国内外のメタバースの成功事例5選|成功するための3つの条件も解説
MetaのXRヘッドセットのQuestシリーズが累計販売台数2,000万台を突破し、Appleも初のXRデバイスの発売を発表するなど、近年メタバースへの注目はより一層高まっています。
国内外で様々なメタバースサービスやイベントが続々リリースされるなかで、結局成功している事例は何なのか分からないという方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、国内外の成功事例5選を活用を成功させるポイントとともに、分かりやすく紹介します。
本記事は、以下のような方におすすめの記事となっています。
- 国内外の代表的なメタバースの成功事例を知りたい
- 成功事例から、メタバース活用を成功させるコツを学びたい
本記事を読めば、メタバース活用で成果を上げるためのポイントを効率よくキャッチアップできると思いますので、ぜひ最後までご一読ください。
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目次
国内外のメタバース成功事例5選
国内外のメタバースの代表的な成功事例として以下の5つが挙げられます。
<メタバースサービス>
- ①Roblox:約4億人のユーザー数を誇るメタバースゲームプラットフォーム
- ②REALITY:海外ユーザー比率8割超えの日本発メタバースの代表格
- ③Cluster:累計動員数2,000万人超の日本最大のメタバースプラットフォーム
<メタバースイベント>
- ④バーチャルマーケット:ギネスにも認定された世界最大のメタバースイベント
- ⑤サンリオバーチャルフェス:50組以上のアーティストが参加の有料ライブイベント
それぞれの概要やヒットした理由について分かりやすく紹介していきます。
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メタバースサービス:Roblox、REALITY、Cluster
①Roblox:約4億人のユーザー数を誇るメタバースゲームプラットフォーム
1つ目の成功事例は、”ゲーム版のYouTube”とも称される、ゲーム制作・プレイを軸とする
メタバースサービスRobloxです。
ユーザーは、他ユーザーが作成した様々な3DCGゲームをプレイしたり、ユーザー自身も比較的簡単にゲームを制作し、公開することができます。
Robloxは、アプリダウンロード数が3億8,300万人、デイリーアクティブユーザーは約6,500万人と、若年層ユーザーを中心に圧倒的な人気を誇っています。
同サービスが成功を収めている理由として、UGC(User Generated Contents)と呼ばれる、ユーザー自身が生み出したゲームコンテンツが他ユーザーに利用されるというネットワーク効果が、強力に働いている点が挙げられます。
Roblox運営は多くのユーザーがゲームを制作・公開したくなるよう、比較的簡単にゲームを制作できる専用の開発ツールを無料で提供したり、公開したゲームの利用者数に応じて、現実のお金に換金できる仮想通貨を発行したりするなど、様々な取り組みを進めています。
その結果として、2022年に1日当たり約1万5,000のゲームが公開され、同年でユーザーに利用されたゲームは約1,500万にも上っています。
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②REALITY:海外ユーザー比率8割超えの日本発メタバースの代表格
2つ目の成功事例として、グリーグループが提供するライブ配信を軸とするメタバースアプリ”REALITY”が挙げられます。
ユーザーは自分好みのかわいいアニメ調のアバター姿で、スマホから手軽にライブ配信を行い、他ユーザーと交流をすることができます。
REALITYは、アプリダウンロード数が1,000万を超えていながら、海外ユーザー比率が約8割にも上るとされており、日本発メタバースの代表格と言えます。
同サービスが成功を収めている理由として大きく2つのポイントが挙げられます。
1点目は、スマホ1つで誰でも手軽にアバター姿でライブ配信が行える点です。近年のVtuber/ライブ配信ブームに伴い、アバター姿でライブ配信を行いたいというニーズは高まりを見せているものの、従来は本格的な撮影機材を揃えたり、自らアバターの3Dモデルを作成する必要があるなど、実際にライブ配信を行うハードルは高い状況でした。
一方で、REALITYであれば、スマホ1台で、幅広いバリューチェーンのアバターを選択するだけで、Vtuberのようなライブ配信を行うことが可能です。
2点目は、かわいいアニメ調のアバターが世界中の日本のアニメ/マンガファンの心を掴んでいる点です。海外でもアバター生成サービスは多数存在するものの、リアルな人間を再現する方向性のものが大半で、日本の武器であるアニメ・漫画文化による大きな差別化に成功しています。
