メタバースを活用した音楽ライブイベントの事例12選【2024年最新】
関連技術の進歩やオンラインコミュニケーション需要の高まりなどを背景とし、今後急速に人々の生活や仕事に普及していくと考えられるメタバース。
メタバースは音楽業界との相性が非常に良く、ソニーミュージックやエイベックスなどの大手企業も相次いで参入を始めています。
そんななか、「音楽業界にどのようにメタバースを活用するのかイメージが沸かない」、「具体的にどのような活用事例があるのか知りたい」という方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、メタバースを活用した音楽ライブの事例やメリットをわかりやすくご紹介します。
本記事をお読みいただければ、メタバースを音楽業界のビジネスに活用するためのヒントが得られるかと思いますので、ぜひ最後までご一読ください。
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目次
- そもそもメタバースとは
- 企業がメタバースを音楽ライブに活用する4つのメリット
- メタバースを活用した音楽ライブの事例12選
- ①サンリオバーチャルフェス:有名アーティストがメタバース上に集合
- ②フォートナイト:米津玄師や星野源がバーチャルライブを開催
- ③阪神阪急HD:メタバース上での音楽フェスを主催
- ④ソニーミュージック:最先端のXRライブプロジェクトを実施
- ⑤ぴあ:バーチャルライブ向けの独自メタバースを構築
- ⑥REALITY:アバター姿でのライブ配信プラットフォーム
- ⑦VARK:メタバース上でのライブイベントプラットフォーム
- ⑧Wave:ジャスティンビーバーなどがバーチャルライブを開催
- ⑨マインクラフト:ゲーム内でバーチャル音楽ライブを開催
- ⑩Metaverse Music Festival:世界最大級のバーチャル音楽フェスティバル
- ⑪Roblox:ゲーム空間上でのバーチャルライブを開催
- ⑫プロトライブ:メタバースプロジェクト「ホロアース」におけるライブイベント
- 費用対効果・実現性が高いメタバース活用方法
そもそもメタバースとは
メタバースとは一言でいうと、人々が様々な活動を行うことのできるインターネット上の3次元の仮想空間のことを指します。
メタバースの語源は「超越」を意味する「meta」と「世界」を意味する「universe」を組み合わせた造語だと言われています。メタバースという言葉が世界で初めて使われたのは、1992年にニール・スティーヴンスン氏が発表したSF小説「スノウ・クラッシュ」です。
メタバースにおいて、ユーザーはアバターと呼ばれる自身の分身の姿でメタバース空間にアクセスし、他のユーザーとコミュニケーションや経済活動を行うことができます。例えば、集まって会話をしたり、イベントやスポーツ、買い物などを楽しむことができます。
一般ユーザーに広く普及しているメタバースサービスとして、「Fortnite」や「Roblox」、「どうぶつの森」などのゲーム型のメタバース、「VRChat」や「Cluster」などのSNS型のメタバースが挙げられます。
メタバースへのアクセス方法としては、スマホやPCからもアクセス可能ですが、Apple Vision ProやMeta Questのようなヘッドマウントディスプレイからアクセスすることにより、より世界に没入したような体験が可能になります。
企業がメタバースを音楽ライブに活用する4つのメリット
企業がメタバースを音楽ライブに活用するメリットとして、以下の4つが挙げられます。
- ①幅広いユーザーを集客できる
- ②メタバースならではの体験を届けることができる
- ③多くのビジネスチャンスに繋がる
- ④イベント会場費や工事費を削減できる
それぞれを分かりやすく解説していきます。
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①幅広いユーザーを集客できる
メタバースを活用したライブのメリットの1つとして、「いつでも、どこからでもアクセスしてもらえる」ため集客しやすいという点があります。従来のリアルな空間でのイベントでは、ターゲットとなる人が地理的に大きく制限されているため、一定程度ターゲットが密集している都心部など以外で施策を実施しづらいという課題がありました。そこで、メタバース上でライブを行うことで、幅広い地域のターゲットにリーチすることが可能です。
また、メタバースを活用することで、若者世代との接点獲得に苦戦していた企業・商材のマーケティングを加速させることもできます。メタバースがデジタルネイティブの比較的若い世代から人気を集めていることや、人気のコンテンツなどとコラボしたりゲーミフィケーションを取り入れたプロモーション施策との相性が良いことから、若者世代の顧客獲得への打ち手としての活用が進んでいくことが考えられます。
②メタバースならではの体験を届けることができる
メタバースを活用したライブでは、リアルだけのライブでは実現の難しい体験をユーザーに提供することができます。
開催者側は、シーンを一瞬で切り替える、アクロバティックなパフォーマンスの実現など演出の幅を広げられます。
観客は音楽ライブでアーティストの目線でライブへ参加できたり、イベント会場内での移動に時間がかからなかったりと、メタバース空間上ならではの体験が可能です。
③多くのビジネスチャンスに繋がる
メタバースを活用したイベントを開催/出展することで様々なビジネスチャンスを獲得することができます。
