人気メタバースVRChatとは?企業の活用事例やメリットも紹介
MetaやAppleによるXRデバイスの発売・発表やメタバースゲームの普及によりますます注目を集めるメタバース。中でも、「VRChat」は、世界最大のソーシャルVRプラットフォームとして若者を中心に絶大な人気を誇っています。
一方で、「VRChatって聞いたことあるけど、どのようなサービスなのかわからない」「VRChatをビジネスに活用したい」という担当者の方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、大人気メタバースVRChatの概要や特徴について、企業の活用事例やメリットなどとともにわかりやすくご紹介します。
本記事は、以下のような方におすすめの記事となっています。
- VRChatのビジネス活用を検討している
- VRChatの特徴、できることなどを一通り押さえておきたい
- メタバースをビジネスに活用する際のポイントを押さえておきたい
本記事を読めば、VRChatをビジネスに活用する上で絶対に押さえておきたいポイントを効率よくキャッチアップできると思いますので、ぜひ最後までご一読ください。
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目次
- そもそもメタバースとは
- VRChatとは
- 企業がVRChatでできること4選
- メタバースプラットフォームをビジネスに活用する4つの方法
- 企業によるメタバースプラットフォームの活用事例13選
- ①バレンシアガ:Fortnite上でバーチャルファッションアイテムを販売
- ②トラヴィス・スコット:Fortnite上でバーチャルライブを開催し記録的集客
- ③Verizon:Fortnite上で独自のワールドを制作しPRに活用
- ④志摩スペイン村:Roblox上にリゾート施設を再現
- ⑤Universal Studios:Roblox内に映画広告を掲載
- ⑥ポロラルフローレン:ZEPETOでアバター用の洋服を販売
- ⑦ZARA:ZEPETO内と実店舗の両方で同じデザインのアイテムを販売
- ⑧日産自動車:VR chat上で新車発表・試乗会を開催
- ⑨PimaxCrystal:VRChat上のポスター広告にVRデバイスの宣伝広告を出稿
- ⑩KDDI:cluster上で熱狂しながらサッカー日本代表戦を観戦
- ⑪大阪府・大阪市:cluster上の「バーチャル大阪」で魅力を発信
- ⑫エイベックス:The Sandbox上にエイベックスランドを開設
- ⑬JPモルガン:Decentraland上に仮想店舗を開設
- 企業がメタバースを活用する3大メリット
- 企業がメタバース活用で成果を上げるための5つのポイント
- 企業がメタバースを活用するための4つのステップ
- 費用対効果・実現性が高いメタバース活用方法
そもそもメタバースとは
メタバースとは一言でいうと、人々が様々な活動を行うことのできるインターネット上の3次元の仮想空間のことを指します。
メタバースの語源は「超越」を意味する「meta」と「世界」を意味する「universe」を組み合わせた造語だと言われています。メタバースという言葉が世界で初めて使われたのは、1992年にニール・スティーヴンスン氏が発表したSF小説「スノウ・クラッシュ」です。
メタバースにおいて、ユーザーはアバターと呼ばれる自身の分身の姿でメタバース空間にアクセスし、他のユーザーとコミュニケーションや経済活動を行うことができます。例えば、集まって会話をしたり、イベントやスポーツ、買い物などを楽しむことができます。
一般ユーザーに広く普及しているメタバースサービスとして、「Fortnite」や「Roblox」、「どうぶつの森」などのゲーム型のメタバース、「VRChat」や「Cluster」などのSNS型のメタバースが挙げられます。
メタバースへのアクセス方法としては、スマホやPCからもアクセス可能ですが、Apple Vision ProやMeta Questのようなヘッドマウントディスプレイからアクセスすることにより、より世界に没入したような体験が可能になります。
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VRChatとは
