ファッション業界各社のメタバース参入の理由とは?事例12選も解説

近年ファッション業界ではリモートワークの広まりによる外出機会の減少に伴うオシャレ着需要の低下や社会的に意識が高まるサステナビリティへの対応など、各社変化が求められる時代になっています。

その解決策として注目を集めるのが、メタバース市場への参入で、ルイヴィトンなどのハイブランドからナイキなどのスポーツブランド、国内の小売大手企業など、各社が相次いで参入を進めている状況です。

 

一方で、アパレル業界でメタバース活用を検討される際に、以下のような悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか?

  • メタバースをファッション業界で活用した具体的な事例を知りたい
  • ファッション業界の競合企業がメタバースに参入した理由や背景を知りたい

 

そこで、今回はファッション業界各社のメタバース参入の理由を事例とともに解説します。

本記事を読めば、各社が相次いでメタバースに参入する狙いや具体的な参入方法を理解できると思いますので、ぜひ最後までご一読ください。


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目次

そもそもメタバースとは

そもそもメタバースとは VRChat
(画像:VRChat

メタバースとは一言でいうと、人々が様々な活動を行うことのできるインターネット上の3次元の仮想空間のことを指します。

 

メタバースの語源は「超越」を意味する「meta」と「世界」を意味する「universe」を組み合わせた造語だと言われています。メタバースという言葉が世界で初めて使われたのは、1992年にニール・スティーヴンスン氏が発表したSF小説「スノウ・クラッシュ」です。

 

メタバースにおいて、ユーザーはアバターと呼ばれる自身の分身の姿でメタバース空間にアクセスし、他のユーザーとコミュニケーションや経済活動を行うことができます。例えば、集まって会話をしたり、イベントやスポーツ、買い物などを楽しむことができます。

 

一般ユーザーに広く普及しているメタバースサービスとして、「Fortnite」や「Roblox」、「どうぶつの森」などのゲーム型のメタバース、「VRChat」や「Cluster」などのSNS型のメタバースが挙げられます。

 

メタバースへのアクセス方法としては、スマホやPCからもアクセス可能ですが、Apple Vision ProやMeta Questのようなヘッドマウントディスプレイからアクセスすることにより、より世界に没入したような体験が可能になります。

 

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ファッション業界各社がメタバースに相次いで参入する4つの理由

ファッション業界各社がメタバースに相次いで参入する4つの理由

ファッション業界の各社がメタバースに相次いで参入する理由として、以下の4つが挙げられます。

  • ①新たな顧客層の獲得による既存事業の売上向上
  • ②ファッションアイテム販売による新たな収益源の獲得
  • ③NFTを活用した新たなビジネスモデルの構築
  • ④サステナビリティへの社会的要請への対応

それぞれについて、わかりやすく解説します。

 

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➀新たな顧客層の獲得による既存事業の売上向上

新たな顧客層の獲得による既存事業の売上向上 バレンシアガ
(画像:Balenciaga)

リモートワークの広まりによる外出機会の減少に伴うオシャレ着需要の低下など、近年ファッション業界は各社変化が求められる時代になっています。実店舗での新規顧客の獲得がますます難しくなるなか、メタバースプラットフォームとのコラボレーションやメタバース上のイベントへの出展により、普段自社のブランドの実店舗を訪れないような顧客層を獲得しようという動きが進んでいます。ファッション業界のマーケティングチャネルがSNSに大きくシフトしたように、今後メタバースも有力な顧客チャネルの1つに成長する可能性があります。

②メタバース上のファッションアイテム販売による新たな収益源の獲得

メタバース上のファッションアイテム販売による新たな収益源の獲得 Roblox
(画像:Roblox)

ファッションブランド各社は、メタバース上のスキンや洋服などのデジタルアセットの販売が新たな収益源になると考え相次いで参入を始めています。

特にルイヴィトン・グッチなどのハイブランドは、自社のコアな強みであるブランド価値は物理的なアイテムであろうが、バーチャルなアイテムであろうが発揮できるとし、デジタルファッションアイテムの市場に非常に積極的です。

 

