採用向け会社説明会へのメタバース活用事例6選やメリットを紹介
MetaのXRヘッドセットのQuestシリーズが累計販売台数2,000万台を突破し、Appleも初のXRデバイスの発売を発表するなど、近年メタバースへの注目はより一層高まっています。
そんなメタバースですが、近年は、代表的な利用用途である、ゲームやSNSとしての利用に留まらず、企業の採用向け会社説明会へのメタバースの活用が進んでいるのをご存知でしょうか?
そこで今回は、採用向け会社説明会にメタバースを利用する8つのメリットを、採用活動への3つの活用方法と代表的な事例6選とともにご紹介します。
本記事は、以下のような方におすすめの記事となっています。
- 採用活動へのメタバースの活用を検討している
- 採用活動にメタバース活用するメリットを知りたい
- 採用活動にメタバースを活用している先端事例を抑えておきたい
本記事さえ読めば、採用活動にメタバースを活用するために抑えておくべき情報を一気にキャッチアップできる内容となっておりますので、ぜひ最後までご一読ください。
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目次
そもそもメタバースとは
メタバースとは一言でいうと、人々が様々な活動を行うことのできるインターネット上の3次元の仮想空間のことを指します。
メタバースの語源は「超越」を意味する「meta」と「世界」を意味する「universe」を組み合わせた造語だと言われています。メタバースという言葉が世界で初めて使われたのは、1992年にニール・スティーヴンスン氏が発表したSF小説「スノウ・クラッシュ」です。
メタバースにおいて、ユーザーはアバターと呼ばれる自身の分身の姿でメタバース空間にアクセスし、他のユーザーとコミュニケーションや経済活動を行うことができます。例えば、集まって会話をしたり、イベントやスポーツ、買い物などを楽しむことができます。
一般ユーザーに広く普及しているメタバースサービスとして、「Fortnite」や「Roblox」、「どうぶつの森」などのゲーム型のメタバース、「VRChat」や「Cluster」などのSNS型のメタバースが挙げられます。
メタバースへのアクセス方法としては、スマホやPCからもアクセス可能ですが、Apple Vision ProやMeta Questのようなヘッドマウントディスプレイからアクセスすることにより、より世界に没入したような体験が可能になります。
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採用向け会社説明会にメタバースを活用する8つのメリット
採用向け会社説明会にメタバースを活用するメリットとして、採用候補者側のメリット4つと、採用をする企業側のメリット4つが挙げられます。
<候補者側の4つメリット>
- ①説明会に参加する手間が削減される
- ②担当者とのコミュニケーションのハードルが下がる
- ③企業の魅力をより深く知ることができる
- ④楽しみながら説明会に参加できる
<企業側の4つのメリット>
- ⑤リーチできる候補者数が増える
- ⑥候補者をより深く知ることができる
- ⑦企業のイメージを向上させることができる
- ⑧候補者への訴求力を向上させることができる
それぞれのメリットについて分かりやすく紹介していきます。
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候補者側の4つのメリット
①説明会に参加する手間が削減される
1つ目のメリットは、候補者が説明会に参加する手間や時間が削減される点です。
オフラインでの採用活動に参加する場合と比べ、会場までの移動時間や費用、身支度の手間などの様々な負担を軽減できます。
②担当者とのコミュニケーションのハードルが下がる
2つ目のメリットは、候補者が企業の担当者とコミュニケーションをとるハードルが下がるということです。
匿名かつアバターで説明会に参加することで、リアルの説明会で感じがちな「評価されているのではないか」「こんな質問をしたら採用に不利になるのではないか」という不安を軽減し、採用者から企業側へのコミュニケーションのハードルが下がります。
③企業の魅力をより深く知ることができる
3つ目のメリットは、メタバースならではのコンテンツの活用によって企業の魅力をより深く知ることができる点です。
ブースでの説明会では再現できないビジネスの現場について没入感の高い体験が可能なため、イメージがより湧きやすく、企業についてより深く知ることができます。
④楽しみながら説明会に参加できる
4つ目のメリットは、楽しみながら説明会に参加できるという点です。自宅から匿名×顔出しなしで参加でき、メタバースならではの没入感の高い体験ができることによって、リアルでのスーツを着用した説明会よりも心理的負担が軽減され、純粋に企業が発信するコンテンツを楽しみながら説明会に参加できる点が最大の特徴です。
企業側の4つのメリット
⑤リーチできる候補者数が増える
企業側の1つ目のメリットは、リーチできる候補者数が増えることです。海外留学中の学生、交通費の関係でなかなか都心部にアクセスできない地方学生など、リアルだけの開催ではリーチできない学生にも会社説明を行うことができます。
⑥候補者をより深く知ることができる
企業側の2つ目のメリットは、候補者をより深く知ることができる点です。メタバースの説明会では匿名×顔出し無しでの参加が可能なため、候補者が「自分をよく見せよう」という意識が働きづらく、より本音に近いコミュニケーションが可能になるためです。
企業側としては、本当に候補者が気になっている点や、懸念している点についてより詳しくヒアリングし、採用活動へ活用することが可能です。
