VRの銀行への活用事例5選|3大メリットや成功のカギも紹介

vr 銀行

本記事では、VR×銀行に関心のある方向けに、VRの基本から銀行での活用事例までわかりやすくご紹介します。

 

こんな方におススメ

 

  • VRを銀行業界で活用したい
  • VRを銀行業界で活用するメリットが知りたい
  • 具体的な活用事例を知りたい

 

本記事を読めば、銀行業界でのVR活用の検討に必要な最新情報を、一気に理解することができますのでぜひ最後までご一読ください。


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目次

そもそもVRとは?

そもそもVRとは? 三越伊勢丹
(画像:三越伊勢丹)

VRとはVirtual Realityの略称で、別名仮想現実とも呼ばれます。最先端の3DモデリングやVRデバイス、ゴーグル等の技術により、まるでその世界に入り込んでいるかのように感じられる、デジタル上の仮想空間を提供する技術のことを指します。

 

日本バーチャルリアリティ学会ではVRを「みかけや形は原物そのものではないが、本質的あるいは効果としては現実であり原物であること」と定義しています。すなわち、VRは、現実世界そのものではないが、実質は現実世界とほとんど変わらないという意味です。

 

VRの定義についてはこの他にも色々な考え方がありますが、いずれにしても、本質的には現実とほとんど変わらないというところがポイントになります。

 

様々なユースケースの中でも特にゲームの使用を中心に利用が拡大しており、まるでゲームの世界に入り込んだかのような没入感・臨場感を感じながらプレイすることが出来ます。

 

また、最近ではゲームだけでなく、仮想現実に出店し商品を販売したり、仮想空間上で社員研修や金融業界を行ったり、建築のシミュレーションを行ったりするなど、様々な分野でVRが活用されています。

VRを銀行業界へ活用する3つのメリット

VRを銀行業界へ活用する3つのメリット

VRの銀行業界への活用へのメリットとして、以下の3つが挙げられます。

 

  • ①既存の金融サービスの新たな営業チャネルとしての活用
  • ②既存の金融サービスへのVR上でのデータの活用
  • ③VR上の活動に対する新たな金融ソリューションの提供

 

それぞれをわかりやすく紹介していきます。

➀既存の金融サービスの新たな営業チャネルとしての活用

1つ目は、VRの既存の金融サービスの新たな営業チャネルとしての活用です。VR空間上に仮想店舗を設置し、現実の店頭で行っていたような営業活動を行ったり、VRならではの体験を通じたプロモーションへの活用が想定されます。

 

顧客にとってのメリットとして、いつでもどこからでも支店機能にアクセスできる点が挙げられます。一方、企業サイドにとってのメリットとして、従来金融機関との接点が少なかった若年層を顧客の獲得できる点や各企業が取り組みを進める、支店での窓口業務の効率化・コストカットに繋がる点が挙げられます。

 

この営業チャネルとしての活用は、3つの方向性のうち、最も早期に立ち上がってくると考えられる活用の方向性です。既に、みずほ銀行やSMBC日興証券が、VR上に仮想店舗を開設し、社員がアバターを介した顧客との対話を行う取り組みを進めています。

②既存の金融サービスへのVR上でのデータの活用

既存の金融サービスへのVR上でのデータの活用 東京海上日動
(画像:東京海上日動)

2つ目は、既存の金融サービスへのVR上でのデータの活用です。VR上での人々の活動から得られるデータや、都市全体をVR上に再現した各種シュミレーションなどから得られるデータを、既存の金融サービスのリスク評価や需要予測、マーケティングに活用することが想定されます。

 

既に、東京海上日動などが都市全体をVR上に再現したシミュレーションを、地震や洪水などの災害対策に役立てる取り組みを始めています。

③VR上の活動に対する新たな金融ソリューションの提供

3つ目は、VR上の活動に対する新たな金融ソリューションの提供です。
将来的に、食事や睡眠など限られた活動以外の様々な活動がVR上でも行われると考えられており、現実世界に存在する金融ソリューションのVRVerが多数登場することが予想されます。

