【2024年最新】国内外のメタバースの市場規模と今後を徹底解説
2021年末のFacebookのMetaへの社名変更をきっかけに、メタバースは世界的に注目を集めています。
一方で、「メタバースが盛り上がっているのは知っているけど、メタバース市場の現状や今後については詳しくは知らない」という方も多いのではないでしょうか?
そこで、今回は国内外のメタバース市場の現状と今後を徹底解説します。
本記事を読めば、メタバースのビジネス活用のベースとなる知識をキャッチアップできると思いますので、ぜひ最後までご一読ください。
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目次
メタバースとは
メタバースとは、ユーザーひとり一人のアバターを通じてコミュニケーションや経済活動を行うことのできる3次元の仮想空間のことです。
メタバース空間では、現実に近い環境で活動ができます。例えば、集まって会話をしたり、スポーツやライブや買い物などを楽しんだりすることができます。また、将来的には、SF映画のように、メタバース上のサービスとデバイスが進化していけば、「食事と睡眠以外のほぼ全てが体験できるようになる」とも言われています。
一般ユーザーに広く普及しているメタバースサービスとして、「Fortinite」や「Roblox」などのゲーム型のメタバース、「VR Chat」や「Cluster」などのSNS型のメタバースが挙げられます。これらのサービスはPCやスマートフォンからでもアクセス可能ですが、Meta Quest2のようなヘッドマウントディスプレイからアクセスすることにより、より没入感ある仮想体験が可能になります。
また、メタバースのベースにはXRというリアルとバーチャルを融合する先端技術が存在します。VR(仮想現実)をベースとするメタバースはVRメタバースと呼ばれ、バーチャルの世界をベースとしており、MetaQuestなどのHMDを利用してアクセスするのが主流です。
一方でAR(拡張現実)をベースとするメタバースはARメタバースと呼ばれ、リアルの世界をベースとしており、スマホやビックテック各社が開発中のグラス型デバイスを利用してアクセスするのが主流となると考えられています。
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世界のメタバース市場規模
Bloomberg社によると、世界のメタバースの市場規模は2020年時点で約68兆円、2024年には約111兆円にまで成長すると予想されています。
また、メタバースゲーム関連市場に関しては2024年の市場の内訳としては上図となっており、ゲーム向けのソフトウェアと広告が最も大きな割合を占めることになると考えられています。
メタバースの国内市場規模
矢野経済研究所によると、日本国内のメタバースの市場規模は2021年度時点で約744億円、2026年度には約1兆円にまで成長すると予想されています。世界市場と同様急速な成長を見せると考えられ、年率成長率は約170%程度になると予測されています。
今、企業がメタバース市場に参入するべき5つの理由
今、企業がメタバース市場に参入するべき理由としては以下の5つが挙げられます。
- ①メタバース関連技術の進歩
- ②コロナによるリモートコミュニケーションの普及
- ③若年層へのメタバースの普及
- ④NFTを含むWeb3への注目の高さ
- ⑤メタバース市場の成長性の高さ
それぞれの理由について分かりやすく紹介していきます。
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①メタバース関連技術の進歩
1つ目の理由は、メタバース関連技術の進歩です。メタバースは様々な領域のテクノロジーによって構成されているサービスですが、特に近年のテクノロジーの発展により体験価値が大きく向上しています。
具体的には通信技術の向上やコンピューターの処理性能の向上、メタバース向けデバイスの登場などが挙げられ、以前と比べると、メタバース空間内での体験をよりスムーズに、より没入感のある形で楽しむことができるようになりました。
②コロナによるリモートコミュニケーションの普及
2つ目の理由は、コロナによるリモートコミュニケーションの普及です。コロナウイルス感染拡大の影響で、人々のコミュニケーションの機会が対面からリモートに移行し、プライベートはもちろん仕事上でのコミュニケーションも、SlackなどのチャットやZOOMなどのビデオ会話によって行われるのが当たり前の時代となりました。
