メタバースの運用を進める4ステップ|成功の5つのカギも紹介

関連技術の進歩やMetaやAppleのデバイス発売などに伴い、多くの企業が自社ビジネスへのメタバースの運用を進めています。

 

一方で、自社でのメタバースの導入・運用を検討しているけど、どのように進めていけば良いか分からないという方も多いのではないでしょうか?

 

そこで今回は、メタバースの運用を進めるための4ステップを、費用相場や失敗しないためのポイントなどとともにご紹介します

 

本記事は、以下のような方におすすめの記事となっています。

 

  • メタバースの運用を進めたいが、どのような流れで進めれば良いか分からない
  • メタバースを運用する上で、失敗しないためのポイントを抑えたい

 

本記事を読めば、メタバースの運用を進める上で、絶対に抑えておきたい知識を、一気にキャッチアップできる内容となっておりますので、ぜひ最後までご一読ください。


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目次

メタバースの運用で失敗しないための5つのポイント

メタバースの運用で失敗しないための5つのポイント

企業がメタバースの運用で失敗しないためのポイントとして以下の5つが挙げられます。

 

  • ①最先端の市場動向・ノウハウのキャッチアップ
  • ②運用目的の明確化と骨太な戦略策定
  • ③ユーザーファーストなUX設計
  • ④アジャイルアプローチによるプロジェクトの推進
  • ⑤強力な開発・運用体制の構築

 

それぞれについて分かりやすく紹介していきます。

①最先端の市場動向・ノウハウのキャッチアップ

1つ目のポイントは、最先端の市場動向・ノウハウのキャッチアップです。

デバイスの進化やユーザーの動き、各領域の先進事例をキャッチアップし、自社が取り組むべき運用方法や成果に繋がる運用のポイントを抑えた上で運用に着手しましょう。

 

メタバースの運用には取り組むのに一定の予算や工数が必要となるため、自社にとって重要な最新動向や運用のノウハウを抑えておくことが、成功確度の高い戦略・企画立案の大前提となります。

②運用目的の明確化と骨太な戦略の立案

2つ目のポイントは、メタバースを運用する目的の明確化と骨太な戦略の策定です。

現在メタバースの運用に取り組む企業には、メタバースの運用の取り組みが単発で終わってしまっている企業が見受けられます。

その結果、運用のPDCAが回らない、メタバースの運用が小粒な施策の1つに留まってしまうなど大きな収益機会の獲得に繋がらないという結果に終わってしまいます。

 

自社の経営課題を踏まえ、「運用によりどのような経営課題を解決したいのか?」「課題解決の打ち手としてなぜメタバースではないといけないのか?」といった明確な運用目的を整理した上で、中長期で目指す事業の姿や自社の強みの活用の仕方などの実現に向けた戦略を立案しましょう。

③ユーザーファーストな企画・UX設計

3つ目のポイントは、自社のターゲットにとってユーザーファーストなメタバースの企画・UX設計です。

現在、多くの企業がメタバースに参入を進めていますが、そのなかには、企業側の都合のみでサービス・体験が設計されたようなメタバースが多く存在します。それらのメタバースは、ユーザーに利用されず、企業の運用の目的を達成できない結果に終わってしまいます。

 

そのため、「メタバースならではの高い体験価値を届けられているか」や「ユーザーの利用にあたっての手間や負担が大きくないか」といった観点を踏まえたUX設計が重要です。

④アジャイルアプローチによるプロジェクトの推進

4つ目のポイントは、アジャイルアプローチによるプロジェクトの推進です。

メタバース市場は今後大きな成長が予想されているものの、いまだ成長期にあり、様々な業界の企業が中長期的な収益最大化に向け、最適な運用方法を模索している段階にあります。

そのため、計画と実行のプロセスを短いスパンで回し、仮説立案・実行・検証・施策立案のサイクルを何度も繰り返すことが、プロジェクトを机上の空論で終わらせないために重要です。

⑤強力な開発・運用体制の構築

5つ目のポイントは、強力なメタバース開発・運用体制の構築です。

高いユーザー体験と事業性を両立するメタバースの開発とマーケティングを含めた運用を実施しましょう。

 

メタバース開発・運用には幅広い領域の知見や技術スタックが求められるため、外部のベンダーなどを活用し、不足するケイパビリティやリソースを補完することも有効です。

企業がメタバースを運用するための4つのステップ

企業がメタバースを運用するための4つのステップ

企業がメタバースの運用を進めるステップとして、大きく以下の4つのステップが挙げられます。

 

