VR開発を進める4ステップ|必要なツールや費用相場も解説
関連技術の進歩やMetaやAppleのデバイス発売などに伴い、多くの企業がVRの開発を進めています。
一方で、VRを開発することを検討しているけど、どのように進めていけば良いか分からないという方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、VRの開発を進めるための4つのステップを、必要なツールや費用相場、失敗しないための5つのポイントなどとともにわかりやすくご紹介します。
本記事は、以下のような方におすすめの記事となっています。
- VRの開発を進めたいが、どのような流れで進めれば良いか分からない
- VR開発にかかる費用の相場を知りたい
- VR開発を成功させるためのポイントをおさえておきたい
本記事を読めば、VRの開発を進める上で最低限抑えておきたい知識を、一気にキャッチアップできる内容となっておりますので、ぜひ最後までご一読ください。
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目次
- VR開発を進めるための4つのステップ
- VR開発ツールの選び方
- VR開発におススメのツール13選
- 3DCGソフト:Maya、Blender、3ds Max
- Webデザインソフト:Figma、Adobe XD、Sketch
- ゲームエンジン:Unity、Unreal Engine
- プログラミング言語:C#、C++、JavaSctipt、Swift、Java
- 【項目別】VR開発の費用相場
- VR開発に必要な職種5選
- おススメのVR開発支援会社3選
- VR開発で失敗しないための5つのポイント
- VR開発が企業にもたらす5つのメリット
- 業界別|VRを活用した新規事業の事例9選
- ①小売業界:三越伊勢丹が独自VR空間上に百貨店を再現
- ②アパレル業界:BalenciagaがVRゲーム「Fortnite」向けのスキンを販売
- ③エンタメ業界:サンリオが開催したVR上のフェスに有名アーティストが集結
- ④飲食業界:マクドナルドが限定ゲームを楽しめる段ボール製のVRゴーグルを提供
- ⑤広告業界:電通が東京ゲームショウVRに基盤システムを提供
- ⑥不動産業界:大和ハウスが自由に見学できるVR上の住宅展示場をオープン
- ⑦金融業界:みずほ銀行がVR空間上に店舗を開設し、決済機能提供などを検討
- ⑧医療業界:IBM×順天堂大学がVRを用いた医療サービス構築へ
- ⑨スポーツ業界:Black Box VRがVRを活用した体験型フィットネスジムを開設
- 費用対効果・実現性が高いメタバース活用方法
VR開発を進めるための4つのステップ
VR開発を進めるためのステップとして以下の4つのステップが挙げられます。
- ①PC・ヘッドマウントディスプレイの用意
- ②開発環境・ツールの選定
- ③VRの体験設計・開発
- ④サービスのテスト・公開
それぞれについてわかりやすく紹介していきます。
①PC・ヘッドマウントディスプレイの用意
1つ目のステップは、PC・ヘッドマウントディスプレイの用意です。まずはVRを開発するためのハイスペックなPCを用意する必要があります。
例えば、Meta Questの動作環境としては、Corei5程度の処理能力を持ったCPU、8GBのメモリを有したPCが推奨されています。ただし、これらはあくまでMetaが公式として推奨しているスペックであり、実際にVR開発をサクサク行うためには、それ以上のPCのスペックが求められます。
また、開発したVRを実際に体験するために、ヘッドマウントディスプレイを用意する必要もあります。ヘッドマウントディスプレイには、スマホをゴーグルに設置して使えるものや、PCやゲーム機器に繋いで使えるものなどいくつかの種類があるので、自分の予算と目的に合わせて購入するヘッドマウントディスプレイを選択しましょう。
②開発環境・ツールの選定
2つ目のステップは、開発環境・ツールの選定です。VRを開発する目的・ターゲットとする顧客を明確にした上で、目的に沿った開発環境・ツールを選定しましょう。代表的な開発環境・ツールとしては、3DCGの開発においては「Blender」や「Maya」、VRの開発においては「Unity」や「Unreal Engine」などが挙げられます。
