【2024年最新】世界の大手企業のメタバース活用事例43選

MetaのVRヘッドセットのQuestシリーズが累計販売台数2,000万台を突破し、Appleも初のXRデバイスの発売を発表するなど、近年メタバースへの注目はより一層高まっています。

 

GAFAに限らず、世界中の多くの大手企業もメタバースのビジネス活用を開始しており、新規顧客獲得や業務効率化など、様々な成果を挙げています。

 

そこで今回は、世界の大手企業のメタバース活用事例43選について、メタバース活用の3つのメリットなどとともに分かりやすくご紹介します。

 

本記事は、以下のような方におすすめの記事となっています。

 

  • 世界の大手企業のメタバース活用事例を抑えておきたい
  • メタバース活用が企業にどのようなメリットをもたらすのか知りたい

 

本記事を読めば、世界の大手企業のメタバース活用事例を網羅的にキャッチアップできる内容となっておりますので、ぜひ最後までご一読ください。


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目次

業界別|世界の企業のメタバース活用事例43選

業界別|世界の企業のメタバース活用事例43選

業界別の世界の企業によるメタバース活用事例43選は、以下の通りです。

 

<小売業界>

  • ①PepsiCo:流通センターの効率化とコスト削減を実現
  • ②ウォルマート:メタバース上で混雑等の状況を再現した研修を実施

 

<アパレル業界>

  • ③BEAMS:メタバースイベントへの出展を通じリアル店舗への送客も
  • ④バレンシアガ:Fortnite上でバーチャルファッションアイテムを販売
  • ⑤Gucci:Roblox上に自社独自のメタバース空間を構築
  • ⑥Louis Vuitton :ブランドの歴史を感じられる独自VRゲームを公開
  • ⑦ポロラルフローレン:ユーザー数2億人のZEPETOでアバター用の洋服を販売
  • ⑧DOLCE & GABBANA:デジタルウェアのコンペティションを開催
  • ⑨GIVENCHY:Roblox上にメタバース空間を構築
  • ⑩NIKE:Roblox上にメタバース空間を構築しデジタルアセットを販売
  • ⑪PRADA:香水のプロモーションにバーチャルモデル「Candy」を起用

 

<飲食業界>

  • ⑫マクドナルド:限定ゲームを楽しめる段ボール製のVRゴーグルを提供
  • ⑬モスバーガー:仮想店舗をオープンし、ハンバーガーづくり体験会を開催
  • ⑭TGI Fridays:レストランでVR体験が出来るキャンペーンを実施
  • ⑮Chipotle:Roblox上でキャンペーン「Burrito Builder」を実施
  • ⑯Wendy’s:メタバース上に店舗を出店

 

<観光業界>

  • ⑰マリオット:デジテルツインを活用したバーチャルホテル
  • ⑱Millennium :メタバースでホテルを運営

 

<エンタメ業界>

  • フォートナイト:トラヴィス・スコットがバーチャルライブで記録的集客
  • ⑳Roblox:ゲーム空間上でのバーチャルライブを開催
  • ㉑WaveXR:ジャスティンビーバーなどがバーチャルライブを開催
  • マインクラフト:ゲーム内でバーチャル音楽ライブを開催

 

<スポーツ・フィットネス業界>

  • ㉓マンチェスターシティ:VR空間上にスタジアムを再現
  • ㉔NBA:審判のトレーニングにVRを導入
  • ㉕アディダス:NFTを活用したメタバース事業に本格参入
  • ㉖MLB:各球団のメタバースを一元化
  • ㉗Black Box VR:VRを活用した体験型フィットネスジム
  • ㉘Valkyrie Industries:電気刺激で”重さ”を感じられるメタバース向けアクセサリを提供
  • ㉙Within:サブスク型のメタバースフィットネスサービスを提供

 

<教育業界>

  • ㉚スタンフォード大学:メタバース上での講義を実施
  • ㉛VictoryXR:VR技術を活用したメタバース上の大学を設立

 

<広告業界>

  • ㉜Snapchat:世界最大のARSNS上で広告を配信

 

<不動産業界>

  • ㉝The Alexander Team:メタバース内で不動産を売買できるコミュニティをローンチ

 

<医療・ヘルスケア業界>

  • ㉞NeuroSync:脳の機能障害を診断するVR機器を開発

 

<金融業界>

 

<製造業界>

  • ㊱BMW:世界中の自動車工場を3Dスキャンしメタバース化
  • ㊲テスラ:デジタルツインを活用し車両を遠隔で自動アップデート
  • ㊳NVIDIA:業務効率化向けのメタバース構築プラットフォームを提供

 

<物流業界>

  • ㊴Amazon:デジタルツインを活用し倉庫の配送オペレーションを最適化
  • ㊵DHL:倉庫でのピッキング作業の効率化を達成

 

<エネルギー業界>

  • ㊶英国原子力公社:原子力発電設備の設計と製造の効率化
  • ㊷Siemens Energy:発電施設の保守管理の効率化により大幅なコスト削減

 

 

<公共機関・自治体>

  • ㊸シンガポール:世界初 国全体をデジタルツイン化

 

それぞれの事例についてわかりやすく紹介していきます。

 

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小売業界

①PepsiCo:流通センターの効率化とコスト削減を実現

PepsiCo Simulates and Optimizes Distribution Centers with NVIDIA Omniverse and Metropolis
(動画:PepsiCo)

PepsiCoは、流通センターの効率化とエネルギー消費量の削減にNVIDIA Omniverseを活用しています。

AIを活用したデジタルツインを構築し、機械と作業員の作業を最適化することで、ダウンタイムとエネルギー消費量を減らすことに成功しています。

 

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②ウォルマート:メタバース上で混雑等の状況を再現した研修を実施

ウォルマート:メタバース上で混雑等の状況を再現した研修を実施
(画像:ウォルマート)

世界的なスーパーマーケットチェーンであるウォルマートは、接客のトレーニングにVRを導入しています。従業員にHMD(ヘッドマウントディスプレイ)を装着させ、ブラックフライデーなどの販売イベント時に大勢のお客様に対応するための研修を行っています。

 