⑦企業のイメージを向上させることができる
企業側の3つ目のメリットは、メタバースの会社説明会への活用によって企業のイメージアップができるという点です。メタバースなどの先端技術に迅速かつ柔軟にキャッチアップし、自社のビジネスへ活用できる企業ということをアピール可能です。
⑧候補者への訴求力を向上させることができる
企業側の4つ目のメリットは、候補者への訴求力の向上という点です。メタバースでしかできない没入感のあるコンテンツや、地理的/時間的制約にとらわれないコンテンツを候補者に提供することで、リアルでの会社説明会以上に自社の魅力を候補者に伝えることができます。
採用活動にメタバースを活用する3つの方法
採用活動にメタバースを活用する方法として、主に以下の3つが挙げられます。
- ①メタバース上で採用イベントの開催
- ②メタバース上での面談・面接
- ③メタバース上での実務形式の選考
それぞれについてわかりやすく解説していきます。
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①メタバース上で採用イベントの開催
企業説明会や各企業のブースを設置した就活フェアなどの採用イベントを、メタバース上で開催することが出来ます。従来のZoomなどによるオンライン開催と比べ、多様な方法で企業の魅力をアピールし、候補者に理解してもらうことが可能です。
②メタバース上での面談・面接
候補者との個人/グループ面談・面接をメタバース上で行うことができます。候補者は移動の費用、時間といったコストがかからず、参加の負担を小さくすることが可能です。また候補者、企業担当者ともにアバターを通じた顔出しなしでのコミュニケーションにより、心理的ハードルが下がり会話が活発になるため、相互理解を深めることに繋がります。
③メタバース上での実務形式の選考
実務形式の選考もメタバース上で行うことができます。グループディスカッションや短期インターンシップのような従来の選考はもちろん、メタバース空間ならではの課題を提示し取り組んでもらうことも可能です。
採用活動へのメタバースの活用事例6選
採用活動にメタバースを活用した代表的な事例として以下の6つが挙げられます。
<メタバース上での採用イベントを開催>
- ①三菱UFJ信託銀行:メタバース上で新卒採用イベントを開催
- ②中京テレビ放送:メタバース上での会社説明会を開催
- ③CAREER THEATER:複数企業によるメタバース上での合同説明会を開催
- ④Hirect:メタバース上で各社の展示ブースを設置した就職フェアを開催
<メタバース上での面談・面接>
- ⑤ビヨンド:メタバース上での面接を実施
<メタバース上での実務形式の選考>
- ⑥マイクロソフト:「マインクラフト」上の課題を通じたグループ選考を実施
それぞれの事例を分かりやすく紹介していきます。
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メタバース上での採用イベントを開催
①三菱UFJ信託銀行:メタバース上での新卒採用イベントを開催
三菱UFJ信託銀行は、日本最大のソーシャルメタバースプラットフォーム「Cluster」上で、新卒採用イベントを実施しました。Cluster上に三菱UFJ信託銀行の大会議室を3DCGで再現し、就活生のバーチャルでのオフィス訪問を可能とします。会場では、従来の採用イベントと同様、会社紹介や人事部とのトークセッションの他、内定者との座談会が実施されました。
近年、コロナウイルス感染拡大の影響で、対面での会話やオフィス訪問などが制限され、企業がどのように自社の魅力を伝え、就活生がどのように自身をアピールするのかが課題となっています。同社は、この取り組みを通じて、新卒採用における課題解決に繋げたいとしています。
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②中京テレビ放送:メタバース会社説明会
中京テレビ放送は2022年、会社説明会をメタバース上で開催しました。定員200名に対し約2倍の応募があり、抽選での実施となりました。
参加者からは、アバターを通じたコミュニケーションにより、リアルでは聞きにくい質問もでき、理解が深まりやすかったという感想が寄せられています。また、Zoomなどのブレイクアウトルームとは異なり、各ブース間の行き来が自在にできることで、参加者は自分の参加したいブースに気軽に訪れ、社員と話すことが可能となりました。
人事担当者としても、コミュニケーションの双方向性が担保できる、一つの空間内で様々な部署との質疑応答の場を設置できる、といったメリットを感じられたようです。
※参照:【メタバース会社説明会】 中京テレビが新卒採用向けに「メタバース会社説明会」を実施! | SWING PROJECT
③CAREER THEATER:複数企業によるメタバース上での合同説明会
NPO法人エンカレッジは2022年、P&Gジャパン合同会社、LINE株式会社、株式会社三井住友銀行など24社以上が登壇する合同説明会「CAREER THEATER 2022」をメタバース上で開催しました。clusterを運営するクラスター株式会社などと協力してメタバース上に劇場型の空間を開発し、キャリア講演、パネルディスカッション、企業ブースの設置などを行いました。
2020年以降、新型コロナウイルスの影響でオフラインからオンラインへの変更を余儀なくされた当イベントですが、メタバースならでは映画館のような体験を提供し、参加学生への訴求力を高めることに成功しています。