③cluster:累計動員数2,000万人超の日本最大のメタバースプラットフォーム
3つ目の成功事例として、他ユーザーとの交流を軸とするメタバースアプリclusterが挙げられます。
ユーザーは、他ユーザーや企業が製作したメタバース空間で他ユーザーと他ユーザーとの交流やゲームをして楽しんだり、自身もワールドを製作し、公開することができます。
2017年にリリースされたclusterは、総ダウンロード数100万超、累計動員数2,000万人超と、日本のメタバースプラットフォームとしては最大規模に成長しています。
同サービスが多くのユーザーを集める理由として、魅力的な企業やIPとのコラボレーションの多さが挙げられます。以下は代表的な企業やIPとのコラボレーションになります。
- 株式会社ポケモン:ポケモンバーチャルフェスト
- 渋谷5Gエンターテイメントプロジェクト:バーチャル渋谷 ハロウィーンフェス
- 株式会社横浜DeNAベイスターズ:バーチャルハマスタ
- 株式会社ウィスコム:バーチャル東京タワー
- 株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメント:輝夜 月LIVE
このように、コラボイベントをきっかけに企業やIPのファンを取り込めていることが、cluster成長の一因と考えられます。
メタバースイベント:バーチャルマーケット・サンリオバーチャルフェス
④バーチャルマーケット:ギネスにも認定された世界最大のメタバースイベント
4つ目の成功事例として、メタバース上のイベントであるバーチャルマーケットが挙げられます。
参加者はメタバース上の企業やクリエイターが出店しているブースにて、アバターなどの3Dデータ商品やリアルの商品(食品、PC、洋服など)を購入することができます。
2021年に開催された6回目のバーチャルマーケットでは、73社の出店企業と100万人を超える来場者数を記録し、世界最大のメタバースイベントとして、ギネス世界記録にも認定されました。
バーチャルマーケットが国内外から多くの参加者を集める理由として、多数の企業により提供される充実したコンテンツが挙げられます。
例えば、松坂屋はメタバース上に百貨店を再現し、600点以上のリアルなグルメを販売したり、JR西日本は、バーチャル大阪駅を展開し、鉄道への試乗体験やライブイベントを開催するなど、ここまで魅力的なコンテンツが揃ったメタバース/VRイベントは、世界的に見ても数少なく、参加者の約半数が海外からの参加というデータからも、国内外からの注目度の高さが伺えます。
⑤サンリオバーチャルフェス:50組以上のアーティストが参加の有料ライブイベント
5つ目の成功事例として、リアル/バーチャルの有名アーティスト50組以上が参加した、メタバース上のライブイベント、サンリオバーチャルフェスが挙げられます。
参加者は、メタバース上で有名アーティストのライブパフォーマンスを楽しんだり、参加者同士でコミュニケーションを取ったり、リアル・バーチャルの限定グッズを購入することができたりします。
バーチャルのライブイベントでありながら、有料チケットの価格は5,000円〜10,000円超えのものも存在するなど、リアルのライブイベントと同様の価格であることも注目を集めました。
同イベントが多くのユーザーを集めた理由として、ユーザーが求めるものを実現するために、企業や団体の垣根を超えたコラボレーションを実現させた点が挙げられます。参加するアーティストは、AKB48などのリアルの有名アーティストから、Vtuber、VRChat上で活動するバーチャルアーティストまで、幅広いジャンル・所属企業のアーティストが一堂に会することで、大きな話題を呼びました。
このように、ユーザーを特定の企業やプラットフォームに囲い込もうとするWeb2.0的な発想とは違った取り組みが、今後のメタバースイベントの盛り上がりに繋がっていくと予想されます。
成功するメタバースの3つの条件
成功するメタバース、すなわち多くのユーザーに高頻度で利用されるメタバースの条件として大きく3つが挙げられます。
- ①ユーザーが負担なく手軽に利用可能
- ②ユーザーにとっての明確な利用目的が存在
- ③ユーザー自身により価値あるコンテンツが提供されている
それぞれについて分かりやすく紹介していきます。
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①ユーザーが負担なく手軽に利用可能
1つ目の条件は、ユーザーが負担なく手軽に利用できることです。VRヘッドセット向けのメタバースは、VRヘッドセットの近年小型軽量化が進んでいるものの、まだまだ長時間利用にはハードルが高く、一般層への普及までは至っていないのが現状です。また、スマホ対応しているメタバースでも、処理の負担が大きく頻繁に動作に問題が生じるものが散見されます。