VR開発の中でも、単にVRのコンテンツを制作したいのか、iOS/Androidで利用できるアプリを開発したいのかによって、利用する開発環境・ツールは異なります。
③VRの体験設計・開発
3つ目のステップは、VRの体験設計・開発です。実現したいユーザー体験の設計を行った後、実際の開発を行います。
単にVRのコンテンツを制作したいのであれば簡易なツールでも対応可能な場合がありますが、よりクオリティの高いユーザー体験を実現するためには、「Unity」や「Unreal Engine」を利用してプログラミングを行い、アプリケーションを開発する必要があります。
④サービスのテスト・公開
4つ目のステップは、サービスのテスト・公開です。スマホ、タブレット、ヘッドマウントディスプレイなど対象とするデバイスにおいて、バグがないか、表示速度に問題がないかなどをテストします。
動作に問題がなければ、アプリであればデバイスごとにアプリストアに申請を行い、審査が通ればリリースとなります。
VR開発ツールの選び方
VR開発に取り組まれる方がツールを選ぶ際に、検討すべき観点として大きく以下の2つが挙げられます。
- ①自社のVR開発目的とのマッチング
- ②自社の予算とのマッチング
それぞれの検討事項についてわかりやすく紹介していきます。
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①自社のVR開発目的とのマッチング
1つ目の検討事項はVR開発の目的です。VRに関する開発の目的は大きく、アバターや建築物などの3Dオブジェクト作成と、それらが動作する場であるサービスの開発に分けられます。
また、開発ツールには大きくUnityなどのゲームエンジンとMayaなどの3DCG作成ソフトに分けられます。
前者の3Dオブジェクト作成が目的の場合は、ゲームエンジンと3DGCソフトのどちらでも対応可能ですが、より精度高く作り込みを行う場合は、3DCGソフトを利用するのがおススメです。
一方、後者のサービス開発が目的の場合は、基本的にゲームエンジンを使用する必要があります。また、3DCGの作り込みを行う際に、3DCGソフトで作成したオブジェクトをゲームエンジンに連携するという形で併用する場合もあります。
②自社の予算とのマッチング
2つ目の検討事項は予算です。開発に十分な資金を充てられる場合と、実験的に開発に取り組んでみたい場合や個人で取り組む場合でおススメのツールは異なります。
例えば、3DCGソフトであれば、業界トップシェアのMayaは年間利用料が約28万円であるのに対し、近年存在感を増しているBlenderは基本無料で利用することができます。
VR開発におススメのツール13選
VR開発におススメのツールとして以下の13つが挙げられます。
<3DCGソフト>
- ①Maya:世界最大手の3DCGソフト
- ②Blender:無料で一通りの機能が利用できる新興3DCGソフト
- ③3ds MAX:Mayaと並ぶプロ向けの大手3DCGソフト
<Webデザインソフト>
- ④Figma:リアルタイムでの共同編集が可能なデザインソフト
- ⑤Adobe XD:Adobe製品との連携に強みを持つデザインソフト
- ⑥Sketch:長年の実績を持つmacOS専用のデザインソフト
<ゲームエンジン>
- ⑦Unity:世界最大手のゲームエンジン
- ⑧Unreal Engine:グラフィックが優れた大手ゲームエンジン
<プログラミング言語>
- ⑨C#:Unityで利用可能
- ⑩C++:Unreal Engineで利用可能
- ⑪JavaScript:Webアプリケーション開発で利用
- ⑫Swift:iOSアプリ開発で利用
- ⑬Java:Androidアプリ開発で利用
それぞれについてわかりやすく紹介していきます。
3DCGソフト:Maya、Blender、3ds Max
①Maya:世界最大手の3DCGソフト
Mayaは、アメリカのAUTODESK社によって2002年にリリースされた、世界最大手のプロ向け3DCGソフトです。
ディズニーを始めとする世界最高峰のクリエイティブ企業にも採用されているなど、3DCGソフトの定番的な存在です。
