メタバースの研究事例まとめ|大学における活用事例も紹介

関連技術の進歩やオンラインコミュニケーション需要の高まりなどを背景とし、メタバースは世界的に注目を集めています。

そんな中、大学などの教育機関や企業において、ハプティクスやネットワークなどのVRの要素技術研究や、メタバースの社会実装に向けた実証研究などの様々な研究も進められています。

 

そこで今回は、メタバースの研究事例について、大学における活用の取り組み事例とともに分かりやすくご紹介します。

 

本記事は、以下のような方におすすめの記事となっています。

 

  • 大学・企業のメタバース研究事例を知りたい
  • 大学などの教育機関によるメタバース活用事例を知りたい

 

本記事を読めば、メタバースの研究事例と大学の活用事例について一気にキャッチアップできる内容となっておりますので、ぜひ最後までご一読ください。


また、メタバース総研では、メタバース活用を検討する上で押さえておきたい、基礎知識やノウハウを一冊にまとめたガイドブックを無料で配布しています。

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目次

そもそもメタバースとは

そもそもメタバースとは VRChat
(画像:VRChat

メタバースとは一言でいうと、人々が様々な活動を行うことのできるインターネット上の3次元の仮想空間のことを指します。

 

メタバースの語源は「超越」を意味する「meta」と「世界」を意味する「universe」を組み合わせた造語だと言われています。メタバースという言葉が世界で初めて使われたのは、1992年にニール・スティーヴンスン氏が発表したSF小説「スノウ・クラッシュ」です。

 

メタバースにおいて、ユーザーはアバターと呼ばれる自身の分身の姿でメタバース空間にアクセスし、他のユーザーとコミュニケーションや経済活動を行うことができます。例えば、集まって会話をしたり、イベントやスポーツ、買い物などを楽しむことができます。

 

一般ユーザーに広く普及しているメタバースサービスとして、「Fortnite」や「Roblox」、「どうぶつの森」などのゲーム型のメタバース、「VRChat」や「Cluster」などのSNS型のメタバースが挙げられます。

 

メタバースへのアクセス方法としては、スマホやPCからもアクセス可能ですが、Apple Vision ProやMeta Questのようなヘッドマウントディスプレイからアクセスすることにより、より世界に没入したような体験が可能になります。

 

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大学によるメタバース研究事例36選

大学によるメタバースの研究の取り組みとして以下36事例が挙げられます。

 

  • ①順天堂大学:メタバースを用いた医療サービス構築に向けての共同研究を実施
  • ②東北大学:病院や患者を仮想空間に再現するシステムの研究開発を実施
  • ③東京大学 稲見・門内研究室:「けん玉できた!VR」を研究開発
  • ④神戸学院大学:VRを活用した薬学生向け学習コンテンツを開発
  • ⑤熊本大学大学院 生命科学研究部:VR教室を用いた発達障害児の視線・インテロセプション・理解に関する評価システムを開発
  • ⑥法政大学 中村研究室:「AR/MR/DR技術を用いた遠隔押印」を実現
  • ⑦広島市立大学 情報科学研究科:VR教室における教育・学習データ利活用に向けた学習分析を実施
  • ⑧武蔵野大学 データサイエンス学部:データの世界を人間の身体感覚として提供するシステム「Data Sensorium」を開発
  • ⑨名古屋工業大学 坂口研究室:音声指示を用いたVRフライボール捕球訓練システム
  • ⑩筑波技術大学 保健科学部情報システム学科:視覚障害者向けのVR環境に関する研究を実施
  • ⑪名城大学:世界初・トンネル接合による積層型 GaInN系 モノリシック型 RGB フルカラーμLED アレイを開発
  • ⑫電気通信大学:既存のHMDの周辺視野領域を動的プロジェクションマッピング技術で拡張した広視野HMDを研究開発
  • ⑬東京都立大学:VR空間の移動速度の認知に関する研究を実施
  • ⑭京都大学大学院 エネルギー科学研究科:メタバースやXR体験が人の心理に及ぼす影響の解明に関する研究を実施
  • ⑮東京理科大学 石川グループ研究室:CGレンダリング高速化に関する研究を実施
  • ⑯筑波大学 応用触覚研究室:表情が触覚に与える影響に関する研究を実施
  • ⑰東京大学 篠田・牧野 研究室:バッテリーや配線が必要なく軽量な、ユーザーが手軽に使えるパッシブ触覚デバイスを開発
  • ⑱早稲田大学 先進理工学部 応用物理学科 澤田秀之研究室:形状記憶合金ワイヤの微小振動を利用した触覚感覚の計測と提示
  • ⑲神戸芸術工科大学+女子美術大学:遠隔で相手の背中を撫でる触覚デバイスを活用した作品「Sympathetic Wear」を制作
  • ⑳東北大学インタラクティブコンテンツ研究室:ドローンの安全な操縦を実現するユーザインタフェースBirdViewARを開発
  • ㉑名古屋工業大学 舟橋研究室:バーチャルリアリティやヒューマンインタフェースに関する研究を実施
  • ㉒広島大学栗田雄一研究室:デジタルハプティクスに関する研究を実施
  • ㉓愛知工科大学 山高研究室:VR野球スイング時の接触時間操作による臨場感・迫真性向上に関する研究を実施
  • ㉔筑波大学 ソーシャルロボット研究室:ミニチュアを使った仮想空間共有システムを開発
  • ㉕東京大学大学院医学系研究科 小山博史研究室:人工現実感を用い、ハプティクスを感じながら訓練できる医学教育システムを研究
  • ㉖広島工業大学 情報学部 情報工学科 赤羽研究室:糸を用いたハプティックディスプレイの研究開発
  • ㉗東北大学 インタラクティブコンテンツ研究室:「ルームスケールVR」体験の実現のための錯覚を感じさせる方法論を研究
  • ㉘慶應義塾大学・豊田中央研究所 :触覚ナビゲーションを可能にするバンド型ウェアラブル触覚デバイスの基礎検討
  • ㉙東京農工大学工学部 知能情報システム工学科 中山悠研究室:空間ARによる行動支援に関する研究
  • ㉚電気通信大学 宮脇研究室:独立制御可能な人口指「第6の指」の研究開発を実施
  • ㉛明治大学渡邊恵太研究室:VRの触覚ディスプレイ研究者を支援する、共通体験サンプルの研究開発
  • ㉜筑波大学 デジタルネイチャー研究室:MRアプリに関する研究を実施
  • ㉝中央大学理工学部情報工学科システム解析・可視化研究室(牧野光則教授) :マグロ解体学習支援VRシステムを開発
  • ㉞早稲田大学メタバース研究所:仮想空間と人間のインターフェースを探求する新しい研究のフロンティア
  • ㉟大阪電気通信大学総合情報学部デジタルゲーム学科魚井研究室:電子機器の組み合わせやプログラムによる自動化でエンタテインメントを創出
  • ㊱浦和大学坂内研究室:VRを通して「こども」について学ぶ
  • ㊲北陸大学

 

それぞれの事例についてわかりやすく紹介していきます。

①順天堂大学:メタバースを用いた医療サービス構築に向けて共同研究を実施

順天堂大学:メタバースを用いた医療サービス構築に向けて共同研究を実施
(画像:順天堂大学)

順天堂大学は、2022年から日本IBMと「メディカル・メタバース共同研究講座」を設置し、メタバース技術の活用による新たな医療サービスの研究・開発に取り組んでいます。メタバースを活用した医療サービスの構築、臨床現場における有効性の検証に取り組むことで、患者や家族へのよりよい医療提供を目指しています。

 

具体的には、患者や家族が来院前にバーチャルで病院を体験できる環境や外出が困難な入院患者が病院の外の仮想空間で家族や友人と交流できる「コミュニティ広場」の構築、メタバース空間での活動によるメンタルヘルス等の疾患の改善の実証などを検討しています。

②東北大学:病院や患者を仮想空間に再現するシステムの研究開発を実施

東北大学:病院や患者を仮想空間に再現するシステムの研究開発を実施
(画像:東北大学)

東北大学は、2022年に医療分野での共同研究に向け富士通と包括提携を発表しました。病院や患者の状態を仮想空間上に再現するデジタルツイン開発を目指しています。

 

富士通の誇る電子カルテのノウハウを活かし、診療情報や病院職員の勤務状況、医療機器の稼働情報などを統合し、病床の稼働状況の把握や将来の状況のシミュレーションを行うことで運営の最適化を図ります。

 

また、ウェアラブルデバイスを通して取得した患者の状態もデジタル上で再現し、投薬や手術に活用していく予定です。

③東京大学 稲見・門内研究室「けん玉できた!VR」を研究開発

東京大学 稲見・門内研究室「けん玉できた!VR」を研究開発
(画像:東京大学 稲見・門内研究室、イマクリエイト株式会社)

東京大学 稲見・門内研究室では身体の「自在化」の実現に向けた研究に取り組んでいます。目指すのは、人間のやりたい作業を、技術を駆使して、より心のままにできるようになることです。そのために、人間と機械・コンピュータ「人機一体」により、人間の能力を拡張する「人間拡張工学」の研究・開発に取り組んでいます。

 

東京大学 稲見・門内研究室がイマクリエイト株式会社と共に開発し研究している「けん玉できた!VR」は、コンピュータが作り出した世界であるメタバースによって、人のけん玉スキル向上を支援するシステムです。メタバースの情報技術を活用して時間の進み方を遅くし、ゆっくりと玉が動く空間でけん玉を練習できるようにしました。その状態から玉の動きを徐々に通常に近づけることによって、つまずきの少ないスムーズな上達を促します。

 

本システムの体験者1128人のうち、1087人(96.4%)が今まで成功したことが無いけん玉の技を習得しました。また、時間の進み方を調整する機能の有るVRけん玉トレーニングと、調整機能の無いVRけん玉トレーニングを比較して前者の方が習熟度向上の効果が高い可能性を示しました。

 

さらに詳しく知りたい方はこちらの公式HPをご覧ください。

④神戸学院大学:VRを活用した薬学生向け学習コンテンツを開発

神戸学院大学:VRを活用した薬学生向け学習コンテンツを開発
(画像:VRを活用した学習ツール)

神戸学院大学薬学部は、薬剤師を目指す学生向けに、VR技術を使って調剤技術や患者への対応を実践的に練習できるプログラムの開発を進めています。

 

コロナ禍において、医療系の人材を養成する大学では実習機会に大きな制約が生じました。そこで神戸学院大学はポストコロナ時代に対応した新しい学習機会を提供するため、バーチャル技術を活用した学習ツールの研究に取り組むことになりました。新たに開発した学習ツールは、実際の医療現場に近い身体的な体験を提供するだけでなく、テクノロジーを活用した様々なアシストも受けながら学生が学ぶことができるものです。これにより、学生たちは安全かつ効果的な学修環境で実戦形式の学びを体験できます。 