  • Step1:市場動向・知見のキャッチアップ
  • Step2:戦略/企画の立案
  • Step3:事業計画の策定
  • Step4:開発・運用

 

それぞれのステップについて分かりやすく紹介していきます。

Step1:市場動向・知見のキャッチアップ

1つ目のステップとして取り組むべきは、最先端の市場動向・知見のキャッチアップです。MetaやApple、Microsoftなどのビックテックやユーザーの動向・先行活用事例など、日々変化する市場動向やナレッジへのキャッチアップが必要です。

このステップが、成果に繋がる骨太な戦略/企画策定の基盤となります。

Step2:戦略/企画の立案

2つ目のステップはメタバース運用の戦略/企画です。活用目的を踏まえ、中長期で目指す事業の姿や自社の強みの活用の仕方、実現に向けた企画を立案しましょう。

ユーザーバリューと自社の事業性の両方を満たす、質の高い戦略/企画の立案が、成果につながるメタバース活用の実現に向け最も重要なポイントとなります。

Step3:事業計画の策定

3つ目のステップは事業計画の策定です。事業に期待する成果や開発・運用のアプローチやタイムライン、必要な投資額などを検討しましょう。

メタバース開発・運用といっても、プロジェクト毎に求められるケイパビリティは様々であるため、自社にマッチするツール・ベンダーの選定が非常に重要です。

Step4:開発・運用

4つ目のステップが開発・運用です。メタバース開発・運用には幅広い領域の知見や技術スタックが求められるため、外部のベンダーなどを有効活用し、不足するケイパビリティやリソースを補完しつつ、ユーザーに届けたい体験を実現するメタバースの開発とマーケティングを含めた運用を実施しましょう。 

 

⇒関連サービス:メタバース総研のメタバース開発・運用サービスはこちら

 

4つのステップで取り組むべき35のステップに関しては、以下の関連記事で詳しく解説しています。

 

※関連記事:メタバースを活用した事業を作る方法|全4フェーズと35ステップ【担当者必見】

【タイプ別】メタバースの運用にかかる費用相場

タイプ別メタバース活用の費用

メタバースの運用は、メタバース空間の構築からリモートワークでの利用まで様々なタイプが存在し、タイプによって費用が大きく変わってきます。タイプ別の費用相場は以下の通りです。

 

  • ➀独自のユーザー向けメタバースサービスの構築:100万~1000万円超
  • ②オンラインショッピングへの活用:100万~1000万円超
  • ③プロモーションへの活用:10万~500万円超
  • ④メタバースイベントへの出展:無料~100万円超
  • ⑤独自の業務効率化向けメタバースサービスの構築:100万円~
  • ⑥リモートワークへの活用:無料~月額5万円程度

 

それぞれをわかりやすく解説しています。

 

※メタバース/XRの開発を検討する際に、必ず抑えておきたい、企画〜開発までの4つのステップやポイントをまとめた資料をダウンロード頂けます。
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➀独自のユーザー向けメタバースサービスの構築:100万~1000万円超

独自のユーザー向けメタバースサービスの構築:100万~1000万円超 凸版印刷
(画像:凸版印刷)

独自のユーザー向けメタバースサービスの構築の費用の相場は100~1000万円超とかなりケースバイケースとなっています。その理由としてはどの程度サービスを充実させるかや、どのような開発方法を用いるかによってかかる工数が大きく変わってくるからです。

 

例えば、VRChatやDOORをベースにする場合であれば100万円~、一方で0からオリジナルのメタバースを構築する場合は、シンプルな機能のもので500万円~、機能をリッチにすると1000万円異常が必要となってきます。

②オンラインショッピングへの活用:100万~1000万円超

オンラインショッピングへの活用:100万~1000万円超 三越伊勢丹
(画像:三越伊勢丹)

メタバースのオンラインショッピングへの活用にかかる費用の相場は100万~1000万円超となっています。自社独自のサービス構築をする場合や、メタバース上のショッピングモールに出展する場合など様々なパターンが存在します。

 

三越伊勢丹が構築する独自のメタバース上の仮想都市である「レヴ ワールズ」のように、独自のサービス構築をする場合は1000万円を超える費用が必要となります。

 