デジタルを介したコミュニケーションの需要が拡大しているのはもちろん、人々が抵抗感なくデジタルコミュニケーションを利用するようになっているというのが非常に大きなポイントといえます。
③若年層へのメタバースの普及
3つ目の理由は、若年層へのメタバースの普及です。現在メタバースはオンラインゲームでの用途を中心に若年層のユーザー数が急増しています。背景として、若年層は子供の頃から日常的にスマホを利用していること、コミュニケーションの手段としてSNSではなく、オンラインゲーム上のコミュニケーション機能を利用するシーンが増えていることなどが挙げられます。
ゲーム型メタバースの代表的なサービスとして挙げられる、Fortniteが約3.5億人、Robloxが約2億人と圧倒的なユーザー数を誇ります。
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④NFTを含むWeb3への注目の高さ
4つ目の理由は、NFTを含むWeb3への注目度の高さです。ブロックチェーン技術の発展により、NFT発展の土壌が整ってきたことや、2021年〜2022年にかけてNFTの高額売買が立て続けに行われ世間を賑わせたことなどにより、NFT/Web3への注目度が高まりました。
NFTはメタバース上のアバターなどのデジタルアセットの売買に活用できることなどから、両者の相性は非常に良いとされており、その結果メタバースにも注目が集まることとなりました。
⑤メタバース市場の成長性の高さ
5つ目の理由は、メタバース市場の成長性の高さです。メタバース市場は国内・海外ともに今後大きな成長を見せると考えられています。
世界のメタバースの市場規模は2020年時点で約68兆円、2024年には約111兆円。日本国内のメタバースの市場規模は2021年度時点で約744億円、その後年率170%で成長し、2026年度には約1兆円にまで成長すると予想されています。
近年の市場成長の要因は、MetaQuestを始めとするVRデバイスの低価格化・小型化が進んでいることや、Fortniteなどのゲームを中心とするヒットコンテンツの登場が相次いでいることなどが挙げられます。
メタバースの今後
メタバース市場は、今はまだ黎明期にあり、2040年ごろにかけて「黎明期」「普及期」「定着期」の3つのフェーズを経て発展していくと考えられています。
それぞれのフェーズについてわかりやすく紹介していきます。
➀黎明期(~2025年):一般ユーザーにメタバースの認知が広まる
現在〜2025年までのメタバース黎明期は、メタバースを構成する技術要素の進化と社会的なニーズの高まりを機に、多くの一般ユーザーがメタバースに興味を示し始めます。それに伴い多くの企業がメタバース市場への参入を始めます。
具体的には技術の発展により、VRデバイスの低価格や小型化が進み、一般ユーザーでも利用しやすいデバイスになること、新型コロナウイルスの流行により、リモートコミュニケーションの需要が高まることなどにより、メタバースが大きく発展する準備が整うフェーズと言えます。
一方で、メインのユーザー層はVRゲームを目的とするコアユーザーであり、市場としてもデバイスやゲームタイトルが中心となっています。
②普及期(2025~2030年):メタバースが一気に人々の生活に普及
2025~2030年のメタバース普及期は、要素技術の更なる発展と、メタバース上で提供されるサービスの充実により、メタバースが一気に人々の生活に普及し始めます。この頃にはVR/ARデバイスはかなり小型化・軽量化され、長時間装着することが可能になっており、現代におけるスマホのような感覚で、幅広い活動をメタバース上で行うようになっていきます。
人々がメタバースで過ごす時間が長くなるにつれ、メタバース空間上のデジタルアセット(アバターやアバターの洋服など)がより価値を持ったり、メタバース上のメディアやSNSの広告がより価値を持っていくと考えられます。
③定着期(2030年~):多くの人々が当たり前にメタバース空間で活動
2030年以降のメタバース定着期は、要素技術が一通り成熟し、人々がメタバース空間にアクセスする上での課題は解決され、老若男女問わず多くの人々が当たり前にメタバース空間で活動するようになると考えられています。現代のスマホのように、あらゆる領域のサービスにアクセスするベースとなる存在に発展しており、消費者向けのサービスの充実はもちろん、多くの企業の業務プロセスにメタバースが取り込まれていくと考えられます。
