【事例11選】メタバースをブランディングに活用する3大メリット

関連技術の進歩やコロナによるオンラインシフトの動きによりメタバースが人々の間に普及していることを受け、メタバースをブランディングに活用しようとする企業が増えています。

 

一方で、自社でのメタバースをブランディングに活用しようと考えているけど、どのように活用すれば良いか分からないという方も多いのではないでしょうか?

 

そこで今回は、ブランディングへのメタバース活用について、メリットや事例11選、費用相場などとともにわかりやすくご紹介します。

 

本記事は、以下のような方におすすめの記事となっています。

 

  • メタバースをブランディングに活用することを検討している
  • メタバースをブランディングに活用するメリットが知りたい
  • メタバースをブランディングに活用した他社事例を押さえておきたい

 

本記事を読めば、ブランディングへのメタバース活用について最低限抑えておきたい知識を、一気にキャッチアップできる内容となっておりますので、ぜひ最後までご一読ください。


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目次

メタバースを活用したブランディングとは

Welcome to Gucci Town
(動画:GUCCI)

メタバースを活用したブランディングとは、企業がメタバース上で様々な体験を提供することで、商品や企業のブランディングを行うことを指します。

 

例えば、自社商品をデジタルアセットにしてメタバース上で販売したり、自社商品・サービスを体験できるメタバース空間を提供したり、自社のブランドを紹介する展示スペースを展開したりするなど、様々な方法でブランドの認知度向上を狙うことができます。

 

現実の世界とは異なり、地理的・物理的な制限を受けず世界中の多くのユーザーにリーチすることができること、様々な演出や仕掛けで斬新なプロモーション戦略をとることができることから、新たなビジネスチャンスを生み出す手法として注目が集まっています。

企業がメタバースをブランディングに活用する3つのメリット

企業がメタバースをブランディングに活用する3つのメリット

企業がメタバースをブランディングに活用するメリットとして、主に以下の3つが挙げられます。

 

  • ➀顧客接点のオンラインシフトの実現
  • ②幅広い顧客層へのリーチ
  • ③メタバースならではの体験による訴求力/売上向上

それぞれのメリットについてわかりやすく紹介していきます。

➀顧客接点のオンラインシフトの実現

コロナウイルス感染拡大防止のための行動制限などの影響で、幅広い業界のブランディング活動が打撃を受けました。商材によってはオンラインでのブランディング構築へのシフトを成功させています。

 

一方で、実物を確認して買いたいという人が多い商材や顧客ひとり一人に寄り添った提案が重要な商材のブランディングについては、オンラインシフトは非常に難易度が高く、幅広い業界の企業の課題となっています。

 

そこで、ブランディング構築のためにメタバースを活用することで、実店舗などのリアル空間で行っていた顧客接点のオンラインシフトを行うことが可能となります。

②幅広い顧客層へのリーチ

メタバースを活用したブランディング構築施策の特徴の1つとして、「いつでも、どこからでもアクセスしてもらえる」という点があります。従来のリアルな空間でのプロモーションイベントでは、ターゲットとなる人が地理的に大きく制限されているため、一定程度ターゲットが密集している都心部など以外で施策を実施しづらいという課題がありました。そこで、メタバース上でブランディング構築施策を行うことで、幅広い地域のターゲットにリーチすることが可能です。

 

また、メタバースを活用することで、従来若者世代との接点獲得に苦戦していた企業・商材のブランディング構築を加速させることもできます。メタバースがデジタルネイティブの比較的若い世代から人気を集めていることや、人気のコンテンツなどとコラボしたりゲーミフィケーションを取り入れたブランディング構築施策との相性が良いことから、若者世代の顧客獲得への打ち手としての活用が進んでいくことが考えられます。

③メタバースならではの体験による訴求力/売上向上

メタバースを活用することで、自社の商材の訴求力を向上することができます。訴求力向上に繋がるポイントは大きく2点あります。

 

1点目は、3Dモデルを活用した訴求力の向上です。顧客が商材や店舗、施設を目の前にしているような体験を提供でき、従来オンラインで商材の魅力が伝わりづらく、オンラインでのブランディング構築に苦戦していた商材の訴求力を向上することができます。

 

2点目は、メタバースならではの体験を通じた、新たな購買体験による訴求力の向上です。オンラインでありながら、友人と一緒に買い物が出来る環境を構築したり、リアルでは簡単に提供できない非現実的な体験型のブランディング構築施策を低コストで実施したりすることができます。

