話題のメタバースとNFTの関係性とは?注目される理由や事例も解説
2021年末から世界的に注目を集めるメタバースとNFT。両者は全く異なる概念にも関わらず、Web3の重要な要素として同時に語られることが多いです。
一方で、「実は両者の関係がどのようなものか理解できていない」という方も多いのではないでしょうか?
そこで、今回はメタバースでのNFT活用が注目される理由を初心者の方にも分かりやすく解説します。
本記事を読めば、メタバースとNFTの相性が良い理由をしっかりと理解できると思いますので、ぜひ最後までご一読ください。
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メタバースとNFTとの関係性とは?NFTによってできる3つのこと
NFTはメタバースと非常に相性が良く、メタバースでの経済活動の発展に大きく貢献すると考えられています。その理由として大きく以下3つが挙げられます。
- ①メタバース上のデジタルアセットの権利保護
- ②メタバース間での相互運用の実現
- ③メタバースへのアクセス権の管理
それぞれについて分かりやすく解説していきます。
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①メタバース上のデジタルアセットの権利保護
1つ目の側面は、メタバース上のデジタルアセットの権利保護です。メタバース上で売買されるデジタルアセットの代表的な例として、アバターやアバター用のデジタルファッションアイテムなどが挙げられます。それらを従来のようにNFTを用いずに管理・売買を行うと簡単に複製が行えてしまうため、デジタルデータ自体に価値がつきづらく、制作者のインセンティブも生まれづらいという課題がありました。
そこで、それらのデータをNFTとして管理・売買することで、そのデータが世界で唯一であることを証明でき、複製することが難しくなるため、価値を持つようになり、経済活動が加速すると考えられています。
②メタバース間での相互運用の実現
2つ目の側面は、メタバース間での相互運用の実現です。NFTの特徴としてデータ自体を特定の会社のプラットフォームに依存せず、自分自身で管理できるというものがあります。その特徴を活用することで、異なるメタバース間でデジタルアセットを持ち運ぶことができるようになると期待されています。このデータの相互運用の仕組みにより、メタバースの最終形と考えられるマルチバースの実現に貢献できると考えられています。
③メタバースへのアクセス権の管理
3つ目の側面は、メタバースへのアクセス権の管理です。特定のNFT保有者のみがアクセスできるメタバース空間を構築することで、メタバースへのアクセス権を管理することができ、メタバース空間での体験のプレミア化を図ることが出来ます。既に多くのハイブランドがこの活用法を実践しており、自社の発行したNFT保有者限定で、限定イベントやアイテムの先行販売が行われるメタバースの運営を通じて、ファンのエンゲージメントを高める取り組みを進めています。
メタバース×NFTの活用事例5選
メタバース×NFTの代表的な事例として以下の5つが挙げられます。
- ①Decentraland:最も歴史が長いとされるメタバースプロジェクト
- ②TheSandbox:NFTゲームプラットフォーム
- ③Bored Ape Yacht Club(BAYC):デジタルアートによるNFTコレクションプロジェクト
- ④RTFKT:デジタル上のファッションアイテムの制作・販売を行うプロジェクト
- ⑤Axie infinity:ゲーム内で獲得したNFTによって生計を立てることが可能に
それぞれの事例をわかりやすく紹介していきます。
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①Decentraland:最も歴史が長いとされるメタバースプロジェクト
Decentralandとは最も歴史が長いとされるメタバースプロジェクトです。メタバースプロジェクトとは、VR上のユーザー体験を主としたゲームやコミュニケーションプロダクトを意味します。Decentralandはブロックチェーンの技術を活用したメタバースプロジェクトであり、バーチャルプラットフォームとしてメタバース内で収益を上げようとしている人たちから支持されています。
特徴としては、MANAというVRプラットフォーム上で利用されることを想定された独自仮想通貨がある点、ゲームを開発の経験がない人でも簡単にゲームやアイテムを作成できるなどクリエイター機能が充実している点や、「DAO(分散型自立組織)」による運営がなされてい点が挙げられます。クリエイター機能でアイテムやコンテンツをつくることだけでなく、その機能を通じてNFTを作成して、独自仮想通貨であるMANAを使ってNFTマーケットプレイスで売買することができます。
2015年にリリースされたDecentralandは、2021年初頭にはわずか4万人だったユーザー数が、現在は80万人に増えており、今後も増える見通しが高いです。また、2022年3月にはニューヨークやロンドンで開催される「ファッションウィーク」を模したイベント「Metaverse Fashion Week」を開催し、Dolce and GabannaやHugo Boss、Tommy Hilfigerなどの有名ブランドが参加するなどして大いに盛り上がりました。
②TheSandbox:NFTゲームプラットフォーム
TheSandboxとはボクセル(3次元のピクセル)によって構成されるNFTゲームプラットフォームです。マインクラフトのようにボクセル(3次元のピクセル)を積み重ねてメタバース上にゲームを作ることができ、ユーザーが作成したゲームで遊ぶことができたり、ユーザー間でのコミュニケーションを楽しむことができます。特徴としては、イーサリアムのブロックチェーン技術を基盤としている点、SANDという独自の暗号通貨を持っている点、SANDを用いてLAND(ランド)と呼ばれる土地やアバター、ゲームを作る上で必要な素材、アイテムなどをNFTマーケットプレイスで売買することができる点が挙げられます。