具体的には、企業の教育研修がメタバースを通じて行われたり、製造業のバリューチェン全体がメタバース上に構築され、各種シミュレーションや現場の作業員のサポートにも活用されるなど、仕事でもメタバースを活用することがごく自然に行われるようになっていくでしょう。
メタバース市場拡大に向けた2つのポイント
発展が期待されるメタバース市場ですが、いつどの程度大きな発展を見せるかは「デバイスの進化」と「ヒットコンテンツの登場」がカギを握っていると考えられています。
➀デバイスの進化
1つ目のポイントはデバイスの進化です。Meta Questを筆頭とするVRゴーグルやARグラスなどのデバイスが、いつ小型化・軽量化を実現するかはメタバース市場拡大に向けた最大のカギです。現在のMeta QuestなどのVRゴーグルは10年ほど前から比べれば遥かに小型化・軽量化が進んでいますが、長時間装着するには身体への負担が大きいというのが現状です。
逆に、デバイスがサングラスのような重量とサイズ感に進化すれば、日常生活のほぼすべての時間、デバイスを装着しリアルとバーチャルが融合された、SFのような世界に一気に近づいていくでしょう。
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②ヒットコンテンツの登場
2つ目のポイントはヒットコンテンツです。現状の有力なメタバース上のサービスやコンテンツはVRゲームが大部分を占めており、ゲーマー以外の一般層には、日々利用したくなるようなサービスが少ないというのが現状です。
そこで、ゲーム以外のコミュニケーションやエンタメ、仕事などの領域で多くの人々を魅了するヒットコンテンツが登場すれば、それを機に一気にメタバースが普及していくと考えられています。ゲームデバイスの例で考えれば、任天堂DSであれば、マリオやポケモン、任天堂Wiiであれば大乱闘スマッシュブラザーズなどのヒットコンテンツが、デバイスの普及に大きく貢献しています。
メタバース市場の成長を左右する8つのカギ
これまで紹介したようにメタバース普及の土台は固まりつつある一方で、今後大きく普及していくためには様々なドライバーが存在します。
その中から特に重要な8つのポイントを技術、社会、経済、政治の4つの観点から整理しましたので、それぞれについて分かりやすく解説していきます。
技術的観点
①VR/ARデバイスの性能・UXの向上
1つ目のポイントは、VR/ARデバイスの性能・UXの向上です。Meta Questを筆頭とするVRゴーグルやARグラスなどのデバイスが、いつ小型化・軽量化を実現するかはメタバース普及に向けた最大のカギです。
現在のMeta QuestなどのVRゴーグルは10年ほど前から比べれば遥かに小型化・軽量化が進んでいますが、長時間装着するには身体への負担が大きいというのが現状です。逆に、デバイスがサングラスのような重量とサイズ感に進化すれば、日常生活のほぼすべての時間、デバイスを装着しリアルとバーチャルが融合された、SFのような世界に一気に近づいていくでしょう。
②ハードウェア・ソフトウェアの標準化
2つ目のポイントは、ハードウェア・ソフトウェアの標準化です。メタバース関連デバイス・サービスの仕様がバラバラだと、利用・操作方法が異なる、アバターなどのデジタルアセットを他社の運営するメタバースに持ち込めないなど、様々な問題が発生します。
現状、メタバース関連デバイス・サービスを提供する各企業毎に仕様が異なっているものの、アバターではVRMというプラットフォームに依存しない規格が存在するなど、関連企業や団体が足並みを揃えるべく動いています。
社会的観点
③マス層に受けるヒットコンテンツの登場
3つ目のポイントは、ヒットコンテンツの登場です。現状の有力なメタバース上のサービスやコンテンツはVRゲームが大部分を占めており、若年層が中心のゲーム好き以外の一般層には、日々利用したくなるようなサービスが少ないというのが現状です。
そこで、ゲーム以外のコミュニケーションやエンタメ、仕事などの領域で多くの人々を魅了するヒットコンテンツが登場すれば、それを機に一気にメタバースが普及していくと考えられています。スマホの例で考えれば、LINEやパズドラなどのヒットコンテンツの登場がデバイスの普及に大きく貢献しています。