 

マーケティング・ブランディングへのメタバース活用の事例はこちらをご覧ください。

業界別|メタバースのブランディングへの活用事例11選

業界別|メタバースのブランディングへの活用事例11選

業界別のメタバースのブランディングへの活用事例11選は以下の通りです。

 

  • ①アパレル業界:NIKEがメタバース空間を構築しデジタルアセットを販売
  • ②アパレル業界:GUCCIが独自のメタバース空間を構築
  • ③アパレル業界:PRADAが香水のプロモーションにバーチャルモデル「Candy」を起用
  • ④エンタメ業界:米津玄師、星野源がフォートナイト上でバーチャルライブを開催
  • ⑤エンタメ業界:大日本印刷×AKIBA観光協議会がメタバース上に秋葉原の街並みを再現
  • ⑥自動車業界:日産がメタバース上で新車の発表・試乗会を開催
  • ⑦不動産業界:大和ハウスがメタバース上で自由に見学できる住宅展示場を展開
  • ⑧金融業界:SMBC日興証券が金融を身近に感じられるイベントを開催
  • ⑨観光業界:あしびかんぱにーがメタバース上に沖縄の観光名所を再現
  • ⑩自治体:大阪府がメタバース空間「バーチャル大阪」上で大阪の魅力を発信
  • ⑪自治体:吉本興行×養父市がかつての日本一の鉱山をメタバース空間上に再現

 

それぞれの事例についてわかりやすく紹介していきます。

①アパレル業界:NIKEがメタバース空間を構築しデジタルアセットを販売

アパレル業界:NIKEがメタバース空間を構築しデジタルアセットを販売
(画像:NIKE)

NIKEは、Roblox(ロブロックス)上に没入型3D空間「NIKELAND」(ナイキランド)をオープンしました。

 

ユーザーは、3Dアバターを操作してメタバース空間上に作られたバスケットボールコートなどの運動施設で他のユーザーと共に鬼ごっこやドッジボールなどのスポーツを楽しむことができます。

また、ツールキットを利用して自分だけのオリジナルミニゲームを制作することもできます。さらに、デジタルショールームでは、NIKEのアパレルやシューズをデジタルアセットとして購入でき、アバターに装着させることで身体能力をアップさせることもできます。

 

NIKELANDは、NIKEのブランドとしての世界観を表現するためのブランディング構築の施策としてだけでなく、メタバースという新たなマネタイズポイントの開拓に繋げる目的があると考えられます。

②アパレル業界:GUCCIが独自のメタバース空間を構築

Welcome to Gucci Town
(動画:GUCCI)

GUCCIは、ゲーム版YouTubeとも呼ばれる大人気ゲーム型メタバース「Roblox」上に、常設エリアである「GUCCI Town」をオープンしました。

 

「GUCCI Town」にはグッチのアイテムに関連するゲームを楽しめる競技場、アート制作を楽しめるアトリエ、ヴィンテージから新作アイテムを見ることのできる展示スペースなどが存在し、メタバースの世界でグッチに纏わる様々なブランドを体験することができます。

 

2021年5月にも、GUCCIはRobloxに2週間限定のエリアをオープンし、約2000万来場者を記録するという成果を挙げていることから、今回常設エリアのオープンに踏み切ったと考えられます。

GUCCI CEOのニコラ・ウディノ氏によると、この取り組みの成功は、「GUCCIがRoblox上でブランドのコミュニティ意識を育てることができたからだ」としています。

③アパレル業界:PRADAが香水のプロモーションにバーチャルモデル「Candy」を起用

アパレル業界:PRADAが香水のプロモーションにバーチャルモデル「Candy」を起用
(画像:PRADA)

PRADAは、ReThink Realityキャンペーンで「Prada Candyフレグランス」をリニューアルするために、ブランド初のバーチャルモデルの「キャンディ」を発表しました。香水にちなんで名付けられたこのバーチャルモデルは、従来のセレブリティやインフルエンサーのマーケティング戦略に代わり、テクノロジーに敏感なZ世代をよりターゲットにするためのものです。

 

現在、ロレアルのライセンスを受けたこのブランドは、バーチャルモデルを使用して、若い消費者とのデジタル交流を活性化し、バーチャルインフルエンスの未来への探求を促しています。バーチャルモデルの「キャンディ」は、ラグジュアリーブランドが自らのデジタルストーリーを主導するための社内バーチャルモデルとしても活躍しています。「キャンディ」は、一見すると物理的なモデルと見間違うほどです。

