5大メタバースプラットフォームをマーケティングに活用する方法
メタバース総研は国内外の最新業界動向をウォッチするなかで、これまで200記事以上のメタバース活用事例に関する記事をリリースし、多くの方からご好評を頂いております。
今回は、5大メタバースプラットフォームをマーケティングに活用する方法と各プラットフォームごとの事例を厳選してご紹介します。
本記事は、以下のような方におすすめの記事となっています。
- 主要なメタバースプラットフォームの特徴、できることを知りたい
- 自社がメタバースを活用してどんなことができるか検討している
- 具体的にどのように活用を進めたらいいか分からない
本記事を読めば、メタバースプラットフォームをマーケティングに活用するための知見を一気にキャッチアップし、参考になる事例が見つかると思いますので、ぜひ最後までご一読ください。
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目次
- メタバースをマーケティングに活用する3つのメリット
- メタバースをマーケティングに活用する4つの方法
- マーケティングにおススメの5大プラットフォームと活用方法
- ①Fortnite:クリエイティブ要素のあるFPSメタバースゲーム
- ②Roblox:ユーザー自身が制作したゲームを他のユーザーが楽しめるプラットフォーム
- ③ZEPETO:Z世代の女性に大人気のアバターSNSアプリ
- ④VR Chat:没入感のある体験が魅力的なSNSメタバース
- ⑤cluster:バーチャル空間上での会話、ゲームが可能な日本発最大級のメタバースプラットフォーム
- 成果につながるメタバース活用に向けた3つのポイント
- 費用対効果・実現性が高いメタバース活用方法
メタバースをマーケティングに活用する3つのメリット
メタバースをマーケティングに活用するメリットとして主に以下の3つが挙げられます。
- ①若年層への認知獲得
- ②ブランドへのロイヤリティ強化
- ③話題性を活かしたマス向けの認知獲得
それぞれのメリットについて分かりやすく紹介していきます。
①若年層への認知獲得
メタバースは新サービスへの受容性が高い若年層を中心に急速に普及が進んでおり、メタバースを活用することで若年層への認知獲得が期待できます。例として、デイリーアクティブユーザー約5,000万人を誇るメタバースサービスのRobloxは、ユーザーの半数以上が13歳未満です。若年層をターゲットとした新たなマーケティング・広告の手法として、メタバースの活用が注目を集めています。
②ブランドへのロイヤリティ強化
メタバース上での楽しい/面白い体験を通じ、自然とブランドへのロイヤリティを強化することができます。WEB/SNS広告は、「認知される」ことに留まってしまう傾向があるのに対し、メタバースを活用したマーケティングではロイヤリティ強化に直結する体験を提供できるのが強みです。
今後はエンタメと広告の境界が融合し、ブランドが提供する体験を通じた認知・消費行動が加速すると考えられます。
③話題性を活かしたマス向けの認知獲得
企業は早期にメタバース活用に取り組むことで、それ自体がメディアから注目を集め、マス向けに認知獲得を狙うことができます。メタバースは社会的に注目度が高く、メディアが積極的に取り上げ話題となりやすいのが特徴です。既にメタバース活用に取り組む企業は、この副次的効果も重視しているようです。
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メタバースをマーケティングに活用する4つの方法
メタバースをマーケティングに活用する方法として主に以下の4つが挙げられます。
- ①企業ワールド作成
- ②イベント開催
- ③アバター配布/販売
- ④広告出稿
それぞれの活用方法について分かりやすく紹介していきます。
①企業ワールド作成
1つ目の活用手法は、FortniteやRobloxに代表される大手メタバースプラットフォーム上での自社ワールドの制作です。メタバースプラットフォーム上に、自社の実店舗を再現したワールドや、自社のブランドイメージをゲームを通じて体験してもらえるワールドを展開することができます。企業のメリットとしては、急速に普及が進むメタバースプラットフォーム上の多数のユーザーに対し、メタバースならではの体験を通じ、自社の商品やブランドの魅力を深く訴求できることなどが挙げられます。
②イベント開催