従来の研修とは異なり、現実には再現が困難な状況を実際に体験しているかのような、リアリティの高い研修を行うことができます。
この研修を行うため、ウォルマートは1万7000台のOculas Questを約4700店舗に準備するなど大規模な投資を行っており、VRを活用した研修に本腰を入れています。

アパレル業界

③BEAMS:メタバースイベントへの出展を通じリアル店舗への送客も

BEAMS:メタバースイベントへの出展を通じリアル店舗への送客も
(画像:BEAMS)

ファッション大手であるビームスはメタバース領域への参入を果たしています。具体的な取り組みとしては、世界最大のVRイベントである「バーチャルマーケット」に4度出展を行っています。バーチャルマーケットとはメタバース上にある会場で、アバターなどのさまざまな 3Dアイテムや、リアル商品(洋服、PC、飲食物など)を売り買いでき、日本はもとより世界中から100万人を超える来場者を誇る世界最大のVRイベントです。

 

バーチャルマーケットでは、アバター用の洋服であるデジタルアイテムの販売やライブなどのイベントの開催が行われました。アバター用の洋服であるデジタルアイテムは、ビームスの2022年の秋冬商品を3Dモデルに起こした、Tシャツやワンピースなどの全7種類が販売されました。

 

また、ライブでは池田エライザさんがバーチャルライブを開催し、メタバースに着想を得た新曲の発表も行われました。一方でリアルでの商品販売も行われ、バーチャルマーケットの出展を記念したリアルな洋服の商品もビームスの公式オンラインショップにて販売されました。4度目の参加の際には、関西のショップスタッフも含む約50名の社員が交代でバーチャル接客にあたり、メタバース上での接客を通じてリアル店舗への来客に繋がっている事例も生まれてきているとのことです。

 

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④バレンシアガ:Fortnite上でバーチャルファッションアイテムを販売

バレンシアガ:Fortnite上でバーチャルファッションアイテムを販売
(画像:バレンシアガ)

ラグジュアリーブランドのバレンシアガは人気オンラインゲームであり、近年メタバース化が進みつつある「フォートナイト」とコラボレーションを行いました。バレンシアガがゲーム用のデジタルファッションアイテムを制作し、同様のデザインのリアルのアイテムをバレンシアガの一部店舗やオンラインショップにて販売しました。リアルのアイテムの価格や約5万~17万円ほどでした。

 

フォートナイトのゲーム内では、バレンシアガの仮設店舗をオープンし、ウェアやスキンを取りそろえました。それらのアイテムはバレンシアガの2020~2021年のコレクションアイテムをスキャンし3Dモデル化して制作されています。また他にも、ゲーム内にバレンシアガが2021年秋コレクションのために制作したオンラインゲーム「アフターワールド:ザ・エージ・オブ・トゥモロー」に着想を得たエリアを特設するなど、ユーザーが楽しみながらバレンシアガのブランドに触れられる取り組みが行われました。

⑤Gucci:Roblox上に自社独自のメタバース空間を構築

Gucci:Roblox上に自社独自のメタバース空間を構築
(画像:Gucci)

没入型マルチメディア体験「Garden Archetypes」の公開と同時に、グッチはRobloxと共同で、ユニークでインタラクティブなバーチャル展示「Gucci Garden」を発表しました。グッチ ガーデンに入ると、アバターがニュートラルなマネキンに変身します。さまざまな部屋を歩き回りながら、来場者のマネキンは展示の要素を吸収していきます。各人が異なる順序で部屋を体験し、空間の他の断片を保持することで、旅の終わりには唯一無二のクリエイションとして姿を現すのです。

 

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⑥Louis Vuitton :ブランドの歴史を感じられる独自VRゲームを公開

Louis Vuitton :ブランドの歴史を感じられる独自VRゲームを公開
(画像:Louis Vuitton)

ルイ・ヴィトンは、創業者の200歳の誕生日を記念して、ブランド・モノグラムから生まれたマスコット、ヴィヴィアンがバーチャルな世界を駆け巡り、収集可能なNFTキャンドルを求めて世界中の活気あるロケーションを旅するVRゲームをリリースしました。

 

それぞれのキャンドルは、ルイとその家族の旅にまつわるストーリーを解き放ちます。プレイヤーは30個のNFTを集めることができ、その中には、デジタルコラージュがNFTとしてクリスティーズのオークションで6930万ドルで落札されたアーティスト、Beepleの作品も10個含まれています。

⑦ポロラルフローレン:ユーザー数2億人のZEPETOでアバター用の洋服を販売

ポロラルフローレン:ユーザー数2億人のZEPETOでアバター用の洋服を販売
(画像:ポロラルフローレン)

ラルフローレンはユーザー数2億人を誇るSNSであるZEPETO上で購入可能なバーチャルウェアの販売を開始しました。ZEPETOとはユーザーが自身の3Dアバターを作成し他のユーザーと交流するアプリで、ラルフローレンは、ZEPETO のアプリ内に50種類のファッションアイテムを用意し、ZEMと呼ばれるアプリ内通貨で購入可能にしています。価格は約80円~400円となっています。

 

また、今回のコラボでは、ファッションアイテムの販売以外にも、ニューヨークの実在するセントラルパークなどのロケーションのバーチャル空間での再現やラルフローレンのアイテムを身に着けたK-POPバンドTomorrow x Together(TXT)のバーチャルライブなど、ユーザーが楽しめる様々な取り組みが行われました。ユーザーがライブの様子を自撮りしSNSにアップするなど、コラボの認知度を高める動きも多く見られました。

 

同社は、今回のコラボにて、ZEPETOのアプリ内のアクティビティから様々なデータを取得し、訪問者数や交流の頻度、利用時間、アイテムの売上などを把握し、今後の取り組みの検討に活用しています。リアル店舗より多くの顧客データが得られるのも、メタバース参入によるメリットの1つと言えます。今後はNFTの販売を検討するなど、バーチャル領域でのビジネス展開を加速させる方針とのことです。

⑧DOLCE & GABBANA:デジタルウェアのコンペティションを開催

DOLCE & GABBANA:デジタルウェアのコンペティションを開催
(画像:DOLCE&GABBANA)