 

神戸学院大学によれば、VRを活用した学習ツールの教育への有用性を科学的に検証する臨床試験が既に実施され、その結果は非常に良好であることが確認されました。これらの成果は今後、学会や学術論文などで発表される予定です。また、VR環境に新たにChatGPTが組み込まれ、その効果を検証する臨床試験も、来年度に計画されています。

 

さらに詳しい情報は以下のページをご覧ください。

https://www.kobegakuin.ac.jp/education/faculty_pharmacy/news/7971557f14d6dcbbd54d.html

https://www.kobegakuin.ac.jp/education/faculty_pharmacy/news/c167d6880f5803157ca4.html

⑤熊本大学大学院 生命科学研究部:VR教室を用いた発達障害児の視線・インテロセプション・理解に関する評価システムを開発

熊本大学大学院 生命科学研究部:VR教室を用いた発達障害児の視線・インテロセプション・理解に関する評価システムを開発
(画像:熊本大学大学院生命科学研究部健康科学講座)

熊本大学大学院生命科学研究部健康科学講座の大河内彩子(おおこうち あやこ)教授らのグループは、学童年齢の発達障害児の特性を評価するために、VR教室を利用した評価システムを開発し、視線・インテロセプション・理解における定型発達児とは異なる特徴を明らかにする研究を行っています。

 

発達障害児には感覚調節障害があり、それが学校の成績に関連すると考えられています。本研究では、発達障害児の視線・インテロセプション(体の中の状態を感じ取る感覚を指す)・理解の特性を評価するために、VR上に教室を再現し、VRゴーグルの視線探索機能を利用して発達障害児の視線パターンを評価しました。

 

現実に近い環境で発達障害児の感覚を評価でき、介入に応用できるVR教室について、実践での活用が期待されています。

さらに詳しい情報はこちらのページをご覧ください。

⑥法政大学 中村研究室:「AR/MR/DR技術を用いた遠隔押印」を実現

法政大学 中村研究室:「AR/MR/DR技術を用いた遠隔押印」を実現
(画像:法政大学 中村研究室)

法政大学 中村壮亮研究室は、元産総研/現富山県立大学工学部の大山英明らと連携し、AR/MR(拡張現実感/複合現実感)技術を用いた遠隔作業支援技術に取り組んでいます

 

これは、遠隔地にいる指示者が現場の作業者にHMDなどを介して自身の身体映像や指示映像などを教示できる技術であり、これまでに医療における超音波検査の遠隔化、特殊技能を持つ専門家の技術継承など様々な用途に対して応用研究を進めてきました。

 

直近では、コロナ禍で押印のためだけの出社が社会問題化したことを受け、遠隔作業支援技術を活用した「AR/MR/DR技術を用いた遠隔押印」の実現に取り組みました。図に示すように、作業者には機密情報が隠蔽された映像が提示されつつも、指示者の押印動作CG(手指CG含む)に自身の押印動作を合わせる形で作業が問題なく遂行できています。 このように、中村研究室で取り組む遠隔作業支援技術は、移動コストをセーブしつつ身体動作を伴う指示を可能とする技術として、様々な産業応用が可能であると考えられています。

 

法政大学 中村研究室のHPはこちら

⑦広島市立大学 情報科学研究科:VR教室における教育・学習データ利活用に向けた学習分析を実施

広島市立大学 情報科学研究科:VR教室における教育・学習データ利活用に向けた学習分析を実施
(画像:広島市立大学情報科学研究科 VR教室に関する研究)

広島市立大学情報科学研究科の毛利考佑(もうり こうすけ)准教授の研究グループでは、VR教室における教育・学習データ利活用に向けた学習分析に取り組んでいます。

 

本研究では、仮想空間内で収集することができる教育・学習データを分析・可視化することで、教育・学習の改善を目指す研究を進めています。例えば、アイトラッキングが搭載されているHMDを装着し、講義を受講することで、上記の図に示すように、それぞれの受講者が講義スライド用のスクリーンに提示されるページのどこに注視して、講義を受講したのか、データとして蓄積し、分析・可視化することができます。

 

これらのデータに加えて、LMS(Learning Management System)やデジタル教科書システムの収集した多様な教育・学習データを学習分析することで,教育・学習の改善及び質の向上を目指していく予定です。

 

さらに詳しく知りたい方はこちらの公式HPをご覧ください。

⑧武蔵野大学 データサイエンス学部:データの世界を人間の身体感覚として提供するシステム「Data Sensorium」を開発

武蔵野大学 データサイエンス学部:データの世界を人間の身体感覚として提供するシステム「Data Sensorium」を開発
(画像:武蔵野大学 データサイエンス学部)

武蔵野大学データサイエンス学科の岩田教授らは、データの世界を人間の身体感覚として提供するシステム「Data Sensorium」を開発しています。

 

その中核となる技術は、壁・床・天井に立体映像を投影して部屋自体をバーチャル世界にする、全方向空間没入ディスプレイです。この映像装置に、トーラストレッドミルという、全方向に動く床によって好きな方向に好きなだけ歩ける装置を組み合わせています。これによって、バーチャル世界を身体運動を伴って歩くという高度な体験が実現されます。

 

美術館における鑑賞行動は、歩いて空間を体験することが本質です。武蔵野大学では、アーティゾン美術館のデジタルツインを構築し、過去の展覧会の再現や、個々人にカスタマイズしたバーチャル展覧会の創出などの研究を行っています。このシステムはデジタルツインを入れ替えれば、多くの分野に応用が広がります。例えば、災害現場を再現すれば、避難体験が可能になります。

 

空間没入ディスプレイは、ゴーグルを被る必要がないので、自身の体がそのまま見えて、他者とのコミュニケーションを阻害しません。したがって複数の人が一緒に映像の部屋に入って、リアルな共同作業を行うような場面に適しています。例えば、武蔵野大学では、海岸におけるプラスチックごみ回収作業の管制室としての応用を進めています。

 

武蔵野大学データサイエンス学科のHPはこちら

名古屋工業大学 坂口研究室:音声指示を用いたVRフライボール捕球訓練システム

名古屋工業大学 坂口研究室:音声指示を用いたVRフライボール捕球訓練システム
(画像:名古屋工業大学大学院工学研究科 坂口研究室)

名古屋工業大学大学院工学研究科坂口研究室(バーチャルリアリティ&メカトロニクス研究室)では,VR技術を日常生活に活かすための様々なシステムを開発しています。これまでに、野球、卓球、水泳、バドミントン、グラウンドゴルフ等の様々なスポーツ訓練システム、オンラインマルチラニングシステム、リハビリテーション支援システム等を開発してきました。

 

音声指示を用いたVRフライボール捕球訓練システムは,インサイドアウトトラッキング方式のスタンドアローン型HMDを装着し、VR映像を見ながら実際に前後左右に移動して外野フライボールの捕球訓練を行います。この時、フライボールの映像を提示するだけでなく、ボールの捕球地点とユーザの位置関係に基づき声や音により指示を行いながら捕球動作の訓練を行うことが特徴です.本システムを用いた訓練を行うことで,訓練前後で捕球の成功率に加えて参加者の捕球位置、捕球動作(移動軌跡)に改善が見られました。また、音声指示や音程指示など、指示方法についても検討しています。訓練の様子はこちらの動画をご覧ください。

 

本研究および研究室の詳しい情報は,こちらのページこちらのチャンネルをご覧ください.

⑩筑波技術大学 保健科学部情報システム学科:視覚障害者向けのVR環境に関する研究を実施

筑波技術大学 保健科学部情報システム学科:視覚障害者向けのVR環境に関する研究を実施
(画像:筑波技術大学)

筑波技術大学は、視覚と聴覚に障害がある学生のための国立大学です。同大学の保健科学部情報システム学科坂尻・大西・松尾研究室では、視覚障害者に映像などの非言語情報をリアルタイムで共有する方法や作業効率を上げる方法開発などの研究を行っています。

 

また、メタバースに関わる研究として、映像情報がない世界観を仮想的に作り出すための取り組みも進められています。例えば、「全盲者の音響VR環境の特性」の研究では、VR環境構築に活用できる視覚情報に頼らない周囲環境を把握する世界のモデルを明らかにすることを目的として、全盲者の空間認知特性を調査しています。

 

これらの研究の成果は広い分野で適用されることが期待でき、例えば、映像中心のVR技術に取り入れるとさらに没入感を生み出す新たな方法に展開することもできると考えられています。

 

筑波技術大学のHPはこちらからをご覧ください。

⑪名城大学:世界初・トンネル接合による積層型 GaInN系 モノリシック型 RGB フルカラーμLED アレイを開発

名城大学:世界初・トンネル接合による積層型 GaInN系 モノリシック型 RGB フルカラーμLED アレイを開発
(画像:名城大学)

名城大学理工学部材料機能工学科の岩谷素顕教授、竹内哲也教授、上山智教授のグループとサウジアラビア・King Abdullah University of Science and Technology (KAUST)の大川和宏教授グループの共同研究により、超高精細・超高輝度な VR/AR/MR 用ディスプレイが作製可能な、世界で初めて“トンネル接合による積層型 GaInN 系モノリシック型 RGB フルカラー μLED アレイ”の開発に成功しました。

 
メタバース実現に向けた高輝度化・高精細化における技術課題を解決するため、本グループではノーベル賞を受賞した故赤﨑勇教授の青色 LED の材料である GaInN の適用を検討してきました。しかし、素子の接続方法、高輝度な赤色 LED を作製することが困 難であること、モノリシック(集積)化することが難しいなどの課題がありました。

 

この課題に対し、長年 GaN 系のトンネル接合の研究開発を行う名城大のグループと、長年高輝度な赤色 LED の開発を行うKAUST のグループ、この2つのグループが共同で同一基板上に、トンネル接合を介して青色・緑色・赤色 LED を積層したウェハーを作製し、それをμLED に加工することにより、世界初の「トンネル接合による積層型 GaInN 系モノリシック型 RGB フルカラー μLED アレイ」の開発に成功しました。

 
μLED の輝度は数万 nits を超えることができることから、本デバイスを微細化することにより、 超高精細・超高輝度な VR/AR/MR 用ディスプレイが作製可能となると考えられます。

⑫電気通信大学:既存のHMDの周辺視野領域を動的プロジェクションマッピング技術で拡張した広視野HMDを研究開発

電気通信大学 大学院情報理工学研究科 メディア情報学プログラム 橋本研究室
(画像:電気通信大学 大学院情報理工学研究科 メディア情報学プログラム 橋本研究室)