アニメーションやバーチャルエフェクトなどの機能の高さや、初期装備されているツールセットの豊富さ、関連教材などの学習環境の高さなどの特徴により、多くの3DCGデザイナーに長年愛用されています。
②Blender:無料で一通りの機能が利用できる新興3DCGソフト
Blenderは、オランダのNaN社によって1998年にリリースされた、基本無料で利用できるオープンソースの3DCGソフトです。
無料ソフトでありながら、モデリングやアニメーション、シミュレーションなど様々な機能が利用できることやオープンソースであるため、ソースコードが公開されており、世界中の誰でも自由に改良や配布をできる柔軟性などにより、2020年時点での公式サイトへのアクセス数は月間2300万人を記録しています。
近年、アップデートが繰り返されており、業界で主流な有料3DCGソフトMayaとも肩を並べるほどの充実した機能を無料で利用できることから、大きな注目を集める3DCGソフトです。
③3ds MAX:Mayaと並ぶプロ向けの大手3DCGソフト
3ds MAXは、アメリカのAUTODESK社によって1996年にリリースされた、大手のプロ向け3DCGソフトです。
Mayaと比べ、基本的な仕様は似ているものの、3Dモデリングやレンダリング性能の高さや対応するプラグインの豊富さなどが特徴であり、ゲーム開発やXR開発に適しているツールと言えます。そのため、Mayaと同様、長年多くの3DCGデザイナーに長年愛用されているツールです。
また、CADソフトとの連携が可能で、建設業界での3DCG作成にも多く活用されています。
Webデザインソフト:Figma、Adobe XD、Sketch
④Figma:リアルタイムでの共同編集が可能なデザインソフト
Figmaは、アメリカのFigma社によって2016年にリリースされた、ブラウザ上でリアルタイムでの共同編集が可能なデザインソフトです。Figmaには、複数人が同時に作業を行えるリアルタイムコラボレーション機能が備わっており、デザインする画面数が多くても効率的に作業を進めることができます。
また、Figmaはブラウザ上で利用できるため、専用アプリのインストールは不要です。そのため、OS(Windows・Mac)やデバイスに左右されずに利用できることもメリットとなります。
料金無料のスタータープランから始めることができるため、デザイン初心者にとっても利用しやすくなっています。
⑤Adobe XD:Adobe製品との連携に強みを持つデザインソフト
Adobe XDは、アメリカのAdobe社が提供するデザインソフトで、主にWeb・アプリのUIデザイン作成やプロトタイピングに利用されています。他のAdobe製品の「Photoshop」や「Illustrator」と連携しやすい点が強みとなっています。
料金については、月額1,298円から利用できるようになっており、7日間の無料トライアルもあります。
⑥Sketch:長年の実績を持つmacOS専用のデザインソフト
Sketchは、オランダのBohemian Coding社によって2010年にリリースされた、UIデザインソフトです。macOSでのみ利用が可能で、Windowsでの利用は基本的にできません。
Sketchは、FigmaとAdobe XDよりも前にリリースされており、長年にわたって世界中の多くのユーザーから利用されています。シンプルな操作性やプラグインが豊富といった特徴があります。
料金については、月額9ドルから利用できるようになっており、30日間の無料トライアルもあります。
ゲームエンジン:Unity、Unreal Engine
⑦Unity:世界最大手のゲームエンジン
Unityは2005年にユニティ・テクノロジー社により開発された、世界で最も普及しているゲームエンジンです。初心者でも比較的簡単に扱えることや、活用できるアセットなどの開発環境が充実していることから、ゲーム開発者の約6割に利用されているという統計もあります。
3Dコンテンツを開発するゲームエンジンとしてのコア機能はもちろん、ゲームらしい振る舞いをする実行環境や、開発に活用できる充実したアセット(イラスト、パーツ、背景、音声など)などの機能を備えていることから、ゲーム/3Dコンテンツの開発プラットフォームと言えます。
⑧Unreal Engine:グラフィックが優れた大手ゲームエンジン
