XR(VR/AR)開発の費用は?開発会社やツール、事例9選も紹介

VRやARを含むXR関連サービスは、関連技術の進歩やオンラインコミュニケーション需要の増加を背景に、急速に普及していくと予想されます。

 

一方で、「XR開発の進め方がわからない」といった疑問や、「XR開発の具体的な費用や活用するツール、開発会社を把握しておきたい」といった関心を持つ方も多いかもしれません。

 

そこで今回は、XR開発にあたり必ず抑えておきたい、XR開発の進め方や費用、おすすめの開発会社/ツールを分かりやすく紹介します。

 

本記事を読むことで、XR開発を進める上で必要な情報をまとめてキャッチアップできると思いますので、ぜひ最後までお読みください。


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目次

XR開発を進める2つの方法

XR開発の方法として以下の2つが挙げられます。

 

 

それぞれの開発方法について分かりやすく紹介します。

①開発会社に依頼をする

1つ目は開発会社に依頼をする方法です。メリットとして以下の4点が挙げられます。

  • 開発会社の豊富な経験やスキルをもとにハイクオリティなXR開発が行える
  • 自社の要望に対してオーダーメイドに近い形でXR開発が行える
  • 自社社員に経験や知識が無くともXR開発を行える
  • 自社社員のリソースを大きく節約できる点

一方、デメリットとしては、自社での開発や開発ツール/プラットフォームを活用する場合に比べ、費用がかかってしまう点が挙げられます。

②開発ツール/プラットフォームを活用する

2つ目は開発ツール/プラットフォームを活用する方法です。メリットとしてXR開発の費用を抑えることができる点が挙げられます。一方のデメリットは以下の3点です。

  • 開発できるXRの機能や体験、ビジュアルなどに制限がある
  • 経験やスキルを有した社員がいない場合、開発を進めるハードルや工数が大きい
  • 自社社員が手を動かす必要がありリソースが一定必要になってしまう

そのため、開発ツール/プラットフォームは、プロモーション等に活用する簡易的なXRの開発のために活用されることが一般的です。またMRは、VR/ARに比べ高度な技術を要するため、ツール/プラットフォームで自作するケースは稀です。

 

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XR開発の費用相場とは

XR開発の費用相場は、開発会社に依頼する場合と開発ツール/プラットフォームを活用する場合で異なります。

  • ①開発会社に依頼した場合
  • ②開発ツール/プラットフォームを活用した場合

それぞれについて分かりやすく解説します。

①開発会社に依頼した場合

1.VR開発の場合

企画からシステム開発まで一貫して依頼すると、3DCGの作成数などにもよりますが、最低でも約50万円、平均すると約250万円以上はかかります。また、VRヘッドセットが不要なスマートフォン用VRであれば比較的安価に開発できますが、HMD(ヘッドマウントディスプレイ)対応のVRは費用が高くなります。

2.AR開発の場合

専用のARアプリを1から開発すると、総額400~700万円程度が相場となっています。その内訳は大きく➀システム開発費用②プロジェクトマネジメント費用③コンテンツ作成費用に分けられます。➀のシステム開発費用は大体200~300万円、②のプロジェクトマネジメント費用が200~300万円、それらに加えて③コンテンツ作成費用が必要になる場合が多いです。また、WebARの場合はARアプリよりも費用が安く抑えられます。

3.MR開発の場合

AR・VRと比較すると、MRは高度な3D開発が必要なため費用が高くなりやすいです。基本的にMRはスマートフォン用ではなくHMD対応のものになるため、少なくともHMD対応のVRと同等くらいの費用を見込んでおくと良いでしょう。

 

※関連記事①:VR開発にかかる費用とは?事例別の費用相場や開発会社も紹介!

※関連記事②:AR開発にかかる費用とは?検討のポイントやAR開発会社も紹介!