電気通信大学 大学院情報理工学研究科 メディア情報学プログラム 橋本研究室では、映像投影技術に基づいたVR世界への高い没入感を実現するための研究を数多く行っています。その中でも、既存のHMDの周辺視野領域を動的プロジェクションマッピング技術で拡張した広視野HMDの研究開発を行っています。

 

この技術は以下の3つの特徴を備えています。

 
①既存のHMDを拡張する軽量な装着型スクリーン
既存HMDでは映像提示が行えない周辺視野領域に軽量な装着型スクリーンを取り付け、プロジェクタを使って映像投影をすることで220度超の広視野映像体験を実現します。

 
②遅延補償技術による遅れのない周辺映像提示
プロジェクタ映像にはHMDに比べて大きな遅延が存在しますが、動的プロジェクションマッピング技術を応用した遅延補償によってその影響を最小限に抑えています。

 
③違和感を低減するリアルタイム歪み補正
装着型スクリーンは周辺視野を覆うような曲面形状をしていますが、装着者の動きに合わせて適切な歪み補正を行うことで、スクリーン形状による違和感を低減しています。

 
当研究室における研究成果の詳細は、研究室ホームページをご覧ください。

⑬東京都立大学:VR空間の移動速度の認知に関する研究を実施

東京都立大学:VR空間の移動速度の認知に関する研究を実施
(画像:東京都立大学)

ヘッドセットをつけて体験するVR空間では、自身の移動速度が遅く感じられるという問題が知られています(例えば、Nilssonら、2014)。VR空間で街の中を早歩きで移動していても、普通に歩いている程度の速さにしか感じられません。さらに、VR空間での移動速度が速いほど、感じられる移動速度とのギャップが大きくなるという非線形性の問題もあります。この理由としては、現実世界と比べて仮想空間ではさまざまな感覚情報が不足しているからだと考えられています。

 

東京都立大学の岡本正吾教授らは、VR空間の見た目を操作するだけの新しい方法でこの問題が緩和できることを確認しました。それは、VR空間を散らかすことです。VR空間に、家具や車のような大きさが想像できるような物体を適度に配置することで、VR空間での自身の移動速度が本来の移動速度に近く感じられることを確認しました。さらに、VR空間で顕著な速度知覚の非線形性も緩和されました。面白いことに、空間を散らかす方法は、風景の見た目の空間周波数を増加させる方法(例えば、廊下の真っ白な壁を模様の付いた壁紙に変えるなど)よりも効果があります。すなわち、移動速度を正しく知覚させるためには、空間内に距離や大きさの判断を容易にするような、目印となる物体があることが有効です。

 

研究室のHPはこちら

⑭京都大学大学院 エネルギー科学研究科:メタバースやXR体験が人の心理に及ぼす影響の解明に関する研究を実施

京都大学大学院 エネルギー科学研究科:メタバースやXR体験が人の心理に及ぼす影響の解明に関する研究を実施
(画像:京都大学大学院 エネルギー科学研究科)

京都大学大学院エネルギー科学研究科石井裕剛准教授らの研究グループでは、メタバースやXR体験が人の心理に及ぼす影響とそのメカニズムを明らかにする研究を行っています。

 

例えば、メタバース空間に再現されたエネルギープラント内での事故体験が、人の安全意識に及ぼす影響を評価し、映像のリアリティやシナリオの忠実さが人の心にどのような影響を与えるかを明らかにしたり、XR空間での透明人間体験が、自己評価意識や自己肯定感にどのような影響を与えるのかを明らかにしたりしています。

 

上の画像は、隠消現実感を用いた透明人間体験システムの例です。体験者の視野をカメラで撮影して得た映像から、深層学習を用いてリアルタイムに人の体を消去し、その下にあるティッシュ箱や机の様子が見えるようにしています。人の体を単に見えなくするのではなく、その下にあるものを見えるようにすることにより、臨場感の高い透明人間体験が可能となっています。

 

さらに詳しく知りたい方はこちらのHPをご覧ください。

⑮東京理科大学 石川グループ研究室:CGレンダリング高速化に関する研究を実施

東京理科大学 石川グループ研究室:CGレンダリング高速化に関する研究を実施
(画像:東京理科大学 石川グループ研究室)

東京理科大学 石川グループ研究室では高速カメラや高速プロジェクタを利用したリアルタイム性の高い「高速ビジョン」の研究・開発を行っています。

 

本研究では、1,000fpsを超えるような高速3次元計測や高速投影を用いて、動く物体にプロジェクションマッピングを施すダイナミックプロジェクションマッピングの研究を行う中でCGのレンダリング速度が処理時間のボトルネックとなっている問題に直面し、錯視を用いたレンダリングの高速化に取り組みました。

 

一般的にCGの品質とレンダリング速度にはトレードオフがあり、パストレーシング法などリアルで高品質なCGを生成する手法は多くの計算時間を要するのに対し、ラスタライズ法などの素朴な手法は品質の代わりに高速なCG生成を提供します。本研究では、高品質なCGに高速なCGを重ね合わせ、錯視によって高品質と高速性を仮想的に両立させるレンダリング手法を開発しました。この手法では高品質なCGにより大域的な品質を保ちつつ、動きや変形などの時間変化が重ね合わせた高速なCGによって感じられるように錯視を利用しています。提案手法はパストレーシング法と比較して、アニメーションの品質を保ちながら最大約570倍高速なレンダリングを実現しており、ゲームやVR/ARなどでの活用が期待されています。

 

東京理科大学 石川グループ研究室のHPはこちら

⑯筑波大学 応用触覚研究室:表情が触覚に与える影響に関する研究を実施

筑波大学 応用触覚研究室:表情が触覚に与える影響に関する研究を実施
(画像:筑波大学 応用触覚研究室)

筑波大学 応用触覚研究室では、表情が触覚に与える影響に関する研究を実施しています。触覚の知覚機序の解明やセンサ・デバイス開発等を行う研究領域であるハプティクス分野では、メタバース空間での体験と連動した振動や圧力、動きで皮膚や筋に刺激を与えるテクノロジー(手に装着するグローブ型のデバイスや全身に装着するボディスーツ型のデバイスなど)が研究されています。

 

物理的に同じ触覚刺激であっても、好きな人からのタッチと嫌いな人からのタッチは異なるように感じるというのは多くの人が経験されていると思います。筑波大学 応用触覚研究室の研究では、デバイスの物理的な刺激のみならず、このような社会的な刺激の一つである表情が人の知覚にどのような影響を与えるかを定量的に検証する研究を行っています。

 

具体的には、上記の画像のようにブラウザ上でマウスカーソルを操作して目標物をクリックする際に、画面上の人型のエージェントにカーソルを逆方向に引っ張るような動作を取らせます。実験の結果、エージェントの表情をネガティブに感じるほど、マウスに対する重さの感覚が大きくなることが示されています。

 

詳しい情報は以下のページをご覧ください。

⑰東京大学 篠田・牧野 研究室:バッテリーや配線が必要なく軽量な、ユーザーが手軽に使えるパッシブ触覚デバイスを開発

東京大学 篠田・牧野 研究室:バッテリーや配線が必要なく軽量な、ユーザーが手軽に使えるパッシブ触覚デバイスを開発
(画像:東京大学 篠田・牧野 研究室)

様々な触覚を手指状に再現できれば、メタバース空間上の物体と直接触れあえ、その空間により没入することができます。東京大学 篠田・牧野研究室は、バッテリーや配線が必要なく軽量な、ユーザーが手軽に使えるパッシブ触覚デバイスを開発しました。

 

超音波を集束させることで、音響放射力と呼ばれる(数グラムの)力のスポットを空中に生成できます。東京大学 篠田・牧野研究室では、この放射力をテコで増幅することで、より強い力をユーザーに提示することを考えました。ユーザーはまず、指先にパッシブ触覚デバイス、つまりテコを内蔵したプラスチック製のテコ機構を装着します。この装着されたテコに放射力を加えることで、最終的に数十グラムまで増幅された力が生まれ、ぐっと手指を押された感覚を与えることが出来ます。また、この放射力を連続的にON/OFFすることで、ぶるぶる振るえる振動の感覚も提示できます。

 

このパッシブ触覚デバイスは電子部品を全く含まないので、高い出力を持ちながらも軽量に作ることが出来ます。力と振動を組み合わせて、硬い物体やでこぼこした岩肌感の再現に使うことも考えられ、現在は「手軽に使えるメタバース向け触覚デバイス」として開発を進めています。

 

Tao Morisaki, Masahiro Fujiwara, Yasutoshi Makino, and Hiroyuki Shinoda, “Ultrasound-Driven Passive Haptic Actuator based on Amplifying Radiation Force using Simple Lever Mechanism”, SIGGRAPH ASIA 2022, Emerging Technologies.

 
東京大学 篠田・牧野 研究室のページはこちらからご覧ください。

⑱早稲田大学 先進理工学部 応用物理学科 澤田秀之研究室:形状記憶合金ワイヤの微小振動を利用した触覚感覚の計測と提示

早稲田大学 先進理工学部 応用物理学科 澤田秀之研究室:形状記憶合金ワイヤの微小振動を利用した触覚感覚の計測と提示
(画像:早稲田大学 先進理工学部 応用物理学科 澤田秀之研究室)

早稲田大学 先進理工学部 応用物理学科 澤田秀之研究室では、形状記憶合金(SMA)ワイヤの微小振動を利用した触覚感覚の計測と提示に関する研究を行っています。

 

SMAワイヤにパルス電流を流すことによって微小振動が起こることを発見し、この現象を応用した触覚ディスプレイやソフトロボットのための新しいアクチュエータを提案してきました。パルス電流の周波数とデューティ比を適切に制御することで、1 kHzまでの振動を自在に生成する手法を確立し、様々な触覚感覚の提示を可能としています。更に、複数のアクチュエータを同時に、あるいは時間差をつけて駆動することで、触覚の高次知覚であるファントムセンセーションや仮現運動を生起させ、多様な接触感覚や物体が皮膚上で移動する触感覚を提示できます。

 

また、形状記憶合金の超弾性現象を利用した新しい触覚センシングシステムも構築しました。素材をなぞった際の微小振動がSMAワイヤに応力として伝わり、この大きさが抵抗値の変化として取り出すことができます。深層学習により、高い精度で素材の触覚感覚を弁別することが可能です。

 

更に、VR映像技術と触覚ディスプレイを統合して、ユーザが高次元空間世界に視覚と触力覚を使って没入できるシステムの構築も進めています。特に、4次元幾何空間を3次元空間に射影することにより、3次元空間にいる我々が、4次元超面への接触圧や膨張圧縮感覚として知覚する、全く新しい体験を可能としています。