2つ目の活用手法は、メタバース上でのイベントの開催です。アーティストを集めたライブイベントやバーチャルマーケットのような企業を集め各企業がコンテンツを提供するイベントなど、幅広い内容のイベントを開催することができます。
リアルでのイベント開催に比べたメリットとして、幅広いエリアから多くのユーザーを集客できる点、メタバースならではユニークな体験を届けることができる点、会場費や運営費などのコストを節約できる点などが挙げられます。
企業のメリットとしては、イベント開催により、イベントへの入場券やデジタルコンテンツの販売など非常に収益性の高い新たなビジネスを展開できることなどが挙げられます。
③アバター配布/販売
3つ目の活用手法は、メタバース上での自社オリジナルのアバターやスキンの配布・販売です。多数のユーザーに対し、自社のブランドや商品をモチーフとしたアバターやアバターが着用するスキンを配布・販売することができ、大手ラグジュアリーブランドを中心に活用が進んでいます。
企業のメリットとしては、メタバースプラットフォームの多数のユーザーに対し、自社ブランドをPRできる点やコンテンツへの課金による収益を獲得できる点などが挙げられます。
④広告出稿
4つ目の活用手法は、大手メタバースプラットフォームでの広告出稿です。現実世界の屋外広告のように、メタバースプラットフォーム上の看板や建物の壁などに広告を出稿することができます。企業のメリットとしては、若年層を中心に急速に普及が進み、多くの視線を集めるメタバースをメディアとして活用し、自社の商品やブランドの魅力をPRできることが挙げられます。
マーケティングにおススメの5大プラットフォームと活用方法
マーケティングへの活用におススメの5大メタバースプラットフォームは以下の通りです。
それぞれのプラットフォームの概要、活用方法、事例などをわかりやすく紹介します。
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①Fortnite:クリエイティブ要素のあるFPSメタバースゲーム
Fortniteの概要
Fortniteは、2017年にリリースされた総ユーザー数約3.5億人、月間アクティブユーザー数最大6,200万人を誇るメタバースゲームです。ゲーム内でリアルタイムでのユーザー同士のコミュニケーションが活発に行われている点や、アーティストのライブなどゲーム以外での利用もされている点から、世界を代表するメタバースプラットフォームの1つとも言われています。
Fortniteのユーザー情報
- 月間アクティブユーザー数
- 世界:約7000万人
- 日本:数百万人(推計)
- ユーザー層
- 年齢:10-30代が中心
- 性別:男性約7割、女性約3割
Fortniteのコア体験
1.建築を用いたFPS(一人称視点シューティングゲーム)
基本のバトルロワイヤルFPS機能に加え、プレイヤーは銃で撃ち合って遊ぶだけでなく、自ら建築して戦うフィールドを作ることができます。
2.ライブ等によるゲーム以外のエンタメ要素
ライブイベントの開催を中心にゲーム以外のエンタメ要素も人気を博しています。日本では米津玄師や星野源、海外ではマシュメロやトラヴィス・スコットといった大物アーティストがFortnite上でバーチャルライブを開催しました。
Fortniteのマーケティングへの活用方法
1.企業ワールド作成
企業はFortnite内にオリジナルゲーム/ワールドを制作し、ユーザーにプレイしてもらうことができます。ゲーム/ワールド内に広告を掲載し、訪れたプレーヤーへの企業・商品PRを行うことが可能です。Fortniteは公式が高精度のゲーム制作システムを提供しているため、企業はユーザーに質の高い体験を提供できる本格的なゲーム向けのワールドを作り、多くのユーザーがそのワールドを利用することで企業のマーケティング効果がより高まるエコシステムを確立できている点が大きな特徴となっています。
2.アバター・スキン配布/販売
企業は自社商品をアバターやスキンとしてFortnite内で作成し、無料配布/有料販売することができます。これによりデジタル収益を獲得したり、企業・商品のPRを行ったりすることが可能です。Fortnite運営は参入した企業のアバターやスキンのPRを積極的に行うため、アクティブユーザーには概ね認知される点が強みとなっています。
Fortniteのビジネス活用における注意点
1.ゲーム/ワールドの制作コスト
