メタバースとは?基礎知識から将来性、ビジネスへの活用方法まで解説
関連技術の進歩やオンラインコミュニケーション需要の高まりなどを背景とし、今後急速に人々の生活や仕事に普及していくと考えられるメタバース。
そのビジネスチャンスの大きさから、あらゆる業界の大手企業が参入を進めており、まさに活用の検討や推進をされている方も多いのではないでしょうか?
そこで、今回はメタバース活用を検討/推進される方が抑えておくべきメタバースの基礎知識や将来性からビジネスへの活用方法やポイントまで、一挙にご紹介します。
本記事は以下の様な方におススメの内容となっています。
- ビジネス視点での基礎知識の要点を一気に抑えておきたい
- 具体的な活用方法や検討の進め方も知りたい
- プロ目線でおススメのメタバースコンサル会社が知りたい
「これさえ読めば必要な基礎知識やノウハウを効率よく一気にキャッチアップできる記事」を目指し執筆いたしましたので、目次機能を活用しながらぜひご一読ください。
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目次
メタバースとは
メタバースには、様々な定義が存在しますが、「多数の人々が、現実世界のような様々な活動や交流ができる、インターネット上の3次元の仮想空間」のことを指します。
ユーザーは、アバターと呼ばれる自身の分身の姿でメタバース空間にアクセスし、他のユーザーとともに以下のような活動を行うことができます。
- ボイスチャットや身振り手振りでのコミュニケーション
- ゲームやライブイベントなどのエンタメ体験
- NFTなどを活用したデジタル資産の売買・投資活動
メタバースの利用方法は、スマホやPCからもアクセス可能ですが、Meta QuestやAppleが来年発売予定のApple Vision Proのようなヘッドマウントディスプレイからアクセスすることにより、より没入感のある体験が可能になります。
メタバース空間のベースとなるのはVRやARなどのXR技術が元になっており、これらの技術により現実空間と仮想空間が融合したような新たな空間が実現しています。
そのため、メタバースにアクセスする際は、MetaQuestなどのVRヘッドセットやNreal glassなどのARゴーグルを使用することが主流となっています。一方で、近年はスマホにより手軽にメタバースにアクセスできるサービスも多数登場しています。
※関連記事:【図解】メタバースとXR(VR・AR・MR)の違いとは?事例も紹介
ユーザーがメタバースでできること6選
個人がメタバースを利用することでできることは主に以下の6つです。
- ①ゲーム・エンタメサービスの利用
- ②オンラインショッピング
- ③他ユーザーとのコミュニケーション
- ④イベントへの参加
- ⑤NFTの売買・利用
- ⑥仕事をしてお金を稼ぐ
それぞれ以下の関連記事で、事例と共に分かりやすく解説しています。
※関連記事:【初心者向け】メタバースとは?注目の理由からできることまで解説!