 

早稲田大学 澤田研究室のページはこちらからご覧ください。

http://www.sawada.phys.waseda.ac.jp/

⑲神戸芸術工科大学+女子美術大学:遠隔で相手の背中を撫でる触覚デバイスを活用した作品「Sympathetic Wear」を制作

神戸芸術工科大学+女子美術大学:遠隔で相手の背中を撫でる触覚デバイスを活用した作品「Sympathetic Wear」を制作
(画像提供:神戸芸術工科大学 / 女子美術大学)

 

神戸芸術工科大学+女子美術大学:遠隔で相手の背中を撫でる触覚デバイスを活用した作品「Sympathetic Wear」を制作
(画像提供:神戸芸術工科大学 / 女子美術大学)

神戸芸術工科大学と女子美術大学は、テキスタイルとテクノロジーの融合を目標に共同研究を進めています。「Sympathetic Wear」は遠隔のコミュニケーションを補い、ネットワークの向こうの人を気遣うアート作品です。オンラインコミュニケーションでは見えないお互いの背中にそっと柔らかい触覚感を作ることで、人の心と身体に癒しをもたらします。我々はバイオメタルを特殊なデザインで配置することで圧覚を作り出すモジュール「expanding leaf」を独自開発しました。モジュールによって背中を優しく撫でる感触やトントンと叩く感触として感じることができます。

 
モニターに向かって座り続けていると、私達人間が、まるで椅子に根を生やした植物になったように感じます。動物である人間が植物化していく様は、大地に根を張る樹のイメージとなり本作品に反映されています。作品で用いた糸を植物を構成する繊維と捉え、私達の手で一本一本組み上げていくことで生命力と温もりが感じられる有機的な作品に仕上げていきました。

 
この触覚デバイスは、圧覚提示デバイスとしては非常に小型なため、効果的な圧力を提示しつつも軽量で実装することができます。これにより、衣服や椅子など、さまざまなプロダクトに適用できます。

 

Junichi Kanebako, Naoya Watabe, Miki Yamamura, Haruki Nakamura, Keisuke Shuto, Hiroko Uchiyama, “Sympathetic wear”, SIGGRAPH 2022, Art Gallery.

 

詳しい作品情報はこちらをご覧ください

⑳東北大学インタラクティブコンテンツ研究室:ドローンの安全な操縦を実現するユーザインタフェースBirdViewARを開発

東北大学インタラクティブコンテンツ研究室:ドローンの安全な操縦を実現するユーザインタフェースBirdViewARを開発
(画像:東北大学インタラクティブコンテンツ研究室)

東北大学インタラクティブコンテンツ研究室は,三人称視点とARを用いて遠隔地を飛行するドローンの周囲状況を分かりやすく提示することで、ドローンの安全な操縦を実現するユーザインタフェースBirdViewARを開発しました。

 

ドローンパイロットは遠隔地の機体を操縦する場合、ドローンに搭載されたカメラからの映像のみを頼りに飛行させます。しかしながら,その視野角は狭く、カメラに映らない死角が多く存在するため,障害物に衝突して墜落してしまう危険を常にはらんでいます。また仮に、操縦中にドローンが直接見えている状況だとしても、人間の視覚の特性上、空中に浮かんでいるものの三次元的な位置や向きの理解は非常に困難です。

 

そこでBirdViewARでは、ドローンパイロットが操縦する主ドローンの上空に副ドローンを自動追従飛行させ,その副ドローンからの映像(三人称視点)をパイロットに提示することで死角の課題を解決します。また,副ドローンの高度、カメラ角度及び視野角を元に,三人称視点のピクセル座標と三次元空間座標を変換するアルゴリズムを開発し,その計算結果を元に主ドローンの高度、向き、距離情報等をARで三人称視点に重畳表示することで,空間位置理解の課題を解決します.本操縦ユーザインタフェースを用いることで、より安全にドローンを操縦できるようになり、空撮や建物の検査,動物観察などでの利用が広がると考えています。

 
詳しい情報はこちらのページをご覧ください。

㉑名古屋工業大学 舟橋研究室:バーチャルリアリティやヒューマンインタフェースに関する研究を実施

名古屋工業大学 舟橋研究室:バーチャルリアリティやヒューマンインタフェースに関する研究を実施
(画像:非視認状態を想定するためにアイマスクを装着している。タブレットには自動車運転中の揺れを再現するための装置が付けられている。)

名古屋工業大学 舟橋研究室では、バーチャルリアリティ(VR)や、ヒューマンインタフェース(特に使う人のことを考えて設計された、ヒトとモノがやり取りする手段や、そのための機械・ソフトウェアを指す)に関する研究が行われています。

 

例えば、「非視認状態でのタッチパネル利用を想定した新しいタップ操作インタフェース」の研究が挙げられます。スマホやタブレットなどのデバイスを操作する際に、画面を視認せずに、あるいは一瞥しただけで操作を行うことは困難です。そのため視覚障がい者にとって使いづらい、あるいは自動車運転中の空調や音響などの操作に危険を伴うという現状がある中で、本研究では新しいインタフェースを提案しています。

 

具体的には、操作箇所にあらかじめ点字のような突起物を貼り付けておき、画面に触れている指を離して再度触れた場合に逆タップ操作と判定するという新たなタップ方法を提案しています。事前にボタンの配置を覚えておき、あるいは一瞥してボタンの様子を確認して、画面に触れながら視認せずに突起物を頼りに目的のボタンを探すことが可能です。実験システムを構築して有効性を確認しています。

 

さらに詳しい情報はこちらの研究室ページをご覧ください。

㉒広島大学栗田雄一研究室:デジタルハプティクスに関する研究を実施

広島大学栗田雄一研究室:デジタルハプティクスに関する研究を実施
(画像:広島大学 大学院先進理工系科学研究科 栗田雄一研究室)

 

広島大学栗田雄一研究室:デジタルハプティクスに関する研究を実施
(画像:広島大学 大学院先進理工系科学研究科 栗田雄一研究室)

広島大学大学院先進理工系科学研究科栗田雄一研究室では、人の感覚・運動機能の理解に基づき、人間機械システム、ハプティクス(触覚・力覚)、ヒューマンインタフェース、人間拡張など、人間の心身機能と体験を拡張するテクノロジーにより、新しい医療福祉機器、産業機器を創出することを目指した様々な研究が行われています。

 

例えば、触覚や運動覚を含めたハプティクス体験ができるプラットフォームを構築して、メタバースのデジタルデータとユニバースの物理製品の感性価値をつなげる「デジタルハプティクス&エクスペリエンス」の実現により、プロダクト開発、ヘルスケア支援、体験伝送サービスなどを社会実装する活動を行っています。

 

他にも、以下のような研究プロジェクトを実施しています。

 

ハイトマップデータから触感を予測する触感デジタルデザインツール

触サンプルを必要とせずに触感を評価する手法として、コンピュータ上で触感を予測するアルゴリズムを開発。また、その結果を踏まえて機能性や質感の高いテクスチャパターンの制作を支援する、デジタルハプティクスデザインツールの開発

 

AI、VR、ロボット技術を活用したスマートコーチング技術

効率的なリハビリやトレーニングの実現のために、先端的なAI、VR、ロボット技術を利用した 「個人スキルの把握」、「能力に応じた難易度の設定」,「エンタテイメント性のあるトレーニング」技術を開発し、リハビリや運動トレーニング支援に活用

  

研究室のウェブサイトはこちらからご覧ください。

㉓愛知工科大学 山高研究室:VR野球スイング時の接触時間操作による臨場感・迫真性向上に関する研究を実施

愛知工科大学 山高研究室:VR野球スイング時の接触時間操作による臨場感・迫真性向上に関する研究を実施
(画像:愛知工科大学 山高研究室)

愛知工科大学 情報メディア学科の山高研究室では、人の様々な情報処理の仕組みを解明し、その知見をVRシステム開発に活かすための研究が行われています。その一例として、VR野球において高い臨場感を味わえるような手法の研究が行われています。

 

人間は誰しも同じ時間の流れの中を生きていますが、集中力が高まった場面や楽しく感じる場面では時間を短く感じるなど、生理的・心理的要因により時間感覚の伸縮が起こっています。これとは逆に、時間感覚の伸縮を意図的に操作した場合、人の感情・感性に何らかの影響があるのではないかと考えられます。即ち、インタラクティブなVRコンテンツを体験するときに、時間感覚の伸縮を疑似的に体験させることで、臨場感・楽しさ・満足感等といった人の感情・感性をコントロールできるのではないかと考えられます。

 

本研究ではVRコンテンツにおける感性評価の向上を目指し、VRバッティングにおいてボールとバットが接触した際に、VR空間内の時間を停止させることが臨場感及び迫真性評価にどのような影響を及ぼすかについて検討されています。

さらに詳しい情報はこちらのページをご覧ください。

㉔筑波大学 ソーシャルロボット研究室:ミニチュアを使った仮想空間共有システムを開発

筑波大学 ソーシャルロボット研究室:ミニチュアを使った仮想空間共有システムを開発
(画像:筑波大学 ソーシャルロボット研究室)

筑波大学のソーシャルロボット研究室は、人とロボットのコミュニケーションやインタラクション、インタフェース技術の研究を行っている研究室です。

 

同研究室の田中康二郎は、建築向けのVR空間をリアルのミニチュアで共有し合うことのできる、VRシステムの研究開発を行っています。

 

建築分野などの空間レイアウトをデザインする現場では、3DCGで構成された仮想空間を用いて設計することが多く、加えて空間レイアウトについて複数人で検討する状況も多々あります。一方で、従来のキーボードやディスプレイでは仮想空間を共有しづらいという問題があるため、本研究では仮想空間を共有する手段としての新たな仮想空間共有システムを提案しています。

さらに詳しい情報はこちらのページをご覧ください。

㉕東京大学大学院医学系研究科 小山博史研究室:人工現実感を用い、ハプティクスを感じながら訓練できる医学教育システムを研究

東京大学大学院医学系研究科 小山博史研究室:人工現実感を用い、ハプティクスを感じながら訓練できる医学教育システムを研究
(画像提供:東京大学医学部 小山博史教授)

看護教育における多重課題教育訓練支援を目的とした、人工現実感(Artificial Reality)を用い、リアルな力触覚「ハプティクス」を感じながら訓練できる医学教育システムに関する研究を紹介します。

 