Fortniteにおける自社ゲーム/ワールドの制作を制作会社に外注する場合は制作費として、数十〜数千万円程度は必要になります。
2.運営からの許諾
Fortniteにおいてゲーム/ワールド制作の際は不要ですが、公式アバターを作成する際は運営からの許諾が必要な場合があるため、先に問い合わせをしておきましょう。
Fortniteのマーケティングへの活用事例2選
1.Verizon:独自のワールドを制作しPRに活用
米大手通信事業者のVerizon社は、Fortnite上で独自のワールドを制作し、自社の5G通信をPRしました。Verizon社がスポンサーを務める世界的なアメフトの大会「スーパーボウル」のスタジアムをFortnite上に再現し、スタジアム内には様々なゲームを用意しています。Fortniteは同サーバーに多数同時接続するゲームであり、ユーザーにとって回線の速さや安定は重要なため、5GのPRをする場としては非常に有効であったと考えられます。
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2.Balenciaga:リアルと連動したアバター用スキンを販売
Balenciagaは、Epic Gamesと提携し、ハイセンスなFortniteのアバター用スキンを作成しました。4つのスキンに加えて、つるはしやBalenciaga blingバックパックなどのBalenciagaをテーマにしたアクセサリーも作成されました。バレンシアガをテーマにしたゲーム内のハブが開発され、現実世界の衣料品ラインも提供されました。ハブにはバレンシアガのバーチャルショップがあり、訪問者はコスメを購入することができます。バーチャル・ストアの上には、パーカーを着た散歩中の犬 Doggoが登場するアニメーションの広告掲示板が設置されました。現実世界でも、ニューヨーク、ロンドン、東京、ソウルに広告掲示板が現れました。Doggo’s のパーカーは、フォートナイトをテーマにしたバレンシアガのコレクションの一部でもありました。
②Roblox:ユーザー自身が制作したゲームを他のユーザーが楽しめるプラットフォーム
Robloxの概要
Robloxは、2006年にリリースされた月間アクティブユーザー数が約2億人を誇る世界最大のメタバースサービスです。ユーザー自身が制作したゲームを他のユーザーが楽しめるプラットフォームとなっており、ゲーム版YouTubeとも称されます。学生を中心にオンラインで友達と集まれる場となっており、「放課後の公園」から「Roblox」へと置き換わりつつある状況です。
Robloxのユーザー情報
- 月間アクティブユーザー数:
- 世界:約2億人
- 日本:約50万人(推計)
- ユーザー層:
- 年齢:16歳以下が約7割
- 性別:男女はおよそ同数
Robloxのコア体験
1.バリエーション豊富なゲームタイトル
Roblox上にはユーザー自身が作った5000万本を越えるゲームが存在します。各ユーザーはゲームを作って多くのユーザーにプレイしてもらうのか、ゲームをプレイする側として楽しむのか、はたまたその両方を楽しむのか、自由に選ぶことが可能です。
2.オンラインで友達と集まれる場所
Robloxでは自身を投影したアバターを用いてリアル/ネットの友達と集まり、チャットで会話をしながらゲームをプレイできます。なかには、ゲームをせず会話をするために集まるだけというユーザーも存在するようです。
Robloxのマーケティングへの活用方法
1.企業ワールド(ゲーム)作成
企業はオリジナルのゲームを作成し、ユーザーに提供することで、遊んでくれたユーザーへの企業・商品PRを行うことが出来ます。Roblox公式から提供されたツールにより、簡単に子供でも楽しみやすいゲームワールド制作ができます。
2.広告出稿
企業はRoblox内の看板に広告を出稿できます。広告はユーザー情報に基づき内容が変わる静止画形式のため、パーソナライズした広告により費用対効果を高める事が可能です。
Robloxのビジネス活用における注意点
1.ゲームの制作および広告出稿コスト
多くのユーザーに楽しんでもらうゲーム制作を目指す場合は、制作会社への依頼が一般的であり、外注費がかかります。広告出稿の場合も、代理店を利用する際に支払いが発生するので留意しておきましょう。
2.運営からの許諾
ゲーム制作や広告出稿について、法人が行う際は運営からの許諾が必要なケースがあります。特に中国でのコンテンツ展開などは注意が必要です。