 
 
代表的な例としては、NFT等のVR上でのデジタルアセットに関する保険やVR上での経済活動にまつわる決済機能の提供、不確実性の高いVR領域でビジネスを行う企業への保険などが挙げられます。

VRの銀行業界での活用事例5選

VRの銀行業界での活用事例5選

VRの銀行業界での代表的な活用事例として以下の5つが挙げられます。

 

  • ①JPモルガン:VR上に仮想店舗を開設。金融サービス提供へ
  • ②みずほ銀行:VR上に店舗を開設し、決済機能提供などを検討
  • ③三菱UFJ信託銀行:VR上での新卒採用イベントを開催
  • ④静岡銀行:VR支店開設により、顧客との接点強化
  • ⑤東京スター銀行:予約不要、待ち時間ゼロでの接客サービスを実現

 

それぞれの事例についてわかりやすく紹介していきます。

①JPモルガン:VR上に仮想店舗を開設。金融サービス提供へ

JPモルガン:VR上に仮想店舗を開設。金融サービス提供へ
(画像:JPモルガン・チェース)

米国大手銀行のJPモルガン・チェースは、仮想空間上に自由に建物を建てられるVR空間である「ディセントラランド(Decentraland)」に仮想店舗を開設しました。ユーザーはアバターとしてこの店舗を訪れることで、暗号資産に関する情報を得ることができます。仮想店舗の開設を通じて、実際のVR上での顧客の需要を探りながら、将来的な金融サービスの提供を検討しているものと考えられます。

 

同社が発表したレポートには「ウォルマート(Walmart)、ナイキ(Nike)、ギャップ(Gap)、ベライゾン(Verizon:米携帯端末事業者)、Hulu、PWC、アディダス(Adidas)、アタリ(Atari:米ゲーム企業)などの有名企業をはじめ、さまざまな形態や規模の企業がさまざまな方法でVRに参入している」、「やがて仮想不動産市場でも、クレジット、住宅ローン、賃貸契約など、物理的な世界と同じようなサービスが始まるだろう」との記載がありました。

 

また、同社でクリプト・VR関連を統括するクリスティン・モイ氏は「VRの発展は、ユーザーがリアルとバーチャルの世界を行き来できるような、強固で柔軟な金融システムを構築できるかにかかっている」と述べています。

②みずほ銀行:VR上に店舗を開設し、決済機能提供などを検討

金融業界:みずほ銀行がメタバース上に店舗を開設し、決済機能提供などを検討
(画像:HIKKY

みずほフィナンシャルグループは、2022年8月に開かれる世界最大のVRイベトである「バーチャルマーケット2022」への出展を発表しました。

 

銀行店舗をイメージした出店ブースでは、ボルダリング体験やオリジナル3Dモデルの配布をはじめ、ゲストを招いた金融知識に関する座談会が行われる予定です。座談会では、金融知識を有するみずほ社員と、アバターを介したコミュニケーションを取ることも可能となっています。

 

同社は、将来的にはVR上の店舗にて資産形成の相談や商談を実施したり、決済手段の提供などを含めたVR上での新たな経済活動に対するソリューションの提供を目指すとのことです。また、現状VRには統一された決済手段が存在しないため、みずほの決済サービス「J子コインペイ」の技術を応用した決済サービスの提供が検討されています。

③三菱UFJ信託銀行:VR上での新卒採用イベントを開催

三菱UFJ信託銀行:VR上での新卒採用イベントを開催
(画像:クラスター

三菱UFJ信託銀行は、日本最大のソーシャルVRプラットフォーム「Cluster」上で、新卒採用イベントを実施しました。Cluster上に三菱UFJ信託銀行の大会議室を3DCGで再現し、就活生のバーチャルでのオフィス訪問を可能とします。会場では、従来の採用イベントと同様、会社紹介や人事部とのトークセッションの他、内定者との座談会が実施されました。

