【5事例】メタバースへのマーケティング・集客を成功させる6つの方法

関連技術の進歩やオンラインコミュニケーション需要の高まりなどを背景とし、今後急速に人々の生活や仕事に普及していくと考えられるメタバース。

その注目度の高さから、国内外の幅広い業界の企業が参入を発表・検討しています。

 

一方で、「自社のメタバースへの集客方法が分からない」、「メタバースをオープンしてみたものの、なかなかユーザーが集まらない」という方も多いのではないでしょうか?

 

そこで今回は、メタバースへの集客を成功させる方法を事例とともにわかりやすく紹介します。

本記事を読めば、メタバースへの参入をビジネスの成果に繋げるためのヒントが得られるかと思いますので、ぜひ最後までご一読ください。


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企業がメタバースを活用する3つのメリット

企業がメタバースを活用する3つのメリット

企業が自社のビジネスにメタバースを活用する代表的なメリットとして以下の3つが挙げられます。

 

  • ①メタバース領域での新たなビジネスの創出
  • ②新たな顧客接点の獲得
  • ③メタバースから得られたデータの活用による商品・サービスの改善

 

それぞれのメリットについてわかりやすく紹介していきます。

 

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①メタバース領域での新たなビジネスの創出

1つ目のメリットはメタバース領域での新たなビジネスの創出です。

検索エンジン、EC、SNSに並ぶ次なるキラーサービスになるとも言われているメタバースですが、多様な業界の企業がメタバース領域に参入しており、サービス構築を目論んでいます。

 

メタバースがより人々に普及し、メタバース上で過ごす時間が増えるようになると、メタバース領域でのビジネスの市場規模も拡大していくと考えられます。

②新たな顧客接点の獲得

新たな顧客接点の獲得 SMBC日興証券
(画像:HIKKY

2つ目のメリットは新たな顧客接点の獲得です。

メタバース空間にはいつでもどこからでもアクセスできるという特徴があり、コロナウイルス感染拡大の影響で実店舗での顧客との繋がりが希薄化するなか、新たな顧客接点としての活用が期待されています。

 

メタバースの特徴である、3Dのコンテンツで、スタッフが説明しながら商品やサービスを訴求できるという点を活かし、今までEC化に苦戦していた業界の企業にとって、貴重なオンラインでの接点になり得ると考えられます。

③メタバースから得られたデータの活用による商品・サービスの改善

3つ目のメリットはメタバースから得られたデータの活用による商品・サービスの改善です。

メタバース上の人々の行動データはWebサイトやSNS上のものに比べ圧倒的にリッチになると考えられています。メタバース上ではいつ、誰と、どのような行動を取っていたかはもちろん、ウェアラブルデバイスの発展によりどのような感情になっていたかなどの多様なデータを取得できるようになると考えられています。

 

そのため、メタバース上のユーザーに商品やサービスを試してもらい、その反応をデータとして収集することで、商品やサービスの改善につなげることが可能です。

メタバースへの集客を成功させるための6つのポイント

メタバースへの集客を成功させるための6つのポイント

メタバースへの集客を成功させる方法の代表的なものとして以下の6つが挙げられます。

 

  • ①有力IP・コンテンツとのコラボ
  • ②クリエイターを巻き込む仕組みづくり
  • ③キャンペーンの実施
  • ④インフルエンサーの活用
  • ⑤Web・SNS広告の活用
  • ⑥自社/他社の顧客基盤の活用

 

それぞれの施策についてわかりやすく紹介していきます。

 

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①有力IP・コンテンツとのコラボ

有力IP・コンテンツとのコラボ バンダイナムコ
(画像:バンダイナムコ)

1つ目の施策は、有力IP・コンテンツとのコラボです。有名キャラクターなどのIPやコンテンツとのコラボレーションを行うことで、それらのファン層がメタバースを利用するきっかけをつくることができます。

 

また、メタバースは様々なサービスやコンテンツが提供される場としての側面があり、比較的コラボレーションを行いやすいという特徴があります。

②クリエイターを巻き込む仕組みづくり

クリエイターを巻き込む仕組みづくり Roblox
(画像:Roblox

2つ目の施策は、クリエイターを巻き込む仕組みづくりです。メタバースで提供されるサービスやコンテンツの作り手は企業である必要は無く、ユーザーの生み出すコンテンツもメタバースを盛り上げる上で大きな役割を果たします。

 

例えば、月間ユーザー数2億人以上を記録する、世界を代表するメタバースであるRobloxは、一般ユーザーによって作られたVRゲームを楽しめるプラットフォームであり、「ゲーム版YouTube」とも称されています。

 

