メタバースの農業業界への活用事例8選|メリットや活用方法も解説

近年、「メタバースで野菜・フルーツ販売」や「メタバースでの農業体験」などといった農業業界でのメタバース活用がニュースなどで取り上げられ、注目を集めています。

 
一方で、「農業にどのようにメタバースを活用するのかイメージが沸かない」、「具体的にどのような活用事例があるのか知りたい」という方も多いのではないでしょうか?

 

そこで今回は、メタバースの農業への活用事例8選をメリットや各社の狙いとともにご紹介します。
本記事を読めば、農業ビジネスへのメタバースの活用のヒントが得られると思いますので、ぜひ最後までご一読ください。


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そもそもメタバースとは

そもそもメタバースとは VRChat
(画像:VRChat

メタバースとは一言でいうと、人々が様々な活動を行うことのできるインターネット上の3次元の仮想空間のことを指します。

 

メタバースの語源は「超越」を意味する「meta」と「世界」を意味する「universe」を組み合わせた造語だと言われています。メタバースという言葉が世界で初めて使われたのは、1992年にニール・スティーヴンスン氏が発表したSF小説「スノウ・クラッシュ」です。

 

メタバースにおいて、ユーザーはアバターと呼ばれる自身の分身の姿でメタバース空間にアクセスし、他のユーザーとコミュニケーションや経済活動を行うことができます。例えば、集まって会話をしたり、イベントやスポーツ、買い物などを楽しむことができます。

 

一般ユーザーに広く普及しているメタバースサービスとして、「Fortnite」や「Roblox」、「どうぶつの森」などのゲーム型のメタバース、「VRChat」や「Cluster」などのSNS型のメタバースが挙げられます。

 

メタバースへのアクセス方法としては、スマホやPCからもアクセス可能ですが、Apple Vision ProやMeta Questのようなヘッドマウントディスプレイからアクセスすることにより、より世界に没入したような体験が可能になります。

メタバースを農業ビジネスに活用する2つのメリット

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➀プロモーションチャネルとしての活用

メタバースがより人々の生活に浸透していけば、あらゆる商品のプロモーションがメタバース上でも行われると考えられ、農作物も例外ではありません。メタバースでのプロモーションの特徴はインタラクティブ性であり、実際に生産された農地が再現されたメタバース空間での販売や、農家の方々と消費者が直接アバターを介したコミュニケーションを取れるなど、従来の広告よりも訴求力の高い形でのプロモーションが期待できます。

 

また、NFTと組み合わせることにより、産地の情報や環境負荷の情報などのトレーサビリティ向上への活用も考えられ、製品の高付加価値化に繋がる可能性もあります。

②若手新規就農者の獲得

ほぼすべての農家が直面していると言っても過言ではない問題が、若手新規就農者不足です。そこで、メタバース空間上で農家の情報発信や就農希望者との交流会を行い、遠隔地から若手新規就農者を獲得できるのではないかと考えられています。

 

もちろん、メタバース上での採用は世界的に見てもまだまだ実績が少ない一方で、深刻な採用難に陥る業界だからこそ実証的な取り組みを行う意義は大きいと言えるでしょう。

 

農家がメタバースの活用に取り組んでいるという姿勢が、先進的な取り組みをしている農家に就職したいという若者に対するアピールに繋がるということは容易に想像できます。

メタバースの農業ビジネスへの活用事例8選

メタバースの農業ビジネスへの代表的な活用事例の事例として以下の8つが挙げられます。

 

  • ①カンジュクファーム:メタバース空間でフルーツを販売
  • ②農情人:メタバースを農業に活用する実証を開始
  • ③日本農業新聞:鹿児島の牛の審査会をメタバース上に再現
  • ④Web 活用経営株式会社:メタバースでの田植え体験会を開催
  • ⑤Metagri研究所:メタバース上で農業の未来に関するトークイベントを開催
  • ⑥one rare:農作物の栽培・販売が可能なメタバース空間
  • ⑦Happy Quality:農業用デジタルツインのサービス提供
  • ⑧Farm VR:VRを活用した農業体験

 

それぞれの事例についてわかりやすく紹介していきます。

 

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①カンジュクファーム:メタバース空間でフルーツを販売

カンジュクファーム:メタバース空間でフルーツを販売
(画像:カンジュクファーム)

山梨県で果物の生産・販売を行う株式会社カンジュクファームは、3D仮想空間メタバース「ガイアタウン」内に設計した自社独自のメタバース空間で、果物の販売を開始しました。販売だけでなく、現在利用者が急増しているメタバース空間でアバターと直接会話することで、フルーツ王国・山梨の素晴らしさを国内外の消費者に伝えることを目的としています。

 

同社は、メタバースを活用した新たなコミュニケーションにより、農家と消費者の関係性を進化させようとしています。生産者や他のお客さまとのボイスチャットを通じて、お客さまが果物のさまざまな食べ方を楽しめる体験を提供しています。また専用フロアでは、桃の生産工程を見学することができます。

  

自社専用フロアでは、すでに初日からアバターによるコミュニケーションのみで注文を獲得しています。今後は、桃に続き、キウイフルーツ、さらにシャインマスカットや山梨の秋の名産品「あんぽ柿」などを季節に合わせて販売する予定です。

  

また、このようなフルーツの販売にメタバースを活用する先進的な取り組みにより、若手の新規就農者増加へのきっかけづくりを目指しています。今後同社は、果樹栽培の可能性や就農希望者向けの説明会を開催していきたいと考えているとのことです。

