社内コミュニケーションにメタバースを活用する3大メリットと活用法

コロナによるリモートコミュニケーションの普及に伴い、世界的に注目を集めるようになったメタバース。

そんな中、社内コミュニケーションにメタバースを活用する企業も増えています。

 

一方で、「メタバースを社内コミュニケーションに活用するイメージがわかない」「メタバースをどのように社内コミュニケーションに活用すればいいかわからない」という方も多いのではないでしょうか?

 

そこで今回は、社内コミュニケーションにメタバースを活用するメリットや方法を分かりやすくご紹介します。

本記事は、以下のような方におすすめの記事となっています。

 

  • メタバースを社内コミュニケーションに活用することを検討している
  • メタバースを社内コミュニケーションに活用することのメリットが知りたい
  • メタバースを社内コミュニケーションに活用する方法が知りたい

 

本記事を読めば、社内コミュニケーションにメタバースを活用するメリットからその方法まで一気にキャッチアップできる内容となっておりますので、ぜひ最後までご一読ください。


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そもそもメタバースとは

そもそもメタバースとは VRChat
(画像:VRChat

メタバースとは一言でいうと、人々が様々な活動を行うことのできるインターネット上の3次元の仮想空間のことを指します。

 

メタバースの語源は「超越」を意味する「meta」と「世界」を意味する「universe」を組み合わせた造語だと言われています。メタバースという言葉が世界で初めて使われたのは、1992年にニール・スティーヴンスン氏が発表したSF小説「スノウ・クラッシュ」です。

 

メタバースにおいて、ユーザーはアバターと呼ばれる自身の分身の姿でメタバース空間にアクセスし、他のユーザーとコミュニケーションや経済活動を行うことができます。例えば、集まって会話をしたり、イベントやスポーツ、買い物などを楽しむことができます。

 

一般ユーザーに広く普及しているメタバースサービスとして、「Fortnite」や「Roblox」、「どうぶつの森」などのゲーム型のメタバース、「VRChat」や「Cluster」などのSNS型のメタバースが挙げられます。

 

メタバースへのアクセス方法としては、スマホやPCからもアクセス可能ですが、Apple Vision ProやMeta Questのようなヘッドマウントディスプレイからアクセスすることにより、より世界に没入したような体験が可能になります。

 

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社内コミュニケーションにメタバースを活用する3大メリット

社内コミュニケーションにメタバースを活用する3大メリット

メタバースを社内コミュニケーションに活用することで大きく以下の3つのメリットが得られます。

 

  • ①生産性の向上
  • ②コミュニケーションの円滑化
  • ③自然発生的なコミュニケ―ションの創出

 

それぞれのメリットについてわかりやすく紹介していきます。

 

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①生産性の向上

リモートワーク環境において、ディスカッションをしながら会議を進めるなど複数人での仕事に関して、ホワイトボートを用いてイメージを共有することができないなど、オフィスでの作業と比べて生産性が落ちてしまう場面が存在します。

 

そこでメタバースオフィスを活用することで、ホワイトボード上への書き込み機能など実際のオフィスに近い環境をバーチャル上に再現し生産性を高めることができます。

②コミュニケーションの円滑化

SlackなどのチャットツールやZOOMなどのビデオ通話の活用により、以前よりはコミュニケーションが活発に行われるようになったものの、相手の細かい表情やボディーランゲージなどから相手の心理状況や伝えたいニュアンスを読み取ることは難しいのが現状です。

 

特に「上司と新入社員間のコミュニケーション」では、以下のような悩みが生じます。

 

  1. 十分に会話し、フォローできる時間がない
  2. 年齢差によるジェネレーションギャップ
  3. 自身の言葉を新入社員が理解しているかわからない
  4. ハラスメント(セクハラ、パワハラ)と思われないか不安

 

参考:新入社員とのコミュニケーション術(上司・先輩社員向け) | 社員研修や雑談でモチベーションを上げる方法|NEO FLAG.