イタリアの世界的ファッションブランドであるDOLCE&GABBANAは、NFTマーケットプレイスのUNXDと共同開発する第2回ファッションウィークにて、デジタルデザインコンペティションの開催を発表しています。最終候補者は3D仮想プラットフォームDecentraland内のDOLCE&GABBANA専用スペースで展示をすることができます。

 

このFuture Rewindコンペティションは伝統的なファッション界のクラフツマンシップと、デジタルデザインの新しいメディアとの架け橋となる初めての試みであり、若い才能を支援する包括的なネットワークを構築する手段の一つとして期待されています。

⑨GIVENCHY:Roblox上にメタバース空間を構築

GIVENCHY:Roblox上にメタバース空間を構築
(画像:Roblox)

フランスの世界的ラグジュアリーブランドGIVENCHYはメタバースプラットフォームであるRoblox上にメタバース空間「Givenchy Beauty House」を構築しました。「Givenchy Beauty House」では、GIVENCHYとRobloxが、アバターを通じて個性と美しさを最大限に表現できる場を提供します。

 

プレイヤーはブランドイメージから着想を得たダンスフロアや地下鉄をイメージした地下空間などバーチャル体験の様々なエリアにアクセスすることができます。さらに、GIVENCHYのファッションアクセサリーをイメージしたアイテムを手に入れることも可能です。

⑩NIKE:Roblox上にメタバース空間を構築しデジタルアセットを販売

NIKE:Roblox上にメタバース空間を構築しデジタルアセットを販売
(画像:NIKE)

NIKEは、メタバースプラットフォームRoblox(ロブロックス)上に没入型3D空間「NIKELAND」(ナイキランド)をオープンしました。ユーザーは3Dアバターを操作し、メタバース空間上に作られたバスケットボールコートなどの運動施設で、他のユーザーと共に鬼ごっこやドッジボールなどのスポーツを楽しむことができます。

 

また、ツールキットを利用して自分だけのオリジナルミニゲームを制作することも可能です。さらに、デジタルショールームでは、NIKEのアパレルやシューズをデジタルアセットとして購入でき、アバターに装着させることで身体能力をアップさせることもできます。NIKELANDは、NIKEのブランドとしての世界観を表現するためのマーケティングの施策としてだけでなく、メタバースという新たなマネタイズポイントの開拓に繋げる目的があると考えられます。

⑪PRADA:香水のプロモーションにバーチャルモデル「Candy」を起用

PRADA:香水のプロモーションにバーチャルモデル「Candy」を起用
(画像:PRADA)

PRADAは、ReThink Realityキャンペーンで「Prada Candyフレグランス」をリニューアルするために、ブランド初のバーチャルモデルの「キャンディ」を発表しました。香水にちなんで名付けられたこのバーチャルモデルは、従来のセレブリティやインフルエンサーのマーケティング戦略に代わり、テクノロジーに敏感なZ世代をよりターゲットにするためのものです。

 

現在、ロレアルのライセンスを受けたこのブランドは、バーチャルモデルを使用して、若い消費者とのデジタル交流を活性化し、バーチャルインフルエンスの未来への探求を促しています。バーチャルモデルの「キャンディ」は、ラグジュアリーブランドが自らのデジタルストーリーを主導するための社内バーチャルモデルとしても活躍しています。「キャンディ」は、一見すると物理的なモデルと見間違うほどです。

飲食業界

⑫マクドナルド:限定ゲームを楽しめる段ボール製のVRゴーグルを提供

Happy Goggles – A virtual reality headset made from a Happy Meal Box.
(動画:マクドナルド)

スウェーデンのマクドナルドは、ハッピーセット販売30周年を記念して、ダンボール製のVRゴーグル「Happy Goggles」をハッピーセットのおまけとして販売しました。

 

Googleが開発したダンボール製の本体に手持ちのスマートフォンと組み合わせることで完成するヘッドマウントディスプレイ「Google Cardboard」と同じ仕組みで、ボックスを解体して組み立て、中にスマートフォンを入れれば、メタバース上でスキーのゲームを楽しむことができます。

 

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⑬モスバーガー:仮想店舗をオープンし、ハンバーガーづくり体験会を開催

モスバーガー:仮想店舗をオープンし、ハンバーガーづくり体験会を開催
(画像:モスバーガー)

モスバーガーは。世界最大のSNSメタバースプラットフォーム「VRChat」上に仮想店舗をオープンしました。

この取り組みは、モスバーガー初となる“月見”商品「月見フォカッチャ」に合わせたもので、仮想店舗は月面上に設置されており、VRゴーグルを持っていれば誰でも自由にアクセス可能です。

 

また、3日間の期間限定で、都内3店舗でVRゴーグルの貸出・メタバース上でのハンバーガー作りの体験会も開催されました。

⑭TGI Fridays:レストランでVR体験が出来るキャンペーンを実施

TGI Fridays – #JingleEffect
(動画:TGI Fridays)

TGI Fridaysは、世界60ヶ国以上で992店舗展開する、「古きよきアメリカ」をコンセプトとするカジュアルダイニングレストランです。同社は、新メニューのプロモーションのために、世界初のバーチャル犬ぞり体験を提供しました。また、「何頭の犬がメインのソリを引いていますか?」というクイズに正解した人から抽選でVRゴーグル等をプレゼントするというキャンペーンも同時に開催しており、Facebook等のSNSを経由して多数の方が本キャンペーンに参加していました。

⑮Chipotle:Roblox上でキャンペーン「Burrito Builder」を実施

Chipotle:Roblox上でキャンペーン「Burrito Builder」を実施
(画像:Chipotle)

アメリカを中心に世界各国で展開するメキシコ料理のレストランチェーンのChipotle社は、「ゲーム版のYoutube」と言われるゲームプラットフォーム「Roblox」上で「Burrito Builder」というブリトーを作るゲームを提供しました。

 

ユーザーはRoblox上でブリトーを作ることで、ブリトーコイン(Burrito Bucks)を獲得することができます。獲得したブリトーコインは、Tシャツやネックレスやサングラスなどのゲーム内アイテムと交換することができます。

⑯Wendy’s:メタバース上に店舗を出店

Wendy’s:メタバース上に店舗を出店
(画像:Wendy’s)