Unreal Engineはフォートナイトなどの有名ゲームを手がける、アメリカのEpic Games社により開発された大手ゲームエンジンです。グラフィック性能の高さなどから、Unityとともにゲームエンジン業界の2強としてのポジションを確立しており、ゲーム開発者の約2割に利用されているという統計もあります。
Unityと比べ、基本的な仕様は似ているものの、グラフィック性能の高さが特徴となっており、RPGなどの高度なグラフィック表現が求められるゲームの開発に多く用いられる傾向にあります。
プログラミング言語:C#、C++、JavaSctipt、Swift、Java
⑨C#:Unityで利用可能
C#は、2000年にマイクロソフトが開発したプログラミング言語です。VR以外でもさまざまな開発で使用されるメジャーな言語でもあります。
C#は、最大手のゲームエンジンであるUnityで利用されるため、VR関連の開発において最も需要が高いと言われている言語です。
⑩C++:Unreal Engineで利用可能
C++は、C#よりも先にリリースされた言語で、こちらも広い分野で使われています。VR領域においては、Unreal Engineでの開発に利用されています。
⑪JavaScript:Webアプリケーション開発で利用
JavaScriptは、一般的にWebブラウザベースのアプリケーションの開発で利用されることが多い言語です。VRのサービスを、Webブラウザでも利用できるようにしたい場合、HTMLやCSSと組み合わせてJavaScriptもよく利用されます。
⑫Swift:iOSアプリ開発で利用
Swiftは、Appleが開発したプログラミング言語で、主にiOS、macOS、watchOS、tvOSなどのApple製品のアプリケーション開発に利用されます。
VRのサービスをiOSでもリリースしたい場合、Swiftが利用されるケースが多く存在します。
⑬Java:Androidアプリ開発で利用
Javaは、1995年にリリースされたプログラミング言語で、Androidアプリ開発だけでなく、業務システムやWebアプリ、組込みシステムなどにも利用されています。Androidアプリ開発においては、KotlinやC#などの言語も利用されますが、一般的にはJavaが主流とされています。
VRのサービスをAndroidでもリリースしたい場合、Javaが利用されるケースが多く存在します。
【項目別】VR開発の費用相場
VR開発は、企画から撮影、システム開発まで様々な工程が存在し、そのうちどの工程を外注するかで費用が大きく変わってきます。そこで、VR開発にはどのような工程が存在し、それぞれにどの程度の費用がかかるのかを解説していきます。
①企画・構成費:5万円~50万円
VR活用の目的達成のため、どのようなVR動画を制作するのかの企画・構成を考えてもらう費用として5万円~50万円ほどがかかります。この費用には、VR制作の一連のプロジェクトマネジメント費用も含まれることが多いです。
②撮影費:5万円~50万円
VRコンテンツの素材となる360°映像を撮影する費用として5万円~50万円ほどがかかります。一般的な撮影と比較して、全方位を収める必要があるため費用が高くなる傾向にあります。また、撮影場所、撮影スタッフの人数、撮影機材のグレード等によって費用が変わります。
③編集費:5万円~40万円
撮影したVRコンテンツの素材を編集する費用として5万円~40万円ほどかかります。複数のカメラで撮影した映像のつなぎ目(ステッチ)を違和感がないように処理する作業(ステッチワーク)に技術と時間がかかるため、一般的な動画編集と比べると費用が高くなります。
④3DCG作成費:30万円~
VRゲームやアニメーション内のキャラクターや背景や各種オブジェクトなどの3DCGを制作する費用として30万円~ほどかかります。モーションキャプチャーを使ってキャラクターを動かしたり、細部まで細かく作り込む3DCG等は費用が高くなります。
⑤音響・ナレーション費:5万円~20万円
編集済みのVRコンテンツに音響やナレーションを加える費用として5万円~20万円ほどかかります。声優を起用したり、録音スタジオや有料音源を利用する場合は費用が高くなります。一方で、Web上のフリー音源などを活用すれば、コストを抑えることができます。