 

そこでメタバースオフィスを導入することで、それらの課題を解決し、よりコミュニケーションを円滑化することができます。

③自然発生的なコミュニケ―ションの創出

リモートワーク環境下では、SlackなどのチャットツールやZOOMなどのビデオ通話の活用により、明確な目的がある際のコミュニケーションは行えるものの、オフィスでたまたま近くにいる同僚と雑談するといった自然発生的なコミュニケーションの機会が限られているのが現状です。

 

そのため、メタバースオフィスを導入することで、自然発生的なコミュニケーションの機会を創出し、社員同士での心理的な繋がりや新たな取り組みへのきっかけを提供することができます。

社内コミュニケーション向けのメタバースの3つのタイプ

メタバースオフィスの種類と選び方

社内コミュニケーション向けのメタバースには以下の3つのタイプがあります。

 

  • ①3Dメタバース:Horizon Workrooms、Mesh for Microsoft Teamsなど
  • ②2Dメタバース:oVice、Gather、MetaLifeなど
  • ③音声特化メタバース:Tandem、roundzなど

 

それぞれについて、選び方とともに分かりやすく紹介していきます。

 

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①3Dメタバース:Horizon Workrooms、Mesh for Microsoft Teamsなど

3Dメタバース:Horizon Workrooms、Mesh for Microsoft Teamsなど
(画像:Meta)

1つ目のタイプが3Dメタバースで、Horizon Workrooms、Mesh for Microsoft Teamsなどの3Dの仮想空間上で社内コミュニケーションを行うメタバースのことを指します。利用する際はVRやMRのヘッドセットを使用することで、お互いの表情やハンドジェスチャーなどを確認することができ、オフィスで一緒に働いているかのようなより高い没入感を得ることができます。

 

3Dメタバースは以下のような企業におススメです。

  • 実際にオフィスにいるかのようなリアルに近い環境を再現したい
  • 社内でのコミュニケーションや会議を頻繁に行う
  • 3Dメタバースオフィスの運用を行えるほどの通信環境が整っている

②2Dメタバース:oVice、Gather、MetaLifeなど

2Dメタバース:Gather、oViceなど
(画像:oVice株式会社)

2つ目のタイプが2DメタバースでGather、oViceなどの2Dのオフィスマップ×音声コミュニケーションによりリモートワーク時のコミュニケーションを円滑化するメタバースのことを指します。

 

3Dメタバースに比べると、ユーザー同士の表情やハンドジェスチャーなどを確認することができないものの、ヘッドセット無しでPCからアクセス可能な点や、データ通信環境に依存しない点、適度な距離感を保ちながら社内コミュニケーションが可能な点がメリットとして挙げられます。

 

2Dメタバースは以下のような企業におススメです。

  • 社内コミュニケーションや会議の頻度が高くない
  • 社員がPCから手軽にメタバースオフィスにアクセスできるようにしたい
  • 高度な通信環境やヘッドセットを備えることが難しい

③音声特化メタバース:Tandem、roundzなど

音声特化メタバース:Tandem、roundzなど
(画像:Tandem)

3つ目はTandem、roundzなど音声コミュニケーションに特化したタイプです。こちらのタイプは、視覚的な情報が無いため、メタバースと言われることはあまりありません。基本的にはバーチャルオフィスと呼ばれます。

 

音声特化メタバースは以下のような企業におススメです。

  • 本格的なバーチャルオフィスを利用するのに心理的な抵抗がある
  • 通信やPCの環境が整っていない
  • コストをできるだけ低く抑えたい

社内コミュニケーション向けメタバースサービス6選

おすすめのリモートワーク向けメタバースサービスは以下の6つです。

 

  • ➀Horizon Workrooms:Meta社の提供するバーチャル会議室サービス
  • ②Mesh for Microsoft Teams:マイクロソフト社の提供するアバター会議ツール
  • ③oVice:自由に動いて話しかけられるバーチャル空間
  • ④Gather:ドット絵RPG風の2Dのマップ型メタバースオフィス
  • ⑤MetaLife:オフィスや教室として利用できるコミュニケーションツール
  • ⑥RISA:アバターを軸としたメタバースオフィス

 

それぞれのサービスについてわかりやすく紹介していきます。

 

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①Horizon Workrooms:Meta社の提供するバーチャル会議室サービス

Horizon Workrooms:Meta社の提供するバーチャル会議室サービス
(画像:Meta)

Horizon WorkroomsとはMeta社が提供しているバーチャル会議室サービスです。どこにいても、同僚とより良く一緒に仕事をすることを目的としており、アバターとしてVR空間で会議に参加したり、パソコンのビデオ通話でバーチャルルームにダイヤルインしたりすることができます。

 

また、参加者のアイデアをまとめるために大きなバーチャルホワイトボードを使用したり、自分のコンピューターやキーボードをVR空間に持ち込んだりすることができます。

料金プランは無償であり、Oculus Quest 2の利用可能な全ての国でHorizon Workroomsをダウンロードすることができます。

 