一方で、凸版印刷社が提供しているメタバース上のショッピングモール「メタパ」への出展の場合、費用は300万円~と、独自構築に比べると費用を抑えることが可能です。

③プロモーションへの活用:10万~500万円超

プロモーションへの活用:10万~500万円超 COCOAR
(画像:Cloud CIRCUS)

メタバースのプロモーションへの活用にかかる費用の相場は10万~500万円となっています。

 

日産自動車が新車発表会・試乗会向けのメタバースを構築した事例のように、0から独自のメタバース空間を構築する場合は500万円を超える高額な費用が必要となります。

 

一方で、AR作成ツールCOCOARなどの、メタバース制作ツールを活用する場合は、月額3万円程度からメタバースを作成することができます。

④メタバースイベントへの出展:無料~100万円超

メタバースイベントへの出展:無料~100万円超 バーチャルマーケット
(画像:HIKKY

メタバースイベントへの出展にかかる費用の相場は無料~100万円超となっています。

 

比較的小規模のメタバースイベントやメタバースプラットフォーム上に出展する場合であれば無料の場合もあります。

 

一方で、バーチャルマーケットなど多くのユーザーを集めるメタバースイベントの場合、リアルのイベント会場の出展と同様、100万円を超える出展費用が必要となります。

⑤独自の業務効率化向けメタバースサービスの構築:100万円~

川崎重工の工場を丸ごとメタバース化する計画
(画像:川崎重工)

独自の業務効率化向けメタバースサービスの構築にかかる費用は100万円~となっています。

 

製造業界での工場のメタバース化(デジタルツインの構築)や医療業界での遠隔手術支援システムなどは、業務効率化により大きな収益向上のインパクトが見込める一方で、各社独自のメタバースサービスを構築する必要があり、費用は100万円以上かかることが多いです。

⑥リモートワークへの活用:無料~月額5万円程度

リモートワークへの活用:無料~月額5万円程度 MetaLife
(画像:学研)

メタバースのリモートワークへの活用の相場は無料~月額5万円程度となっています。

 

例えば、リモートワーク向けのツールとしてMeta社が提供する「Horizon Workroom」や「Gather」など無料で利用できるものから、学研の提供する「metaLife」など月額数万円で利用できるものまで存在しますが、他の活用のタイプと比べると安価にメタバースを活用することが可能です。

 

一方で、より高い没入感を得るためにMetaQuestなどのVRゴーグルを購入する場合は、デバイスの費用が1台あたり約5万円必要となります。

おすすめのメタバース運用支援会社3選

おすすめのメタバースコンテンツ制作支援会社3選

おすすめのメタバース運用支援会社として、以下の3社が挙げられます。

 

  • クラスター:メタバースプラットフォームClusterを運営
  • メタバース総研:国内最大級の知見に基づき戦略/企画策定から開発まで支援
  • ③ハシラス:VRコンテンツ専門の制作会社

 

それぞれの会社の支援内容や特徴を分かりやすく紹介していきます。

①クラスター:メタバースプラットフォームclusterを運営

クラスター:メタバースプラットフォームclusterを運営
(画像:クラスター)

クラスター株式会社は、メタバースプラットフォームclusterの運営と、同プラットフォームを活用してメタバースコンテンツを提供したい企業の支援を行っています。

 

クラスターの強みとして以下の3点が挙げられます。

 

  • 1.100万アプリダウンロードを超えるメタバースプラットフォームを運営
  • 2.自社プラットフォームと連携した開発支援
  • 3.Cluster上での多数の企業の取り組み支援による知見

1.100万アプリダウンロードを超えるメタバースプラットフォームを運営

運営するclusterはアプリダウンロード数が100万を超えており、多くのユーザーを集めるメタバースプラットフォームとなっています。

 

そのため、より多くのユーザーにリーチしたい企業にとって、clusterの活用は有効な選択肢と言えます。

2.自社プラットフォームと連携した開発支援

clusterは、自社プラットフォーム上でメタバースコンテンツを提供したい企業向けのコンサル・開発支援も行っています。

 

そのため、cluster上でのメタバースの企画・開発の支援におけるスムーズな連携が特徴です。

3.cluster上での多数の企業の取り組み支援による知見

clusterは、これまでに幅広い業界の企業のclusterの活用支援実績を有しています。

 