④エンタメ業界:米津玄師、星野源が「フォートナイト」上でバーチャルライブを開催

エンタメ業界:米津玄師、星野源が「フォートナイト」上でバーチャルライブを開催
(画像:フォートナイト

米津玄師や星野源は、VRゲーム「フォートナイト」上でバーチャルライブを開催しました。

米津玄師は2020年に開催中であったライブツアー「米津玄師 2020 TOUR / HYPE」の中断等に伴い「フォートナイト」での全世界同時バーチャルライブを開催し、世界中から多くのプレイヤーが観客として参加しました。米津玄師は「STRAY SHEEP」のジャケットに描かれた羊のマスクを被った3DCGの姿で、ゲーム内の様々な場所に移動しながらパフォーマンスを披露しました。

 

星野源は2022年に「フォートナイト」内で開催されたバーチャルイベント「Soundwave Series」に参加し、世界中のアーティストとともにバーチャルライブを披露しました。

物理的距離を超えて、クオリティの高いパフォーマンスを顧客に提供することのできたイベントとなりました

⑤エンタメ業界:大日本印刷×AKIBA観光協議会がメタバース上に秋葉原の街並みを再現

エンタメ業界:大日本印刷×AKIBA観光協議会がメタバース上に秋葉原の街並みを再現
(画像:バーチャル秋葉原)

大日本印刷とAKIBA観光協議会は、現実世界と仮想世界を融合させた地域共創型XR街づくりプロジェクト「バーチャル秋葉原」を推進しています。バーチャル秋葉原は、2022年4月にオープンしたメタバース空間です。

 

ユーザーは、PC用アプリケーションやVRゴーグル、Webブラウザなどを通じて、世界のどこからでもいつでも秋葉原の魅力を楽しむことができます。仮想空間には、ショッピングができる店舗やギャラリースペース、広告看板などが設置されており、漫画・アニメ等のコンテンツホルダーをはじめとする様々な企業が、情報発信やブランディング活動を行う「第3のチャネル」として利用することができます。

 

バーチャル秋葉原の集客に向けた取り組みの代表的なものとして、海外企業との提携により、海外のマンガ・アニメ好きのコミュニティの獲得が挙げられます。

バーチャル秋葉原は、日本のアニメ・マンガ好きコミュニティ・データベースサイトを運営するMyAnimeList社と提携し、海外からのユーザー集客を図っています。

 

このように、自社のターゲット層を多く抱える他社との提携により、顧客基盤を活用する取り組みも、大きなインパクトのある施策の1つと言えます。

⑥自動車業界:日産がメタバース上で新車の発表・試乗会を開催

自動車業界:日産がメタバース上で新車の発表・試乗会を開催
(画像:日産自動車)

日産自動車は、新型軽電気自動車「日産サクラ」の発表会および試乗会をメタバース上で開催しました。

 

試乗会は、世界最大級の参加型VR SNS「VRChat」上で行われ、日本の四季を感じられるドライブコースでバーチャルな日産サクラを運転することができます。自分で運転席に座って運転したり、後部座席に座ったりと、現実の試乗さながらの体験ができ、新車の特徴を立体的に確認することができます。メタバース上での試乗は通常の試乗とは違い、書類での手続きなども不要で、いつでもどこからでも体験可能なのが最大の強みです。

 

今回のようなトライアルを重ねることで、将来的にメタバースの商品プロモーションのチャネルとしての活用が本格的に進んでいくことが期待されます。

⑦不動産業界:大和ハウスがメタバース上で自由に見学できる住宅展示場を展開

不動産業界:大和ハウスがメタバース上で自由に見学できる住宅展示場を展開
(画像:大和ハウス)

大和ハウスはアバターを用いて担当者と見学者がコミュニケーションを図りながら仮想空間上の住宅展示場を自由に見学できる「メタバース住宅展示場」を公開しました。ユーザーはスマホやタブレット・PCからメタバースにアクセスでき、最大6名の見学者とともに担当者にリアルタイムに質問や相談を実施することが可能です。

 