Horizon Workroomsの特徴としては大きく2点あり、1点目がデスク、パソコン、キーボードも一緒にVR空間へ持っていける点、2点目が同僚と一緒にいるような感覚になる点です。

 

1点目のデスク、パソコン、キーボードも一緒にVR空間へ持っていける点に関しては、「Horizon Workrooms」は、複合現実であり、物理的なデスクやキーボードをバーチャルルームに持ち込み、バーチャル会議室の机の上に置くことができますです。

 

2点目の同僚と一緒にいるような感覚になる点に関しては、高品質かつ低遅延の空間オーディオにより、着席している位置によって声の聞こえ方が変わるため、まるで実際に同じ部屋で仕事をしているかのように感じることができます。

 

Horizon WorkroomsはMeta社が提供しているため、今後ユーザー数が大きく伸びると予想されるメタバースのオフィスの一つです。

②Mesh for Microsoft Teams:マイクロソフト社の提供するアバター会議ツール

Mesh for Microsoft Teams:マイクロソフト社の提供するアバター会議ツール
(画像:マイクロソフト)

Mesh for Microsoft Teamsとはマイクロソフトが提供しているアバター会議ツールです。会議へ参加する人のコミュニケーション活性化を目的としており、Microsoft Meshの複合現実機能(アバターなど)とTeams の生産性向上ツール(チャット、会話)などを融合させています。

正式リリースがされていないため、料金プランは未定だがTeamsの月額費用(¥0〜¥1,360* プランによって異なる)に含まれることが予想される。

 

Mesh for Microsoft Teamsの特徴としては大きく2点あり、1点目がOfficeアプリケーションとの統合ができる点、2点目がドロップインスペース(雑談ができる空間)がある点です。

 

1点目のOfficeアプリケーションとの統合ができるに関しては、Officeアプリケーションとの統合によって、PowerPointのプレゼンテーションなどを会議中に表示することができます。

 

2点目のドロップインスペース(雑談ができる空間)がある点に関しては、新しいアイディアやビジネスチャンスを生み出すことを目的として、メンバー同士の自然で自発的なやりとりが発生するスペースを常に設けています。

 

Mesh for Microsoft Teamsはマイクロソフト社が提供しているサービスであるため、今後はマイクロソフトのユーザーアセットを活用して、ユーザー数が大きく伸びると予想されるメタバースのオフィスの一つです。

③oVice:自由に動いて話しかけられるバーチャル空間

oVice:自由に動いて話しかけられるバーチャル空間
(画像:oVice)

oViceとはoVice株式会社が提供している自由に動いて話しかけられるバーチャル空間サービスです。「オンラインでのコミュニケーションを最大化」することを目指して開発されたバーチャル空間で、アバターを使ってオンライン画面上を自由に動いて自由に話しかけることができます。

 

料金プランはオフィス利用におすすめの継続利用とイベントにおすすめの単発利用があり、継続利用は月額¥5,500〜、単発利用は週額¥2,750〜利用することができます。また、データダッシュボードもオプションとして月額¥5,500で追加することができます。

 

oViceの特徴としては大きく2点あり、1点目がアバター間の距離に応じて声の大きさが変化する点、2点目がひと目でバーチャル空間全体を把握できる点です。

 

1点目のアバター間の距離に応じて声の大きさが変化する点に関しては、アバターを使ってオンライン画面上を自由に動いて自由に話しかけることができ、自分のアバターに近い声は大きく、遠くの声は小さく聞こえる仕組みが導入されています。

 

2点目のひと目でバーチャル空間全体を把握できる点に関しては、上記の写真のようにバーチャル空間全体をひと目で見渡して、誰がどこにいるかを確認することができます。

 

これらの特徴が多くのユーザーに刺さり、利用企業数は2,034社以上、60,000人以上がoVice(オヴィス)を利用しています。

④Gather:ドット絵RPG風の2Dのマップオフィス

Gather:ドット絵RPG風の2Dのマップオフィス
(画像:Gather)

GatherとはGather Presence社が提供しているリモートワーク向けのメタバースオフィスサービスです。ドット絵RPG風の2DのマップとWeb通話システムを組み合わせて作成されており、各ユーザーは各々のアバターの姿でマップ上を歩き回ることができ、マップ自体もカスタマイズ可能です。

 

また、通話はマップ上の距離が近いユーザー同士が自動で接続され、距離が離れるごとに音量が小さくなっていく仕様となっており、実際にリアルなオフィスで話しているような体験をすることが可能です。