世界中で人気を誇るファーストフードチェーンWendy’sは、Metaのメタバースプラットフォーム「Horizon Worlds」上にVR体験スペースWendyverseを開設しています。
ユーザーはメタバース内で店員体験をしたり他のユーザーとコミュニケーションをとることができます。

 

また、メタバース内には数多くのゲームが用意されており、Horizon Worlds内で利用可能な無料フードチケットなどが獲得できるチャンスもあります。

Wendy’sは、このメタバース空間が若い世代との繋がりを強めることを期待しています。

観光業界

⑰マリオット:デジテルツインを活用したバーチャルホテル

VR Postcards | Behind the Scenes
(動画:マリオット)

世界最大規模のホテルチェーンマリオットは、メタバースに参入しています。マドリッド マリオット オーディトリアム ホテルは、メタバースにカンファレンス センターを含むデジタルツインを導入し、ホテルやカンファレンスセンターをメタバース内に再現しています。ゲストはホテルへの宿泊を検討する際に、PCとヘッドセットを用いて利用することができ、ヘッドセットを通して施設内を歩き回って見学することができます。

 

マドリッドマリオットの最大のセールスポイントは、ホテルとイベント施設が 1 つの建物内にあることです。メタバースを利用することで、ホテルのレイアウトをアピールするために現地で説明することが不要となり、コスト削減が図れます。さらに、ホテルの情報を発信するためにメタバースを活用することは、利用者にとってWebサイトよりも実際の現場を理解しやすく、集客に効果的です。

 

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⑱Millennium :メタバースでホテルを運営

Millennium :メタバースでホテルを運営
(画像:Hospitality net)

MullenLoweシンガポールは、Millennium Hotels and Resortsと提携し、メタバース上にM Social Decentralandを立ち上げました。M Social Decentralandは世界各地のM Socialホテルをモデルにした、メタバースでホテルを運営する世界初のホスピタリティグループです。

 

ゲストはこのバーチャル空間を探索し、スペースを借りたり購入したりできます。自分のアバターのスクリーンショットをソーシャルチャネルで#MSocialDecentralandと共有すると、実際のホテルに宿泊できる抽選に参加できます。また、バーチャルホテルにはゲストがパフォーマンスやプロジェクトの立ち上げなどのバーチャルイベントを開催できるロビースペースも用意されています。

 

Millenniumは、M Socialを通じてブランドの認知度を高め、新規ゲストを獲得するためにメタバースを活用しています。

エンタメ業界

⑲フォートナイト:トラヴィス・スコットがバーチャルライブで記録的集客

Travis Scott and Fortnite Present: Astronomical (Full Event Video)
(動画:Travis Scott)

アメリカの人気ラッパートラヴィス・スコットは2020年、メタバースゲーム「Fortite」上でバーチャルライブを開催しました。楽曲ごとにフィールドが変化し、巨大なトラヴィスが登場するなど、10分弱のライブながらバーチャル空間ならではの演出が盛り込まれました。ユーザーはFortnite内のアバターを操作し、まるで実際に参加しているかのようにライブを楽しむことができます。

 

同時接続数はライブイベント史上最多の1230万人、グッズ販売を含めた売上は2000万ドル以上と、記録的な数字を残しました。比較として、トラヴィスが前年に行ったツアーは56公演の合計で売上5350万ドルとなっており、バーチャルライブの集客力、収益性の高さを示す代表的事例となっています。

 

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⑳Roblox:ゲーム空間上でのバーチャルライブを開催

Roblox:ゲーム空間上でのバーチャルライブを開催
(画像:Warner music group)

アメリカでは「Fortnite」「Minecraft」に並ぶ人気オンラインゲーム、「Roblox」において、ゲーム空間を活かした音楽ライブイベントが急増しています。2023年3月にはアメリカで開催されるスポーツ一大イベント「NFTスーパーボール」のプレーゲームイベントとして、Roblox内に新設されたRhythm Cityでヒップホップ歌手Saweetieによるパフォーマンスが行われました。

 

今後は、Saweetieの他にもワーナーミュージック所属アーティストによるバーチャルコンサートがRhythm Cityで開催される予定です。

㉑WaveXR:ジャスティンビーバーなどがバーチャルライブを開催

Wave Presents: Justin Bieber – An Interactive Virtual Experience
(動画:Wave)

Waveはアーティストがメタバース上でデジタルアバターの姿でライブを開催することのできるバーチャルコンサートプラットフォームです。世界的なアーティストがメタバース内でライブを行っており、The WeekndやJustinBieber などが開催しています。JustinBieberは初のバーチャルライブ「An Interactive Vitual Experience」をWave上で開催し最新アルバムを披露。

 

また、John Legendも同年にWave上で「John Legend’s A Bigger Love Live」を開催し、視聴者はVRヘッドセットを使用してアバターを通じてリアルタイムでコンサートに参加しました。

㉒マインクラフト:ゲーム内でバーチャル音楽ライブを開催

マインクラフト:ゲーム内でバーチャル音楽ライブを開催
(画像:MINECRAFT)

マインクラフト上では数多くのバーチャル音楽ライブが行われています。コロナウイルス対策のチャリティーイベントとしてOpenPitによって開催されたバーチャル音楽フェス「NETHER MEANT」は、Twitchでの視聴者数は9000人、収益は8000ドルを超えました。マインクラフト内のライブハウスには、当日参加したアーティストのアルバムジャケットをイメージしたステージに加え、バーカウンターや物販エリアなどクオリティの高いメタバース空間が再現されました。

スポーツ・フィットネス業界

㉓マンチェスターシティ:VR空間上にスタジアムを再現

マンチェスターシティ:VR空間上にスタジアムを再現
(画像:マンチェスターシティ)

英国のプロサッカークラブであるマンチェスターシティが、ソニー株式会社と協力し、ホームスタジアムであるエティハドスタジアムの仮想バージョンをVR空間上に構築しました。ファンは自由にカスタマイズ可能なアバターの姿でこのVR空間を訪れることで、選手やチームを身近に感じながら、ファン同士での交流を図ることができます。

 

今回の取り組みには、ソニーのソニーの画像解析技術やセンシング技術に加え、ソニーのグループ会社であるホークアイのエレクトロニックパフォーマンストラッキングシステムが活用される。これらの技術により、VR上に全選手の位置や骨格の動きレベルでのプレーの様子が、精度高く再現されます。