②開発ツール/プラットフォームを活用した場合

開発ツール/プラットフォームを活用する場合の開発費用は、VR/AR/MRの技術的な違いよりも開発ツール/プラットフォームの利用料金に依存します。

プロモーション等に活用する簡易的なVR/ARを開発する場合、開発ツール/プラットフォームは月額約3万円程度〜利用することができます。基本のプランが月額制で設定されており、作成できるVR/ARの数や、表現できるコンテンツの豊富さなどにより追加で課金する設定となっていることが多いです。

おススメのXR開発会社3選

おすすめのAR開発会社3選

おススメのXR開発会社として以下の3社が挙げられます。

 

  • ①Monstarlab:多数の開発実績を誇るアプリ・ウェブシステム開発企業
  • メタバース総研:各社の目的達成に向けた成果に繋がるメタバース/XRを開発
  • ③ネクストシステム:AIやXRの技術開発を行うシステム開発企業

 

それぞれの会社について分かりやすく紹介します。

①Monstarlab:多数の開発実績を誇るアプリ・ウェブシステム開発会社

Monstarlab AR 開発
(画像:Monstarlab)

MonstarLabは、多数の開発実績を誇るアプリ・ウェブシステム開発会社です。

MonstarLabの強みとして以下の2点が挙げられます。

  • 1.開発実績数2200件という豊富な実績がある
  • 2.デザインから開発までワンストップで対応する

1.開発実績数2200件という豊富な実績がある

MonstarLabは株式会社クボタ、株式会社LIXIL、日本郵便株式会社、サントリー食品インターナショナル株式会社など業種業態を問わず様々な企業の支援実績があり、累計で2200件を超える企業を支援してきました。

2.デザインから開発までワンストップで対応する

一般的にアプリ・ウェブシステムの開発会社は開発に特化しているケースがほとんどですが、MonstarLabは開発だけでなく、戦略立案やリサーチやデザインなどのサービスを提供しています。

②メタバース総研:各社の目的達成に向けた成果に繋がるメタバース/XRを開発

メタバース総研:各社の目的達成に向けた成果に繋がるメタバース/XRを開発

メタバース総研は、企業向けのメタバース/XRのコンサルティング・開発を行っている会社です。

  

メタバース総研の強みとして以下の3点が挙げられます。

 

  • 1.国内最大級のメディア運営/豊富なコンサルティング経験による戦略策定力
  • 2.中立的な立場から各社に最適なツール/プラットフォームを選定可能
  • 3.強力なパートナー企業/クリエイターによる総合的な支援力

1.国内最大級のメディア運営/豊富なコンサルティング経験による戦略策定力

メタバース総研 国内最大級のメディア運営/豊富なコンサルティング経験による戦略策定力

メタバース総研は、国内最大級のビジネスに特化したメタバース/XRメディアの運営と幅広い業界の大手企業へのコンサルティング経験を通じた戦略策定力を強みとしています。

 

そのため支援の際は、クライアント企業様の事業の課題・活用の目的を踏まえたメタバースの活用戦略/企画策定を徹底しています。このこだわりが、多くの企業が陥っている”メタバース/XR活用自体の目的化”を防ぎ、成果に繋がる活用を実現します。

2.中立的な立場から各社に最適なツール/プラットフォームを選定可能

メタバース総研 中立的な立場から各社に最適なツール/プラットフォームを選定可能

メタバース総研は、特定のメタバース/XR開発ツールやプラットフォームを有していません。

 

そのため、特定の開発ツールやプラットフォームの活用ありきの支援ではなく、中立的な立場からクライアント企業様のプロジェクト毎に最適なプラットフォームやツールを選定し、支援することが可能です。

3.強力なパートナー企業/クリエイターによる総合的な支援

メタバース総研 強力なパートナー企業/クリエイターによる総合的な支援

メタバース総研は、技術領域・ユースケース毎に、業界を代表する実績/ソリューションを有する12社の企業や38名のクリエイターとパートナーとして協働しています。

 

そのため、クライアント企業様の課題やご要望に合わせ、パートナー企業/クリエイターらとともに最適な各種ソリューションをご提供しています。

 
※メタバース総研は豊富な経験とナレッジに基づき、各社様に合わせた先進事例や具体的な活用アイデアなどの最新ナレッジをご提供させていただいております。 メタバース/XR活用でお困りの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
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③ネクストシステム:AIやXRの技術開発を行うシステム開発企業

ネクストシステム AR 開発
(画像:ネクストシステム)

ネクストシステムは、AIやXRの技術開発を行うシステム開発企業です。

ネクストシステムの強みとして以下の2点が挙げられます。

  • 1.AR(拡張現実)技術者が20名在籍
  • 2.AIとXR(AR/VR/MR)を融合した開発が行える

1.AR(拡張現実)技術者が20名在籍

ネクストシステムは20名ものAR(拡張現実)技術者が在籍しています。また、技術社員は大手メーカー開発部隊出身者や小・中学生時代からプログラミングを行っていた者がほとんどで、技術力が高いのが強みです。