Robloxのマーケティングへの活用事例2選
1.志摩スペイン村:Roblox上にリゾート施設を再現
三重県志摩市のリゾート施設である志摩スペイン村は、Roblox上で志摩スペイン村を再現したエリアをオープンすることを発表しました。
ユーザーは志摩スペイン村の広場や街並みを楽しんだり、スペインの奇祭「牛追い祭り」「トマト祭り」をモチーフにした生き残りゲームを楽しむことができる予定です。
志摩スペイン村は、魅力的なアトラクションやフードがある一方で、都心から離れているという立地の悪さから気軽にアクセスしにくいという課題を抱えていました。Robloxでの取り組みを通じて、若者や遠隔地在住の人に志摩スペイン村の魅力を知ってもらうことを目的とし、今回の取り組みを進めているとのことです。
2.Universal Studios:Roblox内に映画広告を掲載
アメリカの映画会社Universal Studiosは、Roblox内に映画広告を掲載しました。Robloxは全ユーザーの約85%が25歳以下であり、若者をターゲットとして映画館来場を促進することが狙いです。リアルの街中での広告と同様に、ユーザーがゲームをプレイしていると自然と広告が目に入るような設計となっています。また、広告が画面内に表示された秒数によって広告へのエンゲージメントを測定するなど、リアルな看板広告では出来ないデジタル広告ならではのパフォーマンス管理も可能となっています。
③ZEPETO:Z世代の女性に大人気のアバターSNSアプリ
ZEPETOの概要
ZEPETOは、2018年にリリースされた、アバターを用いて理想のカワイイ自分作りができる、Z世代の女性に大人気のアバターSNSアプリです。自分好みのアバターを簡単に作成でき、チャットや通話、SNS投稿などを通じて他ユーザーと交流することが可能です。また、作ったアバターを通じてライブイベントやゲームを楽しむこともできます。
ZEPETOのユーザー情報
- 月間アクティブユーザー数
- (全世界)約3億人
- (日本)約1,500万人(推計)
- ユーザー層
- 年齢:10代-20代前半が中心
- 性別:女性が約7割、男性が約3割
ZEPETOのコア体験
1.豊富なアバターによる限りなく理想に近い自分作り
韓国風のビジュアルの可愛らしいアバターがZ世代女子を惹き付けており、他にも日本アイドル/アメリカンなど様々なタイプで自分の理想に近いアバターを作ることが可能です。他にもアバターを作成できるアプリは多数存在しますが、カスタマイズのバリエーションの豊富さや操作のしやすさといった点で優位性があります。
2.ZEPETOを用いたSNSでの発信
ZEPETOで作ったアバターを用いて、撮影した画像や動画をInstagramなど他のSNSでシェアできます。アバターを好きなポーズで撮影したり、動かして動画撮影することも可能です。このユースケースによって、メタバースに馴染みのないユーザーでも、自分らしいアイコンを作ってSNSで投稿してみたいという動機から、ZEPETOを利用し始めています。
ZEPETOのマーケティングへの活用方法
1.企業ワールド作成
企業はオリジナルワールドを制作し、訪れたプレーヤーへの企業・商品PRを行うことが出来ます。また、オリジナルワールド上でのアバターの配布/販売も可能です。
2.アバター配布/販売
企業はワールド制作をせずに、ZEPETO内でオリジナルアバターのみ作成し販売/配布することもできます。ある程度自由にデザインすることができ、加えてユーザー起点のSNS発信を活用した認知拡大を狙えることから、多くの企業がマーケティングに活用しています。
ZEPETOのビジネス活用における注意点
1.ワールド・アバターの制作コスト
ワールド・アバターの制作をする際には、制作会社への依頼に伴う制作コストが必要です。
2.運営からの許諾
ワールド・アバターの制作において、運営からの許諾は必ず求められます。注意しておきましょう。
ZEPETOのマーケティングへの活用事例2選
1.ポロラルフローレン:ZEPETOでアバター用の洋服を販売
ラルフローレンは、ZEPETO上で購入可能なバーチャルウェアの販売を開始しました。ラルフローレンは、ZEPETO のアプリ内に50種類のファッションアイテムを用意し、ZEMと呼ばれるアプリ内通貨で購入可能にしています。価格は約80円〜400円です。