そのため、現時点で多くのユーザーを集めるメタバースは、スマホで負担なく手軽に利用できるタイプのものが多いです。
②ユーザーにとっての明確な利用目的が存在
2つ目の条件は、ユーザーにとっての明確な利用目的が存在することです。近年のブームに乗じてリリースされたメタバースには、「とりあえずアバターで歩き回れる空間を作ってみた」というような、ユーザー目線が欠如したものも数多く存在します。
一方で、多くのユーザーに実際に利用されるためには、先述した事例での「アバター姿でのライブ配信」や「3DCGゲームの利用」など、メタバースならではのコアとなる体験を提供することが重要となります。コア体験がユーザーを惹きつければ、コミュニケーションや経済活動などの付随する活動は自然と活発に行われます。
③ユーザー自身により価値あるコンテンツが提供されている
3つ目の条件は、ユーザー自身の手により、他ユーザーへ価値あるコンテンツ(UGC)や体験が提供されていることです。メタバースに限らず、YouTubeやInstagramなど大きく成長するプラットフォーム型サービスは、UGCが他ユーザーに価値を届けているという共通点があります。
先述したRobloxであればユーザーによって制作されたゲーム、REALITYであればユーザーによるライブ配信がサービスのコアとなっており、多種多様なニーズを満たす幅広いコンテンツが多くのユーザーを惹きつけています。
企業がメタバース活用で成果を上げるための5つのポイント
企業がメタバース活用で成果を上げるためのポイントとして以下の5つが挙げられます。
- ①最先端の市場動向・ノウハウのキャッチアップ
- ②活用目的の明確化と骨太な戦略策定
- ③ユーザーファーストなUX設計
- ④アジャイルアプローチによるプロジェクトの推進
- ⑤強力な開発・運用体制の構築
それぞれについて分かりやすく紹介していきます。
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①最先端の市場動向・ノウハウのキャッチアップ
1つ目のポイントは、最先端の市場動向・ノウハウのキャッチアップです。
デバイスの進化やユーザーの動き、各領域の先進事例をキャッチアップし、自社が取り組むべき活用方法や成果に繋がる活用のポイントを抑えた上で活用に着手しましょう。
メタバース活用には取り組むのに一定の予算や工数が必要となるため、自社にとって重要な最新動向や活用のノウハウを抑えておくことが、成功確度の高い戦略・企画立案の大前提となります。
②活用目的の明確化と骨太な戦略の立案
2つ目のポイントは、メタバースを活用する目的の明確化と骨太な戦略の策定です。
現在メタバース活用に取り組む企業には、メタバース活用の取り組みが単発で終わってしまっている企業が見受けられます。
その結果、活用のPDCAが回らない、メタバース活用が小粒な施策の1つに留まってしまうなど大きな収益機会の獲得に繋がらないという結果に終わってしまいます。
自社の経営課題を踏まえ、「活用によりどのような経営課題を解決したいのか?」「課題解決の打ち手としてなぜメタバースではないといけないのか?」といった明確な活用目的を整理した上で、中長期で目指す事業の姿や自社の強みの活用の仕方などの実現に向けた戦略を立案しましょう。
③ユーザーファーストな企画・UX設計
3つ目のポイントは、自社のターゲットにとってユーザーファーストなメタバースの企画・UX設計です。
現在、多くの企業がメタバースに参入を進めていますが、そのなかには、企業側の都合のみでサービス・体験が設計されたようなメタバースが多く存在します。それらのメタバースは、ユーザーに利用されず、企業の活用の目的を達成できない結果に終わってしまいます。
そのため、「メタバースならではの高い体験価値を届けられているか」や「ユーザーの利用にあたっての手間や負担が大きくないか」といった観点を踏まえたUX設計が重要です。
④アジャイルアプローチによるプロジェクトの推進
4つ目のポイントは、アジャイルアプローチによるプロジェクトの推進です。
メタバース市場は今後大きな成長が予想されているものの、いまだ成長期にあり、様々な業界の企業が中長期的な収益最大化に向け、最適な活用を模索している段階にあります。
そのため、計画と実行のプロセスを短いスパンで回し、仮説立案・実行・検証・施策立案のサイクルを何度も繰り返すことが、プロジェクトを机上の空論で終わらせないために重要です。
⑤強力な開発・運用体制の構築
5つ目のポイントは、強力なメタバース開発・運用体制の構築です。
高いユーザー体験と事業性を両立するメタバースの開発とマーケティングを含めた運用を実施しましょう。
メタバース開発・運用には幅広い領域の知見や技術スタックが求められるため、外部のベンダーなどを活用し、不足するケイパビリティやリソースを補完することも有効です。
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