入社式へのメタバース活用事例5選|3大メリットや注意点も解説
関連技術の発達やコロナによるリモートワークの普及とともに近年注目が集まっているメタバース。
メタバースの活用の幅は日に日に広がっており、最近では入社式にメタバースを取り入れている企業も増えています。
一方で、「入社式にメタバースを活用することを検討しているが、どのようなメリットがあるのかわからない」「入社式にメタバースを活用した企業の事例が知りたい」という方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、入社式へのメタバース活用事例をメリットや注意点とともに分かりやすくご紹介します。
本記事は、以下のような方におすすめの記事となっています。
- 入社式をメタバース上で開催することを検討している
- 入社式にメタバースを活用するメリットを知りたい
- 入社式にメタバースを活用した企業の事例が知りたい
本記事を読めば、入社式にメタバースを活用するメリットを事例とともに一気にキャッチアップできる内容となっておりますので、ぜひ最後までご一読ください。
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そもそもメタバースとは
メタバースとは一言でいうと、人々が様々な活動を行うことのできるインターネット上の3次元の仮想空間のことを指します。
メタバースの語源は「超越」を意味する「meta」と「世界」を意味する「universe」を組み合わせた造語だと言われています。メタバースという言葉が世界で初めて使われたのは、1992年にニール・スティーヴンスン氏が発表したSF小説「スノウ・クラッシュ」です。
メタバースにおいて、ユーザーはアバターと呼ばれる自身の分身の姿でメタバース空間にアクセスし、他のユーザーとコミュニケーションや経済活動を行うことができます。例えば、集まって会話をしたり、イベントやスポーツ、買い物などを楽しむことができます。
一般ユーザーに広く普及しているメタバースサービスとして、「Fortnite」や「Roblox」、「どうぶつの森」などのゲーム型のメタバース、「VRChat」や「Cluster」などのSNS型のメタバースが挙げられます。
メタバースへのアクセス方法としては、スマホやPCからもアクセス可能ですが、Apple Vision ProやMeta Questのようなヘッドマウントディスプレイからアクセスすることにより、より世界に没入したような体験が可能になります。
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入社式にメタバースを活用する3大メリット
入社式にメタバースを活用するメリットとして以下の3つが挙げられます。
- ①社員が住んでいる場所を問わず参加できる
- ②企業が大幅にコストを削減できる
- ③新入社員にメタバースならではの独自の体験を提供できる
それぞれのメリットについてわかりやすく紹介していきます。
①社員が住んでいる場所を問わず参加できる
1つ目のメリットは、社員が住んでいる場所を問わず参加できることです。
遠方に住んでいる社員でも、実際に会場まで赴く必要がなく、デバイスとインターネット環境さえあれば、どこからでも参加できます。
これにより、社員は、移動にかかる時間や交通費などを節約することができます。また、企業にとっても、遠方に住んでいる人を採用しやすくなることで、より多種多様な人材を集めることができるというメリットがあります。
②企業が大幅にコストを削減できる
2つ目のメリットは、企業が大幅にコストを削減できることです。
オフラインで入社式を開催する場合、新入社員全員を収容できる会場の確保、マイク・スピーカー等の機材の準備・設営などが必要となり、大きなコストがかかります。
一方、メタバース上で開催する場合、これらのコストはかからないので、企業としては大幅にコストを削減することができます。
③新入社員にメタバースならではの独自の体験を提供できる
3つ目のメリットは、新入社員にメタバースならではの独自の体験を提供できることです。
メタバース空間は、自由自在にデザインを変更することができるので、オフィスの様子を再現したり、大自然を映し出したりするなど、メタバースならではの会場をカスタマイズすることができます。
これにより、企業は、入社式という新入社員にとって最も重要な行事において、新入社員に対し、企業の個性やメッセージを効果的に伝えることができます。
入社式へのメタバース活用事例5選
入社式へのメタバース活用事例5選は以下の通りです。
- ①PwC:cluster上で華やかな演出を施した入社式を開催
- ②日本IBM:毎年異なる世界を再現したメタバース空間で入社式を開催
- ③monoAI technology:バーチャルの桜がそびえるエリアで入社式を開催
- ④システナ:リアル×メタバースのハイブリッド型入社式を開催
- ⑤FIXER:既存社員が新入社員をメタバース上で迎える入社式を開催
それぞれの事例についてわかりやすく紹介していきます。
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①PwC:cluster上で華やかな演出を施した入社式を開催
PwCは、メタバースプラットフォームcluster上で入社式を開催しました。
入社式には、約500名の新入社員が参加し、様々な演出や仕掛け、アートを楽しむことができました。さらに、入社式前には、代表から直筆のメッセージを含む招待状が郵送されるなどリアルの側面からも新入社員を祝福する仕掛けを設定しました。
また、入社式が行われたメタバース空間上に、障がいを持った人たちが作成したアート作品を展開することで、PwCが積極的に推進している「テクノロジーと人の融合」や「インクルージョン&ダイバーシティ」をメタバース上でも表現しました。これは、メタバースを活用して企業の個性やメッセージを新入社員に伝える試みとして参考になる事例といえます。
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②日本IBM:毎年異なる世界を再現したメタバース空間で入社式を開催