YouTubeやInstagramの成長には、ユーザーの投稿が欠かせないのと同様、メタバースの成長にも、ユーザーがコンテンツを制作したくなるインセンティブ設計や簡単に制作できる環境づくりなどの取り組みが重要となります。

③キャンペーンの実施

キャンペーンの実施 ポロラルフローレン
(画像:ポロラルフローレン)

3つ目の施策はキャンペーンの実施です。キャンペーンの例としては、特定期間内にメタバースにアクセスすると、メタバース内でアバターやアイテムの購入に使えるポイントが貰えるといったものが挙げられます。

 

また、単にメタバースにアクセスするだけでなく、ミッションクリアやコンテンツ制作など特定のアクションに対して報酬を与えることで、ユーザーがメタバースを深く楽しむきっかけをつくることができます。

④インフルエンサーの活用

インフルエンサーの活用 ANYCOLOR
(画像:ANYCOLOR)

4つ目の施策はインフルエンサーの活用です。今後、メタバース空間の数が増えるにつれ、SNSと同様に、よりニッチな空間・コンテンツが多数登場するようになっていくと考えられます。そのため、ターゲットとなるセグメントの属性に合わせたインフルエンサーを活用しプロモーションを行うことで、費用対効果の高い集客を実現することが可能です。

⑤Web・SNS広告の活用

5つ目の施策はWeb・SNS広告の活用です。この施策に取り組む際もインフルエンサーの活用と同様、やみくもに広告費をかけるのではなく、自社のメタバースのターゲットを明確にした上でのターゲティング広告を運用することが費用対効果の高い集客の実現に繋がります。

⑥自社/他社の顧客基盤の活用

6つ目の施策は、自社/他社の顧客基盤の活用です。顧客基盤の活用により、大規模なユーザーへのメタバースの利用促進を図ることが出来ます。

 

また、自社で顧客基盤を抱えていない場合でも、自社のメタバースのターゲットとなる顧客基盤を有する企業との提携による送客が可能です。

メタバースへの集客に成功した事例5選

メタバースへの集客に成功した代表的な事例として以下の5つが挙げられます。

 

  • ①バーチャルマーケット:60以上の出店企業がコンテンツを提供
  • cluster:ユーザーのコンテンツ作成を促進するツールを提供
  • Fortnite:BTS、米津玄師、星野源などとのコラボを実施
  • ④サンリオバーチャルフェス:リアル/バーチャルの有名アーティストが集合
  • ⑤バーチャル秋葉原:提携により海外のオタクコミュニティの取り込みへ

 

それぞれの事例についてわかりやすく紹介していきます。

 

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①バーチャルマーケット:60以上の出店企業がコンテンツを提供

バーチャルマーケット:60以上の出店企業がコンテンツを提供
(画像:HIKKY)

バーチャルマーケット(Virtual Market)とは、株式会社HIKKYによって開催される世界最大規模のメタバース上のオンラインイベントです。

参加者はメタバース上の企業やクリエイターが出店しているブースにて、アバターなどの3Dデータ商品やリアルの商品(食品、PC、洋服など)を購入することができます。

 

2021年に開催されたバーチャルマーケット6では、100万人を超える来場者数を記録し、世界最大のVRイベントとして、ギネス世界記録にも認定されました。

 

バーチャルマーケットの最大の特徴の1つとして出店企業の多さが挙げられます。

「バーチャルマーケット2022summer」ではエンタメやゲームはもちろん、交通や保険、政府機関など幅広い業界の約60の企業が自社ブースを出店しました。

これらの数多くの企業が、自社のブランドや商品/サービスの宣伝を兼ねた魅力的なコンテンツを提供することにより、それらのコンテンツを求めて多くのユーザーの集客に成功しました。

 

このように、魅力的なコンテンツが多くのユーザーを呼び、ユーザーを求めてコンテンツが集まってくるという、強力なネットワーク効果を活用した集客に成功しています。

②cluster:ユーザーのコンテンツ作成を促進するツールを提供

cluster:ユーザーのコンテンツ作成を促進するツールを提供
(画像:cluster)

clusterとは、日本発日本発のワールド(=バーチャル空間)を作ったり、ワールドで遊ぶことができるメタバースプラットフォームです。ユーザーによって作られたワールドが40,000以上あり、そのワールドに入って遊ぶことができます。

 

また、総ダウンロード数100万回以上、バーチャル渋谷などの大規模イベントが開催されていること、ポケモンやディズニーなどの有名企業とコラボしていることなどから、日本最大のメタバースプラットフォームと言われています。

 

2017年にリリースされたclusterは、現在総ダウンロード数100万回以上、累計総動員数は800万人と、日本発のメタバースプラットフォームとしては圧倒的な存在感を誇るメタバースへと発展しています。