そのため、企業のcluster活用に関する豊富なノウハウを活かした支援が強みとなっています。

②メタバース総研:国内最大級の知見に基づき戦略/企画策定から開発まで支援

メタバース総研:国内最大級の知見に基づき戦略/企画策定から開発・運用まで支援

メタバース総研は、企業向けのメタバース/XRのコンサルティング・開発を行っている会社です。

  

メタバース総研の強みとして以下の3点が挙げられます。

 

  • 1.国内最大級のメディア運営/豊富なコンサルティング経験による戦略策定力
  • 2.中立的な立場から各社に最適なツール/プラットフォームを選定可能
  • 3.強力なパートナー企業/クリエイターによる総合的な支援力

1.国内最大級のメディア運営/豊富なコンサルティング経験による戦略策定力

メタバース総研 国内最大級のメディア運営/豊富なコンサルティング経験による戦略策定力

メタバース総研は、国内最大級のビジネスに特化したメタバース/XRメディアの運営と幅広い業界の大手企業へのコンサルティング経験を通じた戦略策定力を強みとしています。

 

そのため支援の際は、クライアント企業様の事業の課題・活用の目的を踏まえたメタバース/XRの活用戦略/企画策定を徹底しています。このこだわりが、多くの企業が陥っている”メタバース/XR活用自体の目的化”を防ぎ、成果に繋がる活用を実現します。

2.中立的な立場から各社に最適なツール/プラットフォームを選定可能

メタバース総研 中立的な立場から各社に最適なツール/プラットフォームを選定可能

メタバース総研は、特定のメタバース/XR開発ツールやプラットフォームを有していません。

 

そのため、特定の開発ツールやプラットフォームの活用ありきの支援ではなく、中立的な立場からクライアント企業様のプロジェクト毎に最適なプラットフォームやツールを選定し、支援が可能です。

3.強力なパートナー企業/クリエイターによる総合的な支援

メタバース総研 強力なパートナー企業/クリエイターによる総合的な支援

メタバース総研は、技術領域・ユースケース毎に、業界を代表する実績/ソリューションを有する、12社の企業や38名のクリエイターとパートナーとして協働しています。

 

そのため、クライアント企業様の課題やご要望に合わせ、パートナー企業/クリエイターらとともに最適な各種ソリューションをご提供しています。

 
※メタバース総研は豊富な経験とナレッジに基づき、各社様に合わせた先進事例や具体的な活用アイデアなどの最新ナレッジをご提供させていただいております。 メタバース/XR活用でお困りの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
メタバース/XRのビジネス活用個別無料相談会の詳細はこちら

③ハシラス:VRコンテンツ専門の制作会社

ハシラス:VRコンテンツ専門の制作会社
(画像:ハシラス)

ハシラスは、VRコンテンツ専門の制作会社です。なかでもハイエンドVRデバイスと独自のハードウェア・ソフトウェアを組み合わせたVRアトラクションの企画・制作の実績が豊富です。

 

ハシラスの強みとして以下の3点が挙げられます。

 

  • ①豊富なハードウェア導入実績
  • ②オリジナル体感ハードウェアの作成
  • ③ハイエンドVRの豊富なノウハウ

1.豊富な導入実績・事例と圧倒的な体験ユーザー数

ハシラスは2014年からVRアトラクションの開発を行なっており、国内外問わず多数の施設にコンテンツを納入しています。多くの実績と、圧倒的な体験ユーザー数から得られるフィードバックにより、豊富な技術・知見を育んでいます

2.オリジナル体感ハードウェアの作成

VR向けライドなどの体感ハードウェアを自主制作している点がハシラスのコンテンツ制作の特徴であり、良好な体感性やアテンド性、酔い防止などの最新の知見を盛り込んだハードウェアを継続的に開発しています。

3.ハイエンドVRの豊富なノウハウ

ハシラスはハイエンドなVR機器をフル活用した体験価値の高いコンテンツ制作を得意としています。一般的な360度動画と異なり、現実の身体とVR空間が相互作用するコンテンツを実現可能です。アニメやマンガなどのIP活用においても、原作そのままの世界観に体験者自身が入り込んで活躍できるリッチなコンテンツ制作が可能です。

業界別|メタバースの運用事例11選

業界別|メタバースの運用事例11選

業界別のメタバースの運用事例11選は以下の通りです。

 

