VRの観光・旅行業界への最新活用事例14選|7つのメリットも解説

関連技術の進歩やオンラインコミュニケーション需要の高まりなどを背景とし、今後急速に人々の生活や仕事に普及していくと考えられるVR。

VRは観光・旅行業界との相性が非常に良く、ANAや国土交通省なども相次いで参入を始めています。

 

そんななか、「観光・旅行業界にどのようにVRを活用するのかイメージが沸かない」、「具体的にどのような活用事例があるのか知りたい」という方も多いのではないでしょうか?

 

そこで今回は、VRの観光・旅行業界への活用事例やメリットとともにわかりやすくご紹介します。

本記事をお読みいただければ、VRを観光・旅行業界のビジネスに活用するためのヒントが得られるかと思いますので、ぜひ最後までご一読ください。


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目次

VRを観光・旅行業界のビジネスに活用する7つのメリット

旅行者側の4つのメリット

VR観光 旅行者側の4つのメリット

旅行者側のメリットとして以下の4つが挙げられます。

 

  • ①コロナの影響を気にせずに旅行を楽しむことが出来る
  • ②ご高齢の方や身体に障害のある方も旅行を楽しめる
  • ③コストや所要時間を抑えて旅行を楽しめる
  • ④観光地にいるかのような体験ができる

 

それぞれのメリットをわかりやすく紹介します。

①コロナの影響を気にせずに旅行を楽しむことが出来る

2021年から現在も続く新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、感染リスクを心配して外出を控えている方が旅行を楽しみやすくなったり、飲食店の営業時間制限など感染対策による制約を気にせずに旅行を楽しむことができます。

②ご高齢の方や身体に障害のある方も旅行を楽しめる

実際に現地を訪れて旅行をするわけではないので、従来旅行を楽しむことが難しかったご高齢の方や身体に障害を抱える方でも、自由に旅行を楽しむことができます。

③コストや所要時間を抑えて旅行を楽しめる

コストや所要時間を抑えて旅行を楽しめる 国土交通省
(画像:国土交通省)

従来の旅行であれば、経済的な理由やスケジュール的な理由で訪れることが出来なかった観光地への旅行を実現することができます。例えば通常であれば100万円以上が必要であった世界一周旅行も、オンライン体験ツアーであれば2000円程度で楽しむことができます。

④観光地にいるかのような体験ができる

旅行にいけない代わりに観光地の映像や写真を見て楽しまれる方は数多くいらっしゃると思いますが、VRを活用した旅行であれば、実際に現地を訪れたような体験をすることができます。Meta QuestなどのHMDを装着してVR空間にアクセスすることで高い没入感を感じることができ、その没入度は今後デバイスやコンテンツの進化によって更に高まっていくことが予想されます。

事業者・観光地側の3つのメリット

VR観光 事業者・観光地側の3つのメリット

事業者・観光地側のメリットとして以下の3つが挙げられます。

 

  • ①マーケティングに活用し、リアルでの観光客を獲得
  • ②コロナで落ち込む観光業界の新たな収益源に
  • ③文化的資産の継承

 

それぞれのメリットをわかりやすく紹介します。

 

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①マーケティングに活用し、リアルでの観光客を獲得

VR空間上に観光客を呼び込むメリットは新たな収益機会の獲得に留まりません。一度VRを訪れることで、その観光地の魅力を知った方が、その後実際にその観光地を訪れるきっかけに繋がることが期待されます。

 

実際に凸版印刷とMONETが行った、移動中の社内でのVR事前体験を行う実証実験の結果、行く予定が無かった観光地のVR空間を訪れた多くの人が、その観光地に興味を持ったり、実際に訪れることになるという成果が得られています。

 

コロナで落ち込んだ観光需要の再燃の起爆剤として、VRのマーケティングチャネルとしての活用がますます注目を集めることとなるでしょう。

②コロナで落ち込む観光業界の新たな収益源に

コロナで落ち込む観光業界の新たな収益源に Palan
(画像:Palan)

