8割超えの日本発メタバースREALITYを運営
GREEは、ライブ配信を軸とするメタバースアプリ「REALITY」を運営しています。
ユーザーは自分好みのかわいいアニメ調のアバター姿で、スマホから手軽にライブ配信を行い、他ユーザーと交流をすることができます。
REALITYは、アプリダウンロード数が1,000万を超えていながら、海外ユーザー比率が約8割にも上るとされており、日本発メタバースの代表格と言えます。
同サービスが成功を収めている理由として大きく2つのポイントが挙げられます。
1点目は、スマホ1つで誰でも手軽にアバター姿でライブ配信が行える点です。近年のVtuber/ライブ配信ブームに伴い、アバター姿でライブ配信を行いたいというニーズは高まりを見せているものの、従来は本格的な撮影機材を揃えたり、自らアバターの3Dモデルを作成する必要があるなど、実際にライブ配信を行うハードルは高い状況でした。
一方で、REALITYであれば、スマホ1台で、幅広いバリューチェーンのアバターを選択するだけで、Vtuberのようなライブ配信を行うことが可能です。
2点目は、かわいいアニメ調のアバターが世界中の日本のアニメ/マンガファンの心を掴んでいる点です。海外でもアバター生成サービスは多数存在するものの、リアルな人間を再現する方向性のものが大半で、日本の武器であるアニメ・漫画文化による大きな差別化に成功しています。
※関連記事:海外ユーザーが熱狂する日本発メタバースの代表格REALITYとは
Psychic VR LAB:XRコンテンツを作成・投稿できるプラットフォーム
PsychicVR Labは、XR(VR:仮想現実、AR:拡張現実、MR:複合現実)時代のクリエイティブプラットフォームとして知られています.ブラウザだけでXR空間を構築し、VR/AR/MRコンテンツを配信できるクラウドサービス「STYLY」を開発・提供しています。
また、STYLYは製作したXRコンテンツを他ユーザーに向けてシェアできる機能を有しています。
すべてのアーティストがXR空間を創造できる世界をつくることをミッションに、アート、ファッション、ライフスタイルに関わるインターフェースのXR化を推進します。多数の大企業と実証実験を実施したり、国土交通省の推進するまちづくりのDXに関するプロジェクトである「Project PLATEAU」にも参画するなど、先進的なXR技術のユースケースの創造に取り組んでいます。
VARK:VR上でのライブイベントプラットフォームを提供
VARKは、VR上で現実と同じようにライブイベントを楽しむことができるメタバースプラットフォームアプリケーションを提供しています。決まった時間に開かれるイベントに誰でも参加でき、そのイベントに「いる」アーティストのライブを、一体感を感じながら楽しむことができます。
「目の前で歌う」「一瞬で世界が変わる」など、バーチャルの可能性をフルに活用し、最高の体験を提供することを目指します。
KDDI:メタバースプラットフォーム「αU」を運営
KDDIは、ライブ配信、バーチャルショッピングなどを行うことができるメタバースプラットフォームであるαUを運営しています。
KDDIはこれを「現実と仮想を軽やかに行き来する新しい世代に寄り添い、誰もがクリエイターになりうる世界に向けたメタバース・Web3サービス」と位置付け、メタバースは「体験する場所」から「発信する場所」へと進化していきます。
αUではライブ配信やバーチャルショッピングを楽しめることに加えて、アバターやマイルームの制作、マイルームの家具の販売など、ユーザーがクリエイターになる体験ができます。
さらにクリエイター支援の取り組みとして、国内外のパートナーと連携し、日本のクリエイターやコンテンツのグローバル展開をサポートします。KDDIはこの新サービスに1000億円投入しメタバース関連のコンテンツを拡大していく予定です。
※関連記事:KDDIのメタバース「αU」とは?できることや特徴を徹底解説
NTT ドコモ:100万人が利用するVR空間プラットフォーム「DOOR」を運営
NTTドコモは、2020年11月、VR空間メタバースプラットフォームであるDOORをリリースしました。
特徴として、簡単にVR空間を作成することができる点、スマートフォンやウェブブラウザなど様々なデバイスに対応している点が挙げられます。
作成したVR空間には専用のURLが発行されるので、そのURLを知っている特定の人だけが参加できるようなプライベート空間を作ることも可能です。
DOORは、個人利用だけでなく、企業のイベントやバーチャルショップ、バーチャル学校、Vtuberによるライブなど様々な用途で活用されており、ユーザー数は100万人を突破しています。
三越伊勢丹:新たなEC体験を提供する独自のメタバース空間を構築
三越伊勢丹は、自社の百貨店の店舗を再現したメタバースプラットフォーム「Rev worlds」をスマホ向けアプリとしてリリースしています。同社はこのアプリを通じて、”バーチャルな伊勢丹の店舗”で”リアルな買い物”体験を提供しています。ユーザーはアバターの姿で商品を見て回ることができ、その商品を実際にECで購入することが可能です。