既にNIKEは2022年7月までに約260億円分のNFTを販売しています。また、デジタルアイテムはデザインさえしてしまえば、生産にかかるコストが小さいので利益率が非常に高く、魅力的なビジネスと言えます。

 

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③NFTを活用した新たなビジネスモデルの構築

NFTを活用した新たなビジネスモデルの構築 dolce&gabbana
(画像:Dolce&Gabbana)

デジタルのファッションアイテムをNFTの形式で販売することで、ブランド側が2次流通・3次流通での収益の一部を半永久的に獲得できる新たなビジネスモデルを構築することができます。例えば、2次流通以降の販売額の10%をブランドに分配するといった設計をNFTに施すことができます。今までハイブランドのファッションアイテムは2次流通市場が活況にも関わらず、その恩恵を受けられずにいました。

 

また、NFTの報酬配分の仕組みを活用し、個人のデザイナーがデザインしたアイテムをファッションブランドとコラボという形で販売することで、ブランド・個人間の垣根を超えた新たな共創の形を創り出すことも可能です。

④サステナビリティへの社会的要請への対応

サステナビリティへの社会的要請への対応 ソフトバンク
(画像:ソフトバンク)

近年の社会のサステナビリティへの意識が高まる中で、ファッション業界各社はそれまでのサプライチェーンや販売方法の見直しを迫られています。サプライチェーン上での消費エネルギーや資源、多くのアイテムが買われては捨てられるという廃棄の問題など、ファッション業界はサステナビリティの観点で多くの課題を抱えています。

 

そんな中で、メタバース上のデジタルファッションビジネスは、この課題を解決する打ち手として注目を集めています。バーチャルアイテムの販売は本質的に非常にサスティナブルだと言えます。製造にリアルな素材やエネルギーを必要とせず、店頭でのセールや廃棄処分も不要です。実際洋服1着を製造するなかで発生する炭素は、デジタルアイテムの場合リアルなアイテムの約3%ほどまで節約することができると言われています。

国内外のファッション業界でのメタバースへの参入事例12選

国内外のファッション業界でのメタバースへの参入事例として次の12例があります。

 

  • ① バレンシアガ:世界最大のメタバース フォートナイトとコラボ
  • ② RTFKT:バーチャルスニーカーが販売開始7分で売上3.2億円を記録
  • ③ ポロラルフローレン:ユーザー数2億人のZEPETOでアバター用の洋服を販売
  • ④ アンリアレイジ:販売したNFT作品11点が総額5000万円で落札
  • ⑤ BEAMS:メタバースイベントへの出展を通じリアル店舗への送客も
  • ⑥ アダストリア:メタバースイベント来場者にアバター用の洋服を提供
  • ⑦DOLCE & GABBANA:デジタルウェアのコンペティションを開催
  • ⑧DOLCE & GABBANA:初めて発表したNFTコレクション9作品がオークションで総額6億円で落札
  • ⑨AMBUSH® :独自のメタバース空間を公開
  • ⑩NIKE:Roblox上にメタバース空間を構築しデジタルアセットを販売
  • ⑪GIVENCHY:Roblox上にメタバース空間を構築
  • ⑫Luis:バーチャル店舗をKDDIのメタバース「αU」上 に展示

 

それぞれについてわかりやすく解説します。

 

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①バレンシアガ:世界最大のメタバース フォートナイトとコラボ

バレンシアガ:世界最大のメタバース フォートナイトとコラボ
(画像:バレンシアガ)

ラグジュアリーブランドのバレンシアガは人気オンラインゲームであり、近年メタバース化が進みつつある「フォートナイト」とコラボレーションを行いました。バレンシアガがゲーム用のデジタルファッションアイテムを制作し、同様のデザインのリアルのアイテムをバレンシアガの一部店舗やオンラインショップにて販売しました。リアルのアイテムの価格や約5万~17万円ほどでした。

 

フォートナイトのゲーム内では、バレンシアガの仮設店舗をオープンし、ウェアやスキンを取りそろえました。それらのアイテムはバレンシアガの2020~2021年のコレクションアイテムをスキャンし3Dモデル化して制作されています。

 