新型コロナウイルスの感染拡大の影響で外国人観光客はもちろん、日本人観光客も大きく落ち込み、史上まれにみる低迷を見せる観光業界ですが、VRを活用した観光ビジネスに取り組むことで、新たな収益獲得の機会とすることができます。

③文化的資産の継承

VR上に文化的価値のある建造物や歴史的な物品を再現することで、半永久的に文化的資産を守り継ぐことができます。また、博物館等で保管する場合と比べ、より多くの人にいつでもどこからでもアクセスしてもらえることから、より資産を継承する意義が大きいといえます。

観光・旅行業界でVRを活用する2つのポイント

観光・旅行業界でVRを活用するポイントとして以下の2つが挙げられます。

 

  • ①市場/競合の動向や事例をキャッチアップする
  • ②VR活用の目的や課題を明確にする

 

それぞれのポイントをわかりやすく紹介します。

 

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①市場/競合の動向や事例をキャッチアップする

近年VR市場は大きな成長を見せており、関連テクノロジーの進化や幅広い業界の企業の参入、様々なビジネス活用向けサービス・ツールのリリースなど、日々大きな動きを見せています。

 

このように刻々と変化する国内外の市場/競合の動向や事例、ナレッジのキャッチアップ・分析が、成果に繋がるメタバース活用の前提となります。

②VR活用の目的や課題を明確にする

VRは今後大きな市場成長が予想される領域であり、国内外の幅広い業界の企業が参入を発表したり、活用に向けたサービスやツールなども多数登場しています。

 

そのため、「競合が参入しているからウチも参入してみよう」、「面白そうなツールがあるから導入してみよう」といった、打ち手ベースの検討に留まってしまう傾向にあります。

 

一方で、VRのビジネス活用といっても、目的やユースケース、活用し得るツール/サービスは様々です。

そのため、「そもそも自社のどのような課題を解決したいのか」、「課題解決の方法としてメタバース活用が適しているのか?」といった上流工程の検討をしっかりと行うことが重要です。

VRの観光・旅行業界への活用事例14選

VRの観光・旅行業界への活用事例14選

VRの観光・旅行業界への活用事例として以下の14つが挙げられます。

 

  • ①ANA:バーチャル旅行プラットフォーム設立を目指す
  • ②国土交通省:VRを活用したバスツアーを開催
  • ③大日本印刷:「バーチャル秋葉原」をオープン
  • ④志摩スペイン村:VRゲーム Roblox上にリゾート施設を再現
  • ⑤あしびかんぱにー:VR上に「バーチャルOKINAWA」をオープン
  • ⑥手塚プロダクション×鳥取:地域還元型のVRゲーム
  • ⑦Palan×金沢:観光しながら楽しめるバーチャルショッピング
  • ⑧吉本興行×養父市:かつての日本一の鉱山をVR上に再現
  • ⑨SBINFT×白浜町:VR×アートで地方創生へ
  • ⑩Marriott :デジテルツインを活用したバーチャルホテル
  • ⑪Millennium :VR上でホテルを運営
  • ⑫バーチャル大阪:VR上で大阪の魅力を発信
  • ⑬島根縁結び商店街:メタバース商店街で地元の特産品を販売
  • ⑭岡山メタバース博:岡山の魅力の発信にVRを活用

 

それぞれの事例についてわかりやすく紹介していきます。

 

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①ANA:バーチャル旅行プラットフォーム設立を目指す

ANA:バーチャル旅行プラットフォーム設立を目指す
(画像:ANA)

ANAホールディングスは、2022年5月に新会社「ANA NEO」の設立を発表しました。同社は、インターネット上の仮想空間で様々なアトラクションを体験できる「バーチャル旅行プラットフォーム」SKY WHALEの設立・運営を担当する予定です。2022年内のサービス開始を目指しています。

 

ANAホールディングスでは、アバターロボット「newme」を用いた遠隔案内などの実証実験を行っていますが、ANA NEOでは、ANAグループが航空会社として培ってきた知見や「newme」が提供する各種サービスを活用し、ビジネスモデルのデジタル化を推進します。仮想空間での地域コミュニティによる経済発展や社会課題の解決を促進することで、生活者に新たな価値の創造を目指すとのことです。