⑥専用アプリ・システム開発費:30万円~200万円
専用アプリ・システムを開発する費用として30万円~200万円ほどかかります。アプリの機能を高度なものにしたり、複数機能を追加する場合などは費用が高くなります。一方で、一般的な機能を用いたアプリであれば、コストを抑えることができます。
VR開発に必要な職種5選
VR開発に必要な職種として主に以下の5つが挙げられます。
- ①3DCGデザイナー:VR空間やアバターをデザイン
- ②UI/UXデザイナー:VR上での操作や体験を設計
- ③ゲームエンジニア:VRゲームを開発
- ④Webエンジニア:Webアプリを開発
- ⑤iOS・Androidエンジニア:モバイルアプリを開発
それぞれについてわかりやすく紹介していきます。
①3DCGデザイナー:VR空間やアバターをデザイン
3DCGデザイナーは、3Dコンピュータグラフィックス(3DCG)技術を使用して、VR空間やアバターのデザイン・モデリングを行う職種です。
VR空間の見た目やアバター、アイテム、建築物など、ユーザーの目に触れる部分のデザインを担うため、VR開発において重要性の高い職種と言えます。
②UI/UXデザイナー:VR上での操作や体験を設計
UI/UXデザイナーとは、UI(ユーザーインターフェース)やUX(ユーザーエクスペリエンス)のデザインに携わる職種です。
具体的には、Webアプリやスマホアプリなどのインターフェースをデザインし、ユーザーが使いやすく、直感的に操作できるようなUXの設計を行います。
③ゲームエンジニア:VRゲームを開発
ゲームエンジニアは、文字通りVRのゲームを開発する職種のことです。開発にはUnityやUnreal Engineなどのゲーム開発に必要な機能がまとめられたソフトウェアである「ゲームエンジン」がよく利用されます。
ゲームエンジニアには、ゲームエンジンの開発経験や、ゲームエンジンを利用した開発に必要となるプログラム言語の知識が要求されます。
④Webエンジニア:Webアプリを開発
Webエンジニアは、PCやスマホにインストールせずWebブラウザ上で動作するアプリケーションを開発する職種です。VRを活用したECサイトなど、Webブラウザ上のアプリケーションとして提供されるVRサービスも多く、そのアプリケーション開発を担うのがWebエンジニアです。
Webエンジニアには大きく、WebアプリのUI開発を担うフロントエンドエンジニアと、APIサーバーの開発を担うバックエンドエンジニアが存在します。
⑤iOS・Androidエンジニア:モバイルアプリを開発
iOS・Androidエンジニアは、iOS・Androidアプリの設計・開発を担う職種です。バーチャルライブ配信アプリのように、VRのサービスはスマホアプリとして提供される場合も多く、そのアプリ開発を担うのがiOS・Androidエンジニアです。
おススメのVR開発支援会社3選
おススメのVR開発支援会社3選は以下の通りです。
- ①ハシラス:VRアトラクションが得意な制作/開発会社
- ②メタバース総研:各社の目的達成に向けた成果に繋がるメタバース/XRを開発
- ③MESON:最先端のXR体験を構築するクリエイティブスタジオ
それぞれの会社についてわかりやすく紹介していきます。
①ハシラス:VRアトラクションが得意な制作/開発会社
ハシラスは、VRコンテンツ専門の制作/開発会社です。なかでもハイエンドVRデバイスと独自のハードウェア・ソフトウェアを組み合わせたVRアトラクションの企画・制作/開発の実績が豊富です。
ハシラスは2014年からVRアトラクションの開発を行なっており、国内外問わず多数の施設にコンテンツを納入しています。多くの実績と、圧倒的な体験ユーザー数から得られるフィードバックにより、豊富な技術・知見を育んでいます。
VR向けライドなどの体感ハードウェアを自主制作している点がハシラスのコンテンツ制作の特徴であり、良好な体感性やアテンド性、酔い防止などの最新の知見を盛り込んだハードウェアを継続的に開発しています。
また、ハシラスはハイエンドなVR機器をフル活用した体験価値の高いコンテンツ制作を得意としています。一般的な360度動画と異なり、現実の身体とVR空間が相互作用するコンテンツを実現可能です。アニメやマンガなどのIP活用においても、原作そのままの世界観に体験者自身が入り込んで活躍できるリッチなコンテンツ制作が可能です。