2012年にリリースされたTheSandboxは、2018年にAnimoca Brandsが買収してイーサリアムのブロックチェーン技術が導入されました。以降、ユーザー数が増加してダウンロード数は4,000万回、月間アクティブユーザー数は100万人を超えました。2020年3月にはスクウェア・エニックスなどから201万ドルの出資を受けるなどThe SandBoxは165以上のブランドとパートナーシップを結んでおり、今後の発展が期待されています。
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③Bored Ape Yacht Club(BAYC):デジタルアートによるNFTコレクションプロジェクト
Bored Ape Yacht Club(BAYC)とは類人猿をモチーフにしたデジタルアートによるNFTコレクションプロジェクトです。BAYCのコレクションは1万個のBored Ape NFT(類人猿のモチーフ)を集めたものになっており、それぞれ表情や服装などのパーツを組み合わせて生成されています。
販売された2021年4月は0.08ETHで購入することができたが、著名人がBAYCを購入したことが話題になったことで価格は急騰し、現在は1000万円前後の価格になっています。BAYCを購入した著名人には、米テレビ司会者として有名なジミー・ファロン氏や、ラッパーのポスト・マローン氏、DJのDJ キャレド氏、エイベックス代表取締役会長の松浦勝人氏などがいます。
また、購入者が所属するBored Ape Yacht Clubというコミュニティが存在しています。Bored Ape NFTを所有する方はコミュニティの会員になる権利があり、会員は会員限定のBAYCのストアにアクセス出来たりなどの特典があります。
④RTFKT:デジタル上のファッションアイテムの制作・販売を行うプロジェクト
RTFKT(アーティファクト)は2020年にロンドンで立ち上げられたブランドで、スニーカーを中心にデジタルアセットのデザイン・NFTの販売を行っています。オークションでの多額の販売実績や有名ブランド・アーティストとのコラボなど、メタバース・NFT×デジタルファッションの文脈では圧倒的な存在感を誇っています。RTFKTの販売するNFTの保有者はスニーカーや洋服をメタバース上で自身のアバターに着用させられたり、ARを活用して自身が実際にスニーカーを履いているような体験ができたりします。
RTFKTが脚光を浴びたのは2021年3月のこと、バーチャルスニーカーNFTのオークションを行い、開始7分で600足、約3.2億円の売上を記録しました。
また、数々のコラボレーションで度々注目を集めており、スポーツファッションブランドのNIKEや、アーティストの村上隆などとのコラボNFTをローンチしており、NFTの購入者はデジタルアセットだけでなく、NFTとリンクした実物の洋服を入手できるなどの取り組みが行われています。
RTFKTは2021年末にNIKEに買収されたことをTwitterで発表し、今後NIKEのケイパビリティを活かし、更なる成長を遂げることが期待されています。
⑤Axie infinity:ゲーム内で獲得したNFTによって生計を立てることが可能に
モンスターを育成して戦わせるNFTゲームであるAxie infinity(アクシーインフィニティ)では、ゲーム内で手に入れたNFTを換金することにより生計を立てている人々が存在します。
Axie infinityはアクティブユーザーが100万人を超える大人気ゲームで、ゲーム内で相手を倒すことによって得られたポイントでモンスターを増殖させたり、アイテムの購入の購入が可能です。そのため、物価の低いフィリピンなどの国では、Axie infinityを長時間プレイしそこで得たポイントを他のプレイヤーに売ることで現実の通貨に換金することで生計を立てている人が存在します。
メタバースでのNFT活用に向けた課題
メタバースでのNFT活用に向けた課題として以下の3つが挙げられます。
- ①個人情報や企業の機密情報の流出
- ②デジタルアセットの盗難やウォレットのハッキング
- ③匿名性を悪用した詐欺などの犯罪
それぞれの課題について分かりやすく解説していきます。
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①個人情報や企業の機密情報の流出
1つ目が個人情報や企業の機密情報の流出です。悪意のあるハッカーがメタバース空間のセキュリティの脆弱性を狙い、メタバースに関する個人や企業の情報をハッキングするリスクが考えられます。メタバース空間での活動データは従来のWeb上での活動データよりもリッチなものになる可能性があり、それらのデータが流出することは個人にとっても、企業にとっても大きな損害をもたらすと考えられます。
②デジタルアセットの盗難やウォレットのハッキング
2つ目がデジタルアセットの盗難やウォレットのハッキングです。メタバース上で利用されるアバターやファッションアイテムや土地などのデジタルアセットは、今後多くのケースでNFTを活用して取引が行われると考えられています。一方で、そのやりとりを行う暗号資産、デジタルアセットのウォレットがハッキングされるリスクが存在します。2018年に暗号資産取引所であるCoinCheckがハッキングされ、約580億円相当の仮想通貨が流出するという事件が代表的です。
③匿名性を悪用した詐欺などの犯罪
3つ目が匿名性を悪用した詐欺などの犯罪です。メタバースの特徴として、見た目や名前など全てのプロフィールを自由に設定でき、現実世界と異なる人格で様々な活動を楽しめるという点があります。一方で、悪意のあるユーザーがその特徴を活かし、匿名のアバターの姿で詐欺などの犯罪行為を犯すというリスクが考えられます。
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