メタバースの採用への活用方法とは?メリットや事例5選も紹介

メタバース総研は幅広い業界の企業のメタバース活用支援により培った知見を活かし、これまで200記事以上のメタバース活用方法に関する記事をリリースし、多くの方からご好評を頂いております。

 

今回は、採用にフォーカスを当ててメタバース活用の方法やメリット、事例をご紹介します。

本記事は、以下のような方におすすめの記事となっています。

 

  • メタバース領域の経験や知識がなく何から取り組めばよいのか分からない
  • どのようなメリット、活用方法があるのか分からない
  • 具体的な活用事例を把握しておきたい

 

本記事を読めば、メタバースを採用に効果的に活用するためのポイントを一気にキャッチアップできる内容となっておりますので、ぜひ最後までご一読ください。


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そもそもメタバースとは

そもそもメタバースとは VRChat
(画像:VRChat

メタバースとは一言でいうと、人々が様々な活動を行うことのできるインターネット上の3次元の仮想空間のことを指します。

 

メタバースの語源は「超越」を意味する「meta」と「世界」を意味する「universe」を組み合わせた造語だと言われています。メタバースという言葉が世界で初めて使われたのは、1992年にニール・スティーヴンスン氏が発表したSF小説「スノウ・クラッシュ」です。

 

メタバースにおいて、ユーザーはアバターと呼ばれる自身の分身の姿でメタバース空間にアクセスし、他のユーザーとコミュニケーションや経済活動を行うことができます。例えば、集まって会話をしたり、イベントやスポーツ、買い物などを楽しむことができます。

 

一般ユーザーに広く普及しているメタバースサービスとして、「Fortnite」や「Roblox」、「どうぶつの森」などのゲーム型のメタバース、「VRChat」や「Cluster」などのSNS型のメタバースが挙げられます。

 

メタバースへのアクセス方法としては、スマホやPCからもアクセス可能ですが、Apple Vision ProやMeta Questのようなヘッドマウントディスプレイからアクセスすることにより、より世界に没入したような体験が可能になります。

 

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採用活動にメタバースを活用する9つのメリット

採用活動にメタバースを活用する9つのメリット

採用活動にメタバースを活用するメリットとして、候補者側の4つと企業側の5つが挙げられます。それぞれを分かりやすく解説していきます。

 

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候補者側の4つのメリット

  • ①採用活動への参加コストが軽減される
  • ②コミュニケーションの心理的ハードルが下がる
  • ③企業の魅力をよく知ることができる
  • ④メタバースコンテンツによる新たな体験を楽しみながら参加できる

①採用活動への参加コストが軽減される

オフラインでの採用活動に参加する場合と比べ、会場までの移動時間や費用、身支度の手間などの負担を軽減できます。

②コミュニケーションの心理的ハードルが下がる

コミュニケーションの心理的ハードルが下がる 角川ドワンゴ学園
(画像:角川ドワンゴ学園)

アバターを介したコミュニケーションにより、対面やZOOM等で採用活動を実施する場合に比べ、企業の担当者と直接会話する際の心理的ハードルを下げることができます。顔出しなしで参加できるため、容姿などの外部的要因に捉われずに自己アピールが可能です。

③企業の魅力をよく知ることができる

企業紹介の動画や3Dコンテンツ、担当者とのN対Nでのコミュニケーションなど、多様な方法を通じて限られた時間で企業をより深く理解でき、企業とのミスマッチを防ぐことが可能です。

④メタバースコンテンツによる新たな体験を楽しみながら参加できる

従来の選考とは異なる、インタラクティブかつ没入感のあるメタバース内での体験により、楽しみながら選考に参加することが出来ます。

企業側の5つのメリット

  • ⑤リーチできる候補者数の増加
  • ⑥候補者理解の促進
  • ⑦企業イメージの向上
  • ⑧候補者への訴求力向上
  • ⑨コスト削減

⑤リーチできる候補者数の増加

オフラインで採用活動を実施する場合に比べ、候補者の移動の時間や費用の負担が小さく参加ハードルが下がることから、幅広い地域の多くの候補者にリーチすることができることができます。

⑥候補者理解の促進

候補者理解の促進 ネオキャリア
(画像:ネオキャリア)

アバターを介することで候補者とのコミュニケーションが円滑になり、限られた時間で候補者をより深く理解でき、求める人材の選定に繋がります。

⑦企業イメージの向上

採用活動へのメタバース活用という先進的な取り組みをすること自体が、候補者に対する企業の先進性のアピールとなります。

⑧候補者への訴求力向上

候補者への訴求力向上 ネオキャリア
(画像:ネオキャリア)

企業紹介の動画や3Dコンテンツ、候補者と担当者とのN対Nでのコミュニケーションなど、多様な方法を通じ、限られた時間で企業の魅力を強力にアピールすることができます。

⑨コスト削減

オフラインでの採用活動に比べ、相互理解が早く進むことによる選考フローの短縮や、リアルの会場設置や候補者の交通費/宿泊費などの費用削減により、コストカットが可能です。

採用活動にメタバースを活用する3つの方法

採用活動にメタバースを活用する方法として、主に以下の3つが挙げられます。

 

  • ①メタバース上で採用イベントの開催
  • ②メタバース上での面談・面接
  • ③メタバース上での実務形式の選考

 

それぞれをわかりやすく解説していきます。

 

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①メタバース上で採用イベントの開催

メタバース上で採用イベントの開催 アクセンチュア
(画像:アクセンチュア)

企業説明会や各企業のブースを設置した就活フェアなどの採用イベントを、メタバース上で開催することが出来ます。従来のZoomなどによるオンライン開催と比べ、多様な方法で企業の魅力をアピールし、候補者に理解してもらうことが可能です。