そのため、エンタメ業界など、VR体験ができるレジャー施設を運営したい企業や、VRを使ったアトラクションを提供したい企業におススメです。
②メタバース総研:各社の目的達成に向けた成果に繋がるメタバース/XRを開発
メタバース総研は、企業向けのメタバース/XRのコンサルティング・開発を行っている会社です。
同社は、多数のメタバース/XR活用支援と国内最大級のビジネス向けメタバース/XRメディアの運営により培った、豊富な経験と知見を武器とする、高品質のコンサルティングから制作/開発までの一気通貫での支援を強みとしています。
さらに、各領域に強みを持つ、38名のクリエイター/エンジニアや12社のパートナー企業による強力な支援体制を有しており、各企業の目的や要望に合わせた、オーダーメイドでの制作/開発が可能な点も特徴です。
そのため、現状構想段階にあり事業・企画の立案から支援してほしい企業や、テンプレ的な設計ではなく自社ならではのメタバース/XRを制作/開発したい企業におススメです。
メタバース総研は豊富な経験とナレッジに基づき、各社様に合わせた先進事例や具体的な活用アイデアなどの最新ナレッジをご提供させていただいております。 メタバース/XR活用でお困りの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
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③MESON:最先端のXR体験を構築するクリエイティブスタジオ
MESONは、2017年9月に設立された、XR時代の最先端のユースケースやUXを設計するXR Creative Studioを運営する企業です。ゲーム開発、建築、文化、デザインなどのバックグラウンドを持つ多様な才能で構成されたチームがメタバース/XR領域での新サービスの開発に取り組んでいます。さらに、開発だけでなく、XRプロジェクトの企画や開発後の運用まで一気通貫でサポートしています。
また、Mesonは、2020年に世界最大のAR/VRアワードである「Auggie Award」をソフトウェア領域において日本で初めて受賞しました。
そのため、先進的なVR活用や体験提供を行いたい企業におススメです。
※関連インタビュー記事:メタバースが実現するリアル店舗を超えた購買体験とは?MESON CEO 小林氏を直撃
VR開発で失敗しないための5つのポイント
VR開発で失敗しないためのポイントとして以下の5つが挙げられます。
- ①最先端の市場動向・ノウハウのキャッチアップ
- ②活用目的の明確化と骨太な戦略策定
- ③ユーザーファーストなUX設計
- ④アジャイルアプローチによるプロジェクトの推進
- ⑤強力な開発・運用体制の構築
それぞれについて分かりやすく紹介していきます。
①最先端の市場動向・ノウハウのキャッチアップ
1つ目のポイントは、最先端の市場動向・ノウハウのキャッチアップです。
デバイスの進化やユーザーの動き、各領域の先進事例をキャッチアップし、自社が取り組むべき活用方法や成果に繋がるポイントを抑えた上で制作/開発に着手しましょう。
VR開発には取り組むのに一定の予算や工数が必要となるため、自社にとって重要な最新動向や活用のノウハウを抑えておくことが、成功確度の高い戦略・企画立案の大前提となります。
②活用目的の明確化と骨太な戦略・企画の策定
2つ目のポイントは、VRを活用する目的の明確化と骨太な戦略・企画の策定です。
現在VR活用に取り組む企業には、明確な目的を持たずにVRを制作した結果、VR活用の取り組みが単発で終わってしまっているケースが見受けられます。
その結果、制作・活用のPDCAが回らない、VR開発が小粒な施策の1つに留まってしまうなど大きな収益機会の獲得に繋がらないという結果に終わってしまいます。
自社の経営課題を踏まえ、「開発・活用によりどのような経営課題を解決したいのか?」「課題解決の打ち手としてなぜVRではないといけないのか?」といった明確な活用目的を整理した上で、中長期で目指す事業の姿や自社の強みの活用の仕方などの実現に向けた戦略を立案しましょう。
③ユーザーファーストな企画・UX設計
3つ目のポイントは、自社のターゲットにとってユーザーファーストなVRの企画・UX設計です。