VRChatとは、VR上で世界中の人々とコミュニケーションが取れる、世界最大のソーシャルVRプラットフォームです。ユーザーは、好きなアバターの姿でチャットや音声通話、身振り手振りなどを通じてコミュニケーションを取ることができます。また、コミュニケーションはVRChat内に存在する無数のワールドと呼ばれるバーチャル空間内で行われ、ユーザー自身がワールドを作成したり、そこでイベントを開いたりすることもできます。
VRChatはPCからもアクセス可能ですが、Meta QuestなどのHMD(ヘッドマウントディスプレイ)からアクセスすることで、まるで同じ部屋にいる人と会話しているような体験をすることができます。
2022年1月には同時接続者が過去最高の約4.2万人にまで上り、世界を代表するVR/メタバース空間に成長しています。
企業がVRChatでできること4選
企業がVRChatでできることとして、以下の4つが挙げられます。
- ①企業の世界観を再現した独自ワールドの作成
- ②バーチャルアイテムの販売による収益の獲得
- ③大量のユーザーに訴求するイベントの開催
- ④自社製品の広告のバーチャル空間への出稿
それぞれをわかりやすく紹介していきます。
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①企業の世界観を再現した独自ワールドの作成
1つ目は、企業の世界観を再現した独自ワールドの作成です。企業はVRChat上で、独自のワールドを作成し、ユーザーに提供することができます。
ワールド内で自社の製品をモチーフにしたアイテムを表示したり、自社が伝えたい企業ストーリーに沿った世界観を再現したりするなど、仮想空間上でのブランド体験の提供や商品・サービスのプロモーションが可能です。
②バーチャルアイテムの販売による収益の獲得
2つ目は、バーチャルアイテムの販売による収益の獲得です。企業は、VRChat上で仮想店舗をオープンして、バーチャルアイテムを販売することができます。
VRChatは圧倒的な数のユーザーを抱えるので、人気のコンテンツやアイテムを作ることができれば、大きな収益を上げることが期待できます。
③大量のユーザーに訴求するイベントの開催
3つ目は、大量のユーザーに訴求するイベントの開催です。VRChatでは、独自ワールドを作成することができるので、そのワールド上で音楽ライブや製品発表会などのバーチャルイベントを開催することが考えられます。
例えば、日産自動車は、自動車の試乗会をVRChat上で行いました。
VRChatが抱える多くのユーザーに自社が伝えたいメッセージを効果的に伝えたり、商品やサービスのPRをしたりすることができます。
④自社製品の広告のバーチャル空間上への出稿
4つ目は、自社製品の広告のバーチャル空間への出稿です。企業は、VRChat内の仮想空間に広告を出稿することができます。
現実世界の広告と異なり、物理的な制約が少ない、広告内容のアップデートが容易、3Dエフェクトなどメタバースならではの表示が可能といったメリットがあり、リアルの広告よりも視覚的なアピールを強めることが期待できます。
メタバースプラットフォームをビジネスに活用する4つの方法
メタバースプラットフォームをビジネスに活用する代表的な方法として以下の4つが挙げられます。
- ①企業ワールド作成
- ②イベント開催
- ③アバター配布/販売
- ④広告出稿
それぞれの活用方法について分かりやすく紹介していきます。
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①企業ワールド作成
1つ目の活用手法は、FortniteやRobloxに代表される大手メタバースプラットフォーム上での自社ワールドの制作です。メタバースプラットフォーム上に、自社の実店舗を再現したワールドや、自社のブランドイメージをゲームを通じて体験してもらえるワールドを展開することができます。
企業のメリットとしては、急速に普及が進むメタバースプラットフォーム上の多数のユーザーに対し、メタバースならではの体験を通じ、自社の商品やブランドの魅力を深く訴求できることなどが挙げられます。
②イベント開催
2つ目の活用手法は、メタバース上でのイベントの開催です。アーティストを集めたライブイベントやバーチャルマーケットのような企業を集め各企業がコンテンツを提供するイベントなど、幅広い内容のイベントを開催することができます。
リアルでのイベント開催に比べたメリットとして、幅広いエリアから多くのユーザーを集客できる点、メタバースならではユニークな体験を届けることができる点、会場費や運営費などのコストを節約できる点などが挙げられます。