2.AIとXR(AR/VR/MR)を融合した開発が行える

ネクストシステムはAIとXR(AR/VR/MR)を融合した開発が行える会社です。AIもしくはXRのみの開発ができる企業は数多くございますが、その両方を融合した開発ができるという点で国内でも希少な会社です。

おススメのVR開発ツール5選

XR開発ツールには、VRを得意とするツールとARを得意とするツールの2つに分けられます。そこで、おすすめのVR開発ツール5選とAR開発ツール3選をそれぞれ紹介していきます。

 

おすすめのVR開発ツールは以下の5つです。

 

  • ①Unity:世界最大手のゲームエンジン
  • ②UnrealEngine:グラフィックが優れた大手ゲームエンジン
  • Blender:個人事業主 / 中小企業に最適なメタバース空間作成ソフト
  • Maya:大規模な開発会社に最適なメタバース空間作成ソフト
  • 3ds Max:建築設計事務所に最適なメタバース空間作成ソフト

 

それぞれをわかりやすく紹介していきます。

①Unity:世界最大手のゲームエンジン

Unity
(画像:Unity)

Unityは2005年にユニティ・テクノロジーズ社により開発された、世界で最も普及しているゲームエンジンです。初心者でも比較的簡単に扱えることや、活用できるアセットなどの開発環境が充実していることから、ゲーム開発者の約6割に利用されているという統計もあります。

3Dコンテンツを開発するゲームエンジンとしてのコア機能はもちろん、ゲームらしい振る舞いをする実行環境や、開発に活用できる充実したアセット(イラスト、パーツ、背景、音声など)などの機能を備えていることから、ゲーム/3Dコンテンツの開発プラットフォームと言えます。

②UnrealEngine:グラフィックが優れた大手ゲームエンジン

UnrealEngine
(画像:UnrealEngine)

Unreal Engineはフォートナイトなどの有名ゲームを手がける、アメリカのEpic Games社により開発された大手ゲームエンジンです。グラフィック性能の高さなどから、Unityとともにゲームエンジン業界の2強としてのポジションを確立しており、ゲーム開発者の約2割に利用されているという統計もあります。

Unityと比べ、基本的な仕様は似ているものの、グラフィック性能の高さが特徴となっており、RPGなどの高度なグラフィック表現が求められるゲームの開発に多く用いられる傾向にあります。

③Blender:個人事業主 / 中小企業に最適なメタバース空間作成ソフト

Blender
(画像:Blender)

Blenderは、Blender Foundationによって提供されている統合型のオープンソースのメタバース空間作成ソフトです。無料で利用できることに加えて、モデリング、アニメーション、シミュレーション、レンダリング等のメタバース空間作成に必要なあらゆる機能が備わっています。機能の特徴としては、映画やエンタメ向けのアニメーションやエフェクトが豊富であることが挙げられます。

Blenderは個人事業主 / 中小企業 / スタートアップがメインで利用しており、ユーザー数は100万〜300万人と言われています。

近年、アップデートが繰り返されており、業界で主流な有料3DCGソフトMayaとも肩を並べるほどの充実した機能を無料で利用できることから、大きな注目を集めるメタバース空間作成ソフトです。

④Maya:大規模な開発会社に最適なメタバース空間作成ソフト

AutoDesk
(画像:AutoDesk)

Mayaは、AutoDeskによって提供されている統合型のハイエンドメタバース空間作成ソフトです。利用料金は¥36,300/1 ヶ月契約ですが、モデリング、アニメーション、シミュレーション、レンダリング等のメタバース空間作成に必要なあらゆる機能が備わっています。特に、アニメーションやテクスチャリング等に活用されるケースが多いです。

Mayaは大規模な開発会社がメインで利用しており、ユーザー数は1〜4万人と言われています。

ディズニーを始めとする世界最高峰のクリエイティブ企業にも採用されているなど、メタバース空間作成ソフトの定番的な存在です。

⑤3ds Max:建築設計事務所に最適なメタバース空間作成ソフト

AutoDesk
(画像:AutoDesk)

3ds Maxは、AutoDeskによって提供されている統合型のプロフェッショナル向けメタバース空間作成ソフトです。利用料金は¥36,300/1 ヶ月契約ですが、モデリング、アニメーション、シミュレーション、レンダリング等のメタバース空間作成に必要なあらゆる機能が備わっています。特徴としては、建築パースの開発やアニメーションCGの開発等に活用されることが挙げられます。