 

近年、コロナウイルス感染拡大の影響で、対面での会話やオフィス訪問などが制限され、企業がどのように自社の魅力を伝え、就活生がどのように自身をアピールするのかが課題となっています。同社は、この取り組みを通じて、新卒採用における課題解決に繋げたいとしています。

④静岡銀行:VR支店開設により、顧客との接点強化

静岡銀行:VR支店開設により、顧客との接点強化
(画像:静岡銀行)

静岡銀行は、2023年にVR上の支店「メタテラス」を出店する実証実験を行っています。

 

顧客は、インターネット上から「メタテラス」にアクセスすることにより、商品紹介や顧客向けセミナーの案内など、リアル支店の窓口と同様のサービスを受けることが可能です。また、新人向けの接客トレーニングなどの社内研修インフラとしても活用されるとのことです。

 

時間や物理的制約を受けることのない、新しい顧客との接点としてVR支店を活用していくとのことです。

⑤東京スター銀行:予約不要、待ち時間ゼロでの接客サービスを実現

東京スター銀行:予約不要、待ち時間ゼロでの接客サービスを実現
(画像:東京スター銀行)

東京スター銀行は、「東京スター銀行VRラウンジ」を通じて、時間、物理的制約なしに顧客に寄り添った”新たな体験価値の提供”を目指しています。

ユーザーは、インターネットからアクセスすることで、待ち時間、来店予約なしに接客対応を受けることができます。

 

対人対応の要否、欲しい情報などは顧客が選択することができるので、より顧客一人一人のニーズに沿った接客対応が可能となっています。

顧客に気楽かつ快適に利用してもらうため、PCから利用可能な環境とし、画面のクオリティにこだわったコンテンツにより遅延がなく画質のいいVR環境となっています。

待ち時間なく、快適な顧客体験を提供している事例です。

銀行へのVR活用を成功させるための5つのポイント

銀行へのVR活用を成功させるための5つのポイント

銀行へのVR活用を成功させるためのポイントとして以下の5つが挙げられます。

 

  • ①最先端の市場動向・ノウハウのキャッチアップ
  • ②活用目的の明確化と骨太な戦略策定
  • ③ユーザーファーストなUX設計
  • ④アジャイルアプローチによるプロジェクトの推進
  • ⑤強力な開発・運用体制の構築

 

それぞれについて分かりやすく紹介していきます。

①最先端の市場動向・ノウハウのキャッチアップ

1つ目のポイントは、最先端の市場動向・ノウハウのキャッチアップです。

デバイスの進化やユーザーの動き、各領域の先進事例をキャッチアップし、自社が取り組むべき活用方法や成果に繋がる活用のポイントを抑えた上で活用に着手しましょう。

 

VR活用には取り組むのに一定の予算や工数が必要となるため、自社にとって重要な最新動向や活用のノウハウを抑えておくことが、成功確度の高い戦略・企画立案の大前提となります。

②活用目的の明確化と骨太な戦略の立案

2つ目のポイントは、VRを活用する目的の明確化と骨太な戦略の策定です。

現在VR活用に取り組む企業には、VR活用の取り組みが単発で終わってしまっている企業が見受けられます。

 

その結果、活用のPDCAが回らない、VR活用が小粒な施策の1つに留まってしまうなど大きな収益機会の獲得に繋がらないという結果に終わってしまいます。

 

自社の経営課題を踏まえ、「活用によりどのような経営課題を解決したいのか?」「課題解決の打ち手としてなぜVRではないといけないのか?」といった明確な活用目的を整理した上で、中長期で目指す事業の姿や自社の強みの活用の仕方などの実現に向けた戦略を立案しましょう。