東京大学大学院医学系研究科 小山博史研究室では、芝浦工業大学 足立吉隆先生、関東学院大学 金井Pak雅子先生、神戸大学 ウイリアムソン彰子先生と共同研究開発を行なっています。このシステムは周囲を緑色のスクリーンで囲まれた小部屋の中に、ベッドで寝ている患者A(マネキン)、輸液ポンプ、清拭セット、院内スマホなどが置かれています。

 

看護学生が、カメラ付きVRゴーグルを被り小部屋に入ると、4名の患者が休んでいる病室(仮想世界)となります。看護学生は、先ず、自分の手で患者Aの清拭を始めます。清拭をしている間に、例えば患者からの要求やPHSでの連絡、患者家族が面会に来たり、輸液ポンプ異常アラームなど多重課題が発生します。その際、慌てずに適切に意思決定し、行動することが求められます。このシステムは、事前に撮影した360度シナリオ動画と本物の医療機器などをクロマキー合成することで、このような多重課題に関する看護教育を実現しています。

 

この成果は第22回日本VR医学会学術大会で発表されました(https://www.jstage.jst.go.jp/browse/jsmvr/list/-char/ja)(日本VR医学会: https://www.jsmvr.org/

本研究はJSPS科研費 JP20H00558の助成を受けたものです。

 

さらに詳しく知りたい方は芝浦工業大学足立吉隆研究室の公式HPをご覧ください。

㉖広島工業大学 情報学部 情報工学科 赤羽研究室:糸を用いたハプティックディスプレイの研究開発

広島工業大学 情報学部 情報工学科 赤羽研究室:糸を用いたハプティックディスプレイの研究開発
(画像:広島工業大学 情報学部 情報工学科 赤羽研究室)

広島工業大学 情報学部 情報工学科 赤羽研究室では、糸を用いたハプティックディスプレイの研究開発を行なっています。VR空間の物体を操作する上で、視覚的な情報に加えて触覚・力覚の情報を提示することができれば実世界に近い優れた操作性を持つ環境を実現できます。

 

力を伝える媒体として、赤羽研究室が着目しているのが「糸」です。糸は軽量で柔軟性があります。また、非常に高い剛性を持つ糸も開発されており、高い剛性と共に、透明性の高い、即ち装置自身の持つ慣性や粘性の低い装置を実現可能です。特に,自然な把持操作を実現する7自由度ストリング駆動型力覚提示装置の開発では,合計8本の糸により、エンドエフェクタの並進・回転の6自由度の力覚提示のみならず、把持操作を抽象化した1自由度として合計7自由度の力覚提示を実現しました。

 

また、力覚提示における忠実性と安定性の両立はハプティックディスプレイの研究において重要な研究テーマの一つです。赤羽研究室では,高速な更新周波数による装置の制御,装置自身の持つ受動的な粘性の動的制御,操作者の把持状態などからバイオフィードバックを行うことなどにより、高解像度力覚提示システムの実現を目指しています。

 
さらなる操作性の向上、これまでにない高い忠実性と安定性の両立の実現に向け、高解像度力覚提示システムによるストリング駆動型力覚提示装置の研究開発が進められています。

 

広島工業大学 情報学部 情報工学科についてはこちらからご覧ください。

㉗東北大学 インタラクティブコンテンツ研究室:「ルームスケールVR」体験の実現のための錯覚を感じさせる方法論を研究

東北大学 インタラクティブコンテンツ研究室:「ルームスケールVR」体験の実現のための錯覚を感じさせる方法論を研究
(画像:東北大学 インタラクティブコンテンツ研究室)

東北大学 インタラクティブコンテンツ研究室では、VR空間内を制約なく自由に歩き回る「ルームスケールVR」体験の実現のため、ヒトの移動量や方向感覚に関する知覚にうまく錯覚を感じさせる(だます)方法論に関する研究に取り組んでいます。

 

歩行を伴うVR体験では、利用できる物理空間が有限であることが大きな制約となります。この制約を解消するため、ユーザに気づかれない程度にVRの映像を現実の動きとはずらして提示する「リダイレクション」と呼ばれる方法論が有望な解決策の1つとして活発に研究されつつあります。特に、視覚以外の感覚情報との相互作用をリダイレクションに活かす試みもなされており、代表的なものとして、視覚と聴覚を組み合わせた視聴覚リダイレクション手法が挙げられます。しかし,これまでの視聴覚リダイレクション手法の研究の多くは、VR空間内に音源があることを想定しており、それらのリダイレクションの効果に対する影響は限定的であることがわかっています。

 

これに対して同研究室は、VR空間ではなく現実空間内に音源があること(例えば,ユーザがVR体験をしている部屋でテレビの音が聞こえる状況)を前提とした場合に、その音手掛かりがリダイレクションの効果に与える影響を調査しました。このために、VR空間内での回転動作中に現実空間から音手掛かりを提示し、VR空間内のリダイレクションへの知覚と現実空間での音源位置の知覚を同時に測定する実験を行いました。その結果、現実空間内に固定された音源のある条件下では、音源がない条件に比べてリダイレクションにより気づかれにくくなることが示唆されました。

 

本成果を応用することで、VR体験において現実空間から発生する音を活用することで、ユーザの方向感覚をより効果的にだまし、限られた物理空間を有効活用できると期待されます。

詳しい情報は当該プロジェクトページをご覧ください。

㉘慶應義塾大学・豊田中央研究所 :触覚ナビゲーションを可能にするバンド型ウェアラブル触覚デバイスの基礎検討

慶應義塾大学・豊田中央研究所 :触覚ナビゲーションを可能にするバンド型ウェアラブル触覚デバイスの基礎検討
(画像:慶應義塾大学・豊田中央研究所)

歩行時における地図アプリなどのナビゲーションサービスはスマートフォンの普及に伴い身近なサービスになっています。しかしながら現在のサービスは視覚に頼ったものが多く、歩きスマホの危険性が高まる、景色を楽しむことができなくなるなどの問題を抱えています。

 

これを受け、触覚研究では振動などによるウェアラブル触覚デバイスによるナビゲーションが数多く提案されています。

 

その中でも同研究室は直感的誘導ができるウェアラブル触覚デバイスを提案しています。締め付け、圧、振動といった幅広い触覚モダリティと身体動作可能な点が特徴です。スタンドアローンで動作するため身体運動の制約がなく、圧やせん断刺激に基づいた触覚ナビゲーションに応用が可能です。

同研究室についてさらに詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

㉙東京農工大学工学部 知能情報システム工学科 中山悠研究室:空間ARによる行動支援に関する研究

東京農工大学工学部 知能情報システム工学科 中山悠研究室:空間ARによる行動支援に関する研究
( 画像:東京農工大学工学部 知能情報システム工学科 中山悠研究室)

 東京農工大学工学部 知能情報システム工学科 中山悠研究室では、プロジェクションを用いた空間AR(SpatialAR;SAR)による行動支援に関する研究を行っています。

 
代表的な事例としては、株式会社ダスキンとの共同研究として、清掃行動や飲食店を対象に「行動認識によるサービス品質保証および教育ソリューション技術の開発」を進めています。
清掃行動の支援では「ユーザがどこで、何をしているか」を観測し、プロジェクションの投影を動的にアップデートすることで適切な行動を促します。
モップに取り付けたセンサで得られた加速度等のデータから、深層学習により行動を識別し,LiDARやRGB-Dカメラによってモップの位置を取得します。

 
空間ARのメリットとしては,プロジェクションで投影するためHMD等のデバイスを身につける必要がない点、その場にいる人みんなで情報を視覚的に共有でき,人同士のリアルなインタラクションを生みだせる点などが挙げられます。

㉚電気通信大学 宮脇研究室:独立制御可能な人口指「第6の指」の研究開発を実施

電気通信大学 宮脇研究室:独立制御可能な人口指「第6の指」の研究開発を実施
(画像:電気通信大学 宮脇研究室)

電気通信大学宮脇研究室の宮脇陽一教授らは、フランス国立科学研究センター(CNRS)のGowrishankar Ganesh主任研究員と共同で、他の身体の部分と独立して動かすことができる人工身体部位である”six finger”(第6の指)を開発し、自らの身体の一部として取り込む実験に成功しました。

 

このsixth fingerの使用に慣れることにより、それが自身の身体の一部として感じられた感覚と行動の変容を捉えることに世界で初めて成功しています。

 

本研究の結果から、より工夫を行うことで、実世界で「使える」指になっていく可能性があることが示唆されています。例えば、高速なキータイピングが可能になったり、ピアノやギターの演奏を6本指で巧みに奏でたり、片手では持てない数のワイングラスを持てるようになったりなど、豊かで便利な生活の実現への貢献も期待されます。

さらに詳しい情報はこちらのページをご覧ください。

 

【参考動画】

日本語版 https://www.youtube.com/watch?v=qM2fxYnDFTE
英語版 https://www.youtube.com/watch?v=232jn-Vu6Rk

㉛明治大学渡邊恵太研究室:VRの触覚ディスプレイ研究者を支援する、共通体験サンプルの研究開発

明治大学渡邊恵太研究室
(画像:明治大学渡邊恵太研究室)

明治大学渡邊恵太研究室は、テクノロジーを人の環境に上手く融合させるため、インタラクションデザインの研究を行っています。 その中でも、ゲームを用いた研究者を支援するオープンビデオゲームプロジェクトの一環として、VRの触覚ディスプレイ研究者を支援する、共通体験サンプルの研究開発をしています。

 

これまで、様々な手法で様々なVRシーンの触覚の再現、表現がなされています。一方で数多くある触覚ディスプレイ間で、提示する触覚の比較評価はあまりなされていません。これには様々な理由がありますが、その一つとして、評価に利用できる視聴覚刺激をはじめとする共通評価環境がないことが挙げられます。 そこで私たちは、誰もが利用できるオープンソースとして、触覚ディスプレイの体験評価に利用可能な視聴覚刺激をはじめとする評価環境を開発、公開しました。

 

サンプルシーンは、既存の触覚ディスプレイ研究を調査し、触覚探索運動を通して知覚する質感、硬さ、温度、重さ、形状、動きの6つのものの特性ごとに、特に触覚の再現、表現が多いシーンを選定しました。現在は学内を中心に触覚提示研究にて研究利用していただいており、例えば「ハンドモデルの指先変形を用いて硬さを表現する疑似触覚の提案」という研究にて活用されています。

 

本研究室のさらに詳しい情報は渡邊恵太研究室HPをご覧ください。

㉜筑波大学 デジタルネイチャー研究室:MRアプリに関する研究を実施

筑波大学 デジタルネイチャー研究室
(画像:筑波大学 デジタルネイチャー研究室)

落合陽一准教授が主宰するデジタルネイチャー研究室では、単なる表示器上のやりとりを超えて、HCI・CG・CGH・触覚・VR・機械制御・デジタルファブリケーションなどの融合領域の研究が行われています。