メタバース上にある住宅展示場という特徴を活かし地面から屋根の上までさまざまな角度から見学できることに加え、室内では子どもやペットなどの視点でも見学が可能です。また、見学者が床や壁紙・天井等の色や素材、インテリアなどを瞬時に切り替えて、イメージを検討することもできます。今後、対応する住宅商品ラインナップを拡充していく方針とのことです。

⑧金融業界:SMBC日興証券が金融を身近に感じられるイベントを開催

金融業界:SMBC日興証券が金融を身近に感じられるイベントを開催
(画像:株式会社HIKKY

SMBC日興証券は、2021年末に開催された、世界最大のメタバースイベントである「バーチャルマーケット2022」に特設ブースを出展しました。リーマンショックやアベノミクスなど相場変動を疑似体験できる株価連動ジェットコースターや、証券アナリストなどの専門家とアバターを介して話せるバーチャル座談会など、金融を身近に感じられるようなメタバースならではのコンテンツを提供しました。

 

株価連動ジェットコースターでは、走行中に当時の株価の変動と関連した金融・経済トピックが目の前に現れるなど、メタバースならではの演出で金融の世界を楽しむことができました。さらに、コースター乗車中に撮影した写真が乗車後にブース内に表示されるなど、現実世界の遊園地のアトラクションのような演出も用意されました。

 

バーチャル座談会では、投資や資産運用に関する情報を提供するパネルや動画が設置されました。また、普段なかなか直接話せる機会のないSMBC日興証券のアナリストなどと相場解説などのスモールトークセッションも実施されました、

⑨観光業界:あしびかんぱにーがメタバース上に「バーチャルOKINAWA」をオープン

観光業界:あしびかんぱにーがメタバース上に「バーチャルOKINAWA」をオープン
(画像:あしびかんぱにー)

沖縄発のエンタメ企業であるあしびかんぱにーが、メタバース上で沖縄の観光名所を楽しむことのできる「バーチャルOKINAWA」をリリースしました。バーチャルOKINAWAでは、メタバース上で再現された国際通り商店街やビーチなど、沖縄のさまざまな観光名所を巡ることができます。

例えば、恩納湾の贅沢なビーチから、沖縄の名所であるひめゆりの塔まで、美しい風景を日本全国で楽しむことができます。

 

2022年4月には、バーチャルOKINAWAで提供される沖縄商品のショッピングを楽しめる場所として人気を博している「国際通り商店街公式オンラインショップ」がリニューアルオープンしました。ストアサイトでは、実際に国際通りで販売されている500点以上の商品を取り扱っており、今後さらに多くの店舗がオープン予定です。

 

また、すでに公開している「国際通りエリア」「ビーチエリア」に続き、新たに「首里城エリア」として、守礼門から首里城正殿までの首里城公園を忠実に再現しています。見て楽しむだけでなく、エリア内のガイドと会話しながら、首里城の歴史や雑学を学ぶことができます。

 

このバーチャルOKINAWAには、アバターを使って世界中の人々と交流できるソーシャルプラットフォーム「VRChat」を、VRデバイスなどにダウンロードすることで利用可能なほか、簡易版をスマホやPCから利用することも可能です。

⑩自治体:大阪府がメタバース空間「バーチャル大阪」上で大阪の魅力を発信

自治体:大阪府がメタバース空間「バーチャル大阪」上で大阪の魅力を発信
(画像:バーチャル大阪)

バーチャル大阪は、大阪府と大阪市がKDDIと共同で展開する都市連動型メタバースです。2025年開催の大阪・関西万博に先駆けて、道頓堀など大阪市内をモチーフにした「新市街」エリアが登場し、大阪の都市の魅力を国内外に発信しています。公式サイトからVRサービス「Cluster」をインストールして無料アカウントを登録するだけでバーチャル大阪に入ることができます。

 

自宅や外出先から多様なデバイスを使用してバーチャル大阪に参加することで、リアルタイムで世界中の人とコミュニケーションを取りながら、バーチャル音楽ライブ等のエンタメコンテンツやアバターを介したユーザー自らの創作活動など、様々な楽しみ方を体験することができます。今後は、バーチャル商店街で買い物すると実際に商品が届いたり、イベント会場で音楽ライブが開催されたりさらなる発展に期待が集まります。

 

道頓堀や大阪城など大阪市内のランドマークが集結していたり、太陽の塔をモチーフにしたアバター衣装を着たりすることができ、大阪の魅力を感じることのできるデジタルコンテンツとなっています。