 

clusterはユーザーを集めるために様々な取り組みを進めていますが、その中でも特徴的なものの1つに、ユーザーのコンテンツ作成を促進するツール「Cluster Creater Kit」の提供が挙げられます。

ユーザーはこのツールを活用することで、準備された素材を組み合わせながら比較的簡単にコンテンツやメタバース空間・ゲームなどを制作することができます。

 

この取り組みにより、ユーザーによって制作されたコンテンツ(UGC=User Ganerata)が豊富になることで、より多くのユーザーが集まるというサイクルが起こっています。

 

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③Fortnite:BTS、米津玄師、星野源などとのコラボを実施

Fortnite:BTS、米津玄師、星野源などとのコラボを実施
(画像:Fortnite)

Fortniteとは、​​小さな島で100人のプレイヤーと戦って最後まで勝ち残ることを目指すバトルロイヤルゲームです。ゲーム内でリアルタイムでのユーザー同士のコミュニケーションが活発に行われている点やアーティストのライブなどゲーム以外での利用もされている点から、世界を代表するメタバースの1つとも言われています。

 

2017年にリリースされたFortniteは、現在総ユーザー数約3.5億人、月間アクティブユーザー数はピーク時で6,200万人と、圧倒的なユーザー数をかかえるメタバースへと発展しており、未上場ではありますが時価総額は約4兆円まで到達しています。

 

Fortniteの集客に向けた取り組みの代表的なものとして、有名アーティストとのコラボレーションによるライブイベントの開催が挙げられます。これまでに、BTS、米津玄師、星野源など、多数の大物アーティストとのコラボを実現させてきました。

これらの取り組みは、普段Fortniteを利用していない各アーティストのファンを取り込む狙いがあります。

④サンリオバーチャルフェス:リアル/バーチャルの有名アーティストが集合

サンリオバーチャルフェス:リアル/バーチャルの有名アーティストが集合
(画像:サンリオ)

サンリオバーチャルフェストは、メタバース上で開催された、リアル/バーチャルのアーティスト総勢52組が集まったライブイベントです。

アーティストは、AKB48などのリアルアーティストから、Vtuber、VRChat上で活動するアーティストまで、幅広いジャンルのアーティストが一堂に会することで、大きな話題を呼びました。

 

この取り組みのポイントは、ユーザーが求めるものを実現するために、企業や団体の垣根を超えたコラボレーションを実現させた点です。このように、ユーザーを特定の企業やプラットフォームに囲い込もうとするWeb2.0的な発想とは違った取り組みが、今後のメタバース市場の盛り上がりに繋がっていくでしょう。

 

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⑤バーチャル秋葉原:提携により海外のオタクコミュニティの取り込みへ

バーチャル秋葉原:提携により海外のオタクコミュニティの取り込みへ
(画像:大日本印刷)

バーチャル秋葉原とは、大日本印刷とAKIBA観光協議会により推進される、現実世界と仮想世界を融合させた地域共創型XR街づくりプロジェクトであり、2022年4月にオープンしたメタバース空間になります。

 

ユーザーは、PC用アプリケーションやVRゴーグル、Webブラウザなどを通じて、世界のどこからでもいつでも秋葉原の魅力を楽しむことができます。仮想空間には、ショッピングができる店舗やギャラリースペース、広告看板などが設置されており、漫画・アニメ等のコンテンツホルダーをはじめとする様々な企業が、情報発信や販促活動を行う「第3のチャネル」として利用することができます。

 

バーチャル秋葉原の集客に向けた取り組みの代表的なものとして、海外企業との提携により、海外のマンガ・アニメ好きのコミュニティの獲得が挙げられます。

バーチャル秋葉原は、日本のアニメ・マンガ好きコミュニティ・データベースサイトを運営するMyAnimeList社と提携し、海外からのユーザー集客を図っています。

 

このように、自社のターゲット層を多く抱える他社との提携により、顧客基盤を活用する取り組みも、大きなインパクトのある施策の1つと言えます。

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このナレッジの著者

メタバース総研 代表取締役社長

今泉 響介

株式会社メタバース総研(現・CREX)代表取締役社長。
慶應義塾大学経済学部卒業。学生起業した事業を売却後、日本企業の海外展開/マーケティングを支援する株式会社Rec Loc を創業・社長就任を経て、現職に。メタバースのビジネス活用に特化した国内最大級の読者数を誇るメディア「メタバース総研」の運営やメタバースに関するコンサルティング及び開発サービスの提供を行っている。著書に『はじめてのメタバースビジネス活用図鑑』(中央経済社)

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