また、今回のコラボでは、ファッションアイテムの販売以外にも、ニューヨークの実在するセントラルパークなどのロケーションのバーチャル空間での再現やラルフローレンのアイテムを身に着けたK-POPアーティストTomorrow x Together(TXT)のバーチャルライブなど、ユーザーが楽しめる様々な取り組みが行われました。ユーザーがライブの様子を自撮りしSNSにアップするなど、コラボの認知度を高める動きも多く見られました。
同社は、ZEPETOのアプリ内のアクティビティから様々なデータを取得し、訪問者数や交流の頻度、利用時間、アイテムの売上などを把握し、今後の取り組みの検討に活用しています。リアル店舗より多くの顧客データが得られる点も、メタバース参入によるメリットの1つと言えます。今後はNFTの販売を検討するなど、バーチャル領域でのビジネス展開を加速させる方針とのことです。
2.ZARA:ZEPETO内と実店舗の両方で同じデザインのアイテムを販売
ZARAは、ZEPETO内のアバターが着用できるバーチャルウェアを販売し、同じデザインのアイテムを現実の店舗でも販売しました。ZEPETOの特徴である他のSNSでの発信を促進するために、壁紙・フォトブースもセットで公開しており、ユーザーによるSNS発信を活発化させています。
ZEPETOのメインユーザーである若年層へ商品・ブランドのPRをすると同時に、デジタルでの収益ポイントを獲得することが狙いと考えられます。
④VR Chat:没入感のある体験が魅力的なSNSメタバース
VR Chatの概要
VR Chatは、2017年にリリースされたVRデバイスを用いたバーチャル空間上での会話/ゲームが可能なメタバースプラットフォームです。スマホやPCで気軽に楽しむというよりは、VRデバイスを用いてより没入感のある体験を楽しむというのがメインのユースケースになっています。これにより、自身のアバターを用いてチャットではなく音声によるコミュニケーションが可能です。
VR Chatのユーザー情報
- 月間アクティブユーザー数
- 世界:約400万人
- 日本:数十万人(推計)
- ユーザー層
- 年齢:30代以下が約9割
- 性別:男性が約8割
- clusterよりもいわゆる”オタク層”が多い
VR Chatのコア体験
1.アバターを通じた気楽かつ多様なコミュニケーション
VR Chatでは、アバターを通じて心も体も現実とは離れた気楽なコミュニケーションを取ることが出来ます。チャットや音声による会話はもちろん、アバターのジェスチャーや表情操作など、視覚的なコミュニケーションもできるため、かなり現実に近い多様なコミュニケーションが可能となっています。
2.ログインすれば誰かしら居るVR上の居場所
VRChatでは、フレンド作りイベントやフレンド作りに向いているワールドがあり、気の合う仲間を見つけることができます。フレンドになった相手とはVRChatの機能ですぐに会いに行けるうえ、平日・休日/朝・昼・夜それぞれのタイミングで誰かしらはフレンドがいるので、いつでもフレンドと会える居場所となっています。生活の一部としてVRChatに生息しており、ほぼ”住んでいる”ようなユーザーも存在するようです。
VR Chatのマーケティングへの活用方法
1.企業ワールド作成
企業はオリジナルワールドやイベントを制作し、訪れたプレーヤーへの企業・商品PRを行うことが出来ます。没入感のあるVRならではのリアルなグラフィックや高い操作性により、非常に鮮明かつ多くの情報をユーザーに伝えることが可能です。
2.広告出稿
企業はVRchat内のポスターに広告を出稿できます。広告枠はポスター形式で静止画が切り変わる仕組みとなっており、企業・商品PRに活用することが可能です。
VR Chatのビジネス活用における注意点
1.ワールド/イベント制作および広告出稿コスト
VR上でのワールドやイベント制作は難易度が高く、制作会社への依頼が一般的であることから、外注費がかかります。広告出稿の場合も、代理店を利用する際に支払いが発生するので留意しておくべきです。
2.運営からの許諾
VR Chatをビジネス活用をする上では、基本的に法人契約が必要なので注意が必要です。
VR Chatのマーケティングへの活用事例2選
1.日産自動車:VR Chat上で新車発表・試乗会を開催
日産自動車はメタバース上で、新型軽電気自動車「日産サクラ」の発表・試乗会をVRChatで開催しました。