 

マンチェスターシティとソニーはこの取り組みを通じて、バーチャルを融合した新たなスポーツエンターテイメントの構築と、特定のチームの選手やファンだけでなく、リーグ全体のファンの繋がりの創出を実現したいとしています。

 

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㉔NBA:審判のトレーニングにVRを導入

NBA:審判のトレーニングにVRを導入
(画像:NBA)

北米男子プロバスケットボールリーグのNBAは審判員の教育におけるVR導入を進めています。審判はVRヘッドセットとPCを使用し、VR空間にアクセスします。

 

従来の審判のトレーニングは座学や試合への立ち合いが中心でしたが、VRを導入することで、実際の試合に近い環境で学習を行うことができます。審判は複数の選手が激しく交錯しあう環境の中、瞬時に判断を下す必要があり、その環境をゲーム外で再現することは多数の選手を集める必要性などから困難でしたが、VRを通じて、様々な選手の始点アkら、プレイをスロー再生したり、過去の試合の特定のシーンに入り込んだり、新たにシーンを設定することも可能です。

 

スポーツ選手のトレーニングにVRを導入する事例は既に数多くみられますが、今後審判の教育への導入も進んでいきそうです。

㉕アディダス:NFTを活用したメタバース事業に本格参入

アディダス:NFTを活用したメタバース事業に本格参入
(画像:Adidas Originals)

Adidas Originalsが世界的なNFTプロジェクトであるBored ApeYacht Clubらとともに、ブランド初のNFTコレクションである「Into The Metaverse」をリリースし、メタバースへの本格参入を発表しました。協業するNFT関連企業と共に、ブランドを愛するNFTホルダーのコミュニティの活性化に取り組むとのことです。

このNFTは3万点販売され既に完売し、総売り上げは約26億円に上りました。

 

NFT購入者に付与される特典として、adidas Originalに関する限定の体験をはじめ、ブロックチェーンを活用したNFTゲーム『The Sandbox』やその他プラットフォームで使用できるバーチャル上の着せ替え、それと同じデザインの実際のアパレルプロダクトを手にすることができます。

㉖MLB:各球団のメタバースを一元化

MLB:各球団のメタバースを一元化
(画像:MLB)

MLBはこれまで各球団が構築してきた球場のメタバースを「没入型デジタルツイン」としてネットワーク化し、MLB独自のメタバース空間に一元化しました。試合の視聴や様々な疑似体験、商品購入を同メタバースで行うことができます。

また、アクセスに関して、世界中のファンが所有するデバイスによって差異が生じないようWebブラウザベースとし、スマホからも簡単にメタバースに入れるシステムとなっています。

 

この取り組みにより、空間内で設置される看板などの広告、販売されるNFT、さらにメタバース球場の一部の土地の不動産取引によって利益を得ることができます。
MLBは、リアル球場で実際に試合を楽しんでいるファンと世界に点在するファンが同時に、試合や場内のアメニティーを楽しみ、SNSでコミュニケーションできる機能の充実を図っています。

㉗Black Box VR:VRを活用した体験型フィットネスジム

Black Box VR:VRを活用した体験型フィットネスジム
(画像:Black Box VR)

Black Box VRは、カリフォルニア州やアリゾナ州などで展開されているVRを活用した体験型フィットネスジムです。

 

ジムの会員はVRヘッドセットを着用し、オリジナルのVRゲームを楽しみながらフィットネスを行います。1バトルは30分となっており、プレイヤーの動きがゲーム内に反映され相手への攻撃に繋がります。

 

また、トレーニングを続けていくことで、利用できるキャラクターの種類が増えたり、レベルが上昇するなどやり込み要素を備えています。

さらに、トレーニングを経て収集された各種データは専用のアプリから確認できるとのことです。

㉘Valkyrie Industries:電気刺激で”重さ”を感じられるメタバース向けアクセサリを提供

Valkyrie Industries:電気刺激で”重さ”を感じられるメタバース向けアクセサリを提供
(画像:The Valkyrie EIR armbands)

Valkyrie Industries社は、The Valkyrie EIR armbandsというメタバースフィットネス向けのアクセサリを提供しています。電気刺激により筋肉を収縮させる「EMS技術」を活用することで、腕に装着するとメタバースフィットネスのメニューに合わせた”重さ”を感じることができます。

こちらのメタバースフィットネス向けアクセサリの価格は150ドルです。

 

The Valkyrie EIR armbandsは、MetaQuestとMetaQuest2に対応しており、今後利用できるアプリを増やすため、開発者向けのSDKをリリースする予定とのことです。

㉙Within:サブスク型のメタバースフィットネスサービスを提供

Within:サブスク型のメタバースフィットネスサービスを提供
(画像:Supernatural)

Withinは、Supernaturalというサブスプリクション型のメタバースフィットネスサービスを提供しています。

Supernaturalのユーザーは、音楽やゲーミフィケーション、有名コンテンツとのコラボなどを取り入れたワークアウトプログラムを楽しみながらこなすことで、自身の健康状態を改善することができます。

 

また、メタバース上では専属のコーチが着き、指導とモチベーションを高める言葉をかけてもらうことができます。

月額料金は15ドルからで、フィットネスジムの利用料と比べるとお手頃価格と言えます。

  

また、Supernaturalは、リリース後半年の2020年10月にMetaから買収されています。

教育業界

㉚スタンフォード大学:メタバース上での講義を実施

スタンフォード大学:メタバース上での講義を実施
(画像:スタンフォード大学)

スタンフォード大学は、Meta(旧Facebook)が開発した「Virtual People」というVRを活用した教育カリキュラムを導入しました。2021年から始まったこのプログラムには数百人の学生が参加し、年間約150日間の授業がVR空間内で行われています。学生は同社製のVRヘッドセット「Oculus Quest 2」を使い、ほぼ全ての内容をVR上で学習しています。

 

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㉛VictoryXR:VR技術を活用したメタバース上の大学を設立

VictoryXR:VR技術を活用したメタバース上の大学を設立
(画像:VictoryXR)

VictoryXRは、VRおよびARの教育ソリューションを提供する企業です。VictoryXRは、デジタルツイン技術を使用して既存のキャンパスをデジタル化し、メタバースの中で新しい学習環境を提供することを目指しています。