⑪自治体:吉本興行×養父市がかつての日本一の鉱山をメタバース空間上に再現

自治体:吉本興行×養父市がかつての日本一の鉱山をメタバース空間上に再現
(画像:吉本興業)

吉本興業は人口約2万人、兵庫県北部に位置する養父市の観光名所を再現したメタバース空間をリリースしました。

ユーザーは、かつて日本一のすず鉱山として栄えた明延鉱山の坑道後を観光したり、吉本興行所属のタレントコラボした採掘ゲームを楽しんだり、市役所を訪れ、デジタル住民票交付してもらったりすることができます。

 

バーチャル養父のオープニングイベントには、吉本興業所属のお笑い芸人である、野生爆弾くっきー!さんやとろサーモンの村田さんらが参加し、その様子は吉本の映像配信サービス「FANCY」によってライブ配信されました。

 

また、イベントで養父市市長がアバター姿で登場し、「VRには無限の可能性があると思います。世界中どこからでも来ていただけるので、いろんな国の方々に来てもらって、養父市の自然や観光名所を楽しみ、市民とも交流してもらいたい。そして、ゆくゆくは現実世界でも体験しに来ていただければ。バーチャルでは100万人都市を目指しています」とコメントしました。

企業がメタバースを活用したブランディングを行うための4つのステップ

企業がメタバースを活用したブランディングを行うための4つのステップ

企業がメタバースを活用したブランディングを行うステップとして、大きく以下の4つのステップが挙げられます。

 

  • Step1:市場動向・知見のキャッチアップ
  • Step2:戦略/企画の立案
  • Step3:事業計画の策定
  • Step4:開発・運用

 

それぞれのステップについて分かりやすく紹介していきます。

Step1:市場動向・知見のキャッチアップ

1つ目のステップとして取り組むべきは、最先端の市場動向・知見のキャッチアップです。MetaやApple、Microsoftなどのビックテックやユーザーの動向・先行活用事例など、日々変化する市場動向やナレッジへのキャッチアップが必要です。

このステップが、成果に繋がる骨太な戦略/企画策定の基盤となります。

Step2:戦略/企画の立案

2つ目のステップはメタバースを活用したブランディングの戦略/企画です。活用目的を踏まえ、中長期で目指す事業の姿や自社の強みの活用の仕方、実現に向けた企画を立案しましょう。

ユーザーバリューと自社の事業性の両方を満たす、質の高い戦略/企画の立案が、成果につながるメタバース活用の実現に向け最も重要なポイントとなります。

Step3:事業計画の策定

3つ目のステップは事業計画の策定です。事業に期待する成果や開発・運用のアプローチやタイムライン、必要な投資額などを検討しましょう。

メタバース開発・運用といっても、プロジェクト毎に求められるケイパビリティは様々であるため、自社にマッチするツール・ベンダーの選定が非常に重要です。

Step4:開発・運用

4つ目のステップが開発・運用です。メタバース開発・運用には幅広い領域の知見や技術スタックが求められるため、外部のベンダーなどを有効活用し、不足するケイパビリティやリソースを補完しつつ、自社が行いたいブランディングを実現するメタバースの開発とマーケティングを含めた運用を実施しましょう。 

 

4つのステップで取り組むべき35のステップに関しては、以下の関連記事で詳しく解説しています。

 

※関連記事:メタバースを活用した事業を作る方法|全4フェーズと35ステップ【担当者必見】

メタバースを活用したブランディングを成功させるための5つのポイント

メタバースを活用したブランディングを成功させるための5つのポイント

企業がメタバースを活用したブランディングを成功させるためのポイントとして以下の5つが挙げられます。

 

  • ①最先端の市場動向・ノウハウのキャッチアップ
  • ②活用目的の明確化と骨太な戦略策定
  • ③ユーザーファーストなUX設計
  • ④アジャイルアプローチによるプロジェクトの推進
  • ⑤強力な開発・運用体制の構築

 

それぞれについて分かりやすく紹介していきます。

①最先端の市場動向・ノウハウのキャッチアップ

1つ目のポイントは、最先端の市場動向・ノウハウのキャッチアップです。

デバイスの進化やユーザーの動き、各領域におけるメタバースを活用したブランディングの先進事例をキャッチアップし、自社が取り組むべき活用方法や成果に繋がる活用のポイントを抑えた上で運用に着手しましょう。

 