発表会は日産副社長のアバターが登場し、ボイスレターが再生されるという形で進行。また、試乗会では日本の四季を感じられるドライブコースでバーチャルなサクラを運転することができました。VR上での試乗は通常の試乗とは違い、書類での手続きなどが不要で、いつでもどこからでも体験可能な点が強みです。
今回の取り組みにより、販売スタッフのアバター操作経験不足や、リアルな商品を仮想空間上でプロモーションする難しさなどが明らかになったとのことです。このような試験的な取り組みを重ねるなかで、将来的に製品のプロモーションチャネルとしてVRイベントが本格的に活用できるユースケースが確立されていくことが期待されます。
2.PimaxCrystal:VR Chat上のポスター広告にVRデバイスの宣伝広告を出稿
中国のVRデバイス制作会社であるPimax Technologyは、VRChat内のポスター広告に、自社のVRデバイス商品である「PimaxCrystal」の広告を出稿しました。VRChatのユーザーはVR関連のリテラシーが高く、VRデバイスに興味を持つ人が多いので、そのターゲットを狙った広告出稿となっています。またメタバース空間ならではの広告として、数秒ごとの切り替え表示を行うことなども可能であり、リアルの広告よりも視覚的なアピールを強めることができます。
⑤cluster:バーチャル空間上での会話、ゲームが可能な日本発最大級のメタバースプラットフォーム
clusterの概要
clusterは、2016年にリリースされた、バーチャル空間上での会話、ゲームが可能な日本発最大級のメタバースプラットフォームです。イベント開催や参加に重点を置いたプラットフォームであり、VRデバイスを用いた利用が主流ですが、PC、スマホからの利用にも対応しています。VRデバイスを通じてプレイすることで、自身のアバターを用いた音声コミュニケーションが可能です。
clusterのユーザー情報
- 月間アクティブユーザー数
- (全世界)数十万人(推計)
- (日本)数十万人(推計)
- ユーザー層
- 年齢:10-20代が中心(推測)
- 性別:男性が約7割、女性が約3割(推測)
- VRChatよりも”ライト層”が多い
clusterのコア体験
1.イベントの開催・参加
clusterの最大の特徴は、メタバース上の大規模イベントに参加できる点です。バーチャル渋谷やハロウィーンフェスやポケモンバーチャルフェストを始めとして、clusterでは様々なイベントが定期的に開催されており、誰でも気軽に参加することが出来ます。また、各ユーザーは無料でイベントを作成、開催することも可能です。
2.ワールドの制作・体験
cluster上には、バー、クラブ、カフェ、ビーチ、ボウリング場、遊園地、脱出ゲームなど多様なワールドが4万個以上あり、ユーザーはそのワールドに入って遊ぶことができます。また、それらのワールドはユーザー自身が作成したものであり、ワールドクラフトという機能を用いて誰でもワールドを作成、公開することが可能です。
clusterのマーケティングへの活用方法
イベント・ワールド作成
企業はオリジナルのイベント・ワールドを制作し、訪れたプレーヤーへの企業・商品PRを行うことが出来ます。基本はイベント開催のためにワールドを制作するケースが多く、イベント後は常設ワールドとしてプラットフォーム上に残すことも可能です。VRによってリアルな体験を提供できるだけでなく、clusterのイベントはスマホからの参加者も一定数存在するため、より幅広い集客を狙える点が特徴です。
clusterのビジネス活用における注意点
1.ワールド/イベント制作および広告出稿コスト
VR上でのワールドやイベント制作は難易度が高く、制作会社への依頼が一般的であり、外注費がかかります。
2.運営からの許諾
clusterでは法人利用には運営からの許諾が必須です、留意しておきましょう。
clusterのマーケティングへの活用事例2選
1.大阪府・大阪市:cluster上の「バーチャル大阪」で魅力を発信
大阪府と大阪市は、KDDIと共同でcluster上に都市連動型メタバースの「バーチャル大阪」を展開し、PRに活用しています。2025年開催の大阪・関西万博に先駆けて、道頓堀など大阪市内をモチーフにした「新市街」エリアが登場し、大阪の都市の魅力を国内外に発信しています。ユーザーはリアルタイムで世界中の人とコミュニケーションを取りながら、バーチャル音楽ライブへの参加や、アバターを介した自ら創作活動を行うなど、様々な楽しみ方を選ぶことが可能です。今後は、バーチャル商店街で買い物すると実際に商品が届くなど、さらなる発展に期待が集まります。