現実世界のイベントと同様、プロモーション・マーケティング効果が見込めることはもちろん、イベントへの入場券やデジタルコンテンツの販売など非常に収益性の高い新たなビジネスを展開することが可能です。
④イベント会場費や工事費を削減できる
VRイベントはバーチャル空間上のみで提供できるため、イベント会場費や物理的な工事費を削減することが可能です。リアルでは時間や費用がかさみがちなシーズン毎の演出の切り替えもソフトウェア上で行うため、費用・時間ともに節減できます。
これにより企業は限られた予算内で、施設工事に時間をかけず、コンテンツ制作やマーケティング活動にその分のリソースを投下できます。また、物理的な構造物やインフラが不要なため、リアルでの大規模イベントで近年問題となっている環境への影響を最小限に抑えることができます。
メタバースを活用した音楽ライブの事例12選
メタバースを活用した音楽ライブの事例として以下の12個が挙げられます。
- ①サンリオバーチャルフェス:有名アーティストがメタバース上に集合
- ②フォートナイト:米津玄師や星野源がバーチャルライブを開催
- ③阪神阪急HD:メタバース上での音楽フェスを主催
- ④ソニーミュージック:最先端のXRライブプロジェクトを実施
- ⑤ぴあ:バーチャルライブ向けの独自メタバースを構築
- ⑥REALITY:アバター姿でのライブ配信プラットフォーム
- ⑦VARK:メタバース上でのライブイベントプラットフォーム
- ⑧Wave:ジャスティンビーバーなどがバーチャルライブを開催
- ⑨マインクラフト:ゲーム内でバーチャル音楽ライブを開催
- ⑩Metaverse Music Festival:世界最大級のバーチャル音楽フェスティバル
- ⑪Roblox:ゲーム空間上でのバーチャルライブを開催
- ⑫プロトライブ:メタバースプロジェクト「ホロアース」におけるライブイベント
それぞれの事例について分かりやすく解説していきます。
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①サンリオバーチャルフェス:有名アーティストがメタバース上に集合
サンリオバーチャルフェストは、メタバース上で開催された、リアル/バーチャルのアーティスト総勢52組が集まったライブイベントです。
アーティストは、AKB48などのリアルアーティストから、Vtuber、VRChat上で活動するアーティストまで、幅広いジャンルのアーティストが一堂に会することで、大きな話題を呼びました。
この取り組みのポイントは、ユーザーが求めるものを実現するために、企業や団体の垣根を超えたコラボレーションを実現させた点です。このように、ユーザーを特定の企業やプラットフォームに囲い込もうとするWeb2.0的な発想とは違った取り組みが、今後のメタバース市場の盛り上がりに繋がっていくでしょう。
②フォートナイト:米津玄師や星野源がバーチャルライブを開催
米津玄師や星野源は、フォートナイト上でバーチャルライブを開催しました。
米津玄師は2020年に開催中であったライブツアー「米津玄師 2020 TOUR / HYPE」の中断等に伴いフォートナイトでの全世界同時バーチャルライブを開催し、世界中から様々なプレイヤーが参加しました。米津玄師は「STRAY SHEEP」のジャケットに描かれた羊のマスクを被った3DCGの姿で様々な場所に移動しながらパフォーマンスを披露しました。
星野源はフォートナイト内で開催されるバーチャルイベント「Soundwave Series」に参加して世界中のアーティストとともにバーチャルライブを披露しました。
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③阪神阪急HD:メタバース上での音楽フェスを主催
大手関西私鉄である阪神阪急HDは、メタバース上での音楽フェスである「JM梅田ミュージックフェス」を開催しました。JM梅田ミュージックフェスは、阪急阪神HDが百貨店を含む大阪・梅田の街を忠実に再現したメタバース空間上で実施されるオンライン音楽祭です。
当イベントでは、メタ―バース空間となった大阪梅田を舞台に、VTuber等のバーチャルキャラクターによる音楽フェスが実施されました。アバターの姿で参加する来場者は、コンサートの参加、グッズ販売などのコンテンツが提供された他、バーチャルな梅田を高い没入感で体感できました。音楽フェスには30名を超えるVTuberなどのバーチャルアーティストが参加し、来場者数は8万人以上を記録する盛況となりました。
同社は、100年以上続けてきた「街づくり」のノウハウをメタバース領域でのビジネス展開に活用できるのではと考えています。
④ソニーミュージック:最先端のXRライブプロジェクトを実施
株式会社ソニー・ミュージックレーベルズは新たな仮想空間プロジェクト「ReVers3:x(リバースクロス)」の始動を発表しています。「ReVers3:x」では独自に制作した仮想空間を舞台に様々なアーティストのライブを楽しむことができるショートライブプロジェクトです。「ReVers3:x」の第1弾として、ラッパーのKEIJUのライブが配信されました。仮想空間上に作られた東京のストリートに設置されたステージ上にはデジタルアーティストによるアートも配置され、音楽のみならず、空間としても楽しめるコンテンツとなっています。
⑤ぴあ:バーチャルライブ向けの独自メタバースを構築
ぴあ株式会社は、バーチャルライブプラットフォーム「NeoMe」(ネオミー)をスマートフォンアプリのサービスとして提供開始しました。「NeoMe」は、ユーザーがアバターとなってバーチャル空間に入り、バーチャルライブを中心に、ユーザー同士の交流やアバターのコーディネートを楽しむことができるスマートフォンアプリです。