②農情人:メタバースを農業に活用する実証を開始

農情人:メタバースを農業に活用する実証を開始
(画像:株式会社農情人)

農業ブランディングサービスを提供する株式会社農情人が新しい農業の形を模索する「島田スイカ農園」と共同で、日本最大のメタバースプラットフォームであるcluster上に専用の農業メタバーススペースをオープンしました。

 

同社は「農家がメタバース上でアバターを立てて広告する」、「メタバース上で農地情報を登録し、ボタン一つで農家のもとに移動できる」といった構想を描いており、その構想実現に向けた第1弾として、農業メタバーススペースをオープンしたとのことです。

 

また、世界に1つだけのNFTである「スイカNFT」を限定20個で発行。スイカとNFTのセット販売では、NFT保有者の基に、収穫される通常のスイカ19個と限定版のスイカ1個が届けられるとのこと。NFT販売収益は、島田スイカ農園のスイカ購入代金、NFTの生産費用、Metagri研究所の研究費用など、今後の活動資金として活用されます。

 

同社は今後、メタバース上での実験企画や講演イベント、NFTによる農業支援プラットフォーム、NFTの2次流通・3次流通による収益化システムなどの取り組みも予定しています。

 

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③日本農業新聞:鹿児島の牛の審査会場をメタバース上に再現

日本農業新聞:鹿児島の牛の審査会場をメタバース上に再現
(画像:日本農業新聞)

日本農業新聞は東武トップツアーズと共同で、メタバース上に第12回全国和牛能力共進会(鹿児島全共)の会場を再現しました。
参加者はアバター姿で、鹿児島全共の審査会場や出品牛の立ち姿を観賞できます。

 

この取り組みにより、コロナウイルス対策で現地を訪れることができなかった人も、会場の雰囲気を楽しめるようになりました。

④Web 活用経営株式会社:メタバースでの田植え体験会を開催

Web 活用経営株式会社:メタバースでの田植え体験会を開催
(画像:Web活用経営株式会社)

Web活用経営株式会社は、新潟県新発田市の農家と共に、メタバース上での田植え体験プログラムを開催しました。

 
23名の参加者は、広大なメタバース上の田んぼに3Dの苗を植えて育てる作業を半月かけて実施しました。期間中は、各参加者は仕事の合間にログインし、苗を並べていったとのこと。

体験会終了後には、参加者には記念写真のNFTと参加農家が実際に栽培した新潟県産コシヒカリがプレゼントされました。

⑤Metagri研究所:メタバース上で農業の未来に関するトークイベントを開催

Metagri研究所:メタバース上で農業の未来に関するトークイベントを開催
(画像:cluster)

Metagri研究所は、日本最大のメタバースプラットフォームであるcluster上で農業の未来に関するトークイベントを開催しました。

これらの取り組みを通じて、高齢化が進み耕作放棄地が増えていく中で、「キツい・汚い・危険」3K農業から「カッコよくて・稼げる・感動」の新3Kを実現する農業に変革することを目指しているとのことです。

 

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one rare:農作物の栽培・販売が可能なメタバース空間

one rare:農作物の栽培・販売が可能なメタバース空間
(画像:one rare)

食に特化したメタバースのone rareでは、仮想空間上で作物を育てることや農場の運営、農作物の販売を行うことができます。農場の運営では、独自の通貨を使ってメタバース空間の土地を購入し、作物を育て収入を得ることが可能です。メタバースを通じて農業に触れることは若年層の農業への関心を高めることができるでしょう。

 

one rareは今後、NFTを使って直接食事ができる仕組みや、飢餓に対する活動などを現実世界での取り組みに繋げていこうとしています。

Happy Quality:農業用デジタルツインのサービス提供

Happy Quality:農業用デジタルツインのサービス提供
(画像:Happy Quality)

農業支援および青果卸売業を手がける株式会社Happy Qualityと、農業分野における画像解析技術の研究開発を手がける株式会社フィトメトリクスは仮想空間上で農作物栽培環境を再現する、デジタルツイン環境のプラットフォーム開発に成功しました。

 

本プラットフォームの活用によって、モニタリング、分析・シミュレーション、フィードバックをすることができます。これらの機能を活用し、遠隔地でも仮想空間上でほとんど現実と遜色なく農地の確認を行うことができたり、果実の個数計測、熟度の推定、病害虫診断に必要なデータを生成することができます。

 

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Farm VR:VRを活用した農業体験

Farm VR:VRを活用した農業体験
(画像:Farm VR)

オーストラリアで開発されたFarm VRでは、VRを活用した農業体験をすることができます。仮想空間でユーザーが農業や生産施設を見学できるバーチャルツアーや、農業関連イベントの開催、農業研修や食育に活用されています。南オーストラリア州政府は、最先端の農業技術を活用した実験農場を紹介するバーチャル農業ツアーをFarm VRで実装しています。

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このナレッジの著者

メタバース総研 代表取締役社長

今泉 響介

株式会社メタバース総研(現・CREX)代表取締役社長。
慶應義塾大学経済学部卒業。学生起業した事業を売却後、日本企業の海外展開/マーケティングを支援する株式会社Rec Loc を創業・社長就任を経て、現職に。メタバースのビジネス活用に特化した国内最大級の読者数を誇るメディア「メタバース総研」の運営やメタバースに関するコンサルティング及び開発サービスの提供を行っている。著書に『はじめてのメタバースビジネス活用図鑑』(中央経済社)

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