企業のメリットとしては、イベント開催により、イベントへの入場券やデジタルコンテンツの販売など非常に収益性の高い新たなビジネスを展開できることなどが挙げられます。
③アバター配布/販売
3つ目の活用手法は、メタバース上での自社オリジナルのアバターやスキンの配布・販売です。多数のユーザーに対し、自社のブランドや商品をモチーフとしたアバターやアバターが着用するスキンを配布・販売することができ、大手ラグジュアリーブランドを中心に活用が進んでいます。
企業のメリットとしては、メタバースプラットフォームの多数のユーザーに対し、自社ブランドをPRできる点やコンテンツへの課金による収益を獲得できる点などが挙げられます。
④広告出稿
4つ目の活用手法は、大手メタバースプラットフォームでの広告出稿です。現実世界の屋外広告のように、メタバースプラットフォーム上の看板や建物の壁などに広告を出稿することができます。
企業のメリットとしては、若年層を中心に急速に普及が進み、多くの視線を集めるメタバースをメディアとして活用し、自社の商品やブランドの魅力をPRできることが挙げられます。
企業によるメタバースプラットフォームの活用事例13選
企業によるメタバースプラットフォームの活用事例13選は以下の通りです。
- ①バレンシアガ:Fortnite上でバーチャルファッションアイテムを販売
- ②トラヴィス・スコット:Fortnite上でバーチャルライブを開催し記録的集客
- ③Verizon:Fortnite上で独自のワールドを制作しPRに活用
- ④志摩スペイン村:Roblox上にリゾート施設を再現
- ⑤Universal Studios:Roblox内に映画広告を掲載
- ⑥ポロラルフローレン:ZEPETOでアバター用の洋服を販売
- ⑦ZARA:ZEPETO内と実店舗の両方で同じデザインのアイテムを販売
- ⑧日産自動車:VR chat上で新車発表・試乗会を開催
- ⑨PimaxCrystal:VRChat上のポスター広告にVRデバイスの宣伝広告を出稿
- ⑩KDDI:cluster上で熱狂しながらサッカー日本代表戦を観戦
- ⑪大阪府・大阪市:cluster上の「バーチャル大阪」で魅力を発信
- ⑫エイベックス:The Sandbox上にエイベックスランドを開設
- ⑬JPモルガン:Decentraland上に仮想店舗を開設
それぞれの事例についてわかりやすく紹介していきます。
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①バレンシアガ:Fortnite上でバーチャルファッションアイテムを販売
ラグジュアリーブランドのバレンシアガはFortniteとコラボレーションを行いました。バレンシアガがゲーム用のデジタルファッションアイテムを制作し、同様のデザインのリアルのアイテムをバレンシアガの一部店舗やオンラインショップにて販売しました。リアルのアイテムの価格は約5万〜17万円ほどでした。
Fortniteのゲーム内では、バレンシアガの仮設店舗をオープンし、ウェアやスキンを取りそろえました。それらのアイテムはバレンシアガの2020〜2021年のコレクションアイテムをスキャンし3Dモデル化して制作されています。また他にも、ゲーム内にバレンシアガが2021年秋コレクションのために制作したオンラインゲーム「アフターワールド:ザ・エージ・オブ・トゥモロー」に着想を得たエリアを特設するなど、ユーザーが楽しみながらバレンシアガのブランドに触れられる取り組みが行われました。
②トラヴィス・スコット:Fortnite上でバーチャルライブを開催し記録的集客
アメリカの人気ラッパートラヴィス・スコットは2020年、Fortnite上でバーチャルライブを開催しました。楽曲ごとにフィールドが変化し、巨大なトラヴィスが登場するなど、10分弱のライブながらバーチャル空間ならではの演出が盛り込まれました。ユーザーはFortnite内のアバターを操作し、まるで実際に参加しているかのようにライブを楽しむことができました。
同時接続数はライブイベント史上最多の1230万人、グッズ販売を含めた売上は2000万ドル以上と、記録的な数字を残しました。比較として、トラヴィスが前年に行ったツアーは56公演の合計で売上5350万ドルとなっており、バーチャルライブの集客力、収益性の高さを示す代表的事例となっています。
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③Verizon:Fortnite上で独自のワールドを制作しPRに活用