現在、多くの企業がVRに参入を進めていますが、そのなかには、企業側の都合のみでサービス・体験が設計されたようなVRが多く存在します。それらのVRは、ユーザーに利用されず、企業の活用の目的を達成できない結果に終わってしまいます。
そのため、「VRならではの高い体験価値を届けられているか」や「ユーザーの利用にあたっての手間や負担が大きくないか」といった観点を踏まえたUX設計が重要です。
④アジャイルアプローチによるプロジェクトの推進
4つ目のポイントは、アジャイルアプローチによるプロジェクトの推進です。
VR市場は今後大きな成長が予想されているものの、いまだ成長期にあり、様々な業界の企業が中長期的な収益最大化に向け、最適な活用を模索している段階にあります。
そのため、計画と実行のプロセスを短いスパンで回し、仮説立案・実行・検証・施策立案のサイクルを何度も繰り返すことが、プロジェクトを机上の空論で終わらせないために重要です。
⑤強力な制作/開発・運用体制の構築
5つ目のポイントは、強力なVR開発・運用体制の構築です。
高いユーザー体験と事業性を両立するVRの開発とマーケティングを含めた運用を実施しましょう。
VR開発・運用には幅広い領域の知見や技術スタックが求められるため、外部のベンダーなどを活用し、不足するケイパビリティやリソースを補完することも有効です。
VR開発が企業にもたらす5つのメリット
企業がVRを開発するメリットとして以下の5つが挙げられます。
- ①VR領域での新たなビジネスの創出
- ②VRから得られたデータの活用による商品・サービスの改善
- ③新たな顧客接点の獲得
- ④社内コミュニケーションの円滑化
- ⑤研修への活用による社員のスキル向上
それぞれのメリットを分かりやすく解説していきます。
①VR領域での新たなビジネスの創出
1つ目のメリットはVR領域での新たなビジネスの創出です。検索エンジン、EC、SNSに並ぶ次なるキラーサービスになるとも言われているVRですが、多様な業界の企業がVR領域に参入しており、サービス構築を目論んでいます。VRがより人々に普及し、VR上で過ごす時間が増えるようになると、VR領域でのビジネスの市場規模も拡大していくと考えられます。
②VRから得られたデータの活用による商品・サービスの改善
2つ目のメリットはVRから得られたデータの活用による商品・サービスの改善です。VR上の人々の行動データはWebサイトやSNS上のものに比べ圧倒的にリッチになると考えられています。VR上ではいつ、誰と、どのような行動を取っていたかはもちろん、ウェアラブルデバイスの発展によりどのような感情になっていたかなどの多様なデータを取得できるようになると考えられています。
そのため、VR上のユーザーに商品やサービスを試してもらい、その反応をデータとして収集することで、商品やサービスの改善につなげることが可能です。
③新たな顧客接点の獲得
3つ目のメリットは新たな顧客接点の獲得です。VR空間にはいつでもどこからでもアクセスできるという特徴があり、コロナウイルス感染拡大の影響で実店舗での顧客との繋がりが希薄化するなか、新たな顧客接点としての活用が期待されています。
VRの特徴である、3Dのコンテンツで、スタッフが説明しながら商品やサービスを訴求できるという点を活かし、今までEC化に苦戦していた業界の企業にとって、貴重なオンラインでの接点になり得ると考えられます。
④社内コミュニケーションの円滑化
4つ目のメリットは社内コミュニケーションの円滑化です。コロナウイルス感染拡大の影響で、多くの企業がリモートワークへの移行を進めています。
一方で、リモートワーク環境下ではホワイトボードを用いた共同作業ができない、相手の細かな表情や声色が読み取れずコミュニケーションが停滞する、自然発生的なコミュニケーションが減ってしまうなどの課題が存在します。
それらの課題をVR空間上のオフィス「VRオフィス」で一緒に働くことで解決することができるのではないかと期待されています。
⑤研修への活用による社員のスキル向上
5つ目のメリットは研修への活用による社員のスキル向上です。VRを企業の研修に活用することで、コンテンツが3Dで表示されるため学習効率が向上する、非常時のシチュエーションを簡単に再現できる、学習の時間的・地理的制約から解消されるなどのメリットがあり、社員のスキル向上に繋げることができます。