 

メタバース領域の研究例としては、「Distributed Metaverse: Creating Decentralized Blockchain-based Model for Peer-to-peer Sharing of Virtual Spaces for Mixed Reality Applications」(Bektur Ryskeldie.2018)が挙げられます。

 

本研究では、ユーザー同士の共同作業を想定したMRアプリケーションに関する研究がなされており、作業負荷の軽減などのメリットが示されています。このアプリケーションは、遠隔医療やエンタメなどの様々な用途での活用が期待されています。

さらに詳しい情報はこちらのページをご覧ください。

㉝中央大学理工学部情報工学科システム解析・可視化研究室(牧野光則教授) :マグロ解体学習支援VRシステムを開発

当研究室では、VR、AR、MR等の現実感付与技術を活用したシステム構築に関する研究を積極的に進めています。その中の一つである「マグロ解体学習支援VRシステム」は愛媛県立宇和島水産高等学校との協同で、仕様策定からシステム構築まで行ったものです。

 

実際のマグロ解体は回数、場所が限られますが、VRの導入により、より手軽に、何回でも解体手順について実践的に学ぶことができます。加えて、マグロを支える手が安全な位置にあるかどうかを、利き手が持つ刃の位置・方向に基づいて判定することで、正しい手の位置を実際の解体前に習得できます。

 

本システムでは、解体時の切り口の質感を宇和島水産高が撮影した本物の画像で表現することで解体時のリアリティを向上させ、さらに、VRコントローラを包丁に見立てることで、実際の動きに近い状況を実現しました。

 
当研究室ではこの他にも、さまざまな学びに対する支援、動作習得に対する補助、避難訓練等実際の場面に臨む前に体験することが望ましい事への対応等、VR等を活用して社会や利用者に貢献する仕組みづくりに取り組んでいます。

 

より詳しく知りたい方はこちらのWebpageを御覧ください。

マグロ解体学習支援VRに関するWebpage:https://www.chuo-u.ac.jp/academics/faculties/science/departments/infotech/news/2020/02/48139/

システム解析・可視化研究室Webpage:https://sites.google.com/g.chuo-u.ac.jp/makinolab/

㉞早稲田大学メタバース研究所:仮想空間と人間のインターフェースを探求する新しい研究のフロンティア

早稲田大学メタバース研究所は、仮想空間と人間のインターフェースを探求する新しい研究のフロンティアです。菊池英明教授による言語情報科学の専門知識を基に、VR環境を活用してコミュニケーションスキルの習得を支援するプロジェクトなどを展開しています。

 

同プロジェクトは、スピーチや面接、英会話などのシナリオをVR内で再現し、リアルタイムの自動評価とアバターの自動制御によって、学習者に実践的な経験を提供するものとなっています。この方法論は、国際的なジャーナルや会議での発表により、その効果が実証されています。

 

また、メタバース研究所は、デジタル空間内のパラレルワールドを創出することを目的としています。当初の焦点は、現実世界の物理法則に準拠した地球のデジタルツインの構築にあります。環境科学、生態学、社会学、人類学の観点からのシミュレーションを通じて、未来予測の可能性を探っておりメタバースを使用することで、個々の要素とその相互作用から現実の現象を再現し、理解を深めることが可能と考えています。

 

農業、気象、都市計画、防災、疫学など、多岐にわたる分野でのシミュレーションを実施可能となります。さらに、メタバースを生活空間として捉え、その中でのコミュニケーションや教育に関する研究も行っています。

㉟大阪電気通信大学総合情報学部デジタルゲーム学科魚井研究室:電子機器の組み合わせやプログラムによる自動化でエンタテインメントを創出

大阪電気通信大学総合情報学部デジタルゲーム学科魚井研究室では発想力を活かし、ガジェットを使ったゲーム開発に取り組んでいます。

ゲーム開発にはプログラミングの知識に加えて、“おもしろい”アイデアが重要で、異なるガジェットの組み合わせや着眼点など、発想力が必要になります。その集大成ともいえるのが、「デジタルホラーハウス」。プログラミングで自動化し、デジタルで最恐のお化け屋敷を作ろうという試みです。

一般的なお化け屋敷は観客の動きや目線に合わせ、仕掛け人が絶妙なタイミングでアクションを起こし、機械仕掛けはパターンが予測できあまり怖くありません。そこで人を使わない「完全デジタル恐怖体験」の実現に挑戦。VR空間の中で観客の動きに応じて仕掛けを自動化し、魔物や鬼に追われるなど、毎年テイストの異なる恐怖を創作しています。

エンタテイメントのひとつとして、観客が感じた「恐怖度」を数値化するために、バイタルサインなどを測定した実験も並行して行っています。振動するイスで鑑賞するタイプ、VR空間を走行する靴など、装置も年々進化を続けています。

VRゴーグル内の映像

㊱浦和大学坂内研究室:VRを通して「こども」について学ぶ

(画像:浦和大学こども学部こども学科)

浦和大学こども学部こども学科の坂内(ばんない)祐一特任教授の研究グループでは、「こども」に関して総合的に学べるVRの研究に取り組んでいます。

こどもについてさまざまなことを学ぶには、直接こどもに接するのが理想的ですが、教育現場ではその機会は限られています。そこで、学生がいつでもこどもに触れ合うことができるVRシステムの開発を目指しています。開発目標は以下の通りです。

(1) こどもと保育スペースの3Dモデルの作成

生まれてから就学前までのこどもの体は成長が早く体形が著しく変化します。標準体型データをもとにポイントとなる年代の体系を3Dモデルで表現していきます。また保育の現場のモデルを作成し、保育スペースのVR空間にこどもを登場させ、さまざまなシミュレーションを可能にします。

(2) こどもの動作の再現

こどもは、「はいはい」「つかまり立ち」「つたい歩き」などの行動を経て、うまく歩けるようになっていきます。これらの動作をVR空間で再現して、こどもの動作を詳細に観察することができます。

(3) こどもとのコミュニケーション

こどもは言葉がしゃべれるようになる前にも、よびかけに反応したり、アイコンタクトしたりしてコミュニケーションを行います。こどもとのバーバル、ノンバーバルコミュニケーション機能を開発していく予定です。

㊲北陸大学ものづくりLab:VR乗車体験システムやVR超音波検査技術学習システムなどのVRコンテンツを作成

(画像:北陸大学ものづくりLab)
(画像:北陸大学ものづくりLab)

北陸大学ものづくりLabは「自分たちの使うものを,使う人自身が作る文化」を醸成することを目指した 3Dプリンター等の工作機械を備えたものづくりに没頭できる場です。ものづくりLabでは、共同研究として2つのVRコンテンツの作成をおこなっております。

 

1. のと鉄道観光列車を対象としたVR乗車体験システム
のと鉄道のと里山里海号は、世界農業遺産「能登の里山里海」を走る土日祝に運行している観光を目的とした列車であり、これまでパンフレットなどによるプロモーションを実施しているものの十分な効果を得られていません。そのため、より臨場感があり、記憶に残る情報発信手段として考えられるVirtual Reality (VR)技術を利用した乗車体験システムを開発しています。

 

2. VR超音波検査技術学習システム
超音波検査は、認知的・技巧的に高度な技術であり、被験者を用意しなければならないなど練習するためのコストも高いため習得が容易ではありません。そのため、学生が気軽に超音波検査の練習をおこなうことができるVR技術を使用した教育コンテンツを開発しています。

 

北陸大学ものづくりLabでは他にも農業とメタバースを組み合わせた取り組みなど活動を作成しております。詳しく知りたい場合はHP農業ブログをご覧ください。

企業によるメタバース研究事例

NTTコミュニケーション科学基礎研究所:身体周辺の2次元空間における振動源に対する触覚による定位を研究

NTTコミュニケーション科学基礎研究所:身体周辺の2次元空間における振動源に対する触覚による定位を研究
(画像:NTT コミュニケーション科学基礎研究所)

NTT コミュニケーション科学基礎研究所では、身体周辺の2次元空間における振動源に対する触覚による定位を調べています。振動を使った触知覚特性に関する従来研究のほとんどでは皮膚に振動源が接触する状況に着目していましたが、本研究では皮膚と振動源が離れた状況における人の知覚特性を調べました。

 

実験では、片手を媒体に接地させて、手の周辺のインパルス振動[1]や正弦波振動[2]の定位を調べました。その結果、振動源の方向について人は比較的正確に認識できることがわかりました。これは手のひら上の強度分布に基づいて方向認識を行うことができたためだと考えられます。一方、手から振動源までの距離の認識は困難でした。これは振動源までの距離を認識するためには、距離と強度分布の関係を事前に学習しておく必要があることを示唆しています。

 

さらに、身体周辺の振動源に対する方向認識能力を活用することで、身体周辺の振動の時空間パタンの認識ができるのではないかと考えました。実験の結果、身体周辺の振動の時空間パタンの認識特性を明らかにしました[3]。

 

[1] Ujitoko, Y., Tokuhisa, R., Sakurai, S., & Hirota, K. (2021). Impact vibration source localization in two-dimensional space around hand. IEEE Transactions on Haptics14(4), 862-873. ※

[2] Ujitoko, Y., & Kuroki, S. (2022). Sinusoidal Vibration Source Localization in Two-Dimensional Space Around the Hand. Frontiers in Psychology13, 878397.

[3] Ujitoko, Y., Tokuhisa, R., & Hirota, K. (2022). Vibrotactile Spatiotemporal Pattern Recognition in Two-Dimensional Space Around Hand. IEEE Transactions on Haptics15(4), 718-728. ※

※[1][3]は電気通信大学広田研との共同研究
https://www.chuo-u.ac.jp/academics/faculties/science/departments/infotech/news/2020/02/48139/
システム解析・可視化研究室Webpage:
https://sites.google.com/g.chuo-u.ac.jp/makinolab/

株式会社AndTech: 幅広い分野のR&Dを担うクライアントに研究開発支援サービスを提供し、XRデバイスに関する講習会を開講

株式会社AndTech: 幅広い分野のR&Dを担うクライアントに研究開発支援サービスを提供し、XRデバイスに関する講習会を開講
(画像:株式会社AndTech)

株式会社AndTechは、化学、素材、エレクトロニクス、自動車、エネルギー、医療機器、食品包装、建材など、 幅広い分野のR&Dを担うクライアントのために情報を提供する研究開発支援サービスを提供しております。 同社は単一の事業領域・形態に頼ったビジネスを基盤事業とはせず、時代に求められる「情報」を原材料に、一流の講師陣をそろえた「技術講習会・セミナー」に始まり「講師派遣」、 選りすぐりのテーマから、ニーズの高いものを選ぶ「書籍出版事業」、「コンサルタント派遣」、「市場動向調査」、「ビジネスマッチング」、 経験実績豊富な専門性の高い「事業開発コンサル」といった様々なサービスを提供し、クライアントの声に耳を傾け、希望する新規事業領域・市場に進出するために効果的な支援を提供しております。

 

同社は、2024年3月15日に「XR(VR/AR/MR)デバイスの最新動向と光学素子の概要および各種部材の開発動向と活用事例」をテーマにしたWEB講習会を開講。

 

WEBでオンラインLive講義にどこからでも参加でき、第一人者の カラーリンク・ジャパン株式会社 西山 美穂 氏、テック・アンド・ビズ株式会社 北原 洋明 氏、ナルックス株式会社 金井 紀文 氏、株式会社NTTデータグループ 山田 達司 氏の4名のご講演となります。XR(VR/AR/MR)デバイスの最新動向と光学素子の概要および各種部材の開発動向と活用事例について説明します。

 

■注目ポイント

★Apple Vision Proが発表され、XR(AR/VR/MR)の方向性が見え、世界各地のイベントでもXRに関するホットな状況が繰り広げられている背景を踏まえ、XR機器の特徴や構成要素(ディスプレイデバイスと光学系)について解説!