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④アバターを介したコミュニケーションの定着
4つ目のポイントは、メタバースを介したコミュニケーションの定着です。メタバース普及に向けては、メタバース上の自分の分身であるアバターの姿で他のユーザーとコミュニケーションを取ることがどの程度定着するかが重要と考えられています。多くのユーザーがアバター姿の他ユーザーと話す際に、まるで本人と対面して話しているような感覚を得るようになれば、多くのリモートコミュニケーションがメタバースを通じたコミュニケーションに代替されていくと考えられています。
既に、Vtuberが世間的に流行したり、iPhoneに「ミー文字」と呼ばれる自分のオリジナルアバターで表情を送ることが出来る機能が搭載されるなど、アバターを介したコミュニケーションの定着の土台は整い始めていると言えるでしょう。
⑤メタバース関連人材の育成
5つ目のポイントは、メタバース関連人材の育成です。メタバース市場の成長には、メタバースを裏から支えるエンジニアや、メタバース上のコンテンツを作成するクリエイター、メタバースのビジネス活用を推進するBizDevなど、様々な人材が必要となります。
そのなかでも特に重要と考えられているのがメタバース上のコンテンツを作成するクリエイターです。メタバースの体験価値はメタバース上に集まるユーザー数とそれを惹きつける魅力的なコンテンツ数で大半が決まると言っても過言ではありません。そこでメタバース上で人々を魅了する3Dコンテンツを作成できるクリエイターをどの程度育成できるかは、メタバースの普及に向けて重要なカギとなります。
例えば、代表的なメタバースの1つであるRobloxは、ゲーム版のYoutubeと称されるように、ユーザーが制作したゲームタイトルによって構成されており、UGC(UserGeneratedContents)活用に成功し、約2億人に利用されるほどの成長を遂げました。既に、海外ではMetaやMicrosoft、国内ではPhychicVRLabなどの企業がクリエイター育成に向けた投資やプログラムの運営に取り組んでおり、今後多くのクリエイターの育成が進んでいくと考えられています。
経済的観点
⑥VR/ARデバイスの低価格化
6つ目のポイントは、VR/ARデバイスの低価格化です。法人向けデバイスとしてはマイクロソフト社の販売するHoloLens2の価格が本体のみで30万円以上、一般消費者向けのものも、Meta社の販売するMetaQuest2の価格がが2022年10月時点での価格は約6万円と、近年VRHMDを中心に低価格化は進みつつあるものの決して誰でも手に取れる価格とは言えません。
一部報道によると、MetaQuest2はほぼコストと同等の価格で販売しているとも言われており、今後ビックテックを中心にどのように原材料費などのコスト削減を進めるかに注目が集まります。
⑦企業によるマネタイズ
7つ目のポイントは、企業によるマネタイズです。現在Meta社などのビックテックから、国内の幅広い産業のリーディングカンパニーまで、多くの企業がメタバースのビジネス活用に向けた積極的な投資を行っています。その理由として、収益向上に繋がる様々な活用が考えられていることがあり、具体的にはメタバース領域でのビジネス創出や作業現場の効率化、各種シミュレーションへの活用等があります。
一方で、メタバースは技術として黎明期のステータスにあり、現時点で既に大きな収益化に結びつけられている企業は多くはないのが現状です。そのため、企業が中長期的な収益獲得に繋がるビジネスモデルやエコシステムの確立に成功した事例が立ち上がる度に、各企業のメタバースへの投資が加速し、市場全体の発展に大きく貢献すると考えられます。
政治的観点
⑧メタバース・NFTに関する法整備
8つ目のポイントは、メタバースやNFTに関連する法律整備です。現在、日本政府はWeb3を日本の成長産業の1つとして掲げ、Web3.0政策推進室を設置するなど、産業の発展に積極的な動きを見せています。
一方で、メタバース・NFT関連の法律はいまだ整備がなされておらず、企業・個人間でのトラブルに繋がるリスクが存在します。例えば、NFT関連事業者に関する課税制度やデジタルアセット等の所有権、嫌がらせ・誹謗中傷への対処、写り込みの問題など様々な法整備が進んでいないのが現状です。
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