  • ①小売業界:三越伊勢丹が独自メタバース上に百貨店を再現
  • ②音楽業界:ぴあがバーチャルライブ向けの独自メタバースを構築
  • ③アパレル業界:BEAMSがメタバースイベントへの出展を通じリアル店舗への送客
  • ④飲食業界:マクドナルドが限定ゲームを楽しめる段ボール製のVRゴーグルを提供
  • ⑤観光業界:ANAがバーチャル旅行プラットフォーム設立を予定
  • ⑥広告業界:博報堂が国内初メタバース内の広告枠の販売を開始
  • ⑦不動産業界:大和ハウスがメタバース上の住宅展示場を自由に見学
  • ⑧ヘルスケア業界:comatsunaがアバターを介した対話によるメンタルケアサービスを提供
  • ⑨金融業界:みずほ銀行がメタバース上に店舗を開設し、決済機能提供などを検討
  • ⑩建設業界:奥村組がメタバース上で設計・施工のシミュレーション
  • ⑪教育業界:角川ドワンゴ学園がメタバースを活用した授業を実施

 

それぞれの事例についてわかりやすく紹介していきます。

①小売業界:三越伊勢丹が独自メタバース上に百貨店を再現

小売業界:三越伊勢丹が独自メタバース上に百貨店を再現
(画像:三越伊勢丹)

三越伊勢丹は、独自のメタバース上の仮想都市である「レヴ ワールズ」を構築し提供しています。来場者はアバターの姿で、デジタル空間の「バーチャル伊勢丹」での買い物を楽しむことができます。店員のアバターも配置され、チャット機能を使った接客も受けられます。

 

また、メタバース上ではバーチャルファッションショーを楽しんだりや人気格闘漫画『刃牙』シリーズに登場する“地下闘技場”をモデルとしたイベントスペースが設けられ、アバターとなった一部の人気キャラクターに会えたり、関連するデジタルアイテムを入手したりすることもできます。

 

他社のメタバース上で開催されるイベントへの出展事例が多いなか、三越伊勢丹は既に独自のメタバース空間を構築・提供しており、小売・百貨店業界のメタバース活用をリードする存在といえます。

②音楽業界:ぴあがバーチャルライブ向けの独自メタバースを構築

音楽業界:ぴあがバーチャルライブ向けの独自メタバースを構築
(画像:ぴあ)

ぴあ株式会社は、バーチャルライブプラットフォーム「NeoMe」(ネオミー)をスマートフォンアプリとして提供開始しました。「NeoMe」は、ユーザーがアバターとなってバーチャル空間に入り、バーチャルライブを中心に、ユーザー同士の交流やアバターのコーディネートを楽しむことができるスマートフォンアプリです。

 

ぴあは、「NeoMe」を通じて、次世代を担う若手パフォーマーに対して、バーチャルを起点とした新たな表現や活動の場を提供しています。ユーザーやファンは、同じ趣味の人とつながる場を提供し、パフォーマーとユーザーの新たなコミュニティづくりを支援します。

③アパレル業界:BEAMSがメタバースイベントへの出展を通じリアル店舗への送客

アパレル業界:BEAMSがメタバースイベントへの出展を通じリアル店舗への送客
(画像:BEAMS)

ファッション大手であるビームスはメタバース領域への参入を果たしています。具体的な取り組みとしては、世界最大のVRイベントである「バーチャルマーケット」に4度出展を行っています。バーチャルマーケットとはメタバース上にある会場で、アバターなどのさまざまな 3D アイテムや、リアル商品(洋服、PC、飲食物など)を売り買いでき、日本はもとより世界中から100万人を超える来場者を誇る世界最大のVRイベントです。

 

バーチャルマーケットでは、アバター用の洋服であるデジタルアイテムの販売やライブなどのイベントの開催が行われました。アバター用の洋服であるデジタルアイテムは、ビームスの2022年の秋冬商品を3Dモデルに起こした、Tシャツやワンピースなどの全7種類が販売されました。

 

また、ライブでは池田エライザさんがバーチャルライブを開催し、メタバースに着想を得た新曲の発表も行われました。一方でリアルでの商品販売も行われ、バーチャルマーケットの出展を記念したリアルな洋服の商品もビームスの公式オンラインショップにて販売されました。

 

4度目の参加の際には、関西のショップスタッフも含む約50名の社員が交代でバーチャル接客にあたり、メタバース上での接客を通じてリアル店舗への来客に繋がっている事例も生まれてきているとのことです。