★専門知識を有しない方でもわかりやすいように画像を多く使いながらAR/VRに使われる光学系(光学素子)について説明!

★センサーやAIにも触れ、XR映像の世界を作り出すポイントを整理しながら、今後の技術の方向性や市場を見通していきます。

★XRおよびMetaverseとは何か、現時点での技術の成熟状況を把握するとともに、主に企業における活用方法の理解を行い、自社事業における活用方法の検討に寄与することを目的とします。

お申込みの際には下記のURLをご参照ください

https://andtech.co.jp/seminars/1ee6c0ec-546f-6c32-aae4-064fb9a95405

 

さらに、同社では3月に、「メタバース」関連の下記の講座の開催も予定しています。

メタバースとデジタルツインの基礎およびものづくりに役立つ手法と各種事例

~遠隔監視、製品シミュレーション、製造ラインの効率化の事例~

https://andtech.co.jp/seminars/1ee5dd9c-7956-630e-92dd-064fb9a95405

ご興味のある方はぜひご参加ください。

株式会社Dental Prediction:5G通信とXR技術を活用した「歯科医療教育支援の実証実験」を実施

株式会社Dental Prediction
(画像:株式会社Dental Prediction)

株式会社Dental Predictionは、5G通信とXR技術を利用した歯科領域における遠隔教育・医療支援を行っています。

公共財団法人大阪産業局と共同で実施された「5G通信等とXR技術を活用した遠隔による歯科医療教育支援の実証実験」では、バーチャル空間に歯のモデルを症例として表示し日本の歯科医師とメルボルン大学の医学部関係者で症例を共有したディズカッション形式で行われました。

その他にもDental PredictionはVRやAR、3Dプリンティング技術を利用した診断・治療技術の支援なども行っています。

5G通信とXR技術を利用した遠隔教育・医療支援の特徴としては、以下が挙げられます。

  • 国を超えた歯科医療の遠隔教育・症例の共有、蓄積の有効化
  • 5G活用による高精度なVR・AR映像の複数共有が可能

さらに詳しい情報はこちらのページをご覧ください。

社団法人によるメタバース研究事例

一般社団法人日本デジタル空間経済連盟:デジタル空間における業務実施や環境整備、生産性向上に向けた施策、労務管理の実施について実証実験を行う

一般社団法人日本デジタル空間経済連盟:デジタル空間における業務実施や環境整備、生産性向上に向けた施策、労務管理の実施について実証実験を行う
(画像:一般社団法人日本デジタル空間経済連盟)

一般社団法人日本デジタル空間経済連盟は、デジタル空間における経済の活性化に向けて、企業の課題収集、解決に向けたディスカッションや実証事業、政府・各省庁・経済団体・業界団体との連携、情報発信などを行う経済連盟です。

2024年1月現在、115法人が加盟しています。

 

連盟の活動の1つの柱であるBusiness Enhancement Committeeでは、会員法人の課題や情勢に合わせてテーマを設定し、希望する会員が参加する形でProject Team(以下、PT)を設立、ビジネスや課題の検討、実証実験などを行っています。

 

PTの1つである「バーチャルワークPT」は2022年10月に立ち上がり、デジタル空間における業務実施や環境整備、生産性向上に向けた施策、労務管理の実施といった内容について検討・ディスカッションを約半年間実施し、2023年5月~6月に実証実験を行いました。

 

本PT、実証実験の結果につきましては以下報告書をご覧ください。

https://jdsef.or.jp/about/achievement.html

https://jdsef.or.jp/assets/document/achievement/report_20230830.pdf

 

同連盟では、「バーチャルワークPT」含め、引き続きその他テーマでも実証実験を重ね、仮想空間での新しい経済活動の可能性や想定されるリスクへの対応を検討し、さらなる課題の抽出とそれらの解決に取り組み、デジタル空間でのビジネスの社会実装を進めてまいります。

大学によるメタバースの活用事例7選

大学によるメタバースの活用事例として以下7つが挙げられます。

 

<メタバース上で教育を提供>

  • ①スタンフォード大学:メタバースを活用した教育カリキュラムを導入
  • ②角川ドワンゴ学園:メタバースを活用した授業を実施
  • ③徳島文理大学香川薬学部での「VR臨床体験学習」による実践教育DX

 

<イベントの開催>

  • ④東京大学:メタバース上でサークル新歓オリエンテーションを実施
  • ⑤東京女子大学:大学広場をVR空間で再現し、VRオープンキャンパスを開催
  • ⑥広島工業大学 メタバースサークル「HIT Metaverse」:VRオープンキャンパス「広島工業大学 VIRTUAL OPEN CAMPUS 2023」を開催
  • ⑦慶應義塾大学 湘南藤沢キャンパス:バーチャル空間を活用した「SFCオンライン七夕祭」を開催

 

それぞれの事例についてわかりやすく紹介していきます。

 

※700社以上のご担当者様にお読みいただいている、国内外の最新メタバース/XR活用事例101選をまとめた資料をダウンロード頂けます。
メタバース/XR活用事例101選の資料ダウンロードはこちら(無料)

①スタンフォード大学:メタバースを活用した教育カリキュラムを導入

スタンフォード大学:メタバースを活用した教育カリキュラムを導入
(画像:スタンフォード大学)

スタンフォード大学は、Meta(旧Facebook)が開発した「Virtual People」というVRを活用した教育カリキュラムを導入しました。2021年から始まったこのプログラムには数百人の学生が参加し、年間約150日間の授業がVR空間内で行われています。学生は同社製のVRヘッドセット「Oculus Quest 2」を使い、ほぼ全ての内容をVR上で学習しています。

②角川ドワンゴ学園:メタバースを活用した授業を実施

角川ドワンゴ学園:メタバースを活用した授業を実施
(画像:角川ドワンゴ学園)

IT企業ドワンゴの運営する通信制高校である角川ドワンゴ学園の普通科では、2021年4月からVRによる授業が導入されています。VR内で学習できるようにVRヘッドセットを配布し、同校で販売されている教材の大半はVRに対応しています。これまで紙の読み書きを覚えることが中心だった授業が、3D教材や史跡に触れるなど、疑似体験に重点を置いた授業に変わりました。

③徳島文理大学香川薬学部での「VR臨床体験学習」による実践教育DX

徳島文理大学香川薬学部での「VR臨床体験学習」による実践教育DX
(画像:徳島文理大学香川薬学部)

徳島文理大学香川薬学部では、薬剤師の社会的役割を学ぶ初年次教育に、VRシステムを活用した「VR臨床体験学習」を2022年度に導入しました。「VR臨床体験学習」は、従来の実地見学に比べて医療現場に負担が少なく、大学にいながら病院や保険薬局での薬剤師の活躍を効率的に学べる、実践教育の新たな取り組みです。

 
参加した学生は、同席する薬剤師の解説を聞きながら、一斉視聴システムとVRゴーグルにより、その薬剤師の働く現場を見学しました。VRゴーグルの向きに応じて映像が連動するため、学生は、各自で自由に視線を動かして施設を見学でき、臨場感のある薬剤師目線の服薬指導も体験できます。このような薬学初年次教育での取り組みは、薬学教育DXの先駆けとなる先進的な試みであり、他の教育機関から多くの反響がありました。参加した学生からは、「その場で薬剤師に質問もできて、本当に薬局にいるみたい!」といった非常に高い満足度を得ることができ、学習意欲の向上にもつながりました。
 

徳島文理大学香川薬学部は、今後もVRコンテンツの拡充を図り、次世代の教育環境整備に向けた教育DXにより、「教育の質」のさらなる向上を目指します。
※2022年度の「VR臨床体験学習」の様子を詳しく知りたい方はこちらの公式HPもご覧下さい。

公式HPのURL(薬剤師の仕事をVRで学ぶ!):https://www.bunri-u.ac.jp/kagawa/topics/184/

④東京大学:メタバース上でサークル新歓オリエンテーションを実施

東京大学:メタバース上でサークル新歓オリエンテーションを実施
(画像:東京大学)

東京大学は、2022年度の学生サークルの新入生歓迎オリエンテーションをメタバース空間で実施しました。新入生は、自分のスマートフォンやPCからメタバース空間「バーチャル東大」に入場し、オンラインでサークルの説明を受けることができます。

 

また、メタバース空間内に再現された安田講堂前広場に思い思いのアバター姿で集まり、交流が行われました。企画したVRセンターは、新歓オリエンテーション以外にも、学内外を問わず他の教育、研究、学生の活動にメタバースの活用を進めるような実践的な取り組みを進めていきたいと発表しています

⑤東京女子大学:大学広場をVR空間で再現し、VRオープンキャンパスを開催

東京女子大学:大学広場をVR空間で再現し、VRオープンキャンパスを開催
(画像:東京女子大学)

東京女子大学は、メタバースプラットフォーム「cluster」を利用し、VRオープンキャンパスを開催しました。東京女子大学心理・コミュニケーション学科のコミュニケーション専攻の学生有志が、実際にキャンパスに訪れるのが難しい人、東京女子大学の雰囲気を知りたい人など、東京女子大学に関心のある方に向けて、VRオープンキャンパスを企画しました。

 
 
2023年度は、構内の広場である「VERA広場」をVR空間に再現し、以下のようなコンテンツを制作しました。
・個別相談ができる1on1相談室
・クイズ形式のワークショップ
・VERA広場での花火イベント
 