メタバースが注目を集める6つの理由
メタバースが注目を集める理由として以下の6つが挙げられます。
- ①AppleやMetaなどのビックテックの本格参入・巨額投資
- ②関連技術の大幅な進歩とデバイスの低価格化
- ③コロナによるリモートコミュニケーションの普及
- ④若年層を中心とするユーザー数の増加
- ⑤仮想世界に対する人々の意識の変化
- ⑥メタバース市場の成長性の高さ
それぞれについてわかりやすく紹介していきます。
①AppleやMetaなどのビックテックの本格参入・巨額投資
1つ目の理由は、AppleやMetaなどのビッグテックが本格参入し、巨額の投資を行っていることです。例えば、Meta社は、2021年末にFacebookからMetaへ社名変更し、合わせて、メタバース領域に年間約1兆円規模の投資を行うことを発表しました。また、Appleは、2023年6月に、ゴーグル型XRヘッドセットデバイスであるApple Vision Proを発表するなどメタバース関連のデバイスの開発に力を注いでいます。
世界を代表するテック企業であるAppleやMeta社が多額の投資をしてまで、メタバースに注力していることは、メタバースには大きな可能性があるということを物語っています。
②関連技術の大幅な進歩とデバイスの低価格化
2つ目の理由は、メタバース関連技術の進歩です。メタバースは様々な領域のテクノロジーによって構成されているサービスですが、特に近年のテクノロジーの発展により体験価値が大きく向上しています。
具体的には通信技術の向上やコンピューターの処理性能の向上、メタバース向けデバイスの登場などが挙げられ、セカンドライフが登場した2000年代前半時点と比べると、メタバース空間内での体験をよりスムーズに、より没入感のある形で楽しむことができるようになりました。
このようにメタバースがオワコンであるといわれる理由の一つである通信速度の遅さという技術的な制約は、大幅に改善され、今後もさらに進化していくことが期待できます。
③コロナによるリモートコミュニケーションの普及
3つ目の理由は、コロナによるリモートコミュニケーションの普及です。コロナウイルス感染拡大の影響で、人々のコミュニケーションの機会が対面からリモートに移行し、プライベートはもちろん仕事上でのコミュニケーションも、SlackなどのチャットやZOOMなどのビデオ会話によって行われるのが当たり前の時代となりました。
デジタルを介したコミュニケーションの需要が拡大しているのはもちろん、人々が抵抗感なくデジタルコミュニケーションを利用するようになっているというのが非常に大きなポイントといえます。
④若年層を中心とするユーザー数の増加
4つ目の理由は、若年層を中心とするユーザー数の増加です。現在メタバースは、特にオンラインゲームでの用途を中心に若年層のユーザー数が急増しています。背景として、若年層は子供の頃から日常的にスマホを利用していること、コミュニケーションの手段としてSNSではなく、オンラインゲーム上のコミュニケーション機能を利用するシーンが増えていることなどが挙げられます。
ゲーム型メタバースの代表的なサービスとして挙げられる、フォートナイトが約5億人、ロブロックスが約2億人と圧倒的なユーザー数を誇ります。
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⑤仮想世界に対する人々の意識の変化
5つ目の理由は、仮想世界に対する人々の意識の変化です。かつては、仮想世界に時間を費やすのはおかしなことで、一部の変わった人がするものだという風潮がありました。
ところが、コロナのロックダウンで自宅に閉じ込められた結果、多くの人がフォートナイトやロブロックスなどの仮想世界のゲームに参加し、大いに楽しむようになりました。
ゲームだけでなく、バーチャルなイベントに参加したり、離れた場所にいる人と会話したりするためにメタバースを利用する人も増えたことで、仮想世界に対する人々の見方が変わり、かつてあったような偏見があまり見られなくなったと考えられます。
⑥メタバース市場の成長性の高さ
6つ目の理由は、メタバース市場の成長性の高さです。メタバース市場は国内・海外ともに今後大きな成長を見せると考えられています。