メタバースの活用には取り組むのに一定の予算や工数が必要となるため、自社にとって重要な最新動向や運用のノウハウを抑えておくことが、成功確度の高い戦略・企画立案の大前提となります。

②活用目的の明確化と骨太な戦略の立案

2つ目のポイントは、メタバースを活用する目的の明確化と骨太な戦略の策定です。

現在メタバース活用に取り組む企業には、メタバース活用の取り組みが単発で終わってしまっている企業が見受けられます。

その結果、運用のPDCAが回らない、メタバースの活用が小粒な施策の1つに留まってしまうなど大きな収益機会の獲得に繋がらないという結果に終わってしまいます。

 

自社の経営課題を踏まえ、「活用によりどのような経営課題を解決したいのか?」「ブランディング構築のための施策としてなぜメタバースではないといけないのか?」といった明確な活用目的を整理した上で、中長期で目指す事業の姿や自社の強みの活用の仕方などの実現に向けた戦略を立案しましょう。

③ユーザーファーストな企画・UX設計

3つ目のポイントは、自社のターゲットにとってユーザーファーストなメタバースの企画・UX設計です。

現在、多くの企業がメタバースに参入を進めていますが、そのなかには、企業側の都合のみでサービス・体験が設計されたようなメタバースが多く存在します。それらのメタバースは、ユーザーに認知・利用されず、企業の活用の目的を達成できない結果に終わってしまいます。

 

そのため、「メタバースならではの高い体験価値を届けられているか」や「ユーザーの利用にあたっての手間や負担が大きくないか」といった観点を踏まえたUX設計が重要です。

④アジャイルアプローチによるプロジェクトの推進

4つ目のポイントは、アジャイルアプローチによるプロジェクトの推進です。

メタバース市場は今後大きな成長が予想されているものの、いまだ成長期にあり、様々な業界の企業が中長期的な収益最大化に向け、最適な活用方法を模索している段階にあります。

そのため、計画と実行のプロセスを短いスパンで回し、仮説立案・実行・検証・施策立案のサイクルを何度も繰り返すことが、ブランディング戦略を机上の空論で終わらせないために重要です。

⑤強力な開発・運用体制の構築

5つ目のポイントは、強力なメタバース開発・運用体制の構築です。

高いユーザー体験と事業性を両立するメタバースの開発とマーケティングを含めた運用を実施しましょう。

 

メタバース開発・運用には幅広い領域の知見や技術スタックが求められるため、外部のベンダーなどを活用し、不足するケイパビリティやリソースを補完することも有効です。

おススメのメタバースでのブランディング構築支援会社3選

おススメのメタバースでのブランディング構築支援会社3選

おススメのメタバースでのブランディング構築支援会社として、以下の3社が挙げられます。

 

  • ①クラスター:メタバースプラットフォームclusterを運営
  • メタバース総研:国内最大級の知見に基づき戦略/企画策定から開発まで支援
  • ③面白法人カヤック:メタバース専門部隊による総合プロデュース

 

それぞれの会社の支援内容や特徴を分かりやすく紹介していきます。

①クラスター:メタバースプラットフォームclusterを運営

クラスター:メタバースプラットフォームclusterを運営
(画像:クラスター)

クラスター株式会社は、メタバースプラットフォームclusterの運営と、同プラットフォームを活用したい企業の支援を行っています。

クラスターの強みとして以下の3点が挙げられます。

  • 1.100万アプリダウンロードを超えるメタバースプラットフォームを運営
  • 2.自社プラットフォームと連携した開発支援
  • 3.Cluster上での多数の企業の取り組み支援による知見

1.100万アプリダウンロードを超えるメタバースプラットフォームを運営

運営するclusterはアプリダウンロード数が100万を超えており、多くのユーザーを集めるメタバースプラットフォームとなっています。

 

そのため、ブランディング構築のために、より多くのユーザーにリーチしたい企業にとって、clusterの活用は有効な選択肢と言えます。

2.自社プラットフォームと連携した開発支援

clusterは、自社プラットフォーム上にメタバース空間を展開して認知度向上を図りたい企業向けのコンサル・開発支援も行っています。

 

そのため、cluster上でのメタバースの企画・開発の支援におけるスムーズな連携が特徴です。

3.cluster上での多数の企業の取り組み支援による知見

clusterは、これまでに幅広い業界の企業のclusterの活用支援実績を有しています。

 