開催当日は延べ300人が、VRオープンキャンパスに参加しました。
現在も公開中のVR空間、詳細についてはこちらのページをご覧ください。

⑥広島工業大学 メタバースサークル「HIT Metaverse」:VRオープンキャンパス「広島工業大学 VIRTUAL OPEN CAMPUS 2023」を開催

広島工業大学 メタバースサークル「HIT Metaverse」:VRオープンキャンパス「広島工業大学 VIRTUAL OPEN CAMPUS 2023」を開催
(画像:HIT Metaverse)

広島工業大学のメタバースサークル「HIT Metaverse」では、メタバースプラットフォームの「Cluster」を活用し、広島工業大学がメタバース空間内に再現されたワールド「バーチャル広島工大」を舞台に、「広島工業大学 VIRTUAL OPEN CAMPUS 2023」を開催しました。

 

リアルのオープンキャンパスへ行きたくても、遠方で行けない、予定が合わないといった方はおられると思います。メタバースでのオープンキャンパスはその問題を解決することができます。

本イベントでは、キャンパスツアーはもちろん、リアルとメタバースをつなげる「バーチャルゲート」や、大学の教授による模擬講義、インストミュージックユニットの「NAGISA Lab.」による演奏会などを行いました。

大学のオープンキャンパスと同日に開催したため、リアルではVR体験会を開催しました。

累計600名以上の方にご来場いただき、来場者の方から「キャンパスの雰囲気を知ると同時にメタバースも体験できて楽しかった。」とコメントを頂きました。

 

広島工業大学 VIRTUAL OPEN CAMPUSは、企画やワールドをバージョンアップしながら毎年夏に開催しております。本イベントの詳細は、こちらのページを御覧ください。

⑦慶應義塾大学 湘南藤沢キャンパス:バーチャル空間を活用した「SFCオンライン七夕祭」を開催

慶應義塾大学 湘南藤沢キャンパス:バーチャル空間を活用した「SFCオンライン七夕祭」を開催
(画像:慶應義塾大学 湘南藤沢キャンパス)

慶應義塾大学湘南藤沢キャンパスでは、2020年に感染症拡大予防によるオフラインでの文化祭「七夕祭」開催が中止になったのを受け、バーチャルSNS「cluster」とTwitterのライブ配信を利用したオンライン七夕祭が開催されました。

 

当日は、cluster内のバーチャルSFCの参加者7,000人超、Twitterライブの視聴者約8,000人と大盛況でした。また、バーチャルSFC内の教室では、参加者同士が音声で会話できるようになっており、キャンパス入構制限が続く中、学生同士の交流が楽しめたと非常に好評とのことでした。

 

七夕祭は学園祭でありながらも地域のお祭りという側面を持つSFC 唯一の学園祭です。打ち上げ花火や慶應義塾大学団体による出展やパフォーマンスなどに加えて、湘南藤沢キャンパス周辺地域の方々と一体となって作り上げる企画もあります。七夕祭に是非足をお運びください。

 

さらに詳しい情報はこちらのページをご覧ください。

七夕祭の公式アプリはこちらから

学生向けのメタバース関連プログラム

一般社団法人VR革新機構:「子ども・学生VR自由研究」の取組みを開始

一般社団法人VR革新機構:「子ども・学生VR自由研究」の取組みを開始
(画像:一般社団法人VR革新機構)

一般社団法人VR革新機構(本社:東京都千代⽥区、代表理事:横松繁)では、小学生から大学生までを対象として、リアルとバーチャルを組み合わせた新しい自由研究である「子ども・学生VR自由研究」の取組みを開始し、全国で「こども・学生VR自由研究大会」を開催します(4月に京都大会、10月・11月に熊本大会を実施)。

 

このVR自由研究は、医療・介護・学習・金融等の様々な業界におけるソリューションの提供や、環境問題等の社会課題の解決など多様な場面で、現実に活用される公益的な研究を目指しており、国の競争的研究費の獲得を目標としています。

 

同機構において、大会参加者から自由研究を募り、技術研究開発支援、研究者マッチング、VR技術活用検討、研究開発成果のビジネス化で参加者への利用権利を付与する等の支援を実施します。あわせて、同機構がサポートし、研究論文の作成や今後設立するVR自由研究学会への参加・理事への就任など、研究活動を早くから経験することができます。

 

同大会の開催により、一人でも多くの方が研究開発に興味を抱き、日本の将来を担う研究者が育成される契機となることが期待されています。

おススメのメタバース開発会社3選

おススメのメタバース開発会社は以下の3社です。

 

  • ➀クラスター:メタバースプラットフォームClusterを運営
  • メタバース総研:各社の目的達成に向けた成果に繋がるメタバース/XRを開発
  • ③ハシラス:VRコンテンツ専門の開発会社

 

それぞれについて、わかりやすく紹介します。

 

※メタバース/XRのコンサル/開発会社を選ぶ際のポイント4つやおすすめ企業11社の比較をまとめた資料をダウンロード頂けます。
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クラスター:メタバースプラットフォームclusterを運営

クラスター:メタバースプラットフォームclusterを運営
(画像:クラスター)

クラスター株式会社は、メタバースプラットフォームclusterの運営と、同プラットフォームを活用してメタバースコンテンツを提供したい企業の支援を行っています。

 

クラスターの強みとして以下の3点が挙げられます。

 

  • 1.100万アプリダウンロードを超えるメタバースプラットフォームを運営
  • 2.自社プラットフォームと連携した開発支援
  • 3.Cluster上での多数の企業の取り組み支援による知見

1.100万アプリダウンロードを超えるメタバースプラットフォームを運営

運営するclusterはアプリダウンロード数が100万を超えており、多くのユーザーを集めるメタバースプラットフォームとなっています。

 

そのため、より多くのユーザーにリーチしたい企業にとって、clusterの活用は有効な選択肢と言えます。

2.自社プラットフォームと連携した開発支援

clusterは、自社プラットフォーム上でメタバースコンテンツを提供したい企業向けのコンサル・開発支援も行っています。

 

そのため、cluster上でのメタバースの企画・開発の支援におけるスムーズな連携が特徴です。

3.cluster上での多数の企業の取り組み支援による知見

clusterは、これまでに幅広い業界の企業のclusterの活用支援実績を有しています。

 

そのため、企業のcluster活用に関する豊富なノウハウを活かした支援が強みとなっています。

②メタバース総研:各社の目的達成に向けた成果に繋がるメタバース/XRを開発

メタバース総研:国内最大級の知見に基づき戦略/企画策定から開発・運用まで支援

メタバース総研は、企業向けのメタバース/XRのコンサルティング・開発を行っている会社です。

  

メタバース総研の強みとして以下の3点が挙げられます。

 

  • 1.国内最大級のメディア運営/豊富なコンサルティング経験による戦略策定力
  • 2.中立的な立場から各社に最適なツール/プラットフォームを選定可能
  • 3.強力なパートナー企業/クリエイターによる総合的な支援力

1.国内最大級のメディア運営/豊富なコンサルティング経験による戦略策定力

メタバース総研 国内最大級のメディア運営/豊富なコンサルティング経験による戦略策定力

メタバース総研は、国内最大級のビジネスに特化したメタバース/XRメディアの運営と幅広い業界の大手企業へのコンサルティング経験を通じた戦略策定力を強みとしています。

 

そのため支援の際は、クライアント企業様の事業の課題・活用の目的を踏まえたメタバース/XRの活用戦略/企画策定を徹底しています。このこだわりが、多くの企業が陥っている”メタバース/XR活用自体の目的化”を防ぎ、成果に繋がる活用を実現します。

2.中立的な立場から各社に最適なツール/プラットフォームを選定可能

メタバース総研 中立的な立場から各社に最適なツール/プラットフォームを選定可能

メタバース総研は、特定のメタバース/XR開発ツールやプラットフォームを有していません。

 

そのため、特定の開発ツールやプラットフォームの活用ありきの支援ではなく、中立的な立場からクライアント企業様のプロジェクト毎に最適なプラットフォームやツールを選定し、支援が可能です。

3.強力なパートナー企業/クリエイターによる総合的な支援

メタバース総研 強力なパートナー企業/クリエイターによる総合的な支援

メタバース総研は、技術領域・ユースケース毎に、業界を代表する実績/ソリューションを有する、12社の企業や38名のクリエイターとパートナーとして協働しています。

 

そのため、クライアント企業様の課題やご要望に合わせ、パートナー企業/クリエイターらとともに最適な各種ソリューションをご提供しています。

 
※メタバース総研は豊富な経験とナレッジに基づき、各社様に合わせた先進事例や具体的な活用アイデアなどの最新ナレッジをご提供させていただいております。 メタバース/XR活用でお困りの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
メタバース/XRのビジネス活用個別無料相談会の詳細はこちら

③ハシラス:VRコンテンツ専門の制作会社

ハシラス:VRコンテンツ専門の制作会社
(画像:ハシラス)

ハシラスは、VRコンテンツ専門の制作会社です。なかでもハイエンドVRデバイスと独自のハードウェア・ソフトウェアを組み合わせたVRアトラクションの企画・制作の実績が豊富です。

 

ハシラスの強みとして以下の3点が挙げられます。

 

  • ①豊富なハードウェア導入実績
  • ②オリジナル体感ハードウェアの作成
  • ③ハイエンドVRの豊富なノウハウ

1.豊富な導入実績・事例と圧倒的な体験ユーザー数

ハシラスは2014年からVRアトラクションの開発を行なっており、国内外問わず多数の施設にコンテンツを納入しています。多くの実績と、圧倒的な体験ユーザー数から得られるフィードバックにより、豊富な技術・知見を育んでいます

2.オリジナル体感ハードウェアの作成

VR向けライドなどの体感ハードウェアを自主制作している点がハシラスのコンテンツ制作の特徴であり、良好な体感性やアテンド性、酔い防止などの最新の知見を盛り込んだハードウェアを継続的に開発しています。

3.ハイエンドVRの豊富なノウハウ

ハシラスはハイエンドなVR機器をフル活用した体験価値の高いコンテンツ制作を得意としています。一般的な360度動画と異なり、現実の身体とVR空間が相互作用するコンテンツを実現可能です。アニメやマンガなどのIP活用においても、原作そのままの世界観に体験者自身が入り込んで活躍できるリッチなコンテンツ制作が可能です。

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このナレッジの著者

メタバース総研 代表取締役社長

今泉 響介

慶應義塾大学経済学部卒業。学生起業した事業を売却した後、日本企業の海外マーケティングを支援する株式会社Rec Loc を設立して代表取締役社長に就任。メタバースのビジネス活用を支援するメタバース総研を設立して代表取締役社長に就任。

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