日本IBMは、海沿いや宇宙空間など、毎年異なる世界を再現したメタバース空間を独自に開発し、そこで入社式を開催しています。新入社員はアバターを操作して入社式に参加し、式の終わりにはバーチャルのランタンを打ち上げ、入社の決意表明をするなど、リアルの入社式では体験できない独自の体験をすることができました。
また、会場のスペースという制約がないメタバース上で開催されたため、新入社員だけでなくその家族も参加するなど、より多くの人に会社のメッセージを伝えることに成功しました。
③monoAI technology:バーチャルの桜がそびえるエリアで入社式を開催
メタバースサービスを提供するmonoAI technologyは、メタバースプラットフォームXR CLOUD上で入社式を開催しました。会場には、バーチャルの桜が映し出されるなど、季節感を味わえる独特の演出が施されました。
また、正面及び両サイドにはバーチャルのモニターが設置され、新入社員が挨拶をしたり、各部署からのビデオメッセージが上映されました。式の最後には、アバター姿の新入社員が集まって記念撮影をするなど、リアルの入社式と同じような体験をすることができました。
④システナ:リアル×メタバースのハイブリッド型入社式を開催
システナは、本社内のカフェテリアにてリアルの入社式を開催しながら、同時にメタバース上でも開催するという、リアル×メタバースのハイブリッド型入社式を開催しました。入社式が行われたメタバース空間は自社のカフェテリアを再現しただけでなく、宇宙空間を映し出すなど独特の演出も施されました。
新入社員はアバターの姿で、メタバース上を移動しながら、各部署のサインボードを見て回ったり、代表や先輩社員の祝辞を聞いたりするなど、リアルの入社式で体験できることをそのままメタバース上で体験することができました。
コロナによるリモートワークの普及により多様化したコミュニケーション環境に柔軟に対応し、子育てをしながら働く人や介護をしながら働く人など、様々な事情を抱えた人が働きやすい環境を構築していく姿勢を示す狙いがあったと考えられます。
⑤FIXER:既存社員が新入社員をメタバース上で迎える入社式を開催
クラウドやAIサービスを提供する株式会社FIXERは、対面での入社式に加え、既存社員がメタバース空間で新入社員を迎える”ウェルカム22(ニーニー)ミーティング”という入社式を開催しました。FIXER独自のメタバースプラットフォームmetaverse cloudが用いられました。
入社式は第一部と第二部に分かれ、第一部では対面で、代表の祝辞や辞令交付等が行われました。そして、第二部では、ウェルカム22(ニーニー)ミーティングと題して、既存社員がメタバース空間から参加し、新入社員を歓迎しました。
このように、完全にメタバース上で開催するのではなく、リアルの入社式の一部にメタバースを取り入れる方法によっても、新入社員に独自の体験を提供することができます。
企業がメタバース活用で成果を上げるための5つのポイント
企業がメタバース活用で成果を上げるためのポイントとして以下の5つが挙げられます。
- ①最先端の市場動向・ノウハウのキャッチアップ
- ②活用目的の明確化と骨太な戦略策定
- ③ユーザーファーストなUX設計
- ④アジャイルアプローチによるプロジェクトの推進
- ⑤強力な開発・運用体制の構築
それぞれについて分かりやすく紹介していきます。
①最先端の市場動向・ノウハウのキャッチアップ
1つ目のポイントは、最先端の市場動向・ノウハウのキャッチアップです。
デバイスの進化やユーザーの動き、各領域の先進事例をキャッチアップし、自社が取り組むべき活用方法や成果に繋がる活用のポイントを抑えた上で活用に着手しましょう。
メタバース活用には取り組むのに一定の予算や工数が必要となるため、自社にとって重要な最新動向や活用のノウハウを抑えておくことが、成功確度の高い戦略・企画立案の大前提となります。
②活用目的の明確化と骨太な戦略の立案
2つ目のポイントは、メタバースを活用する目的の明確化と骨太な戦略の策定です。
現在メタバース活用に取り組む企業には、メタバース活用の取り組みが単発で終わってしまっている企業が見受けられます。
その結果、活用のPDCAが回らない、メタバース活用が小粒な施策の1つに留まってしまうなど大きな収益機会の獲得に繋がらないという結果に終わってしまいます。
自社の経営課題を踏まえ、「活用によりどのような経営課題を解決したいのか?」「課題解決の打ち手としてなぜメタバースではないといけないのか?」といった明確な活用目的を整理した上で、中長期で目指す事業の姿や自社の強みの活用の仕方などの実現に向けた戦略を立案しましょう。
③ユーザーファーストな企画・UX設計
3つ目のポイントは、自社のターゲットにとってユーザーファーストなメタバースの企画・UX設計です。
現在、多くの企業がメタバースに参入を進めていますが、そのなかには、企業側の都合のみでサービス・体験が設計されたようなメタバースが多く存在します。それらのメタバースは、ユーザーに利用されず、企業の活用の目的を達成できない結果に終わってしまいます。
そのため、「メタバースならではの高い体験価値を届けられているか」や「ユーザーの利用にあたっての手間や負担が大きくないか」といった観点を踏まえたUX設計が重要です。
④アジャイルアプローチによるプロジェクトの推進
4つ目のポイントは、アジャイルアプローチによるプロジェクトの推進です。
メタバース市場は今後大きな成長が予想されているものの、いまだ成長期にあり、様々な業界の企業が中長期的な収益最大化に向け、最適な活用を模索している段階にあります。
そのため、計画と実行のプロセスを短いスパンで回し、仮説立案・実行・検証・施策立案のサイクルを何度も繰り返すことが、プロジェクトを机上の空論で終わらせないために重要です。
⑤強力な開発・運用体制の構築
5つ目のポイントは、強力なメタバース開発・運用体制の構築です。
高いユーザー体験と事業性を両立するメタバースの開発とマーケティングを含めた運用を実施しましょう。
メタバース開発・運用には幅広い領域の知見や技術スタックが求められるため、外部のベンダーなどを活用し、不足するケイパビリティやリソースを補完することも有効です。
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