③ユーザーファーストな企画・UX設計

3つ目のポイントは、自社のターゲットにとってユーザーファーストなVRの企画・UX設計です。

現在、多くの企業がVRに参入を進めていますが、そのなかには、企業側の都合のみでサービス・体験が設計されたようなVRが多く存在します。それらのVRは、ユーザーに利用されず、企業の活用の目的を達成できない結果に終わってしまいます。

 

そのため、「VRならではの高い体験価値を届けられているか」や「ユーザーの利用にあたっての手間や負担が大きくないか」といった観点を踏まえたUX設計が重要です。

④アジャイルアプローチによるプロジェクトの推進

4つ目のポイントは、アジャイルアプローチによるプロジェクトの推進です。

VR市場は今後大きな成長が予想されているものの、いまだ成長期にあり、様々な業界の企業が中長期的な収益最大化に向け、最適な活用を模索している段階にあります。

 

そのため、計画と実行のプロセスを短いスパンで回し、仮説立案・実行・検証・施策立案のサイクルを何度も繰り返すことが、プロジェクトを机上の空論で終わらせないために重要です。

⑤強力な開発・運用体制の構築

5つ目のポイントは、強力なVR開発・運用体制の構築です。

高いユーザー体験と事業性を両立するVRの開発とマーケティングを含めた運用を実施しましょう。

 

VR開発・運用には幅広い領域の知見や技術スタックが求められるため、外部のベンダーなどを活用し、不足するケイパビリティやリソースを補完することも有効です。

VR活用を進める4つのステップ

VR活用を進める4つのステップ

VR活用を進めるためのステップとして、大きく以下の4つのステップが挙げられます。

 

  • Step1:市場動向・知見のキャッチアップ
  • Step2:戦略/企画の立案
  • Step3:事業計画の策定
  • Step4:開発・運用

 

それぞれのステップについて分かりやすく紹介していきます。

Step1:市場動向・知見のキャッチアップ

1つ目のステップとして取り組むべきは、最先端の市場動向・知見のキャッチアップです。MetaやApple、Microsoftなどのビックテックやユーザーの動向・先行活用事例など、日々変化する市場動向やナレッジへのキャッチアップが必要です。

このステップが、成果に繋がる骨太な戦略/企画策定の基盤となります。

Step2:戦略/企画の立案

2つ目のステップはVR活用の戦略/企画です。活用目的を踏まえ、中長期で目指す事業の姿や自社の強みの活用の仕方、実現に向けた企画を立案しましょう。

ユーザーバリューと自社の事業性の両方を満たす、質の高い戦略/企画の立案が、成果につながるVR活用の実現に向け最も重要なポイントとなります。

Step3:事業計画の策定

3つ目のステップは事業計画の策定です。事業に期待する成果や開発・運用のアプローチやタイムライン、必要な投資額などを検討しましょう。

VR開発・運用といっても、プロジェクト毎に求められるケイパビリティは様々であるため、自社にマッチするツール・ベンダーの選定が非常に重要です。

Step4:開発・運用

4つ目のステップが開発・運用です。VR開発・運用には幅広い領域の知見や技術スタックが求められるため、外部のベンダーなどを有効活用し、不足するケイパビリティやリソースを補完しつつ、ユーザーに届けたい体験を実現するVRの開発とマーケティングを含めた運用を実施しましょう。 

 

4つのステップで取り組むべき35のステップに関しては、以下の関連記事で詳しく解説しています。

 

※関連記事:メタバースを活用した事業を作る方法|全4フェーズと35ステップ【担当者必見】

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このナレッジの著者

メタバース総研 代表取締役社長

今泉 響介

慶應義塾大学経済学部卒業。学生起業した事業を売却した後、日本企業の海外マーケティングを支援する株式会社Rec Loc を設立して代表取締役社長に就任。メタバースのビジネス活用を支援するメタバース総研を設立して代表取締役社長に就任。

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