店員のアバターも配置され、チャット機能を使った接客も受けられます。現在は婦人服や食品など310ブランドを扱っていますが、今後は家具や日用品にも対象を広げる方針です。友人のアバターと一緒に会話しながら買い物できるようにするなど機能も強化する予定です。
他社がメタバース上で開催されるイベントへの出展が中心のなか、三越伊勢丹はマーケティングに活用するために独自のメタバース空間を構築・提供しており、メタバースプラットフォーム運営者として、業界をリードする存在といえます。
バンダイナムコ:ガンダムファンが交流できるメタバースプラットフォームを構築へ
バンダイナムコグループは、2022年4月から掲げる中期ビジョン「Connect with Fans」の重点戦略の1つとして、IPでファンとつながる「IPメタバース」を設定しました。
これは、メタバースを介して、バンダイナムコグループとファンのコミュニティを作る仕組みで、その第1弾がガンダムメタバースです。先日のガンダムカンファレンスで流れたイメージ映像では、メタバース上に世界中のガンダムファンが集い、語り合ったり、ライブイベントに参加したりする様子が描かれていました。
今後はバンダイナムコグループ以外の企業によるガンダムビジネスへの参入促進やガンダムファンがガンダムを活用したビジネスができるメタバースプラットフォームの提供を目指して事業展開を行っていく予定とのことです。
クリーク・アンド・リバー:クリエイターに専用特化したメタバースを開発
株式会社クリーク・アンド・リバー(C&R社)は、2023年3月、ゲームや映像、Webサイトなどのクリエイターに専用特化し、クリエイターのためのイベント開催や交流、作品の展示やプロジェクトのやり取りを行う日本初のメタバース「C&R Creative Studios Metaverse(シーアンドアール クリエイティブスタジオ メタバース)」β1版を一般公開しました。
このメタバースは、世界中のクリエイターが客船「C&R Creative Studios号」に乗船し、交流やアイデア交換を行うことで、新たなコンテンツやサービスを生み出すことをコンセプトとしています。
2024年春頃には、クリエイターが作業に集中できる専用のマイルームや共同開発を行うことができるサークルオフィスなど、クリエイターが活用しやすい機能を充実させ本格稼働を目指すとのことです。
⑤消費者向けメタバースコンテンツ提供会社7社
消費者向けにメタバースコンテンツを提供する主要な会社として以下の7社が挙げられます。
- HIKKY:世界最大のメタバースイベントを主催
- Gugenka:MR/メタバースで生身の推しキャラと暮らせるサービスを提供
- Thirdverse:グローバル市場向けのVRゲームを開発
- Mydearst:VRゲームの開発を行うスタートアップ
- double jump.tokyo:取引量世界1のブロックチェーンゲームをリリース
- BAL:アバター用のバーチャルファッションアイテムを制作・販売
- MATRIX:人々をハンディキャップから解放するためにメタバースサービスを提供
それぞれの企業の概要や特徴を分かりやすく紹介していきます。
HIKKY:世界最大のメタバースイベントを主催
HIKKYは、エンターテインメントVRを牽引する注目のクリエイターをメンバーとし、VR/AR領域の大規模イベントの企画・制作・プロモーション、パートナー企業との新規事業開発を主な事業として、業界の発展、クリエイターの発掘・育成を目的に2018年に設立された会社です。
HIKKYが2018年から開催している「バーチャルマーケット」は、2020年の国際的なVRアワードセレクション「VR AWARDS」のマーケティング部門で最優秀賞を、日本の「XR CREATIVE AWARD 2020」では大賞を受賞しました。
HIKKYの運営するバーチャルマーケットは、最新のテクノロジーを活用し、その発展を目指す仮想空間におけるユニークなイベントです。来場者は、会場内に展示された3Dアバターやモデルを自由に試着し、購入することができます。
また、バーチャルリアリティキャラクターに関する新しい技術や手法を研究するためのワークショップも複数開催されます。メタバース空間上でのイベントとしては世界最大規模を誇り、来場者数は100万人を超えるなど、ギネス世界記録にも登録されています。
※関連記事:バーチャルマーケットとはどんなイベント?出展企業や参加方法も解説
Gugenka:MR/メタバースで生身の推しキャラと暮らせるサービスを提供
Gugenkaは、アニメやゲーム、キャラクターなどのIPを活用したVR/ARコンテンツの制作・配信を手掛けています。
Gugenkaの提供するHoloModelsは、フィギュアを通じて得ることのできる体験をデジタル空間の中で体験できるサービスです。スマホを通じて見るだけでは平面的な2次元の体験となってしまいますが、パススルー型のMRデバイスを通じてこれを見ることで、デジタル上の世界があたかもリアルの世界の中に共存しているような体験をすることができます。