また他にも、ゲーム内にバレンシアガが2021年秋コレクションのために制作したオンラインゲーム「アフターワールド:ザ・エージ・オブ・トゥモロー」に着想を得たエリアを特設するなど、ユーザーが楽しみながらバレンシアガのブランドに触れられる取り組みが行われました。

 

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②RTFKT:バーチャルスニーカーが販売開始7分で売上3.2億円を記録

RTFKT:バーチャルスニーカーが販売開始7分で売上3.2億円を記録
(画像:RTFKT)

RTFKT(アーティファクト)は2020年にロンドンで立ち上げられたブランドで、スニーカーを中心にデジタルアセットのデザイン・NFTの販売を行っています。オークションでの多額の販売実績や有名ブランド・アーティストとのコラボなど、メタバース・NFT×デジタルファッションの文脈では圧倒的な存在感を誇っています。

 

RTFKTの販売するNFTの保有者はスニーカーや洋服をメタバース上で自身のアバターに着用させられたり、ARを活用して自身が実際にスニーカーを履いているような体験ができたりします。RTFKTが脚光を浴びたのは2021年3月のこと、バーチャルスニーカーNFTのオークションを行い、開始7分で600足、約3.2億円の売上を記録しました。

 

また、数々のコラボレーションで度々注目を集めており、スポーツファッションブランドのNIKEや、アーティストの村上隆などとのコラボNFTをローンチしており、NFTの購入者はデジタルアセットだけでなく、NFTとリンクした実物の洋服を入手できるなどの取り組みが行われています。

 

RTFKTは2021年末にNIKEに買収されたことをTwitterで発表し、今後NIKEのケイパビリティを活かし、更なる成長を遂げることが期待されています。

③ポロラルフローレン:ユーザー数2億人のZEPETOでアバター用の洋服を販売

ポロラルフローレン:ユーザー数2億人のZEPETOでアバター用の洋服を販売
(画像:ポロラルフローレン)

ラルフローレンはユーザー数2億人を誇るSNSであるZEPETO上で購入可能なバーチャルウェアの販売を開始しました。ZEPETOとはユーザーが自身の3Dアバターを作成し他のユーザーと交流するアプリで、ラルフローレンは、ZEPETO のアプリ内に50種類のファッションアイテムを用意し、ZEMと呼ばれるアプリ内通貨で購入可能にしています。価格は約80円~400円となっています。

 

また、今回のコラボでは、ファッションアイテムの販売以外にも、ニューヨークの実在するセントラルパークなどのロケーションのバーチャル空間での再現やラルフローレンのアイテムを身に着けたK-POPバンドTomorrow x Together(TXT)のバーチャルライブなど、ユーザーが楽しめる様々な取り組みが行われました。ユーザーがライブの様子を自撮りしSNSにアップするなど、コラボの認知度を高める動きも多く見られました。

 

同社は、今回のコラボにて、ZEPETOのアプリ内のアクティビティから様々なデータを取得し、訪問者数や交流の頻度、利用時間、アイテムの売上などを把握し、今後の取り組みの検討に活用しています。リアル店舗より多くの顧客データが得られるのも、メタバース参入によるメリットの1つと言えます。今後はNFTの販売を検討するなど、バーチャル領域でのビジネス展開を加速させる方針とのことです。

 

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④アンリアレイジ:販売したNFT作品11点が総額5000万円で落札

アンリアレイジ:販売したNFT作品11点が総額5000万円で落札
(画像:アンリアレイジ)

日本を代表するファッションブランドの1つであり、パリコレクションなどへの参加をはたしているアンリアレイジは、メタバース・NFT領域への進出を進めるファッションブランドの代表格と言えます。

同ブランドは2022年3月にVRプラットフォーム「ディセントラランド」を舞台に開催されたファッションイベント「メタバースファッションウィーク」に、日本のファッションブランドとして唯一の参加を果たしています。

 

また、2022年春夏のパリコレクションにて、映画「竜とそばかすの姫」とのコラボ作品をリアルとバーチャルの洋服で発表し、販売したバーチャルの洋服であるNFT作品11点が総額5000万円で落札され、大きなニュースとなりました。