米大手通信事業者のVerizon社は、Fortnite上で独自のワールドを制作し、自社の5G通信をPRしました。Verizon社がスポンサーを務める世界的なアメフトの大会「スーパーボウル」のスタジアムをFortnite上に再現し、スタジアム内には様々なゲームを用意しています。
Fortniteは同サーバーに多数同時接続するゲームであり、ユーザーにとって回線の速さや安定は重要なため、5GのPRをする場としては非常に有効であったと考えられます。
④志摩スペイン村:Roblox上にリゾート施設を再現
三重県志摩市のリゾート施設である志摩スペイン村は、Roblox上で志摩スペイン村を再現したエリアをオープンすることを発表しました。
ユーザーは志摩スペイン村の広場や街並みを楽しんだり、スペインの奇祭「牛追い祭り」「トマト祭り」をモチーフにした生き残りゲームを楽しむことができる予定です。
志摩スペイン村は、魅力的なアトラクションやフードがある一方で、都心から離れているという立地の悪さから気軽にアクセスしにくいという課題を抱えていました。Robloxでの取り組みを通じて、若者や遠隔地在住の人に志摩スペイン村の魅力を知ってもらうことを目的とし、今回の取り組みを進めているとのことです。
⑤Universal Studios:Roblox内に映画広告を掲載
アメリカの映画会社Universal Studiosは、Roblox内に映画広告を掲載しました。Robloxは全ユーザーの約85%が25歳以下であり、若者をターゲットとして映画館来場を促進することが狙いです。リアルの街中での広告と同様に、ユーザーがゲームをプレイしていると自然と広告が目に入るような設計となっています。
また、広告が画面内に表示された秒数によって広告へのエンゲージメントを測定するなど、リアルな看板広告では出来ないデジタル広告ならではのパフォーマンス管理も可能となっています。
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⑥ポロラルフローレン:ZEPETOでアバター用の洋服を販売
ラルフローレンは、ZEPETO上で購入可能なバーチャルウェアの販売を開始しました。ラルフローレンは、ZEPETO のアプリ内に50種類のファッションアイテムを用意し、ZEMと呼ばれるアプリ内通貨で購入可能にしています。価格は約80円〜400円です。
また、今回のコラボでは、ファッションアイテムの販売以外にも、ニューヨークの実在するセントラルパークなどのロケーションのバーチャル空間での再現やラルフローレンのアイテムを身に着けたK-POPアーティストTomorrow x Together(TXT)のバーチャルライブなど、ユーザーが楽しめる様々な取り組みが行われました。ユーザーがライブの様子を自撮りしSNSにアップするなど、コラボの認知度を高める動きも多く見られました。
同社は、ZEPETOのアプリ内のアクティビティから様々なデータを取得し、訪問者数や交流の頻度、利用時間、アイテムの売上などを把握し、今後の取り組みの検討に活用しています。リアル店舗より多くの顧客データが得られる点も、メタバース参入によるメリットの1つと言えます。今後はNFTの販売を検討するなど、バーチャル領域でのビジネス展開を加速させる方針とのことです。
⑦ZARA:ZEPETO内と実店舗の両方で同じデザインのアイテムを販売
ZARAは、ZEPETO内のアバターが着用できるバーチャルウェアを販売し、同じデザインのアイテムを現実の店舗でも販売しました。ZEPETOの特徴である他のSNSでの発信を促進するために、壁紙・フォトブースもセットで公開しており、ユーザーによるSNS発信を活発化させています。
ZEPETOのメインユーザーである若年層へ商品・ブランドのPRをすると同時に、デジタルでの収益ポイントを獲得することが狙いと考えられます。
⑧日産自動車:VR chat上で新車発表・試乗会を開催
日産自動車はVRChat上で、新型軽電気自動車「日産サクラ」の発表・試乗会を開催しました。
発表会は日産副社長のアバターが登場し、ボイスレターが再生されるという形で進行。また、試乗会では日本の四季を感じられるドライブコースでバーチャルなサクラを運転することができました。VR上での試乗は通常の試乗とは違い、書類での手続きなどが不要で、いつでもどこからでも体験可能な点が強みです。