世界のメタバースの市場規模は2020年時点で約68兆円、2024年には約111兆円。日本国内のメタバースの市場規模は2021年度時点で約744億円、その後年率170%で成長し、2026年度には約1兆円にまで成長すると予想されています。
メタバースの4つの分類と主要プラットフォーム9選
メタバースの4つの分類
現在、国内外で”メタバース”と呼ばれるサービスは多数存在しますが、「どのような体験をコアとしているか」でサービスの設計やユーザー体験は大きく異なります。
メタバースは以下の大きく4つに分類することができます。
- ①ゲーム型メタバース:若年層を中心に現時点で最も普及が進むメタバース
- ②SNS型メタバース:対面している感覚でコミュニケーションが取れるメタバース
- ③NFT型メタバース:NFTを活用し楽しみながら稼ぐこともできるメタバース
- ④コマース型メタバース:より楽しく便利な買い物体験を提供するメタバース
それぞれの分類について分かりやすく紹介していきます。
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①ゲーム型メタバース
ゲーム型メタバースとは、VR/ARを活用したゲームがベースとなるメタバースのことです。ゲーム型メタバースは、メタバース市場の成長を牽引する存在で、非常に多くのユーザーを抱えており、Fortniteは3.5億人、Robloxは2億人のユーザー数を誇ります。
スマホの普及と通信環境の発展などを背景に、現代の若者にとって、オンラインゲームを友達と会話しながら楽しみ、ゲーム上のアイテムを売買するという体験は当たり前になっています。そのため、ゲーム型メタバースはユーザー自身が「メタバースを利用している」という感覚がないことが多く、最も自然に人々の生活に溶け込んでいるメタバースと言えます。
代表的なゲーム型メタバースとして、Fortnite、Roblox、ポケモンGOなどが挙げられます。
②NFT型メタバース
NFT型メタバースとは、NFTを活用した体験をベースとするメタバースのことです。NFT型メタバースはゲームとしての側面を持っていることが大半で、NFTの売買がゲームを楽しむ上での前提となっているメタバースゲームと言えます。NFT型メタバースは、2021年に多数のデジタルアートが高額で売買されNFTが流行した時期から登場し始めました。
NFT型メタバースの特徴として、ゲームを楽しみながら稼ぐことができるという点が存在します。そのため、投機目的のユーザーとゲームを楽しむこと自体を目的とするユーザーを集め、一気にユーザー数を伸ばしたメタバースが多いです。
一方で、アクティブユーザー数がNFTの価格の変動に大きく左右されるという特徴もあり、2022年の暗号資産・NFTの価格下落を受け、盛り上がりが陰りを見せているメタバースも少なくありません。
代表的なNFT型メタバースとして、TheSandBox、Decentralandなどが挙げられます。
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③SNS型メタバース
SNS型メタバースとは、アバターを通じたユーザー同士のコミュニケーションを体験設計の中心に据えるメタバースのことです。SNS型メタバースのなかでも、サービスによって、チャット中心のもの、ボイスチャット中心のもの、表情のトラッキングがされるものなどコミュニケーションの取り方は様々です。
SNSは老若男女問わず問わず、幅広く利用されるサービスであり、メタバース市場拡大に向け、SNS型メタバースの発展は非常に重要と言えます。
デバイスや通信技術の発展に加え、コロナ感染拡大の影響でリモートコミュニケーションの需要が拡大したことを背景とし、ユーザー数を伸ばしているメタバースです。
代表的なSNS型メタバースとして、Cluster、ZEPETOなどが挙げられます。
④EC型メタバース
EC型メタバースとは、メタバース上の体験を通じてECを楽しむことを設計の中心に据えるメタバースのことです。
ユーザーはEC型メタバースを利用することで、従来ECで買うことが難しかった家具や洋服などを安心して購入できたり、バーチャル上で友人と一緒に楽しみながらショッピングができたりします。このようにEC型メタバースは、従来のECの顧客体験を大きく変える可能性を秘めており、企業がビジネスとして取り組むうえで、最も成果に直結しやすいメタバースといえるでしょう。