そのため、企業のcluster活用に関する豊富なノウハウを活かした支援が強みとなっています。

②メタバース総研:国内最大級の知見に基づき戦略/企画策定から開発まで支援

メタバース総研:国内最大級の知見に基づき戦略/企画策定から開発まで支援

メタバース総研は、企業向けのメタバース/XRのコンサルティング・開発を行っている会社です。

  

メタバース総研の強みとして以下の3点が挙げられます。

 

  • 1.国内最大級のメディア運営/豊富なコンサルティング経験による戦略策定力
  • 2.中立的な立場から各社に最適なツール/プラットフォームを選定可能
  • 3.強力なパートナー企業/クリエイターによる総合的な支援力

1.国内最大級のメディア運営/豊富なコンサルティング経験による戦略策定力

国内最大級のメディア運営/豊富なコンサルティング経験による戦略策定力 メタバース総研

メタバース総研は、国内最大級のビジネスに特化したメタバース/XRメディアの運営と幅広い業界の大手企業へのコンサルティング経験を通じた戦略策定力を強みとしています。

 

そのため支援の際は、クライアント企業様の事業の課題・活用の目的を踏まえたメタバースの活用戦略/企画策定を徹底しています。このこだわりが、多くの企業が陥っている”メタバース/XR活用自体の目的化”を防ぎ、成果に繋がる活用を実現します。

2.中立的な立場から各社に最適なツール/プラットフォームを選定可能

中立的な立場から各社に最適なツール/プラットフォームを選定可能 メタバース総研

メタバース総研は、特定のメタバース/XR開発ツールやプラットフォームを有していません。

 

そのため、特定の開発ツールやプラットフォームの活用ありきの支援ではなく、中立的な立場からクライアント企業様のプロジェクト毎に最適なプラットフォームやツールを選定し、支援することが可能です。

3.強力なパートナー企業/クリエイターによる総合的な支援

強力なパートナー企業/クリエイターによる総合的な支援 メタバース総研

メタバース総研は、技術領域・ユースケース毎に、業界を代表する実績/ソリューションを有する12社の企業や38名のクリエイターとパートナーとして協働しています。

 

そのため、クライアント企業様の課題やご要望に合わせ、パートナー企業/クリエイターらとともに最適な各種ソリューションをご提供しています。

 
※メタバース総研は豊富な経験とナレッジに基づき、各社様に合わせた先進事例や具体的な活用アイデアなどの最新ナレッジをご提供させていただいております。 メタバース/XR活用でお困りの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
メタバース/XRのビジネス活用個別無料相談会の詳細はこちら

③面白法人カヤック:メタバース専門部隊による総合プロデュース

面白法人カヤック:メタバース専門部隊による総合プロデュース
(画像:面白法人カヤック)

面白法人カヤックは、メタバース専門部隊を設立し、メタバースにおける総合プロデュースを行っています。カヤックは、メタバース以外にも、広告やPRの受託開発を行う「面白プロデュース事業」やソーシャルゲームの開発・運用を行う「ゲーム・エンタメ関連事業」やゲームやeスポーツのコミュニティに特化した「eスポーツ関連事業」など様々な事業を展開しており、これにより培われた企画力、開発力、表現力をメタバース事業に活かしています。

 

面白法人カヤックの強みとして以下の3点が挙げられます。

 

  • 1.クリエイティビティのあるクリエイターを多く抱えている
  • 2.広告的なVRコンテンツが得意
  • 3.VRのニュースを語るポッドキャストを運営

1.クリエイティビティのあるクリエイターを多く抱えている 

カヤックは「つくる人を増やす」の経営理念のもと会社経営を行っているため、社内にクリエイティビティのあるクリエイターを多く抱えているのが特徴で面白いサービスを次々にリリースしてきました。

2.広告的なVRコンテンツが得意

 

カヤックはVR領域において、ブランディング構築にも役立つ広告的なVRコンテンツなど、様々なシーンでVRコンテンツの企画・実装・演出を行い、世の中にまだない新しい体験を次々と生み出しています。

3.VRのニュースを語るポッドキャストを運営

カヤックは「カヤックVR部VRadio」をSoundCloudとYouTubeで配信中しており、運営を通じて蓄積されたナレッジをVR制作に活かしています。

 