 

同社がリリース予定のSKY WHALEは、「Skyパーク」「Skyモール」「Skyビレッジ」という3つのサービスで構成されています。

 

「Skyパーク」はバーチャル旅行テーマパークであり、3次元CGで描かれた世界のさまざまな都市や景勝地で、誰もが気軽に楽しめる新しい旅行体験をお客様に提供します。

 

「Skyモール」では、ご家族やご友人と自由にモール内を回遊し、お買い物や各種イベントを楽しむことができます。スカイモールは、ANAグループならではの品揃えを世界中のお客様のお手元にお届けする越境ECサービスで、偶然の出会いの楽しさや利便性を提供し、地域振興や地産外商の促進を図ります。

 

「Skyビレッジ」ではバーチャルにおけるスマートシティの実現を目指して、バーチャル上での医療・教育・行政などのサービス展開を予定しているとのことです。

②国土交通省:VRを活用したバスツアーを開催

国土交通省:VRを活用したバスツアーを開催
(画像:国土交通省)

2021年12月〜2022年1月にかけて、国土交通省などが進めるまちづくりのDXプロジェクトである「Project Plateau」の一環として横浜みなとみらい周辺で「VRを活用したバスツアー」が開催されました。

 

この取り組みはXR技術を活用した新しい観光体験型アトラクションの実現を目指すもので、横浜のみなとみらい地区の3D都市モデルを活用しています。観光バスツアーでは、交通状況に応じたスケジューリング技術や予測技術、3D都市モデルをもとに横浜のVRを構築するプランニング技術などを活用します。また、現実の物体の前後関係を反映させるオクルージョン技術により、横浜のVRを形成することで、没入感を高めています。

 

取組の結果としては、予約率は9割近く、約380人が参加し、XR観光コンテンツへの関心の高さと集客力の高さを明確に示しました。今回の実証実験では、高精度な3次元点群地図データと3D都市モデルデータを連携させることで、XR映像の未来都市や海底都市世界などの仮想空間データとして利用できることが確認されました。また、体験の質を高めるために、元の3D都市モデルデータよりも細かい粒度でモデルを作成し、世界観に合わせたテクスチャなどの効果を加えることで、映像制作コストの低減と没入感の向上を実現しました。

③大日本印刷:「バーチャル秋葉原」をオープン

大日本印刷:「バーチャル秋葉原」をオープン
(画像:大日本印刷)

大日本印刷とAKIBA観光協議会は、現実世界と仮想世界を融合させた地域共創型XR街づくりプロジェクトとして、2022年4月に「バーチャル秋葉原」をオープンしました。生活者は、PC用アプリケーションやVRゴーグル、Webブラウザなどを通じて、世界のどこからでもいつでも秋葉原の魅力を楽しむことができます。仮想空間には、ショッピングができる店舗やギャラリースペース、広告看板などが設置されており、コンテンツホルダーをはじめとする様々な企業が、情報発信や販促活動を行う「第3のチャネル」として利用することができます。

 

秋葉原の特徴である商標の看板等も地元企業の協力のもと、バーチャルリアリティ上で再現します。一部のバーチャル店舗の中には、商品などを展示するスペースがあり、ECサイトへ誘導して購入に繋げることができます。

 

バーチャル秋葉原は、ユーザーの分身であるアバターが集まり、動画視聴や商品購入、バーチャルゲームへの参加などを同時に行うことができる空間です。現実の特性を踏まえ、企業はコンテンツを提供・実施するだけでバーチャル秋葉原の世界に参加できます。

 

また、クリエイターが同一IPの二次創作を行い、スペース内で展示・販売できるよう、新たなビジネススキームを準備しています。コンテンツはNFTで管理し、クリエイティブビジネスの健全な循環を実現するとのことです。

④志摩スペイン村:VRゲーム Roblox上にリゾート施設を再現

志摩スペイン村:VRゲーム Roblox上にリゾート施設を再現
(画像:志摩スペイン村)

三重県志摩市のリゾート施設である志摩スペイン村は、大人気VRプラットフォームのRoblox上で志摩スペイン村を再現したエリアをオープンすることを発表しました。

 