代表的なEC型メタバースとしてIKEA Place、REV WORLDSなどが挙げられます。
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代表的なメタバースプラットフォーム9選
4つの分類それぞれの代表的なメタバースプラットフォームは以下の9個です。
- ①ゲーム型メタバース:Fortnite、Roblox、ポケモンGO
- ②NFT型メタバース:TheSandBox、Decentraland
- ③SNS型メタバース:cluster、ZEPETO
- ④EC型メタバース:IKEA Place、REV WORLDS
それぞれのプラットフォームについて、以下の関連記事で分かりやすく紹介しています。
※関連記事:【初心者向け】 メタバースの種類とは?SNS型やEC型などを紹介
メタバース市場の今後の展望
メタバース市場の成長を左右する8つのカギ
これまで紹介したようにメタバース普及の土台は固まりつつある一方で、今後大きく普及していくためには様々なドライバーが存在します。
その中から特に重要な8つのポイントを技術、社会、経済、政治の4つの観点から整理しましたので、それぞれについて分かりやすく解説していきます。
技術的観点
①VR/ARデバイスの性能・UXの向上
1つ目のポイントは、VR/ARデバイスの性能・UXの向上です。Meta Questを筆頭とするVRゴーグルやARグラスなどのデバイスが、いつ小型化・軽量化を実現するかはメタバース普及に向けた最大のカギです。現在のMeta QuestなどのVRゴーグルは10年ほど前から比べれば遥かに小型化・軽量化が進んでいますが、長時間装着するには身体への負担が大きいというのが現状です。
逆に、デバイスがサングラスのような重量とサイズ感に進化すれば、日常生活のほぼすべての時間、デバイスを装着しリアルとバーチャルが融合された、SFのような世界に一気に近づいていくでしょう。
②ハードウェア・ソフトウェアの標準化
2つ目のポイントは、ハードウェア・ソフトウェアの標準化です。メタバース関連デバイス・サービスの仕様がバラバラだと、利用・操作方法が異なる、アバターなどのデジタルアセットを他社の運営するメタバースに持ち込めないなど、様々な問題が発生します。
現状、メタバース関連デバイス・サービスを提供する各企業毎に仕様が異なっているものの、アバターではVRMというプラットフォームに依存しない規格が存在するなど、関連企業や団体が足並みを揃えるべく動いています。
社会的観点
③マス層に受けるヒットコンテンツの登場
3つ目のポイントは、ヒットコンテンツの登場です。現状の有力なメタバース上のサービスやコンテンツはVRゲームが大部分を占めており、若年層が中心のゲーム好き以外の一般層には、日々利用したくなるようなサービスが少ないというのが現状です。
そこで、ゲーム以外のコミュニケーションやエンタメ、仕事などの領域で多くの人々を魅了するヒットコンテンツが登場すれば、それを機に一気にメタバースが普及していくと考えられています。スマホの例で考えれば、LINEやパズドラなどのヒットコンテンツの登場がデバイスの普及に大きく貢献しています。
④アバターを介したコミュニケーションの定着
4つ目のポイントは、メタバースを介したコミュニケーションの定着です。メタバース普及に向けては、メタバース上の自分の分身であるアバターの姿で他のユーザーとコミュニケーションを取ることがどの程度定着するかが重要と考えられています。多くのユーザーがアバター姿の他ユーザーと話す際に、まるで本人と対面して話しているような感覚を得るようになれば、多くのリモートコミュニケーションがメタバースを通じたコミュニケーションに代替されていくと考えられています。
既に、Vtuberが世間的に流行したり、iPhoneに「ミー文字」と呼ばれる自分のオリジナルアバターで表情を送ることが出来る機能が搭載されるなど、アバターを介したコミュニケーションの定着の土台は整い始めていると言えるでしょう。
⑤メタバース関連人材の育成