ぴあは、「NeoMe」を通じて、次世代を担う若手パフォーマーに対して、バーチャルを起点とした新たな表現や活動の場を提供しています。ユーザーやファンは、同じ趣味の人とつながる場を提供し、パフォーマーとユーザーの新たなコミュニティづくりを支援します。
バーチャルライブの第1弾となる「NeoMe Live Vol.1」には、ヤバイTシャツ屋さんが出演しました。
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⑥REALITY:アバター姿でのライブ配信プラットフォーム
REALITYは、アバターを用いたライブ配信を軸としたメタバースプラットフォームです。
自分だけのオリジナルアバターを作成し、モーションキャプチャー技術を用いたリアルなライブ配信で視聴者とコミュニケーションを取ったり、アバターが受け取るギフトでマネタイズするなど、簡単操作で楽しめるスマートフォン向けメタバースです。5GやVR/ARを見据えたエンタテインメントの未来像を実現しています。
また、法人向けに3DCGとXR技術を活用したXRクラウド事業「REALITY XR」も展開しています。
⑦VARK:メタバース上でのライブイベントプラットフォーム
VARKは、メタバース上で現実と同じようにライブイベントを楽しむことができるアプリケーションです。決まった時間に開かれるイベントに誰でも参加でき、そのイベントに「いる」アーティストのライブを、一体感を感じながら楽しむことができます。目の前で歌う」「一瞬で世界が変わる」など、バーチャルの可能性をフルに活用し、最高の体験を提供することを目指します。
⑧Wave:ジャスティンビーバーなどがバーチャルライブを開催
Waveはアーティストがメタバース上でデジタルアバターの姿でライブを開催することのできるバーチャルコンサートプラットフォームです。世界的なアーティストがメタバース内でライブを行っており、The WeekndやJustinBieber などが開催しています。JustinBieberは初のバーチャルライブ「An Interactive Vitual Experience」をWave上で開催し最新アルバムを披露。また、John Legendも同年にWave上で「John Legend’s A Bigger Love Live」を開催し、視聴者はVRヘッドセットを使用してアバターを通じてリアルタイムでコンサートに参加しました。
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⑨マインクラフト:ゲーム内でバーチャル音楽ライブを開催
マインクラフト上では数多くのバーチャル音楽ライブが行われています。コロナウイルス対策のチャリティーイベントとしてOpenPitによって開催されたバーチャル音楽フェス「NETHER MEANT」は、Twitchでの視聴者数は9000人、収益は8000ドルを超えました。マインクラフト内のライブハウスには、当日参加したアーティストのアルバムジャケットをイメージしたステージに加え、バーカウンターや物販エリアなどクオリティの高いメタバース空間が再現されました。
⑩Metaverse Music Festival:世界最大級のバーチャル音楽フェスティバル
メタバースプラットフォームDecentralandにて世界最大級のバーチャル音楽フェスティバル「Metaverse Music Festival」が開催され、海外のアーティストから国内のバーチャル界隈で活動するアーティストら約150名が参加しました。Decentralandとはメタバースとブロックチェーン技術の融合によってできたVR空間のプラットフォームであり、将来性のあるコンテンツとして期待されています。
このイベントでは、メインステージに加え合計15ステージの様々なコンセプトのライブを楽しむことができます。唯一の日本ステージである「MetaTokyoエリア」には特設ビジョンが設けられ、日本のアーティストのコンテンツを上映することで、世界に向けて日本のカルチャー、エンターテイメントが発信されました。
⑪Roblox:ゲーム空間上でのバーチャルライブを開催
アメリカでは「Fortnite」「Minecraft」に並ぶ人気オンラインゲーム、「Roblox」において、ゲーム空間を活かした音楽ライブイベントが急増しています。2023年3月にはアメリカで開催されるスポーツ一大イベント「NFTスーパーボール」のプレーゲームイベントとして、Roblox内に新設されたRhythm Cityでヒップホップ歌手Saweetieによるパフォーマンスが行われました。
今後は、Saweetieの他にもワーナーミュージック所属アーティストによるバーチャルコンサートがRhythm Cityで開催される予定です。
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⑫プロトライブ:メタバースプロジェクト「ホロアース」におけるライブイベント
Vtuberグループ「ホロライブ」を手がけるカバー株式会社は、同社が開発中のメタバースプロジェクト「ホロアース」におけるバーチャルライブイベント「プロトライブ」を開催しました。ホロライブ所属のAZKiさんとホロライブEnglish所属の森カリオペさんがメタバース上で楽曲の歌唱を披露し、多くのファンを魅了しました。今回はサーバー負荷などの検証を目的とした開催でしたが、今後Vtuberとメタバースを組み合わせた音楽イベントは活発になっていくことが見込まれます。
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