④飲食業界:マクドナルドが限定ゲームを楽しめる段ボール製のVRゴーグルを提供

Happy Goggles – A virtual reality headset made from a Happy Meal Box.
(動画:マクドナルド)

スウェーデンのマクドナルドは、ハッピーセット販売30周年を記念して、ダンボール製のVRゴーグル「Happy Goggles」をハッピーセットのおまけとして販売しました。

 

Googleが開発したダンボール製の本体に手持ちのスマートフォンと組み合わせることで完成するヘッドマウントディスプレイ「Google Cardboard」と同じ仕組みで、ボックスを解体して組み立て、中にスマートフォンを入れれば、メタバース上でスキーのゲームを楽しむことができます。

⑤観光業界:ANAがバーチャル旅行プラットフォーム設立を予定

観光業界:ANAがバーチャル旅行プラットフォーム設立を予定
(画像:ANA)

ANAホールディングスは、2022年5月に新会社「ANA NEO」の設立を発表しました。同社は、インターネット上の仮想空間で様々なアトラクションを体験できる「バーチャル旅行プラットフォーム」SKY WHALEの設立・運営を担当する予定です。2022年内のサービス開始を目指しています。

 

ANAホールディングスでは、アバターロボット「newme」を用いた遠隔案内などの実証実験を行っていますが、ANA NEOでは、ANAグループが航空会社として培ってきた知見や「newme」が提供する各種サービスを活用し、ビジネスモデルのデジタル化を推進します。仮想空間での地域コミュニティによる経済発展や社会課題の解決を促進することで、生活者に新たな価値の創造を目指すとのことです。

⑥広告業界:博報堂が国内初メタバース内の広告枠の販売を開始

広告業界:博報堂が国内初メタバース内の広告枠の販売を開始
(画像:博報堂)

博報堂は国内企業としては初となる、メタバース空間内の広告枠の販売事業を開始しました。博報堂傘下のデジタル・アドバタイジング・コンソーシアム(DAC)社は、デイリーアクティブユーザー約5000万人を誇る、世界最大級のゲーム型メタバース「Roblox(ロブロックス)」内での広告枠の販売を開始しました。

 

広告主はRoblox内の建物や看板に画像や動画の広告を掲載することが可能です。広告費用は場所やサイズによるものの、2週間の掲載枠が80万円〜とのことです。

⑦不動産業界:大和ハウスがメタバース上の住宅展示場を自由に見学

不動産業界:大和ハウスがメタバース上の住宅展示場を自由に見学
(画像:大和ハウス)

大和ハウスはアバターを用いて担当者と見学者がコミュニケーションを図りながら仮想空間上の住宅展示場を自由に見学できる「メタバース住宅展示場」を公開しました。ユーザーはスマホやタブレット・PCからメタバースにアクセスでき、最大6名の見学者とともに担当者にリアルタイムに質問や相談を実施することが可能です。

 

メタバース上にある住宅展示場という特徴を活かし地面から屋根の上までさまざまな角度から見学できることに加え、室内では子どもやペットなどの視点でも見学が可能です。また、見学者が床や壁紙・天井等の色や素材、インテリアなどを瞬時に切り替えて、イメージを検討することもできます。今後、対応する住宅商品ラインナップを拡充していく方針とのことです。

⑧ヘルスケア業界:comatsunaがアバターを介した対話によるメンタルケアサービスを提供

ヘルスケア業界:comatsunaがアバターを介した対話によるメンタルケアサービスを提供
(画像:comatsuna)

デジタルヘルスケア・産業保健事業を手がけるcomatsuna社は先ごろ、メタバースを活用した法人向け社員メンタル支援サービス「メンサポドクター」をリリースしました。メンズサポートドクターは、アバターを介したオンラインでのコミュニケーションによりメンタルヘルスの改善を図るもので、人見知りや対面でのコミュニケーションに抵抗のある方にも、気軽に利用できるメンタルヘルスケアサービスを提供することを目的とし開発されました。

 

同社はアバターを介したコミュニケーションが、対面での対話に比べ、人々の緊張を和らげ、より早く心を開いてもらい、悩みを相談しやすくすることができると考えているとのことです。

企業もこのサービスを導入することで、社員の潜在的な不満や不安、問題点をいち早く検出することができるとともに、社員のメンタル不調予防、離職予防に繋げることができます。