5つ目のポイントは、メタバース関連人材の育成です。メタバース市場の成長には、メタバースを裏から支えるエンジニアや、メタバース上のコンテンツを作成するクリエイター、メタバースのビジネス活用を推進するBizDevなど、様々な人材が必要となります。
そのなかでも特に重要と考えられているのがメタバース上のコンテンツを作成するクリエイターです。メタバースの体験価値はメタバース上に集まるユーザー数とそれを惹きつける魅力的なコンテンツ数で大半が決まると言っても過言ではありません。そこでメタバース上で人々を魅了する3Dコンテンツを作成できるクリエイターをどの程度育成できるかは、メタバースの普及に向けて重要なカギとなります。
例えば、代表的なメタバースの1つであるRobloxは、ゲーム版のYoutubeと称されるように、ユーザーが制作したゲームタイトルによって構成されており、UGC(UserGeneratedContents)活用に成功し、約2億人に利用されるほどの成長を遂げました。既に、海外ではMetaやMicrosoft、国内ではPhychicVRLabなどの企業がクリエイター育成に向けた投資やプログラムの運営に取り組んでおり、今後多くのクリエイターの育成が進んでいくと考えられています。
経済的観点
⑥VR/ARデバイスの低価格化
6つ目のポイントは、VR/ARデバイスの低価格化です。法人向けデバイスとしてはマイクロソフト社の販売するHoloLens2の価格が本体のみで30万円以上、一般消費者向けのものも、Meta社の販売するMetaQuest2の価格がが2022年10月時点での価格は約6万円と、近年VRHMDを中心に低価格化は進みつつあるものの決して誰でも手に取れる価格とは言えません。一部報道によると、MetaQuest2はほぼコストと同等の価格で販売しているとも言われており、今後ビックテックを中心にどのように原材料費などのコスト削減を進めるかに注目が集まります。
⑦企業によるマネタイズ
7つ目のポイントは、企業によるマネタイズです。現在Meta社などのビックテックから、国内の幅広い産業のリーディングカンパニーまで、多くの企業がメタバースのビジネス活用に向けた積極的な投資を行っています。その理由として、収益向上に繋がる様々な活用が考えられていることがあり、具体的にはメタバース領域でのビジネス創出や作業現場の効率化、各種シミュレーションへの活用等があります。
一方で、メタバースは技術として黎明期のステータスにあり、現時点で既に大きな収益化に結びつけられている企業は多くはないのが現状です。そのため、企業が中長期的な収益獲得に繋がるビジネスモデルやエコシステムの確立に成功した事例が立ち上がる度に、各企業のメタバースへの投資が加速し、市場全体の発展に大きく貢献すると考えられます。
政治的観点
⑧メタバース・NFTに関する法整備
8つ目のポイントは、メタバースやNFTに関連する法律整備です。現在、日本政府はWeb3を日本の成長産業の1つとして掲げ、Web3.0政策推進室を設置するなど、産業の発展に積極的な動きを見せています。一方で、メタバース・NFT関連の法律はいまだ整備がなされておらず、企業・個人間でのトラブルに繋がるリスクが存在します。例えば、NFT関連事業者に関する課税制度やデジタルアセット等の所有権、嫌がらせ・誹謗中傷への対処、写り込みの問題など様々な法整備が進んでいないのが現状です。
※参照:経済産業省-経済秩序の激動期における経済産業政策の方向性
企業がメタバースを活用する12の方法
メタバースのビジネス活用方法は多岐にわたりますが、代表的な手法として大きく以下の3カテゴリ・12パターンが挙げられます。
<新規事業構築>
- ①メタバースサービスの構築
- ②イベントの開催
<マーケティング・ブランディング>
- 大手メタバースプラットフォーム/イベントの活用
- ③自社ワールド制作
- ④自社アバターやスキン配布・販売
- ⑤広告出稿
- ⑥イベントへの出展
- ⑦既存の顧客接点の機能強化
- ⑧自社メタバースサービスの構築
<社内業務効率化>
- ⑨バーチャルオフィスの導入
- ⑩社員研修への活用
- ⑪シミュレーション
- ⑫作業現場のサポート
それぞれの手法について概要やメリットは以下の関連記事で解説しています。
※関連記事:メタバースをビジネスに活用する全12の方法|メリットと事例を紹介
企業がメタバースを活用する2つのリスク