②メタバース上での面談・面接

メタバース上での面談・面接 木村情報技術
(画像:木村情報技術)

候補者との個人/グループ面談・面接をメタバース上で行うことができます。候補者は移動の費用、時間といったコストがかからず、参加の負担を小さくすることが可能です。また候補者、企業担当者ともにアバターを通じた顔出しなしでのコミュニケーションにより、心理的ハードルが下がり会話が活発になるため、相互理解を深めることに繋がります。

③メタバース上での実務形式の選考

メタバース上での実務形式の選考 荏原製作所
(画像:荏原製作所)

実務形式の選考もメタバース上で行うことができます。グループディスカッションや短期インターンシップのような従来の選考はもちろん、メタバース空間ならではの課題を提示し取り組んでもらうことも可能です。

採用活動へのメタバースの活用事例5選

採用活動にメタバースを活用した代表的事例として、先程紹介した活用方法ごとに以下の5つが挙げられます。

 

  • ①採用イベントを開催する
    • 中京テレビ放送:メタバース会社説明会
    • CAREER THEATER:複数企業によるメタバース上での合同説明会
    • Hirect:メタバース上で各社の展示ブースを設置した就職フェア
  • ②メタバース上での面談・面接
    • ビヨンド:メタバース上での面接
  • ③メタバース上での実務形式の選考

 

それぞれをわかりやすく紹介していきます。

 

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①採用イベントを開催する

中京テレビ放送:メタバース会社説明会

中京テレビ放送:メタバース会社説明会
(画像:中京テレビ放送)

中京テレビ放送は2022年、会社説明会をメタバース上で開催しました。定員200名に対し約2倍の応募があり、抽選での実施となりました。

 

参加者からは、アバターを通じたコミュニケーションにより、リアルでは聞きにくい質問もでき、理解が深まりやすかったという感想が寄せられています。また、Zoomなどのブレイクアウトルームとは異なり、各ブース間の行き来が自在にできることで、参加者は自分の参加したいブースに気軽に訪れ、社員と話すことが可能となりました。

 

人事担当者としても、コミュニケーションの双方向性が担保できる、一つの空間内で様々な部署との質疑応答の場を設置できる、といったメリットを感じられたようです。

CAREER THEATER:複数企業によるメタバース上での合同説明会

CAREER THEATER:複数企業によるメタバース上での合同説明会
(画像:CAREER THEATER)

NPO法人エンカレッジは2022年、P&Gジャパン合同会社、LINE株式会社、株式会社三井住友銀行など24社以上が登壇する合同説明会「CAREER THEATER 2022」をメタバース上で開催しました。clusterを運営するクラスター株式会社などと協力してメタバース上に劇場型の空間を開発し、キャリア講演、パネルディスカッション、企業ブースの設置などを行いました。

 

2020年以降、新型コロナウイルスの影響でオフラインからオンラインへの変更を余儀なくされた当イベントですが、メタバースならでは映画館のような体験を提供し、参加学生への訴求力を高めることに成功しています。

 

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Hirect:メタバース上でテック系スタートアップの展示ブースを設置した就職フェア

Hirect:メタバース上でテック系スタートアップの展示ブースを設置した就職フェア
(画像:BUSINESS INSIDER)

人材紹介会社のHirect社は2022年、スタートアップ30社を集めた就職フェアをメタバース上で開催しました。会場内にはロビー、各企業の展示エリア、講演会場といった複数エリアを用意し、参加者は自由に行き来することが出来ます。講演中はアバターが質問のために列を作ったり、拍手をしたりといったリアルに近いアクションが可能でした。また、企業担当者の頭上に名前と電子メールアドレスが表示されており、クリックするだけでメッセージを送ることができるといった、メタバースならではの便利な体験も用意されました。

 

アバターの精度など課題はありますが、リアルのイベントと近い体験と、リアルにはない独自の体験を両立することに成功しています。

②メタバース上での面談・面接

ビヨンド:メタバース上での面接

ビヨンド:メタバース上での面接
(画像:ビヨンド)

株式会社ビヨンドは、2024年度新卒の採用面接をメタバース上で実施しました。面接官と就活生はともにVRゴーグルを着用し、就活生は名前・年齢・学歴・性別を明かさずに面接に挑むことが出来ます。就活生側は、学歴や容姿などの外部的要因に捉われずに内面や経験をアピールすることができ、企業側も余計なフィルターなしにそれらを判断することが可能です。

 

また、ビヨンド社はメタバースを用いた選考により、メタバースを始めとした先端技術へ高い関心を持った学生と出会えることを期待しているとのことです。

③メタバース上での実務形式の選考

マイクロソフト:「マインクラフト」上でのグループ課題

マイクロソフト:「マインクラフト」上でのグループ課題
(画像:マインクラフト)

マイクロソフト社は採用プロセスのひとつとして、メタバースゲームの「マインクラフト」を導入しています。メタバース空間での課題を提示し、候補者にグループで取り組んでもらうことで、問題解決能力やチームビルディング力などを見極めることが可能です。

 

ゲーム内では気軽にチャットでコミュニケーションを取ることができ、アバターを通すことで会話の心理的ハードルも下がるため、企業は候補者の能力や素性をより正確に知ることができると考えられています。

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このナレッジの著者

メタバース総研 代表取締役社長

今泉 響介

株式会社メタバース総研(現・CREX)代表取締役社長。
慶應義塾大学経済学部卒業。学生起業した事業を売却後、日本企業の海外展開/マーケティングを支援する株式会社Rec Loc を創業・社長就任を経て、現職に。メタバースのビジネス活用に特化した国内最大級の読者数を誇るメディア「メタバース総研」の運営やメタバースに関するコンサルティング及び開発サービスの提供を行っている。著書に『はじめてのメタバースビジネス活用図鑑』(中央経済社)

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