⑨金融業界:みずほ銀行がメタバース上に店舗を開設し、決済機能提供などを検討

金融業界:みずほ銀行がメタバース上に店舗を開設し、決済機能提供などを検討
(画像:株式会社HIKKY)

みずほフィナンシャルグループは、2022年8月に開かれる世界最大のメタバースイベトである「バーチャルマーケット2022」への出展を発表しました。

 

銀行店舗をイメージした出店ブースでは、ボルダリング体験やオリジナル3Dモデルの配布をはじめ、ゲストを招いた金融知識に関する座談会が行われる予定です。座談会では、金融知識を有するみずほ社員と、アバターを介したコミュニケーションを取ることも可能となっています。

 

同社は、将来的にはメタバース上の店舗にて資産形成の相談や商談を実施したり、決済手段の提供などを含めたメタバース上での新たな経済活動に対するソリューションの提供を目指すとのことです。また、現状メタバースには統一された決済手段が存在しないため、みずほの決済サービス「J子コインペイ」の技術を応用した決済サービスの提供が検討されています。

⑩建設業界:奥村組がメタバース上で設計・施工のシミュレーション

建設業界:奥村組がメタバース上で設計・施工のシミュレーション
(画像:奥村組)

奥村組はメタバース上でのシュミレーションにより設計・施工の工数削減を目指すため、独自のメタバース空間である「メタバース技術研究所」の構築を発表しました。

メタバース技術研究所の構築にはSynemon社のVR構築サービス「NEUTRANS」が活用されました。

 

従来は建築用のモックアップを作るのは当たり前のことでしたが、原寸大で製作する場合、多くの産業廃棄物を発生させることになります。また、縮小版で制作する場合も、手戻りが発生した際に膨大な工数が発生するという問題がありました。

そこで、同社の技術研究所内にある実験棟をメタバース化することで、設計や施工の細部の精度を高め、室内環境の際現に必要な施工にかかる工数を削減することができます。

 

メタバース技術研究所では、4種類の日射条件が室内環境の快適性や省エネルギーに与える影響を検証することができます。仮想空間上で工事関係者の合意形成を行い、実験結果をもとに実際の増改築工事を進めることで、手戻りを減らすことが期待できます。
また、同社はメタバース技術研究所の取り組みによりSDGs(持続可能な開発目標)を推進するとしています。その理由は、現実の素材を一切使用しないことにあります。

⑪教育業界:角川ドワンゴ学園がメタバースを活用した授業を実施

教育業界:角川ドワンゴ学園がメタバースを活用した授業を実施
(画像:角川ドワンゴ学園)

IT企業ドワンゴの運営する通信制高校である角川ドワンゴ学園の普通科では、2021年4月からメタバースによる授業が導入されています。メタバース空間内で学習できるようにVRヘッドセットを配布し、同校で販売されている教材の大半はメタバースに対応しています。これまで紙の読み書きを覚えることが中心だった授業が、3D教材や史跡に触れるなど、疑似体験に重点を置いた授業に変わりました。

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豊富な経験・ナレッジを活かした戦略・企画策定

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数多くの企業様に対するコンサルティングや国内最大級のビジネス特化型メタバースメディアの運営で培った豊富な知見を活用し、成果につながる戦略・企画を策定します。

強力なパートナーシップによる最適なアプローチ設計

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各領域の業界を代表するソリューション提供企業とのパートナーシップを構築。案件毎に中立的な立場から、費用対効果の高いアプローチを設計します。

経験豊富なクリエイター・エンジニア・コンサルタントによる並走支援

3つの理由

業界トップクラスの経験/スキルを有するクリエイター・エンジニア・コンサルタントから、最適なメンバーをアサイン。戦略立案から実行まで並走し、社内のリソース不足を解決します。

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このナレッジの著者

メタバース総研 代表取締役社長

今泉 響介

株式会社メタバース総研(現・CREX)代表取締役社長。
慶應義塾大学経済学部卒業。学生起業した事業を売却後、日本企業の海外展開/マーケティングを支援する株式会社Rec Loc を創業・社長就任を経て、現職に。メタバースのビジネス活用に特化した国内最大級の読者数を誇るメディア「メタバース総研」の運営やメタバースに関するコンサルティング及び開発サービスの提供を行っている。著書に『はじめてのメタバースビジネス活用図鑑』(中央経済社)

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