企業がメタバースを活用するリスクとしては以下の2つが挙げられます。
- ➀セキュリティの脆弱性によるハッキング等の被害
- ②法整備の遅れによるトラブル
それぞれのリスクを分かりやすく解説していきます。
➀セキュリティの脆弱性によるハッキング等の被害
1つ目のリスクとして、メタバースのセキュリティの脆弱性を狙ったハッキングなどの被害が挙げられます。具体的には、個人情報や企業の機密情報が流出する、デジタルアセットや暗号資産が盗まれる、メタバース空間自体が改ざんされるなどのリスクが存在します。
これらの被害は、事前に認証システムや不正検知システムの強化などのセキュリティ対策を行うことで一定防げると考えられており、各社運用に際しては注意が必要です。
②法整備の遅れによるトラブル
2つ目のリスクとして、メタバース関連の法整備の遅れによるトラブルの発生が挙げられます。具体的には、メタバース上でのデジタルアセット等の所有権や嫌がらせ・誹謗中傷への対処、写り込みの問題など、メタバース上での様々な活動への法整備が進んでいない状況です。
これらの状況への対策として、Web3.0制作推進室を設置するなど、産業の発展に積極的な動きを見せる日本政府の法改正や具体的な判例など最新情報をキャッチアップすることが重要となります。
活用方法毎の注目メタバース活用事例24選
活用方法毎の注目のメタバース活用事例として以下の24個が挙げられます。
- ①メタバースサービスの構築:KDDI、バンダイナムコ
- ②イベントの開催:日産自動車、サンリオ
- ③大手メタバースプラットフォームでの自社ワールド制作:エイベックス、GUCCI
- ④大手メタバースプラットフォームでの自社アバターやスキン配布・販売:バレンシアガ、ポロラルフローレン
- ⑤大手メタバースプラットフォームでの広告出稿:Universal Studios、Pimax Technology
- ⑥大手メタバースイベントへの出展:BEAMS、みずほ銀行
- ⑦既存の顧客接点の機能強化:NIKE、ZOZO
- ⑧自社メタバースサービスの構築:三越伊勢丹、ぴあ
- ⑨バーチャルオフィスの導入:アクセンチュア、デンソー
- ⑩社員研修への活用:ウォルマート、ANA
- ⑪シミュレーション:東急建設、旭化成
- ⑫作業現場のサポート:トヨタ自動車、メディカロイド
それぞれの事例の概要や各社の狙いについては、以下の関連記事で詳しく解説しています。
※関連記事:メタバースをビジネスに活用する全12の方法|メリットと事例を紹介
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企業がメタバース活用を進めるための4フェーズ35ステップ
メタバース活用の進め方は大きく4つのフェーズに分けられます。
- Phase1:市場動向・知見のキャッチアップ
- Phase2:戦略/企画の立案
- Phase3:事業計画の策定
- Phase4:開発・運用
それぞれのステップについて分かりやすく紹介していきます。
Phase1:市場動向・知見のキャッチアップ
1つ目のPhaseが取り組むべきなのが最先端の市場動向・知見のキャッチアップです。メタバースのMetaなどのビックテックやユーザーの動向・先進活用事例など、日々変化する市場動向やナレッジをキャッチアップしましょう。このフェーズが、成果に繋がる骨太な戦略/企画策定の大前提となります。
Phase2:戦略/企画の立案
2つ目のPhaseがメタバース活用の戦略/企画です。活用目的を踏まえ、中長期で目指す事業の姿や自社の強みの活用の仕方、実現に向けた企画を立案しましょう。ユーザーバリューと自社の事業性の両方を満たす、質の高い戦略/企画の立案が、成果につながるメタバース活用の実現に向け最も重要なポイントとなります。
Phase3:事業計画の策定
3つ目のPhaseが事業計画の策定です。事業に期待する成果や開発・運用のアプローチやタイムライン、必要な投資額などを検討しましょう。特に、メタバース開発・運用といっても、プロジェクト毎に求められるケイパビリティは様々であるため、自社にマッチするツール・ベンダーの選定が非常に重要です。
Phase4:開発・運用
