メタバースにおける2つの決済方法とは|事例2選も紹介
MetaのXRヘッドセットのQuestシリーズが累計販売台数2,000万台を突破し、Appleも初のXRデバイスの発売を発表するなど、近年メタバースへの注目はより一層高まっています。
一方で、自社でメタバース事業への参入を検討するにあたって、「サービス上に決済機能を導入したいが、そもそもどのような方法があるか分からない」という方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、メタバースにおける決済方法を、具体的な事例とともに分かりやすくご紹介します。
本記事は、以下のような方におすすめの記事となっています。
- メタバースの決済方法の全体像を知りたい
- メタバースの決済方法それぞれのメリット・デメリットを知りたい
本記事を読めば、メタバース開発の全体像を一気にキャッチアップできる内容となっておりますので、ぜひ最後までご一読ください。
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そもそもメタバースとは
メタバースとは一言でいうと、人々が様々な活動を行うことのできるインターネット上の3次元の仮想空間のことを指します。
メタバースの語源は「超越」を意味する「meta」と「世界」を意味する「universe」を組み合わせた造語だと言われています。メタバースという言葉が世界で初めて使われたのは、1992年にニール・スティーヴンスン氏が発表したSF小説「スノウ・クラッシュ」です。
メタバースにおいて、ユーザーはアバターと呼ばれる自身の分身の姿でメタバース空間にアクセスし、他のユーザーとコミュニケーションや経済活動を行うことができます。例えば、集まって会話をしたり、イベントやスポーツ、買い物などを楽しむことができます。
一般ユーザーに広く普及しているメタバースサービスとして、「Fortnite」や「Roblox」、「どうぶつの森」などのゲーム型のメタバース、「VRChat」や「Cluster」などのSNS型のメタバースが挙げられます。
メタバースへのアクセス方法としては、スマホやPCからもアクセス可能ですが、Apple Vision ProやMeta Questのようなヘッドマウントディスプレイからアクセスすることにより、より世界に没入したような体験が可能になります。
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メタバースにおける決済の2つの方法
メタバースにおける決済方法として以下の2つの方法が挙げられます。
- ①クレジットカードなどの現実世界の決済手段で決済
- ②事前購入したサービス内通貨や暗号資産で決済
それぞれについて分かりやすく紹介していきます。
①クレジットカードなどの現実世界の決済手段で決済
1つ目の決済方法は、クレジットカードなどの現実世界の決済手段を利用する方法です。メタバースサービス上でクレジットカードなどの決済画面が立ち上がりそこから手続きをするものや、事前に支払い設定などで決済手段を登録しておくといった決済方法です。
ただし、この決済方法は、外部サイトへの移行が必要となるため、仮想空間で経済活動まで完結するというメタバースの方向性からは乖離しています。
②事前購入したサービス内通貨や暗号資産で決済
2つ目の決済方法は、事前購入したサービス内通貨や暗号資産を利用する方法です。事前購入には、取引所を介して行うものと、直接クレジットカードなどで購入するパターンなどが存在します。
メタバースゲームにおいては、仮想世界への没入感を損なわないようにできるため、サービス内通貨を用いる場合も多く存在します。
決済の2つの方法のメリット・デメリット
メタバースにおける2つの決済方法のメリット・デメリットとして以下の2つの観点が挙げられます。
- 1. ユーザー体験
- 2. 信頼性・安全性
それぞれについて分かりやすく紹介していきます。
1. ユーザー体験
1つ目は、ユーザー体験の観点です。クレジットカードなどの現実世界の決済手段で決済する場合、メタバース内から外部のサイトに移行してそこで決済を行ったり、クレジットカードの番号確認のためにゴーグルを外すといった手間が発生するため、メタバースへの没入感を損なう可能性があります。
一方で、事前購入したサービス内通貨や暗号資産で決済する場合、メタバース空間上でスムーズに決済することができるため、没入感を損なわないユーザー体験を実現できます。
2. 信頼性・安全性
2つ目は、信頼性・安全性の観点です。クレジットカードなどの現実世界の決済手段は、ユーザーが普段使いしている決済手段であるため、ユーザー視点では信頼性・安全性が高いと感じられる決済手段と言えます。
一方で、事前購入したサービス内通貨や暗号資産を利用した決済手段は、新しい決済手段であるのに加え、暗号資産のハッキング・盗難といった事象もたびたび発生していることから、信頼性に欠けると感じるユーザーもいると考えられます。そのため、サービス内通貨や暗号資産を利用する場合は、ユーザーの信頼性を高める対策を施すことが重要です。
金融事業者のメタバース決済サービス参入事例2選
金融事業者のメタバースにおける決済サービスへの参入事例として以下の2つが挙げられます。
- ①みずほ銀行:メタバース空間での決済サービスを提供予定
- ②ROBOT PAYMENT:メタバース内での決済サービス「メタペイWallet」提供の実証実験を実施
それぞれについて分かりやすく紹介していきます。
①みずほ銀行:メタバース空間での決済サービスを提供予定
みずほ銀行は、2023年度中にメタバースの決済手段である、「メタバースコイン(仮称)」の提供を開始する予定です。メタバースコインは、みずほ銀行のスマホアプリの決済サービス「Jコインペイ」の決済基盤を利用しており、利用者は支払いのためにメタバース空間の外に出ることなく、空間に入り込んだまま買い物を行うことができます。
②ROBOT PAYMENT:メタバース内での決済サービス「メタペイWallet」の実証実験を実施
株式会社ROBOT PAYMENTは、メタバース空間上の決済サービス「メタペイWallet」の実証実験を行っています。
メタバース上での決済にあたっては特定の仮想通貨を前提としたものが多く、価格の変動や安全性が確立されていないなど、企業や自治体のサービスを享受する幅広いユーザーが容易に取引するにはまだまだ障壁があります。ROBOT PAYMENTは、特定の仮想通貨やブロックチェーンには依存しない、これまでのキャッシュレス決済のように誰でも簡単かつ安心して利用できるマルチペイメントサービスの展開を目指しています。
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