アンリアレイジは2014年からパリコレクションの参加をきっかけに、海外の歴史あるブランドに対抗する方法としてテクノロジーの活用に取り組んできていたため、業界でも早い段階からデジタルファッションへの取り組みを進めていました。

 

同ブランドのデザイナーである森永さんは、洋服のデジタルアセットをNFT化して販売するメリットの1つとしてNFTは二次流通、三次流通でも利益が発行者に還元される仕組みがあり、理論上半永久的にその価値が担保される点を挙げています。

⑤BEAMS:メタバースイベントへの出展を通じリアル店舗への送客も

BEAMS:メタバースイベントへの出展を通じリアル店舗への送客も
(画像:BEAMS)

ファッション大手であるビームスはメタバース領域への参入を果たしています。具体的な取り組みとしては、世界最大のVRイベントである「バーチャルマーケット」に4度出展を行っています。バーチャルマーケットとはメタバース上にある会場で、アバターなどのさまざまな 3D アイテムや、リアル商品(洋服、PC、飲食物など)を売り買いでき、日本はもとより世界中から100万人を超える来場者を誇る世界最大のVRイベントです。

 

バーチャルマーケットでは、アバター用の洋服であるデジタルアイテムの販売やライブなどのイベントの開催が行われました。アバター用の洋服であるデジタルアイテムは、ビームスの2022年の秋冬商品を3Dモデルに起こした、Tシャツやワンピースなどの全7種類が販売されました。

 

また、ライブでは池田エライザさんがバーチャルライブを開催し、メタバースに着想を得た新曲の発表も行われました。一方でリアルでの商品販売も行われ、バーチャルマーケットの出展を記念したリアルな洋服の商品もビームスの公式オンラインショップにて販売されました。

 

4度目の参加の際には、関西のショップスタッフも含む約50名の社員が交代でバーチャル接客にあたり、メタバース上での接客を通じてリアル店舗への来客に繋がっている事例も生まれてきているとのことです。

 

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⑥アダストリア:メタバースイベント来場者にアバター用の洋服を提供

アダストリア:メタバースイベント来場者にアバター用の洋服を提供
(画像:アダストリア)

ファッション大手であるアダストリアはメタバース領域への参入を果たしています。具体的な取り組みとしては、阪急阪神ホールディングス主催の「JM梅田ミュージックフェス2022 SUMMER」にて、アダストリア参加のブランドである「レイジ―ブルー」と「ハレ」のアイテムをアバター用の洋服として来場者に無料で提供した。これらのアバターアイテムの作成にあたり、洋服の質感やデザインの再現性を高めるとデータ容量が重くなってしまうという問題があり、バランスを調整しながら作成が行われました。

 

同社のメタバース領域への参入の狙いとしては、「デジタルの顧客接点・サービスを広げる」という成長戦略の実現に向け、メタバースの世界でもファッションを楽しむきっかけをつくることとのこと。同社は将来的に、様々なメタバースプラットフォームへの展開、メタバース内でのコンテンツ提供、イベント開催なども予定しています。

DOLCE & GABBANA:デジタルウェアのコンペティションを開催

DOLCE & GABBANA:デジタルウェアのコンペティションを開催
(画像:DOLCE&GABANA)

イタリアの世界的ファッションブランドであるDOLCE&GABBANAは、NFTマーケットプレイスのUNXDと共同開発する第2回ファッションウィークにて、デジタルデザインコンペティションの開催を発表しています。最終候補者は3D仮想プラットフォームDecentraland内のDOLCE&GABBANA専用スペースで展示をすることができます。このFuture Rewindコンペティションは伝統的なファッション界のクラフツマンシップと、デジタルデザインの新しいメディアとの架け橋となる初めての試みであり、若い才能を支援する包括的なネットワークを構築する手段の一つとして期待されています。

⑧DOLCE & GABBANA:初めて発表したNFTコレクション9作品がオークションで総額6億円で落札

DOLCE & GABBANA:初めて発表したNFTコレクション9作品がオークションで総額6億円で落札
(画像:DOLCE&GABANA)