今回の取り組みにより、販売スタッフのアバター操作経験不足や、リアルな商品を仮想空間上でプロモーションする難しさなどが明らかになったとのことです。このような試験的な取り組みを重ねるなかで、将来的に製品のプロモーションチャネルとしてVRイベントが本格的に活用できるユースケースが確立されていくことが期待されます。
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⑨PimaxCrystal:VRChat上のポスター広告にVRデバイスの宣伝広告を出稿
中国のVRデバイス制作会社であるPimax Technologyは、VRChat内のポスター広告に、自社のVRデバイス商品である「PimaxCrystal」の広告を出稿しました。VRChatのユーザーはVR関連のリテラシーが高く、VRデバイスに興味を持つ人が多いので、そのターゲットを狙った広告出稿となっています。
また、メタバース空間ならではの広告として、数秒ごとの切り替え表示を行うことなども可能であり、リアルの広告よりも視覚的なアピールを強めることができます。
⑩KDDI:cluster上で熱狂しながらサッカー日本代表戦を観戦
KDDIは、cluster上でサッカー日本代表戦のパブリックビューイングを開催しました。参加者はサッカー日本代表のユニフォームを着たアバターの姿で、試合の中継スクリーンの前に集まり、ファンが一体となって応援しながら観戦したり、有名YouTuberのトークイベントを楽しんだりすることができました。
このイベントの目的は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、リアルでの観戦や応援が制限を受けるなか、サポーターが一体となり熱狂しながらサッカー観戦が行える環境を提供したいというものです。
VR上でのサッカー日本代表戦のパブリックビューイングイベントは、3試合で延べ約3万人を集めるほどの盛況ぶりだったそうです。また、3試合の来場者の約8割の方が、日本代表戦を初めて観戦した方となっており、サッカー日本代表のファン層拡大に繋がったとのことです。
⑪大阪府・大阪市:cluster上の「バーチャル大阪」で魅力を発信
大阪府と大阪市は、KDDIと共同でcluster上に都市連動型メタバースの「バーチャル大阪」を展開し、PRに活用しています。2025年開催の大阪・関西万博に先駆けて、道頓堀など大阪市内をモチーフにした「新市街」エリアが登場し、大阪の都市の魅力を国内外に発信しています。
ユーザーはリアルタイムで世界中の人とコミュニケーションを取りながら、バーチャル音楽ライブへの参加や、アバターを介した自ら創作活動を行うなど、様々な楽しみ方を選ぶことが可能です。今後は、バーチャル商店街で買い物すると実際に商品が届くなど、さらなる発展に期待が集まります。
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⑫エイベックス:The Sandbox上にエイベックスランドを開設
エイベックス・テクノロジーズは、The Sandboxとパートナーシップ体制を構築し、アーティストとファンが仮想空間上で交流できるテーマパーク「エイベックスランド(仮称)」をオープンすると発表しました。エイベックスランド(仮称)は2022年度中に、「The Sandbox(ザ・サンドボックス)」内にオープンする予定で、アーティストのライブ配信やファンミーティングの実施、NFTアイテムの販売などが検討されています。
これらに先駆けて、ピコ太郎さんや浜崎あゆみさんに関連するNFTアイテムなどをセットにしたプレミアムLANDを2022年3月3日に販売しました。
⑬JPモルガン:Decentraland上に仮想店舗を開設
米国大手銀行のJPモルガン・チェースは、Decentraland上に仮想店舗を開設しました。ユーザーはアバターとしてこの店舗を訪れることで、暗号資産に関する情報を得ることができます。仮想店舗の開設を通じて、実際のメタバース上での顧客の需要を探りながら、将来的な金融サービスの提供を検討しているものと考えられます。
同社が発表したレポートには「ウォルマート(Walmart)、ナイキ(Nike)、ギャップ(Gap)、ベライゾン(Verizon:米携帯端末事業者)、Hulu、PWC、アディダス(Adidas)、アタリ(Atari:米ゲーム企業)などの有名企業をはじめ、さまざまな形態や規模の企業がさまざまな方法でメタバースに参入している」、「やがて仮想不動産市場でも、クレジット、住宅ローン、賃貸契約など、物理的な世界と同じようなサービスが始まるだろう」との記載がありました。