④Hirect:メタバース上でテック系スタートアップの展示ブースを設置した就職フェア
人材紹介会社のHirect社は2022年、スタートアップ30社を集めた就職フェアをメタバース上で開催しました。会場内にはロビー、各企業の展示エリア、講演会場といった複数エリアを用意し、参加者は自由に行き来することが出来ます。講演中はアバターが質問のために列を作ったり、拍手をしたりといったリアルに近いアクションが可能でした。また、企業担当者の頭上に名前と電子メールアドレスが表示されており、クリックするだけでメッセージを送ることができるといった、メタバースならではの便利な体験も用意されました。
アバターの精度など課題はありますが、リアルのイベントと近い体験と、リアルにはない独自の体験を両立することに成功しています。
メタバース上での面談・面接
⑤ビヨンド:メタバース上での面接
株式会社ビヨンドは、2024年度新卒の採用面接をメタバース上で実施しました。面接官と就活生はともにVRゴーグルを着用し、就活生は名前・年齢・学歴・性別を明かさずに面接に挑むことが出来ます。就活生側は、学歴や容姿などの外部的要因に捉われずに内面や経験をアピールすることができ、企業側も余計なフィルターなしにそれらを判断することが可能です。
また、ビヨンド社はメタバースを用いた選考により、メタバースを始めとした先端技術へ高い関心を持った学生と出会えることを期待しているとのことです。
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メタバース上での実務形式の選考
⑥マイクロソフト:「マインクラフト」上でのグループ課題
マイクロソフト社は採用プロセスのひとつとして、メタバースゲームの「マインクラフト」を導入しています。メタバース空間での課題を提示し、候補者にグループで取り組んでもらうことで、問題解決能力やチームビルディング力などを見極めることが可能です。
ゲーム内では気軽にチャットでコミュニケーションを取ることができ、アバターを通すことで会話の心理的ハードルも下がるため、企業は候補者の能力や素性をより正確に知ることができると考えられています。
企業がメタバース活用で成果を上げるための5つのポイント
企業がメタバース活用で成果を上げるためのポイントとして以下の5つが挙げられます。
- ①最先端の市場動向・ノウハウのキャッチアップ
- ②活用目的の明確化と骨太な戦略策定
- ③ユーザーファーストなUX設計
- ④アジャイルアプローチによるプロジェクトの推進
- ⑤強力な開発・運用体制の構築
それぞれについて分かりやすく紹介していきます。
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①最先端の市場動向・ノウハウのキャッチアップ
1つ目のポイントは、最先端の市場動向・ノウハウのキャッチアップです。
デバイスの進化やユーザーの動き、各領域の先進事例をキャッチアップし、自社が取り組むべき活用方法や成果に繋がる活用のポイントを抑えた上で活用に着手しましょう。
メタバース活用には取り組むのに一定の予算や工数が必要となるため、自社にとって重要な最新動向や活用のノウハウを抑えておくことが、成功確度の高い戦略・企画立案の大前提となります。
②活用目的の明確化と骨太な戦略の立案
2つ目のポイントは、メタバースを活用する目的の明確化と骨太な戦略の策定です。
現在メタバース活用に取り組む企業には、メタバース活用の取り組みが単発で終わってしまっている企業が見受けられます。
その結果、活用のPDCAが回らない、メタバース活用が小粒な施策の1つに留まってしまうなど大きな収益機会の獲得に繋がらないという結果に終わってしまいます。
自社の経営課題を踏まえ、「活用によりどのような経営課題を解決したいのか?」「課題解決の打ち手としてなぜメタバースではないといけないのか?」といった明確な活用目的を整理した上で、中長期で目指す事業の姿や自社の強みの活用の仕方などの実現に向けた戦略を立案しましょう。
③ユーザーファーストな企画・UX設計
3つ目のポイントは、自社のターゲットにとってユーザーファーストなメタバースの企画・UX設計です。
現在、多くの企業がメタバースに参入を進めていますが、そのなかには、企業側の都合のみでサービス・体験が設計されたようなメタバースが多く存在します。それらのメタバースは、ユーザーに利用されず、企業の活用の目的を達成できない結果に終わってしまいます。
そのため、「メタバースならではの高い体験価値を届けられているか」や「ユーザーの利用にあたっての手間や負担が大きくないか」といった観点を踏まえたUX設計が重要です。
④アジャイルアプローチによるプロジェクトの推進
4つ目のポイントは、アジャイルアプローチによるプロジェクトの推進です。
メタバース市場は今後大きな成長が予想されているものの、いまだ成長期にあり、様々な業界の企業が中長期的な収益最大化に向け、最適な活用を模索している段階にあります。
そのため、計画と実行のプロセスを短いスパンで回し、仮説立案・実行・検証・施策立案のサイクルを何度も繰り返すことが、プロジェクトを机上の空論で終わらせないために重要です。
⑤強力な開発・運用体制の構築
5つ目のポイントは、強力なメタバース開発・運用体制の構築です。
高いユーザー体験と事業性を両立するメタバースの開発とマーケティングを含めた運用を実施しましょう。
メタバース開発・運用には幅広い領域の知見や技術スタックが求められるため、外部のベンダーなどを活用し、不足するケイパビリティやリソースを補完することも有効です。
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