MR対応によって、ユーザーは、等身大の推しキャラと暮らすような体験が可能になるなど、日常がデジタルで拡張される体験を提供することができます。
※関連インタビュー記事:MR/メタバースで生身の推しキャラと暮らせる時代がやってくる|Gugenka 三上氏
Thirdverse:グローバル市場向けのVRゲームを開発
Thirdverseは「10億人が暮らす新しい仮想世界を作る」というビジョンを掲げて設立されたスタートアップ企業です。日本とサンフランシスコに開発拠点を持ち、メタバース実現のため、グローバル市場向けのマルチプレイヤーVRゲームを開発しています。
世界初のVRマルチプレイ剣戟アクションゲーム『ソード・オブ・ガルガンチュア』をグローバルにリリース。メタバースにおける「第三の場所」を創造する「サードバースコンセプト」を推進しています。
Mydearst:VRゲームの開発を行うスタートアップ
MyDearestはモバイルVR業界をルーツとする、一般消費者向けにVRゲームの開発を行うスタートアップ企業です。「人生を変えるような物語体験をつくり、届ける」をミッションとして掲げています。
代表作に『東京クロノス』、Meta(旧Facebook)の大ヒットVRヘッドセット「Meta Quest 2(旧Oculus Quest2)」のローンチタイトルに選ばれた『ALTDEUS: Beyond Chronos』などがあります。2022年には、Meta Quest 2/Nintendo Switch™向けに新作『DYSCHRONIA: Chronos Alternate』を発売しました。
double jump.tokyo:取引量世界1のブロックチェーンゲームをリリース
double jump.tokyoは、NFT・ブロックチェーンゲーム専業開発会社であり、「My Crypto Heroes」「BRAVE FRONTIER HEROES」などのブロックチェーンゲームをリリースしています。
My Crypto Heroesは、暗号資産の一つであるイーサリアムをベースとしたブロックチェーンゲームで、取引高・取引量・DAUで世界1位を記録するほどの人気ゲームです。ユーザーは、ゲーム上で、NFT化したアイテムを交換したり、他のプレイヤーと対戦したりして楽しむことができます。
double jump.tokyoは、ブロックチェーンゲームを代表する企業として、ゲーム好きのユーザーが楽しめる様々なコンテンツを今後も生み出していくことが期待されています。
BAL:アバター用のバーチャルファッションアイテムを制作・販売
BALは、バーチャルファッションアイテムの制作・販売事業を展開しています。具体的にはVRChat上のアバターが着用可能なファッションアイテムを「only 4U」など複数のブランドにて制作・販売しており、既に100種類以上のアイテムをリリース、累計で10,000点以上を販売しています。
バーチャルファッションは、VRヘッドセットを着用しアバター姿で人が交流するVRChatなどのプラットフォ―ムの流行に伴い、市場が拡大しつつあります。メタバースが発展し、新たな生活圏となるためには、バーチャルファッションは必要不可欠な存在であり、大きなビジネスチャンスがあると考えられます。
BALは、より魅力的なバーチャルファッションアイテムを生み出すことで、誰もがファッションを楽しむことのできる世界の実現に貢献することを目指しているとのことです。
※関連インタビュー記事:「今若者にバーチャルファッションアイテムが売れるワケ」とは?
MATRIX:人々をハンディキャップから解放するためにメタバースサービスを提供
自動翻訳サービスなどを展開してきたMATRIXは、人々をハンディキャップから解放するという想いのもと、地理的・時間的・身体的制約を解決し得るメタバースへの参入を開始しています。
MATRIXは、「どこでもドア」というVR旅行を中心とした3Dの実写型メタバース空間を提供し、コロナ禍で実際の旅行に行けなくなったことを背景に、多くのユーザーから利用されました。
MATRIXのメタバースの特徴は、”リアル”なメタバースであることです。一般的なメタバース空間はゲームやアニメ調の3DCGで構成されているのに対し、MATRIXのメタバースは、メタバースでも実写でよりリアルな体験をしたいというニーズがあるという考えのもと、実写の3Dコンテンツにこだわりを持っています。
また、現在は、メタバース自動生成AI「Genesis」を開発中です。このAIは、例えば、「雪の降る砂漠にラクダが歩いている」などと話しかけるだけで、メタバース空間を自動生成できることを目指しています。このサービスが実現すれば、誰もが思い描いた理想郷で理想の生活が送れるようになり、大半の制約から解放され、より自由に生きられる時代に近づいていくと考えられます。
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