3ds Maxは建築設計事務所やゲーム開発会社やアニメーション開発会社がメインで利用しており、ユーザー数は非公開ですがMAYAよりは少ないと予想されます。

鬼滅の刃のアニメ開発にも採用されているなど、メタバース空間作成ソフトの定番的な存在です。

おススメのAR開発ツール3選

おすすめのAR開発ツールは以下の3つです。

 

  • ①ARCore:Googleが提供するAndroid端末向けARプラットフォーム
  • ②ARKit:Appleが提供するiOS端末向けARプラットフォーム
  • ③8thwall:国内外の有名企業が利用するWebAR開発プラットフォーム

 

それぞれをわかりやすく紹介していきます。

①ARCore:Googleが提供するAndroid端末向けARプラットフォーム

Google
(画像:Google)

ARcoreは、GoogleがAndroid端末向けに提供しているARプラットフォームです。

ARcoreの特徴として以下の2点が挙げられます。

  • 1.ARアプリを無料で開発できる
  • 2.対応しているスマートフォンやタブレットでARアプリを操作できる

1.ARアプリを無料で開発できる

以前はARアプリを開発する際は企業からライセンスを購入する必要がありましたが、ARCoreを使えばARアプリを無料で開発することができます。

2.対応しているスマートフォンやタブレットでARアプリを操作できる

ARcoreはGoogle、ASUS、HUAWEI、Samsung、Sonyなどのデバイスを活用してARアプリを操作でき、AR空間を楽しむために追加機器を端末に取り付ける必要がありません。

ARcoreは、Googleが提供しているARプラットフォームであるため、全世界で広く利用されています。

②ARKit:Appleが提供するiOS端末向けARプラットフォーム

Apple
(画像:Apple)

ARKitは、AppleがiPhoneやiPadなどのiOS端末向けに提供しているARプラットフォームです。

ARKitの特徴として以下の3点が挙げられます。

  • 1.機能が豊富
  • 2.対応しているスマートフォンやタブレットでARアプリを動作できる
  • 3.ARアプリを無料で開発できる点

1.機能が豊富

ARKitには人体の認識・オクルージョン(奥にある3DCGは欠けた状態で描画するという処理)、前後カメラの同時利用などの機能があります。

2.対応しているスマートフォンやタブレットでARアプリを動作できる

ARKitはAppleが提供しているARプラットフォームであるため、iPhoneやiPadなどのiOS端末でARアプリを操作することができます。

3.ARアプリを無料で開発できる点

ARKitもARcoreと同様にライセンスを購入せずに、無料でARアプリを開発することができます。

ARKitは、Appleが提供しているARプラットフォームであるため、全世界で広く利用されています。

③8thwall:国内外の有名企業が利用するWebAR開発プラットフォーム

Wall
(画像:Wall)

8thwallは、アメリカのWall社が提供する簡単にWebARを作成できる開発プラットフォームです。

 

8thwallの特徴として以下の2点が挙げられます。

  • 1.WebARを作成できる
  • 2.初学者でも比較的利用しやすい

1.WebARを作成できる

アプリARに対するWebARの強みとして専用アプリのDLが不要でありユーザーに普及しやすい点、OSを問わないためAndroid、iOSそれぞれに対する開発が不要な点、Webならではのリンク機能などによって高い集客効果が見込める点などが挙げられ、8thwallはそのようような強みを持ったWebARを作成することができます。

2.初学者でも比較的利用しやすい

WebARはデモやアシスタントツールが豊富に用意されているため、ARCoreやARKitと比べると初学者でも利用しやすいツールとなっています。

そのため、8thwallは国内外の大手企業に利用されており、国内ではトヨタ自動車やSony Pictures、海外ではマクドナルド、NIke、アディダスなどの大手企業が8thwallを利用してAR開発を行っています。

企業によるXRの活用事例9選

企業がXRを活用した代表的な事例として、AR・VR・MRそれぞれ以下の3つずつが挙げられます。

 

  • VRの活用事例3選
    • ①三越伊勢丹:VR空間上に百貨店を再現
    • ②博報堂:VR空間上での広告枠の販売を開始
    • ③金融業界:みずほ銀行がVR空間上に店舗を開設し、決済機能提供などを検討

 

  • ARの活用事例3選
    • ④IKEA:自宅の部屋にIKEAの家具を自由にレイアウト
    • ⑤NIKE:計測された足のサイズから靴をレコメンド
    • ⑥DHL:倉庫でのピッキング作業の効率化

 