4つ目のPhaseが開発・運用です。メタバース開発・運用には幅広い領域の知見や技術スタックが求められるため、外部のベンダーなどを有効活用し、不足するケイパビリティやリソースを補完しつつ、ユーザーに届けたい体験を実現するメタバースの開発とマーケティングを含めた運用を実施しましょう。
全4フェーズにおける35ステップの具体的な進め方やポイントについては、以下の関連記事で解説しています。
※関連記事:メタバースを活用した事業を作る方法|全4フェーズと35ステップ
成果につながるメタバース戦略/企画の策定に向けた3つのポイント
成果につながる戦略/企画の策定に向けたポイントとして以下の3つが挙げられます。
- ①自社の課題・活用目的の明確化
- ②経営課題を踏まえた骨太なメタバース戦略の策定
- ③UXに軸足を置いたメタバースならではの体験設計
それぞれについてわかりやすく紹介していきます。
①自社の課題・活用目的の明確化
現在メタバース活用に取り組む企業には、”メタバースを活用すること自体”が目的化してしまっている企業が見受けられます。
その結果、商品プロモーションやブランディング、新たな収益源の獲得など、期待していた成果を上げられないという結果に終わってしまいます。
そのため、「活用によりどのような経営課題を解決したいのか?」「課題解決の打ち手としてなぜメタバースではないといけないのか?」といった自社の経営課題や活用目的の明確化が、成果につながる戦略/企画策定の大前提となります。
②経営課題を踏まえた骨太なメタバース戦略の策定
現在メタバース活用に取り組む企業には、メタバース活用の取り組みが単発で終わってしまっている企業が見受けられます。
その結果、活用のPDCAが回らない、メタバース活用が小粒な施策の1つに留まってしまうなど大きな収益機会の獲得に繋がらないという結果に終わってしまいます。
そのため、中長期での事業の目指す姿や足元の実証的な取り組み計画を策定するなど、骨太なメタバース戦略の策定が重要となります。
③UXに軸足を置いたメタバースならではの企画/体験設計
企業側の都合が中心で設計された、ユーザーバリューやユーザビリティの低いメタバースをリリースしてしまった場合、ユーザーが価値を感じず、継続的な利用をしてくれないという結果に終わってしまいます。
そのため、ユーザー目線で”メタバースならでは”の価値ある体験を届けることのできる企画や体験設計が重要となります。
メタバースの開発・運用を進める2つの方法
メタバース開発・運用を進める方法として以下の2つが挙げられます。
- ①制作会社に依頼をする
- ②制作ツール/プラットフォームを活用する
それぞれの制作方法について分かりやすく紹介します。
⇒関連サービス:メタバース総研の開発・運用サービスはこちら
①制作会社に依頼をする
1つ目は制作会社に依頼をする方法です。
メリットとして以下の4点が挙げられます。
- 制作会社の豊富な経験やスキルをもとにハイクオリティなメタバース制作が行える
- 自社の要望に対してオーダーメイドに近い形でメタバース制作が行える
- 自社社員に経験や知識が無くともメタバース制作を行える
- 自社社員のリソースを大きく節約できる点
一方、デメリットとしては、自社での開発や制作ツール/プラットフォームを活用する場合に比べ、費用がかかってしまう点が挙げられます。
②制作ツール/プラットフォームを活用する
2つ目は制作ツール/プラットフォームを活用する方法です。
メリットとしてメタバース制作の費用を抑えることができる点が挙げられます。
一方のデメリットは以下の3点です。
- 制作できるメタバースの機能や体験、ビジュアルなどに制限がある
- 経験やスキルを有した社員がいない場合、制作を進めるハードルや工数が大きい
- 自社社員が手を動かす必要がありリソースが一定必要になってしまう
そのため、制作ツール/プラットフォームは、プロモーション等に活用する簡易的なメタバースの制作のために活用されることが一般的です。
オススメのメタバースコンサル会社4選
おススメのメタバースコンサルティング会社としては、以下の4社が挙げられます。
- ①アクセンチュア:ITに強みの世界最大のコンサルティングファーム
- ②メタバース総研:戦略/企画策定が強みのXRコンサル・開発企業
- ③PwC:戦略から会計まで幅広いコンサルティングを提供
- ④凸版印刷:メタバース上のショッピングモールを運営