また、同社でクリプト・メタバース関連を統括するクリスティン・モイ氏は「メタバースの発展は、ユーザーがリアルとバーチャルの世界を行き来できるような、強固で柔軟な金融システムを構築できるかにかかっている」と述べています。
企業がメタバースを活用する3大メリット
企業がメタバースを活用する代表的なメリットとして以下の3つが挙げられます。
- ①新規事業の創出
- ②マーケティング・ブランディングの強化
- ③企業の社内業務の効率化
それぞれのメリットを分かりやすく紹介していきます。
①新規事業の創出
1つ目のメリットは、メタバースサービスやイベントなどの新規事業の創出です。
メタバースを活用し新たなサービスを構築することで、ユーザーに対し現実に存在するもの/しないものを含め、仮想空間上に3Dの世界を構築することができるというメタバースならではの特徴を活かし、ユニークな体験を提供するサービスを提供することができます。
また、メタバース上でアーティストや企業を集めたイベントをすることで、入場券やデジタルコンテンツの販売など収益性の高い新たなビジネスを展開できることが挙げられます。
②マーケティング・ブランディングの強化
2つ目のメリットは、メタバースを活用したマーケティング・ブランディングの強化です。
メタバースが人々の生活に普及するにつれ、オフラインからオンラインへ、WebからSNSへと起こってきたのと同様の顧客接点のシフトが、メタバースでも起こると考えられます。
メタバースをマーケティング・ブランディングに活用することで、従来はオンラインでの実施が難しかった商品・サービスの販促やメタバースならではの体験を通じた強力なブランディングを行うことができます。メタバースは従来のWebページや動画と比べ伝えられる情報がリッチかつインタラクティブな体験を提供可能なため、ユーザーを惹きつけやすく幅広い業種での活用が進んでいます。
③企業の社内業務の効率化
3つ目のメリットは、企業の社内業務の効率化です。
メタバース・デジタルツインを社内業務の効率化に活用することで、バリューチェーン全体や工程全体の最適化や社員の作業のサポート、研修の効率化をすることができます。
メタバース上で現状存在しない施設や設備を設計し、シミュレーションを行うことで、最適な製造ラインや運用方法を特定したり、メタバースの特徴である3Dでの情報の表示により、AR/MRグラスで現場の作業員の作業をサポートしたり、VRグラスにより様々なシチュエーションを想定した研修を行ったりと多岐にわたる活用方法が存在します。
企業がメタバース活用で成果を上げるための5つのポイント
企業がメタバース活用で成果を上げるためのポイントとして以下の5つが挙げられます。
- ①最先端の市場動向・ノウハウのキャッチアップ
- ②活用目的の明確化と骨太な戦略策定
- ③ユーザーファーストなUX設計
- ④アジャイルアプローチによるプロジェクトの推進
- ⑤強力な開発・運用体制の構築
それぞれについて分かりやすく紹介していきます。
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①最先端の市場動向・ノウハウのキャッチアップ
1つ目のポイントは、最先端の市場動向・ノウハウのキャッチアップです。
デバイスの進化やユーザーの動き、各領域の先進事例をキャッチアップし、自社が取り組むべき活用方法や成果に繋がる活用のポイントを抑えた上で活用に着手しましょう。
メタバース活用には取り組むのに一定の予算や工数が必要となるため、自社にとって重要な最新動向や活用のノウハウを抑えておくことが、成功確度の高い戦略・企画立案の大前提となります。
②活用目的の明確化と骨太な戦略の立案
2つ目のポイントは、メタバースを活用する目的の明確化と骨太な戦略の策定です。
現在メタバース活用に取り組む企業には、メタバース活用の取り組みが単発で終わってしまっている企業が見受けられます。
その結果、活用のPDCAが回らない、メタバース活用が小粒な施策の1つに留まってしまうなど大きな収益機会の獲得に繋がらないという結果に終わってしまいます。
自社の経営課題を踏まえ、「活用によりどのような経営課題を解決したいのか?」「課題解決の打ち手としてなぜメタバースではないといけないのか?」といった明確な活用目的を整理した上で、中長期で目指す事業の姿や自社の強みの活用の仕方などの実現に向けた戦略を立案しましょう。