2.KDDI:cluster上で熱狂しながらサッカー日本代表戦を観戦
KDDIは2022年、cluster上でのサッカー日本代表戦のパブリックビューイングを開催しました。参加者はサッカー日本代表のユニフォームを着たアバターの姿で、試合の中継スクリーンの前に集まり、ファンが一体となって応援しながら観戦したり、有名YouTuberのトークイベントを楽しんだりすることができました。
このイベントの目的は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、リアルでの観戦や応援が制限を受けるなか、サポーターが一体となり熱狂しながらサッカー観戦が行える環境を提供したいというものです。
VR上でのサッカー日本代表戦のパブリックビューイングイベントは、3試合で延べ約3万人を集めるほどの盛況ぶりでした。また、3試合の来場者の約8割の方が、日本代表戦を初めて観戦した方となっており、サッカー日本代表のファン層拡大に繋がったとのことです。
成果につながるメタバース活用に向けた3つのポイント
成果につながる戦略/企画の策定に向けたポイントとして以下の3つが挙げられます。
- ①自社の課題・活用目的の明確化
- ②経営課題を踏まえた骨太なメタバース戦略の策定
- ③UXに軸足を置いたメタバースならではの体験設計
それぞれのポイントについてわかりやすく紹介していきます。
①自社の課題・活用目的の明確化
現在メタバース活用に取り組む企業には、”メタバースを活用すること自体”が目的化してしまっている企業が見受けられます。
その結果、商品プロモーションやブランディング、新たな収益源の獲得など、期待していた成果を上げられないという結果に終わってしまいます。
そのため、「活用によりどのような経営課題を解決したいのか?」「課題解決の打ち手としてなぜメタバースではないといけないのか?」といった自社の経営課題や活用目的の明確化が、成果につながる戦略/企画策定の大前提となります。
②経営課題を踏まえた骨太なメタバース戦略の策定
現在メタバース活用に取り組む企業には、メタバース活用の取り組みが単発で終わってしまっている企業が見受けられます。その結果、活用のPDCAが回らない、メタバース活用が小粒な施策の1つに留まってしまうなど大きな収益機会の獲得に繋がらないという結果に終わってしまいます。
そのため、中長期での事業の目指す姿や足元の実証的な取り組み計画を策定するなど、骨太なメタバース戦略の策定が重要となります。
③UXに軸足を置いたメタバースならではの企画/体験設計
企業側の都合が中心で設計された、ユーザーバリューやユーザビリティの低いメタバースをリリースしてしまった場合、ユーザーが価値を感じず、継続的な利用をしてくれないという結果に終わってしまいます。
そのため、ユーザー目線で”メタバースならでは”の価値ある体験を届けることのできる企画や体験設計が重要となります。
費用対効果・実現性が高いメタバース活用方法
メタバースの知見が不足しており、メタバース活用の企画や開発に課題を抱えていませんか?
そのような課題はメタバース総研のコンサルティング・開発支援サービスで解決することができます。
是非メタバース総研にお問い合わせください。
豊富な経験・ナレッジを活かした戦略・企画策定
数多くの企業様に対するコンサルティングや国内最大級のビジネス特化型メタバースメディアの運営で培った豊富な知見を活用し、成果につながる戦略・企画を策定します。
強力なパートナーシップによる最適なアプローチ設計
各領域の業界を代表するソリューション提供企業とのパートナーシップを構築。案件毎に中立的な立場から、費用対効果の高いアプローチを設計します。
経験豊富なクリエイター・エンジニア・コンサルタントによる並走支援
業界トップクラスの経験/スキルを有するクリエイター・エンジニア・コンサルタントから、最適なメンバーをアサイン。戦略立案から実行まで並走し、社内のリソース不足を解決します。
「課題や依頼内容が明確になっていない」、「社内で合意が取れていない」場合でも問題ございません。メタバース総研へのお問い合わせをお待ちしております。
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- 自社に合った活用方法へのアドバイスが欲しい
- 自社の企画の参考になる活用事例を知りたい
- どのように活用を進めていけば良いか分からず困っている