DOLCE&GABANAは、2021年10月に初のNFTコレクション「Collezione Genesi(ジェネシス コレクション)」を発表し、オークションで総額約6億円で落札されました。今回NFT化された9つの作品は、DOLCE&GABANAの各コレクションから厳選されたハンドメイド仕立てのミュージアム級の逸品です。落札者には、カスタムメイドのデジタルウェアラブルの贈呈や、次回のコレクションイベントへの招待など、リアルとデジタルの2つのエコシステムを通じてVIPサービスが提供されました。リアルの価値をデジタルでの価値に昇華した取り組みとして、今回のDOLCE&GABANAのNFTコレクションは意義のある取り組みだといえます。

AMBUSH® :独自のメタバース空間を公開

AMBUSH® :独自のメタバース空間を公開
(画像:AMBUSH®)

ジュエリーブランドであるAMBUSH®︎はデジタル時代における第3フェーズ Web 3.0の到来とともに、メタバース領域への参入を開始しました。今回オンライン上で様々なブランドが体験できる場としてメタバース空間である“AMBUSH® SILVER FCTRY”を公開します。チェーンを形取った仮想宇宙船内では、ランウェイの観覧、過去コレクションのアーカイブの閲覧、イベントへの参加、ファン同士の交流が可能です。

⑩NIKE:Roblox上にメタバース空間を構築しデジタルアセットを販売

NIKE:Roblox上にメタバース空間を構築しデジタルアセットを販売
(画像:NIKE)

NIKEは、メタバースプラットフォームRoblox(ロブロックス)上に没入型3D空間「NIKELAND」(ナイキランド)をオープンしました。ユーザーは3Dアバターを操作し、メタバース空間上に作られたバスケットボールコートなどの運動施設で、他のユーザーと共に鬼ごっこやドッジボールなどのスポーツを楽しむことができます。また、ツールキットを利用して自分だけのオリジナルミニゲームを制作することも可能です。さらに、デジタルショールームでは、NIKEのアパレルやシューズをデジタルアセットとして購入でき、アバターに装着させることで身体能力をアップさせることもできます。

 

NIKELANDは、NIKEのブランドとしての世界観を表現するためのマーケティングの施策としてだけでなく、メタバースという新たなマネタイズポイントの開拓に繋げる目的があると考えられます。

GIVENCHY:Roblox上にメタバース空間を構築

GIVENCHY:Roblox上にメタバース空間を構築
(画像:Roblox

フランスの世界的ラグジュアリーブランドGIVENCHYはメタバースプラットフォームであるRoblox上にメタバース空間「Givenchy Beauty House」を構築しました。「Givenchy Beauty House」では、GIVENCHYとRobloxが、アバターを通じて個性と美しさを最大限に表現できる場を提供します。プレイヤーはブランドイメージから着想を得たダンスフロアや地下鉄をイメージした地下空間などバーチャル体験の様々なエリアにアクセスすることができます。さらに、GIVENCHYのファッションアクセサリーをイメージしたアイテムを手に入れることも可能です。

Luis:バーチャル店舗をKDDIのメタバース「αU」上 に展示

Luis:バーチャル店舗をKDDIのメタバース「αU」上 に展示
(画像:Luis)

アパレルブランドLuisは、KDDIのバーチャルショッピングサービス「αU」上に渋谷パルコ5階のアパレル店舗「Lui`s/EX/store」の店舗と商品を展示しています。渋谷パルコの店舗にバーチャルで訪問できる他、実際の店舗で働く店員と会話することも可能です。このように「αU place」など新たなバーチャルサービスの発達により、店舗のメタバース領域への参入がよりしやすくなっています。

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このナレッジの著者

メタバース総研 代表取締役社長

今泉 響介

株式会社メタバース総研(現・CREX)代表取締役社長。
慶應義塾大学経済学部卒業。学生起業した事業を売却後、日本企業の海外展開/マーケティングを支援する株式会社Rec Loc を創業・社長就任を経て、現職に。メタバースのビジネス活用に特化した国内最大級の読者数を誇るメディア「メタバース総研」の運営やメタバースに関するコンサルティング及び開発サービスの提供を行っている。著書に『はじめてのメタバースビジネス活用図鑑』(中央経済社)

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