 

VictoryXRはMeta社と提携し、「メタバーシティ」と呼ばれるVR技術を活用したメタバース上の大学を複数設立しています。生徒はVRヘッドセットを通じてリモートで講義を受けることが可能です。VictoryXRのCEOであるSteve Grubbs氏はVRのより没入感のある学習環境を提供することで、生物、化学、歴史などを学ぶ学生の学習体験を向上させることができると述べています。

広告業界

㉜Snapchat:世界最大のARSNS上で広告を配信

Snapchat:世界最大のARSNS上で広告を配信
(画像:Snapchat)

Snapchat上でのAR広告は様々な業界の大手企業により活用されています。

Snapchatとは、ARを活用した画像・動画投稿が楽しめるSNSで、10~20代の若者を中心に人気を集めており、米国を中心に3億人を超えるアクティブユーザーを抱えています。

 

Snapchatの広告を活用する企業の例として、DiorやGUCCI、PRADAなどが挙げられます。
Snapchatを活用したプロモーションは、他のSNSでの広告と比べ、立体的なコンテンツで訴求できる点やゲーミフィケーションを取り入れられる点などが特徴であり、注目を集めています。

 

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不動産業界

㉝The Alexander Team:メタバース上で不動産を売買できるコミュニティをローンチ

The Alexander Team:メタバース上で不動産を売買できるコミュニティをローンチ
(画像:The Alexander Team)

米国の不動産会社The Alexander Teamは2022年、メタバース不動産開発会社Everyrealmと共同で、メタバース上でアーキテクチャの売買ができるコミュニティ「The Raw」をローンチしました。

著名なアーティスト達が作った作品がNFTとして売り出され、招待制で選ばれたメンバーが購入することができます。

 

実際にメタバースで生活している人口はまだ少ないなか、実用性より作品性の高い建築がメタバースで展開され、感度の高いファンに購入されているようです。

リアルと違い物理的な制約や資源の消費がないため、より先鋭的で大規模な建築を作れると考えられます。

 

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医療・ヘルスケア業界

㉞NeuroSync:脳の機能障害を診断するVR機器を開発

Introducing EYE-SYNC
(動画:NeuroSync)

米国のスタートアップNeuroSyncは、脳の機能障害を診断するVR機器を開発し、実用化しています。患者にVR機器を装着してもらい、60秒間の視線トラッキングをすることにより脳震とうなどが起きていないか判断できるとのこと。正式に医療機器としてFDA(米食品医薬品局)の承認も下りています。

 

主にバスケットボールなどのスポーツ選手が、プレー中の衝突などで脳にダメージが発生していないか、診断のために活用しているとのことです。

従来の診断方法よりも患者への負担が小さく、短時間で診断が完了することで、今後さらに普及していくと考えられています。

 

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金融業界

㉟JPモルガン:Decentraland上に仮想店舗を開設

JPモルガン:Decentraland上に仮想店舗を開設
(画像:JPモルガン・チェース)

米国大手銀行のJPモルガン・チェースは、仮想空間上に自由に建物を建てられるメタバース空間である「ディセントラランド(Decentraland)」に仮想店舗を開設しました。ユーザーはアバターとしてこの店舗を訪れることで、暗号資産に関する情報を得ることができます。仮想店舗の開設を通じて、実際のメタバース上での顧客の需要を探りながら、将来的な金融サービスの提供を検討しているものと考えられます。

 

同社が発表したレポートには「ウォルマート(Walmart)、ナイキ(Nike)、ギャップ(Gap)、ベライゾン(Verizon:米携帯端末事業者)、Hulu、PWC、アディダス(Adidas)、アタリ(Atari:米ゲーム企業)などの有名企業をはじめ、さまざまな形態や規模の企業がさまざまな方法でメタバースに参入している」、「やがて仮想不動産市場でも、クレジット、住宅ローン、賃貸契約など、物理的な世界と同じようなサービスが始まるだろう」との記載がありました。

 

また、同社でクリプト・メタバース関連を統括するクリスティン・モイ氏は「メタバースの発展は、ユーザーがリアルとバーチャルの世界を行き来できるような、強固で柔軟な金融システムを構築できるかにかかっている」と述べています。

 

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製造業界

㊱BMW:世界中の自動車工場を3Dスキャンしメタバース化

BMW:世界中の自動車工場を3Dスキャンしメタバース化
(画像:BMW)

2022年6月、BMWは世界各地の自動車向上を3Dスキャンし、デジタルデータ化することを発表しました。
工場の生産ラインにデジタルツインを活用することで、生産効率の向上を図ります。

 

BMWは生産プロセスのDXを進める戦略的な取り組みである「BMW iFACTORY」の中核に工場にデジタルツインを活用する「バーチャル工場」を位置づけています。

 

工場の敷地内の全領域を可搬式3Dレーザースキャナーやドローンを用いてスキャン予定で、2023年の上半期に完了予定とのこと。

その後、NVIDIAの提供するメタバース空間ツールである「Omniverse」によってスキャンしたデータを使ってバーチャル工場を作成します。

 

同社はバーチャル工場の取り組みを数年前から実施しており、データを活用した設備改善、複数の関係者がリアルタイムCGによるコミュニケーションの円滑化、最新データの多くの関係者への共有などにより生産ラインの生産性向上に繋がっているとのことです。

 

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㊲テスラ:デジタルツインを活用し車両を遠隔で自動アップデート

テスラ:デジタルツインを活用し車両を遠隔で自動アップデート
(画像:テスラ)

テスラの販売する車両にはデジタルツインを活用したシステムが標準搭載されており、車両が自動でアップデートされる仕組みを構築しています。各車両に搭載されたセンサーが車両の状態や走行状況、周辺環境などのデータを基に車両にとって最適な走行方法を分析し、自動でソフトウェアがアップデートされる仕組みとなっています。

 

この仕組みにより、車両診断を店舗で行う必要がなくなり、ユーザーは店舗に出向く手間、テスラは車両診断にかかるコストの大幅な削減に成功しています。

㊳NVIDIA:業務効率化向けのメタバース構築プラットフォームを提供

NVIDIA:業務効率化向けのメタバース構築プラットフォームを提供
(画像:NVIDIA)