料金プランは1チーム25人までは無料で利用することができ、それ以降はいくつかのプランから選んで課金することで、ユーザー1人当たりの使用時間や参加人数の上限を開放することができます。

 

Gatherの特徴としては大きく2点あり、1点目がカジュアルな雑談のきっかけが生まれる点、2点目が程よいプライベート空間が確保できる点です。

 

1点目のカジュアルな雑談のきっかけが生まれる点に関しては、他のSlackやZOOM、Discordなどのリモートワークツールに比べ、わざわざ機会を作らずとも、たまたま近くにいた同僚と話すことができるという特徴があります。そのため、リアルなオフィスで働いているのに近い環境を再現することができます。

 

2点目の程よいプライベート空間が確保できる点に関しては、GatherにはMapmakerという機能が搭載されており、その機能を使うと他のユーザーに話しかけられないプライベート空間を設定することができます。そのため、作業に集中したい時間はそのエリアに移動し集中するということが可能です。

 

これらの特徴が多くのユーザーに刺さり、Gatherは2020年のサービス提供開始以来、ユーザー数が280万人を突破するなど、コロナ禍でのリモートワークへの移行をきっかけに多くのユーザーに利用されています。

⑤MetaLife:オフィスや教室として利用できるコミュニケーションツール

MetaLife:オフィスや教室として利用できるコミュニケーションツール
(画像:MetaLife)

MetaLifeとは株式会社ベンドが提供しているオフィスやイベントスペースや教室として利用できるコミュニケーションツールです。「みんなと集まる」という現実世界の感覚をオンライン上で再現できるメタバース空間であり、様々な用途に利用できるサービスです。

料金プランは1チーム25人までは無料で利用することができ、それ以降は継続利用は月額¥22,000〜、単発利用は週額¥2,750〜利用することができます。

 

MetaLifeの特徴としては大きく2点あり、1点目がリアルに近いコミュニケーションが出来る点、2点目がメタバース空間の種類が豊富な点です。

 

1点目のリアルに近いコミュニケーションが出来る点に関しては、チームの全員がアバターとなってひとつのスペースに参加して、話しかけたいときはアバターを近づけるだけという特徴があります。

 

2点目のメタバース空間の種類が豊富な点に関しては、MetaLifeにはオフィス、学校の教室、豪邸、ビーチ、宇宙といった何百種類ものデザインが用意されており、必要に応じて使い分けることができます。ユーザー数が他のサービスと比較すると少ないですが、大企業から個人まで累計10,000人以上に利用されています。

⑥RISA:アバターを軸としたメタバースオフィス

RISA:アバターを軸としたメタバースオフィス
(画像:RISA)

RISAとは株式会社OPSIONが提供しているアバターを軸としたメタバースオフィスです。オフィスだけでなく、社内外イベントやフリーランス事務所としても活用することができます。他のサービスと比較して同時接続可能数が少ないため、チーム規模やイベント規模が小さい方に適しているメタバースオフィスです。

 

料金プランはスモールプラン(同時接続数:5人)が4,000円 / 月、ベーシックプラン(同時接続数:30人)が10,000円 / 月、スタンダードプラン(同時接続数:50人)が30,000円 / 月となっております。

 

RISAの特徴としては大きく2点あり、1点目がステータス機能でメンバーの状況を把握できる点、2点目がセキュリティ対策がされている点です。

 

1点目のステータス機能でメンバーの状況を把握できる点に関しては、アバターに「休憩中」や「電話中」や「作業中」などステータスを表示できるという特徴があります。

 

2点目のセキュリティ対策がされている点に関しては、2022年3月よりISMS(ISO27001認証)を取得しており、安心・安全にRISAを利用できます。

 

ユーザー数は他のサービスと比較すると少ないですが、大企業から個人まで累計5,000人以上に利用されています。

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このナレッジの著者

メタバース総研 代表取締役社長

今泉 響介

株式会社メタバース総研(現・CREX)代表取締役社長。
慶應義塾大学経済学部卒業。学生起業した事業を売却後、日本企業の海外展開/マーケティングを支援する株式会社Rec Loc を創業・社長就任を経て、現職に。メタバースのビジネス活用に特化した国内最大級の読者数を誇るメディア「メタバース総研」の運営やメタバースに関するコンサルティング及び開発サービスの提供を行っている。著書に『はじめてのメタバースビジネス活用図鑑』(中央経済社)

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