ユーザーは志摩スペイン村の広場や街並みを楽しんだり、スペインの奇祭「牛追い祭り」「トマト祭り」をモチーフにした生き残りゲームを楽しむことができる予定です。

 

志摩スペイン村は、魅力的なアトラクションやフードがあるのに対し、立地の悪さから気軽にアクセスしにくいという課題を抱えており、若者や遠隔地在住の人に志摩スペイン村の魅力を知ってもらうことを目的とし、今回の取り組みを進めているとのことです。

 

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⑤あしびかんぱにー:VR上に「バーチャルOKINAWA」をオープン

あしびかんぱにー:VR上に「バーチャルOKINAWA」をオープン
(画像:あしびかんぱにー)

沖縄発のエンタメ企業であるあしびかんぱにーが、VR上で沖縄の観光名所を楽しむことのできる「バーチャルOKINAWA」をリリースしました。バーチャルOKINAWAでは、VR上で再現された国際通り商店街やビーチなど、沖縄のさまざまな観光名所を巡ることができます。

 

例えば、恩納湾の贅沢なビーチから、沖縄の名所であるひめゆりの塔まで、美しい風景を日本全国で楽しむことができます。

 

2022年4月には、バーチャルOKINAWAで提供される沖縄商品のショッピングを楽しめる場所として人気を博している「国際通り商店街公式オンラインショップ」がリニューアルオープンしました。ストアサイトでは、実際に国際通りで販売されている500点以上の商品を取り扱っており、今後さらに多くの店舗がオープン予定です。

 

また、すでに公開している「国際通りエリア」「ビーチエリア」に続き、新たに「首里城エリア」として、守礼門から首里城正殿までの首里城公園を忠実に再現しています。見て楽しむだけでなく、エリア内のガイドと会話しながら、首里城の歴史や雑学を学ぶことができます。

 

このバーチャルOKINAWAには、アバターを使って世界中の人々と交流できるソーシャルプラットフォーム「VRChat」を、VRデバイスなどにダウンロードすることで利用可能なほか、簡易版をスマホやPCから利用することも可能です。

⑥手塚プロダクション×鳥取:地域還元型のVR×NFTゲーム

手塚プロダクション×鳥取:地域還元型のVR×NFTゲーム
(画像:手塚プロダクション)

鉄腕アトムなど世界的マンガ・アニメコンテンツ制作を行う手塚プロダクションや旅行事業を行うJTBの設立したJ&J事業創造らが、日本各地にちなんだNFTを使用したVRゲームを開発しました。

 

このプロジェクトは、コロナ禍で大きなダメージを受けた地域経済および国内観光マーケットの回復と支援を目的としています。

 

ユーザーは、日本各地の魅力や文化の詰まったNFTを資産として所持し、それを使用して遊んだり、カード同士を合成することで新たなカードを生成したり、カードの売買によって収益をあげたりすることができます。

 

その第一弾として、県を掲げ宇宙産業の飛躍に向けた取り組みを進める鳥取県とのタイアップが決定しました。

このNFTの販売を通じて得られた売上の一部は、各地域産業に寄付されるという新たな復興支援の形を目指しています。

⑦Palan×金沢:観光しながら楽しめるバーチャルショッピング

Palan×金沢:観光しながら楽しめるバーチャルショッピング
(画像:Palan)

Palanは、金沢の特産品店である「MIHON-ICHI KANAZAWA」のバーチャルショップをVR上にオープンし、XRを活用した新たな買い物体験に関する実証を開始しました。

 

VR上での店舗を訪れることで、職人こだわりの金沢の特産品の買い物を楽しむことが出来ます。また、ブースにはひがし茶屋街や兼六園など、春夏秋冬の金沢の観光地が再現されており、ウェブVR空間で、観光気分を味わうことができます。

 

加えて、気になった商品をARで試し置きすることができ、自宅にいながら商品の色や質感、サイズを確認することができます。

こちらのVRショップは、ウェブがベースとなっているので、アプリ不要で、ワンストップで購入することができる手軽さも、特徴となっています。

 