そのため、他社にはマネできないオリジナリティあふれるメタバース/VRコンテンツを開発したい企業におススメです。

タイプ別|ブランディングへのメタバース活用にかかる費用相場

タイプ別|ブランディングへのメタバース活用にかかる費用相場

メタバースを活用したブランディングの手法には、メタバース空間の構築からメタバースイベントへの出展まで様々なタイプが存在し、タイプによって費用が大きく変わってきます。タイプ別の費用相場は以下の通りです。

  • ➀独自のユーザー向けメタバースサービスの構築:100万~1000万円超
  • ②プロモーションへの活用:10万~500万円超
  • ③メタバースイベントへの出展:無料~100万円超

それぞれをわかりやすく紹介しています。

 

⇒関連サービス:メタバース総研の開発・運用サービスはこちら

➀独自のユーザー向けメタバースサービスの構築:100万~1000万円超

独自のユーザー向けメタバースサービスの構築:100万~1000万円超 凸版印刷
(画像:凸版印刷)

独自のユーザー向けメタバースサービスの構築の費用の相場は100〜1000万円超とかなりケースバイケースとなっています。その理由としてはどの程度サービスを充実させるかや、どのような開発方法を用いるかによってかかる工数が大きく変わってくるからです。

 

例えば、VRChatやDOORをベースにする場合であれば100万円~、一方で0からオリジナルのメタバースを構築する場合は、シンプルな機能のもので500万円~、機能をリッチにすると1000万円異常が必要となってきます。

 

※メタバース/XR活用を検討する際に、必ず押さえておきたい5大メタバース/XRプラットフォームの特徴や活用方法、選び方をまとめた資料をダウンロード頂けます

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②プロモーションへの活用:10万~500万円超

プロモーションへの活用:10万~500万円超 COCOAR
(画像:Cloud CIRCUS)

メタバースのプロモーションへの活用にかかる費用の相場は10万〜500万円となっています。

 

日産自動車が新車発表会・試乗会向けのメタバースを構築した事例のように、0から独自のメタバース空間を構築する場合は500万円を超える高額な費用が必要となります。

 

一方で、AR作成ツールCOCOARなどの、メタバース制作ツールを活用する場合は、月額3万円程度からメタバースを作成することができます。

③メタバースイベントへの出展:無料~100万円超

メタバースイベントへの出展:無料~100万円超 バーチャルマーケット
(画像:HIKKY)

メタバースイベントへの出展にかかる費用の相場は無料〜100万円超となっています。

 

比較的小規模のメタバースイベントやメタバースプラットフォーム上に出展する場合であれば無料の場合もあります。

 

一方で、バーチャルマーケットなど多くのユーザーを集めるメタバースイベントの場合、リアルのイベント会場の出展と同様、100万円を超える出展費用が必要となります。

費用対効果・実現性が高いメタバース活用方法

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数多くの企業様に対するコンサルティングや国内最大級のビジネス特化型メタバースメディアの運営で培った豊富な知見を活用し、成果につながる戦略・企画を策定します。

強力なパートナーシップによる最適なアプローチ設計

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各領域の業界を代表するソリューション提供企業とのパートナーシップを構築。案件毎に中立的な立場から、費用対効果の高いアプローチを設計します。

経験豊富なクリエイター・エンジニア・コンサルタントによる並走支援

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業界トップクラスの経験/スキルを有するクリエイター・エンジニア・コンサルタントから、最適なメンバーをアサイン。戦略立案から実行まで並走し、社内のリソース不足を解決します。

「課題や依頼内容が明確になっていない」、「社内で合意が取れていない」場合でも問題ございません。メタバース総研へのお問い合わせをお待ちしております。

メタバース/XR活用の個別無料相談会実施中

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各社様のメタバース/XR活用に関する課題解決に向け、最新の市場動向や具体的な活用アイデアなどを、個別のオンラインMTGにて、無料でご紹介させていただきます。

 

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このナレッジの著者

メタバース総研 代表取締役社長

今泉 響介

株式会社メタバース総研(現・CREX)代表取締役社長。
慶應義塾大学経済学部卒業。学生起業した事業を売却後、日本企業の海外展開/マーケティングを支援する株式会社Rec Loc を創業・社長就任を経て、現職に。メタバースのビジネス活用に特化した国内最大級の読者数を誇るメディア「メタバース総研」の運営やメタバースに関するコンサルティング及び開発サービスの提供を行っている。著書に『はじめてのメタバースビジネス活用図鑑』(中央経済社)

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