大手半導体メーカーNVIDIAは、業務効率化向けのメタバース構築プラットフォーム「NVIDIA Omniverseを企業向けに提案しています。

企業は同ツールを活用することで、企業の企画・設計・製造・配送・アフターフォローという幅広いバリューチェーンの効率化を進めることができます。

 

同ツールの提供する機能は大きく2つで、1つ目は3Dデザインのコラボレーション空間の利用、2つ目は製品や製造ラインなどのデジタルツインの構築・シミュレーションです。

 

2020年のリリース以来、BMWやAmazonなどの大手企業700社、15万人以上のユーザーに利用されており、業務効率化向けのメタバースサービスとしては最有力といえます。

物流業界

㊴Amazon:デジタルツインを活用し倉庫の配送オペレーションを最適化

Narrowing the Sim2Real Gap with NVIDIA Isaac Sim
(動画:Amazon)

Amazonは全世界の倉庫内にある50万台以上の配送ロボットのオペレーションの最適化にNVIDIA Omniverseを活用しています。AIを活用したデジタルツインを構築し、倉庫の設計と流れを最適化しています。これにより、配送オペレーションの効率化や、シミュレーションのリードタイム・コストの削減が可能です。

 

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㊵DHL:倉庫でのピッキング作業の効率化を達成

DHL:倉庫でのピッキング作業の効率化を達成
(画像:DHL)

ドイツの大手物流企業のDHL社は、グーグルのスマートグラス「Glass Enterprise Edition 2」を導入し、倉庫での配送業務にARを活用しています。従業員はピッキング作業の現場でグラスを着用することで、製品・商品の保管場所やカート配置場所といった必要な情報を確認することが可能です。ハンズフリーで即座に必要な情報にアクセスできるため、作業の精度と効率の向上に繋がります。また多くのスマートグラスにはマイク機能が搭載されており、遠隔かつハンズフリーで会話による連携を取ることも可能です。

エネルギー業界

㊶英国原子力公社:原子力発電設備の設計と製造の効率化

Building a Fusion Reactor Digital Twin in NVIDIA Omniverse
(動画:NVIDIA)

英国原子力公社は、原子力発電設備の設計と製造の効率化にNVIDIA Omniverseを活用しています。

設計フェーズでは、物理や建築、デザインなど様々な分野のエキスパートがリアルタイムでコラボレーションしながら3Dデザインを進めることができたり、製造フェーズでは各設備の最新の製造進捗がデジタルツインに反映され、製造計画を常に最適化することができたりします。

 

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㊷Siemens Energy:発電施設の保守管理の効率化により大幅なコスト削減

Siemens Energy HRSG Digital Twin Simulation Using NVIDIA Modulus and Omniverse
(動画:NVIDIA)

Siemens Energyは、発電施設の保守管理の効率化にNVIDIA Omniverseを活用しています。デジタルツインを活用し、設備の腐食を正確に予測することで、検査回数を減らしながら安全に運用することができ、大幅なコストと工数の削減に成功しています。

公共機関・自治体

㊸シンガポール:世界初 国全体をデジタルツイン化

シンガポール:世界初 国全体をデジタルツイン化
(画像:シンガポール)

シンガポール政府は、自然や建物、道路や人・車などのあらゆるデータを集約し、国全体のデジタルツイン化に世界で初めて成功しました。この空間は「バーチャルシンガポール」と呼ばれ、都市計画へのデジタルツインの活用事例として世界中から注目を集めています。

 

バーチャルシンガポールに活用されるデータは、政府機関やインターネット、IoTからのリアルタイムデータなど幅広いソースから集められています。

この取り組みの成果は、最適な都市計画の策定や自然災害のリスク評価・対策、国民への最適な交通ルートの提案など多岐にわたり、国全体のDX化の基盤となっています。

企業がメタバースを活用する3大メリット

企業がメタバースを活用する3大メリット

企業がメタバースを活用する代表的なメリットとして以下の3つが挙げられます。

 

  • ①新規事業の創出
  • ②マーケティング・ブランディングの強化
  • ③企業の社内業務の効率化

 

それぞれのメリットを分かりやすく紹介していきます。

 

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①新規事業の創出

新規事業の創出 バンダイナムコ
(画像:バンダイナムコ)

1つ目のメリットは、メタバースサービスやイベントなどの新規事業の創出です。

メタバースを活用し新たなサービスを構築することで、ユーザーに対し現実に存在するもの/しないものを含め、仮想空間上に3Dの世界を構築することができるというメタバースならではの特徴を活かし、ユニークな体験を提供するサービスを提供することができます。

 

また、メタバース上でアーティストや企業を集めたイベントをすることで、入場券やデジタルコンテンツの販売など収益性の高い新たなビジネスを展開できることが挙げられます。

②マーケティング・ブランディングの強化

マーケティング・ブランディングの強化 三越伊勢丹
(画像:三越伊勢丹)

2つ目のメリットは、メタバースを活用したマーケティング・ブランディングの強化です。

メタバースが人々の生活に普及するにつれ、オフラインからオンラインへ、WebからSNSへと起こってきたのと同様の顧客接点のシフトが、メタバースでも起こると考えられます。

 

メタバースをマーケティング・ブランディングに活用することで、従来はオンラインでの実施が難しかった商品・サービスの販促やメタバースならではの体験を通じた強力なブランディングを行うことができます。メタバースは従来のWebページや動画と比べ伝えられる情報がリッチかつインタラクティブな体験を提供可能なため、ユーザーを惹きつけやすく幅広い業種での活用が進んでいます。

③企業の社内業務の効率化

企業の社内業務の効率化 DHL
(画像:DHL)

3つ目のメリットは、企業の社内業務の効率化です。

メタバース・デジタルツインを社内業務の効率化に活用することで、バリューチェーン全体や工程全体の最適化社員の作業のサポート、研修の効率化をすることができます。

 

メタバース上で現状存在しない施設や設備を設計し、シミュレーションを行うことで、最適な製造ラインや運用方法を特定したり、メタバースの特徴である3Dでの情報の表示により、AR/MRグラスで現場の作業員の作業をサポートしたり、VRグラスにより様々なシチュエーションを想定した研修を行ったりと多岐にわたる活用方法が存在します。