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⑧吉本興行×養父市:かつての日本一の鉱山をVR上に再現

吉本興行×養父市:かつての日本一の鉱山をVR上に再現
(画像:吉本興行)

吉本興業は人口約2万人、兵庫県北部に位置する養父市の観光名所を再現したVRをリリースしました。

ユーザーは、かつて日本一のすず鉱山として栄えた明延鉱山の坑道後を観光したり、吉本興行所属のタレントコラボした採掘ゲームを楽しんだり、市役所を訪れ、デジタル住民票交付してもらったりすることができます。

 

バーチャル養父のオープニングイベントには、吉本興業所属のお笑い芸人である、野生爆弾くっきー!さんやとろサーモンの村田さんらが参加し、その様子は吉本の映像配信サービス「FANCY」によってライブ配信されました。

 

また、イベントで養父市市長がアバター姿で登場し、「VRには無限の可能性があると思います。世界中どこからでも来ていただけるので、いろんな国の方々に来てもらって、養父市の自然や観光名所を楽しみ、市民とも交流してもらいたい。そして、ゆくゆくは現実世界でも体験しに来ていただければ。バーチャルでは100万人都市を目指しています」とコメントしました。

⑨SBINFT×白浜町:VR×アートで地方創生へ

SBINFT×白浜町:VR×アートで地方創生へ
(画像:SBINFT)

SBINFTは、白浜で開催されたストリートアートイベント「POW!WOW!JAPAN」と連動したVR「バーチャル白浜」を仮想空間であるCryptovoxels上でリリースしました。

 
今回のイベントでは、SBINFTが運営するNFTマーケットプレイスであるnanakusa公認アーティストである、AUORA氏、ひかげ氏のコラボ作品の販売や参加者への限定NFTの配布キャンペーンを通じて、バーチャル空間を通じた新たな地方創生に取り組んでいます。

⑩Marriott :デジテルツインを活用したバーチャルホテル

VR Postcards | Behind the Scenes
(動画:マリオット)

世界最大規模のホテルチェーンマリオットは、メタバースに参入しています。マドリッド マリオット オーディトリアム ホテルは、メタバースにカンファレンス センターを含むデジタルツインを導入し、ホテルやカンファレンスセンターをメタバース内に再現しています。

 

ゲストはホテルへの宿泊を検討する際に、PCとヘッドセットを用いて利用することができ、ヘッドセットを通して施設内を歩き回って見学することができます。マドリッドマリオットの最大のセールスポイントは、ホテルとイベント施設が 1 つの建物内にあることです。メタバースを利用することで、ホテルのレイアウトをアピールするために現地で説明することが不要となり、コスト削減が図れます。

 

さらに、ホテルの情報を発信するためにメタバースを活用することは、利用者にとってWebサイトよりも実際の現場を理解しやすく、集客に効果的です。

 

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Millennium :VR上でホテルを運営

Millennium :VR上でホテルを運営
(画像:Hospitality net)

MullenLoweシンガポールは、Millennium Hotels and Resortsと提携し、メタバース上にM Social Decentralandを立ち上げました。M Social Decentralandは世界各地のM Socialホテルをモデルにした、メタバースでホテルを運営する世界初のホスピタリティグループです。

 

ゲストはこのバーチャル空間を探索し、スペースを借りたり購入したりできます。自分のアバターのスクリーンショットをソーシャルチャネルで#MSocialDecentralandと共有すると、実際のホテルに宿泊できる抽選に参加できます。また、バーチャルホテルにはゲストがパフォーマンスやプロジェクトの立ち上げなどのバーチャルイベントを開催できるロビースペースも用意されています。

 

Millenniumは、M Socialを通じてブランドの認知度を高め、新規ゲストを獲得するためにメタバースを活用しています。

⑫バーチャル大阪:VR上で大阪の魅力を発信

バーチャル大阪:VR上で大阪の魅力を発信
(画像:バーチャル大阪)