③ユーザーファーストな企画・UX設計
3つ目のポイントは、自社のターゲットにとってユーザーファーストなメタバースの企画・UX設計です。
現在、多くの企業がメタバースに参入を進めていますが、そのなかには、企業側の都合のみでサービス・体験が設計されたようなメタバースが多く存在します。それらのメタバースは、ユーザーに利用されず、企業の活用の目的を達成できない結果に終わってしまいます。
そのため、「メタバースならではの高い体験価値を届けられているか」や「ユーザーの利用にあたっての手間や負担が大きくないか」といった観点を踏まえたUX設計が重要です。
④アジャイルアプローチによるプロジェクトの推進
4つ目のポイントは、アジャイルアプローチによるプロジェクトの推進です。
メタバース市場は今後大きな成長が予想されているものの、いまだ成長期にあり、様々な業界の企業が中長期的な収益最大化に向け、最適な活用を模索している段階にあります。
そのため、計画と実行のプロセスを短いスパンで回し、仮説立案・実行・検証・施策立案のサイクルを何度も繰り返すことが、プロジェクトを机上の空論で終わらせないために重要です。
⑤強力な開発・運用体制の構築
5つ目のポイントは、強力なメタバース開発・運用体制の構築です。
高いユーザー体験と事業性を両立するメタバースの開発とマーケティングを含めた運用を実施しましょう。
メタバース開発・運用には幅広い領域の知見や技術スタックが求められるため、外部のベンダーなどを活用し、不足するケイパビリティやリソースを補完することも有効です。
企業がメタバースを活用するための4つのステップ
企業がメタバースの活用を進めるステップとして、大きく以下の4つのフェーズが挙げられます。
- Step1:市場動向・知見のキャッチアップ
- Step2:戦略/企画の立案
- Step3:事業計画の策定
- Step4:開発・運用
それぞれのフェーズについて分かりやすく紹介していきます。
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Step1:市場動向・知見のキャッチアップ
1つ目のStepとして取り組むべきは、最先端の市場動向・知見のキャッチアップです。MetaやApple、Microsoftなどのビックテックやユーザーの動向・先行活用事例など、日々変化する市場動向やナレッジへのキャッチアップが必要です。
このフェーズが、成果に繋がる骨太な戦略/企画策定の基盤となります。
Step2:戦略/企画の立案
2つ目のStepはメタバース活用の戦略/企画です。活用目的を踏まえ、中長期で目指す事業の姿や自社の強みの活用の仕方、実現に向けた企画を立案しましょう。
ユーザーバリューと自社の事業性の両方を満たす、質の高い戦略/企画の立案が、成果につながるメタバース活用の実現に向け最も重要なポイントとなります。
Step3:事業計画の策定
3つ目のStepは事業計画の策定です。事業に期待する成果や開発・運用のアプローチやタイムライン、必要な投資額などを検討しましょう。
メタバース開発・運用といっても、プロジェクト毎に求められるケイパビリティは様々であるため、自社にマッチするツール・ベンダーの選定が非常に重要です。
Step4:開発・運用
4つ目のStepが開発・運用です。メタバース開発・運用には幅広い領域の知見や技術スタックが求められるため、外部のベンダーなどを有効活用し、不足するケイパビリティやリソースを補完しつつ、ユーザーに届けたい体験を実現するメタバースの開発とマーケティングを含めた運用を実施しましょう。
4つのフェーズで取り組むべき35のステップに関しては、以下の関連記事で詳しく解説しています。
※関連記事:メタバースを活用した事業を作る方法|全4フェーズと35ステップ【担当者必見】
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各領域の業界を代表するソリューション提供企業とのパートナーシップを構築。案件毎に中立的な立場から、費用対効果の高いアプローチを設計します。
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- 興味はあるが、そもそも活用するかどうか迷っている
- 自社に合った活用方法へのアドバイスが欲しい
- 自社の企画の参考になる活用事例を知りたい
- どのように活用を進めていけば良いか分からず困っている