各社の特徴や強みについて、わかりやすく紹介していきます。
①アクセンチュア:ITに強みの世界最大のコンサルティングファーム
アクセンチュアは、世界120カ国に約70万人のスタッフを要する世界最大のコンサルティングファームで、戦略、業務改善、IT、デジタル広告など幅広い領域のコンサルティングを提供しています。
アクセンチュアは、IT領域でのコンサルティングやメタバースに関する知見を強みとし、戦略策定やメタバースの構築・運用、社員向けの知見の共有など様々なメタバースコンサルティングを提供しています。
メタバースに関する知見として、メタバースに関する特許の申請数600以上、ラボでの実証件数245件を誇ります。
②メタバース総研:国内最大級の知見に基づき企画から開発まで支援
メタバース総研は、企業向けのメタバース/XRのコンサルティング・開発を行っている会社です。
同社は、多数のメタバース/XR活用支援と国内最大級のビジネス向けメタバースメディアの運営により培った、豊富な経験と知見を武器とする、高品質のコンサルティングから制作/開発までの一気通貫での支援を強みとしています。
さらに、各領域に強みを持つ、38名のクリエイター/エンジニアや12社のパートナー企業による強力な支援体制を有しており、各企業の目的や要望に合わせた、オーダーメイドでの制作/開発が可能な点も特徴です。
そのため、現状構想段階にあり事業・企画の立案から支援してほしい企業や、テンプレ的な設計ではなく自社ならではのメタバース/XRを制作/開発したい企業におススメです。
※メタバース総研は豊富な経験とナレッジに基づき、各社様に合わせた先進事例や具体的な活用アイデアなどの最新ナレッジをご提供させていただいております。 メタバース/XR活用でお困りの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
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③PwC:戦略から会計まで幅広いコンサルティングを提供
PWCは、世界157カ国に約30万人のスタッフを要する世界最大級のコンサルティングファームで、戦略、オペレーション、M&A、事業再生、会計など幅広い領域のコンサルティングを提供しています。
PWCは、様々な業界に対する幅広い領域のコンサルティングを通じた知見を強みとし、事業構想から新規事業のデザイン、システム開発まで一気通貫でのメタバースコンサルティングを提供しています。
また、全社員向けのイベントや入社式をメタバース上で行うなど、社員がメタバースに触れ理解を促進する取り組みも進めています。
④凸版印刷:メタバース上のショッピングモールを運営
凸版印刷は、印刷事業を中心に、各種チラシ作成やマーケティングのコンサルティングなどを行っている会社です。
凸版印刷は、自社の運営するメタバース上のショッピングモールである「メタパ」を強みとし、メタバースを活用した新しい顧客体験の創出に向けたコンサルティングを提供しています。
メタバース空間上の仮想ショッピングモールであるメタパのユーザー目線での特徴は次の2点です。
1.リアルとバーチャルを融合した新しい買い物体験
2.友だちや家族とグループでショッピングができる
1点目のリアルとバーチャルを融合した新しい買い物体験に関して、メタパではリアルのお店で販売されているリアルの商品をメタバース上で購入することができます。
2点目の友だちや家族とグループでショッピングができる点に関して、メタパは メタ+パーティの造語であり、仲間と集まれるメタバース(仮想空間)です。人が集まる賑わいや、友だちや家族といろんなお店を一緒に巡ってショッピングできる楽しさをバーチャルで体験できます。
費用対効果・実現性が高いメタバース活用方法
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豊富な経験・ナレッジを活かした戦略・企画策定
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経験豊富なクリエイター・エンジニア・コンサルタントによる並走支援
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