  • MRの活用事例3選
    • ⑦TOYOTA:車両整備の研修・効率化に活用
    • ⑧東急建設:建物の完成イメージの共有に活用
    • ⑨メディカロイド:遠隔での手術の実現に活用

 

それぞれの事例を分かりやすく紹介していきます。

 

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VRの活用事例3選

①三越伊勢丹:VR空間上に百貨店を再現

三越伊勢丹
(画像:三越伊勢丹)

三越伊勢丹は、独自のメタバース上の仮想都市である「レヴ ワールズ」を構築し提供しています。来場者はアバターの姿で、デジタル空間の「バーチャル伊勢丹」での買い物を楽しむことができます。店員のアバターも配置され、チャット機能を使った接客も受けられます。

また、メタバース上ではバーチャルファッションショーを楽しんだりや人気格闘漫画『刃牙』シリーズに登場する“地下闘技場”をモデルとしたイベントスペースが設けられ、アバターとなった一部の人気キャラクターに会えたり、関連するデジタルアイテムを入手したりすることもできます。

現在は婦人服や食品など180ブランドを扱っていますが、今後は家具や日用品にも対象を広げる方針です。友人のアバターと一緒に会話しながら買い物できるようにするなど機能も強化する予定です。他社がメタバース上で開催されるイベントへの出展が中心のなか、三越伊勢丹は既に独自のメタバース空間を構築・提供しており、小売・百貨店業界のメタバース活用をリードする存在といえます。

②博報堂:VR空間上での広告枠の販売を開始

博報堂
(画像:博報堂)

博報堂は国内企業としては初となる、VR空間内の広告枠の販売事業を開始しました。博報堂傘下のデジタル・アドバタイジング・コンソーシアム(DAC)社は、デイリーアクティブユーザー約5,000万人を誇る、世界最大級のゲーム型メタバースRoblox(ロブロックス)」内での広告枠の販売を開始しました。広告主はRoblox内の建物や看板に画像や動画の広告を掲載することが可能です。広告費用は場所やサイズによるものの、2週間の掲載枠が80万円~とのことです。

 

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③金融業界:みずほ銀行がVR空間上に店舗を開設し、決済機能提供などを検討

みずほ銀行
(画像:みずほ銀行)

みずほフィナンシャルグループは、2022年8月に開かれる世界最大のVRイベントである「バーチャルマーケット2022」への出展を発表しました。

銀行店舗をイメージした出店ブースでは、ボルダリング体験やオリジナル3Dモデルの配布をはじめ、ゲストを招いた金融知識に関する座談会が行われる予定です。座談会では、金融知識を有するみずほ社員と、アバターを介したコミュニケーションを取ることも可能となっています。

同社は、将来的にはVR空間上の店舗にて資産形成の相談や商談を実施したり、決済手段の提供などを含めたVR空間上での新たな経済活動に対するソリューションの提供を目指すとのことです。また、現状VR空間には統一された決済手段が存在しないため、みずほの決済サービス「Jコインペイ」の技術を応用した決済サービスの提供が検討されています。

 

※関連記事:【事例10選】VRのビジネスへの活用事例とは?5大メリットも紹介

ARの活用事例3選

④IKEA:自宅の部屋にIKEAの家具を自由にレイアウト

IKEA
(画像:IKEA)

IKEAは自宅の部屋にIKEAの家具をレイアウトしコーディネートできるアプリ「IKEA Studio」を発表しました。IKEA Studioは、LiDARを搭載したiPhone 12 Proおよび12 Pro Max以降向けのアプリケーションで、部屋の形状を測定し、窓やドアを認識し、必要に応じて家具やオブジェクトを配置し、床に転がっているおもちゃなどのオブジェクトを消したり、白く塗ったりすることも可能です。
また、壁紙の色を変えたり、様々なIKEAの家具を置いたりして、実際にどのように見えるかを確認することができます。また、オブジェクトを重ねることができるのも特徴です。例えば、ARで表示されるイスの上に、ランプや植木鉢のオブジェを置くことができるのです。IKEA Studioはβ版のみのリリースとなっており、スペインとスウェーデン、韓国のみで利用可能となっています。

 

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⑤NIKE:計測された足のサイズから靴をレコメンド

NIKE
(画像:NIKE)

Nikeは公式アプリ上で足のサイズを測ることのできる機能である「Nike Fit」を提供しています。Nike Fitは最新のAR技術を使って、わずか数秒で両足の13カ所からデータを収集し、足のサイズや幅などの計測を行うことができます。