企業がメタバース活用を進めるための4つのフェーズ

企業がメタバース活用を進めるための4つのフェーズ

企業のメタバース活用の進める流れとして、大きく以下の4つのフェーズが挙げられます。

 

  • Phase1:市場動向・知見のキャッチアップ
  • Phase2:戦略/企画の立案
  • Phase3:事業計画の策定
  • Phase4:開発・運用

 

それぞれのフェーズについて分かりやすく紹介していきます。

 

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Phase1:市場動向・知見のキャッチアップ

1つ目のPhaseとして取り組むべきは、最先端の市場動向・知見のキャッチアップです。MetaやApple、Microsoftなどのビックテックやユーザーの動向・先行活用事例など、日々変化する市場動向やナレッジへのキャッチアップが必要です。

このフェーズが、成果に繋がる骨太な戦略/企画策定の基盤となります。

Phase2:戦略/企画の立案

2つ目のPhaseはメタバース活用の戦略/企画です。活用目的を踏まえ、中長期で目指す事業の姿や自社の強みの活用の仕方、実現に向けた企画を立案しましょう。

ユーザーバリューと自社の事業性の両方を満たす、質の高い戦略/企画の立案が、成果につながるメタバース活用の実現に向け最も重要なポイントとなります。

Phase3:事業計画の策定

3つ目のPhaseは事業計画の策定です。事業に期待する成果や開発・運用のアプローチやタイムライン、必要な投資額などを検討しましょう。

メタバース開発・運用といっても、プロジェクト毎に求められるケイパビリティは様々であるため、自社にマッチするツール・ベンダーの選定が非常に重要です。

Phase4:開発・運用

4つ目のPhaseが開発・運用です。メタバース開発・運用には幅広い領域の知見や技術スタックが求められるため、外部のベンダーなどを有効活用し、不足するケイパビリティやリソースを補完しつつ、ユーザーに届けたい体験を実現するメタバースの開発とマーケティングを含めた運用を実施しましょう。 

 

4つのフェーズで取り組むべき35のステップに関しては、以下の関連記事で詳しく解説しています。

 

※関連記事:メタバースを活用した事業を作る方法|全4フェーズと35ステップ【担当者必見】

企業がメタバース活用で成果を上げるための5つのポイント

企業がメタバース活用で成果を上げるための5つのポイント

企業がメタバース活用で成果を上げるためのポイントとして以下の5つが挙げられます。

 

  • ①最先端の市場動向・ノウハウのキャッチアップ
  • ②活用目的の明確化と骨太な戦略策定
  • ③ユーザーファーストなUX設計
  • ④アジャイルアプローチによるプロジェクトの推進
  • ⑤強力な開発・運用体制の構築

 

それぞれについて分かりやすく紹介していきます。

 

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①最先端の市場動向・ノウハウのキャッチアップ

1つ目のポイントは、最先端の市場動向・ノウハウのキャッチアップです。

デバイスの進化やユーザーの動き、各領域の先進事例をキャッチアップし、自社が取り組むべき活用方法や成果に繋がる活用のポイントを抑えた上で活用に着手しましょう。

 

メタバース活用には取り組むのに一定の予算や工数が必要となるため、自社にとって重要な最新動向や活用のノウハウを抑えておくことが、成功確度の高い戦略・企画立案の大前提となります。

②活用目的の明確化と骨太な戦略の立案

2つ目のポイントは、メタバースを活用する目的の明確化と骨太な戦略の策定です。

現在メタバース活用に取り組む企業には、メタバース活用の取り組みが単発で終わってしまっている企業が見受けられます。

 

その結果、活用のPDCAが回らない、メタバース活用が小粒な施策の1つに留まってしまうなど大きな収益機会の獲得に繋がらないという結果に終わってしまいます。

 

自社の経営課題を踏まえ、「活用によりどのような経営課題を解決したいのか?」「課題解決の打ち手としてなぜメタバースではないといけないのか?」といった明確な活用目的を整理した上で、中長期で目指す事業の姿や自社の強みの活用の仕方などの実現に向けた戦略を立案しましょう。

③ユーザーファーストな企画・UX設計

3つ目のポイントは、自社のターゲットにとってユーザーファーストなメタバースの企画・UX設計です。

現在、多くの企業がメタバースに参入を進めていますが、そのなかには、企業側の都合のみでサービス・体験が設計されたようなメタバースが多く存在します。それらのメタバースは、ユーザーに利用されず、企業の活用の目的を達成できない結果に終わってしまいます。

 

そのため、「メタバースならではの高い体験価値を届けられているか」や「ユーザーの利用にあたっての手間や負担が大きくないか」といった観点を踏まえたUX設計が重要です。

④アジャイルアプローチによるプロジェクトの推進

4つ目のポイントは、アジャイルアプローチによるプロジェクトの推進です。

メタバース市場は今後大きな成長が予想されているものの、いまだ成長期にあり、様々な業界の企業が中長期的な収益最大化に向け、最適な活用を模索している段階にあります。

 

そのため、計画と実行のプロセスを短いスパンで回し、仮説立案・実行・検証・施策立案のサイクルを何度も繰り返すことが、プロジェクトを机上の空論で終わらせないために重要です。

⑤強力な開発・運用体制の構築

5つ目のポイントは、強力なメタバース開発・運用体制の構築です。

高いユーザー体験と事業性を両立するメタバースの開発とマーケティングを含めた運用を実施しましょう。

 

メタバース開発・運用には幅広い領域の知見や技術スタックが求められるため、外部のベンダーなどを活用し、不足するケイパビリティやリソースを補完することも有効です。

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このナレッジの著者

メタバース総研 代表取締役社長

今泉 響介

株式会社メタバース総研(現・CREX)代表取締役社長。
慶應義塾大学経済学部卒業。学生起業した事業を売却後、日本企業の海外展開/マーケティングを支援する株式会社Rec Loc を創業・社長就任を経て、現職に。メタバースのビジネス活用に特化した国内最大級の読者数を誇るメディア「メタバース総研」の運営やメタバースに関するコンサルティング及び開発サービスの提供を行っている。著書に『はじめてのメタバースビジネス活用図鑑』(中央経済社)

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