バーチャル大阪は、大阪府と大阪市がKDDIと共同で展開する都市連動型メタバースです。2025年開催の大阪・関西万博に先駆けて、道頓堀など大阪市内をモチーフにした「新市街」エリアが登場し、大阪の都市の魅力を国内外に発信しています。公式サイトからVRサービス「Cluster」をインストールして無料アカウントを登録するだけでバーチャル大阪に入ることができます。

 

自宅や外出先から多様なデバイスを使用してバーチャル大阪に参加することで、リアルタイムで世界中の人とコミュニケーションを取りながら、バーチャル音楽ライブ等のエンタメコンテンツやアバターを介したユーザー自らの創作活動など、様々な楽しみ方を体験することができます。今後は、バーチャル商店街で買い物すると実際に商品が届いたり、イベント会場で音楽ライブが開催されたりさらなる発展に期待が集まります。

 

道頓堀や大阪城など大阪市内のランドマークが集結していたり、太陽の塔をモチーフにしたアバター衣装を着たりすることができ、大阪の魅力を感じることのできるデジタルコンテンツとなっています。

バーチャル大阪についてより詳しく知りたい方は、こちらの公式HPをご覧ください。

⑬島根縁結び商店街:メタバース商店街で地元の特産品を販売

島根縁結び商店街:メタバース商店街で地元の特産品を販売
(画像:一般社団法人島根城下町食文化研究会)

松江商工会議所、出雲商工会議所、一般社団法人島根城下町食文化研究会はメタバースで買い物を楽しめる「しまね縁結び商店街」をオープンしました。商店街には、地元の特産品や商材を販売する店舗が並んでおり、24時間自由に来場・買い物が可能です。

 

商店街がある仮想空間「GAIA TOWN」に参加するには、ガイアタウンのアプリをパソコンにインストールし、自身のキャラクターとなるアバターを作り入場することで、手元のパソコンから誰でも気軽に商談やショッピングができます。商店街への訪問アバター数は、開設1週間で1500超。メタバースに構築した日本初の商業交流空間を提供しています。

今後は、仮想空間の商店街は展示商談を行う場としてだけでなく、商店街として機能させることにも挑戦する予定。常に来訪アバターが集う商流・交流の場の創造と、行政サービス、観光、暮らし相談など実際の商店街が持つ多様な機能を仮想空間上でも発揮できるようにします。地方特有の物産や商材を世界に発信できるメタバースを活用した取り組みは今後もさらに発展していくことが予想され、本サービスはその先駆けとして注目を集めています。

 

島根縁結び商店街についてより詳しく知りたい方はこちらのページをご参照ください。

 

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⑭岡山メタバース博:岡山の魅力の発信VRを活用

岡山メタバース博:岡山の魅力の発信にVRを活用
(画像:岡山メタバース博)

岡山メタバース博は岡山県に点在する産業や観光、文化、食などの地域資源をメタバース上に結集し、岡山の魅力を再認識することのできるイベントです。PRブースにて岡山の産業や観光名所の魅力を発信したり、岡山県内で活躍する「ヒト」のPRツールとして活用されています。

 

「Spatial」というプラットフォームを通じて無料でアバターを作成し、空間を楽しむことができます。アバターは5分ほどの短い時間で作成可能です。岡山メタバース博の開催中には、300名以上の来場者があり、多くの人が岡山の魅力を再発見しています。

 

今後は、行政とのタイアップ空間を活用した行政PRイベントの開催も予定しています。

以上のようなイベントを通じて、地域資源を活用し、地方がより輝く可能性を引き出すことが期待されています。

 

岡山メタバース博についてより詳しく知りたい方はこちらの公式HPをご覧ください。

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このナレッジの著者

メタバース総研 代表取締役社長

今泉 響介

株式会社メタバース総研(現・CREX)代表取締役社長。
慶應義塾大学経済学部卒業。学生起業した事業を売却後、日本企業の海外展開/マーケティングを支援する株式会社Rec Loc を創業・社長就任を経て、現職に。メタバースのビジネス活用に特化した国内最大級の読者数を誇るメディア「メタバース総研」の運営やメタバースに関するコンサルティング及び開発サービスの提供を行っている。著書に『はじめてのメタバースビジネス活用図鑑』(中央経済社)

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