計測結果をもとに、ユーザーに最適なシューズがレコメンドされ、サイズ違いで返品しなければならなくなる事態を防ぐことができます。また、このデータはアプリに保存されるので、ナイキの実店舗に行ったときや、オンラインで次のキックを注文するときにも、QRコードを使ってすぐに店員にサイズを伝えることができます。

⑥DHL:倉庫でのピッキング作業の効率化

DHL
(画像:DHL)

ドイツの大手物流企業のDHL社はグーグルのスマートグラス「Glass Enterprise Edition 2」を倉庫での配送業務に導入しています。従業員はピッキング作業の現場でグラス型デバイスを着用することで、適宜必要な情報を確認することができます。荷物を持ったまま視線を移動させる必要がないため、作業の精度と効率の向上に繋がります。

 

※関連記事:【2023年最新】ARのビジネスへの活用事例12選|メリットも紹介

MRの活用事例3選

⑦TOYOTA:車両整備の研修・効率化に活用

TOYOTA transforms its business with Microsoft HoloLens
(動画:トヨタ自動車)

トヨタ自動車は、全国56の販売店で車両整備の研修・作業のサポートにHololens2の導入を行いました。

従来の作業整備の研修や作業時に参考にする情報は、2Dの図面などによって共有されていましたが、立体的な作業が求められる現場には不十分でした。そこで、Hololens2を活用することで、車両の各所に合わせて表示されるデジタルオブジェクトを参考にしながら点検・修理作業を行うことで、作業ミスの抑制や作業の効率化を実現しました。

また、Hololens2の導入により、円滑な遠隔地と現場のコミュニケーションが行えるため、専門家が遠隔地の現場に対して作業指示を出すなどの連携も可能になりました。

 

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⑧東急建設:建物の完成イメージの共有に活用

東急建設
(画像:東急建設)

東急建設は、設計者や現場の作業員、また外部の発注者など様々な関係者が共通の建物の完成イメージを持つことで、施工の品質や効率を高めるために、Hololensの活用を進めています。本取り組みには、Hololens上でAzure Remote Renderingという、3Dモデルをクラウド上でレンダリングし、それをストリーミングすることで、リアルタイムにHoloLensのデバイスに表示できるサービスが活用されています。

この活用により、発注者、設計者、施工者間での認識のズレを防ぐことができ、施工品質の向上や無駄な手戻りの削減による業務効率化を実現することができます。

⑨メディカロイド:遠隔での手術の実現に活用

メディカロイド
(画像:メディカロイド)

2020年、川崎重工業とシスメックスの合弁会社であるメディカロイド社が初の国産遠隔手術支援ロボットである「hinotori」を実用化しました。同年12月に前立腺がん手術の1例目が行われ、その後も実績を積み上げています。
Hitonoriは4本のロボットアーム、内視鏡カメラ、手術器具を搭載した手術ユニットで構成されており、医師は3D画像を見ながら、内視鏡カメラと手術器具を搭載したアームをコントローラーで遠隔操作します。
手術支援ロボットを活用した手術は患者側、医師側双方に多く存在します。患者側のメリットとしては手術の出血や手術後の少なさ、感染症のリスクの低さなどが挙げられ、医師側のメリットとしては直観的な操作が可能、手術部位を拡大して確認できる、手の震えが伝わらないなどのメリットが挙げられます。

XR開発に必要な技術とは

XR開発に必要な技術とは

XR活用に必要な要素技術として以下12技術が挙げられます。

 

  • ①ディスプレイ
  • ②バッテリー
  • ③プロセッサー
  • ④モーションキャプチャー
  • ⑤3Dモデリング
  • アバター生成
  • ⑦ボリュメトリックビデオ
  • ⑧空間構造データ
  • ⑨自己位置認識
  • ⑩5G
  • ⑪AI
  • ⑫IoT

 

詳しくは以下の関連記事で解説しています。

 

※関連記事:https://metaversesouken.com/xr/technology-2/#XR-2

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このナレッジの著者

メタバース総研 代表取締役社長

今泉 響介

株式会社メタバース総研(現・CREX)代表取締役社長。
慶應義塾大学経済学部卒業。学生起業した事業を売却後、日本企業の海外展開/マーケティングを支援する株式会社Rec Loc を創業・社長就任を経て、現職に。メタバースのビジネス活用に特化した国内最大級の読者数を誇るメディア「メタバース総研」の運営やメタバースに関するコンサルティング及び開発サービスの提供を行っている。著書に『はじめてのメタバースビジネス活用図鑑』(中央経済社)

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