業界別|VRを活用した新規事業の事例9選
業界別のVRを活用した新規事業として以下の9事例が挙げられます。
- ①小売業界:三越伊勢丹が独自VR空間上に百貨店を再現
- ②アパレル業界:BalenciagaがVRゲーム「Fortnite」向けのスキンを販売
- ③エンタメ業界:サンリオが開催したVR上のフェスに有名アーティストが集結
- ④飲食業界:マクドナルドが限定ゲームを楽しめる段ボール製のVRゴーグルを提供
- ⑤広告業界:電通が東京ゲームショウVRに基盤システムを提供
- ⑥不動産業界:大和ハウスが自由に見学できるVR上の住宅展示場をオープン
- ⑦金融業界:みずほ銀行がVR空間上に店舗を開設し、決済機能提供などを検討
- ⑧医療業界:IBM×順天堂大学がVRを用いた医療サービスを構築
- ⑨スポーツ業界:Black Box VRがVRを活用した体験型フィットネスジムを開設
それぞれの事例についてわかりやすく紹介していきます。
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①小売業界:三越伊勢丹が独自VR空間上に百貨店を再現
三越伊勢丹は、独自のVR上の仮想都市である「レヴ ワールズ」を構築し提供しています。来場者はアバターの姿で、デジタル空間の「バーチャル伊勢丹」での買い物を楽しむことができます。店員のアバターも配置され、チャット機能を使った接客も受けられます。
現在は婦人服や食品など180ブランドを扱っていますが、今後は家具や日用品にも対象を広げる方針です。友人のアバターと一緒に会話しながら買い物できるようにするなど機能も強化する予定です。他社がVR上で開催されるイベントへの出展が中心のなか、三越伊勢丹は既に独自のVR空間を構築・提供しており、小売・百貨店業界のVR活用をリードする存在といえます。
②アパレル業界:BalenciagaがVRゲーム「Fortnite」向けのスキンを販売
Balenciagaは、Epic Gamesと提携し、ハイセンスなFortniteのアバター用スキンを作成しました。4つのスキンに加えて、つるはしやBalenciaga blingバックパックなどのBalenciagaをテーマにしたアクセサリーも作成されました。
バレンシアガをテーマにしたゲーム内のハブが開発され、現実世界の衣料品ラインも提供されました。ハブにはバレンシアガのバーチャルショップがあり、訪問者はコスメを購入することができます。バーチャル・ストアの上には、パーカーを着た散歩中の犬 Doggoが登場するアニメーションの広告掲示板が設置されました。
現実世界でも、ニューヨーク、ロンドン、東京、ソウルに広告掲示板が現れました。Doggo’s のパーカーは、フォートナイトをテーマにしたバレンシアガのコレクションの一部でもありました。
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③エンタメ業界:サンリオが開催したVR上のフェスに有名アーティストが集結
サンリオバーチャルフェストは、VR上で開催された、リアル/バーチャルのアーティスト総勢52組が集まったライブイベントです。
アーティストは、AKB48などのリアルアーティストから、Vtuber、VRChat上で活動するアーティストまで、幅広いジャンルのアーティストが一堂に会することで、大きな話題を呼びました。
この取り組みのポイントは、ユーザーが求めるものを実現するために、企業や団体の垣根を超えたコラボレーションを実現させた点です。このように、ユーザーを特定の企業やプラットフォームに囲い込もうとするWeb2.0的な発想とは違った取り組みが、今後のVR市場の盛り上がりに繋がっていくでしょう。
④飲食業界:マクドナルドが限定ゲームを楽しめる段ボール製のVRゴーグルを提供
スウェーデンのマクドナルドは、ハッピーセット販売30周年を記念して、ダンボール製のVRゴーグル「Happy Goggles」をハッピーセットのおまけとして販売しました。
Googleが開発したダンボール製の本体に手持ちのスマートフォンと組み合わせることで完成するヘッドマウントディスプレイ「Google Cardboard」と同じ仕組みで、ボックスを解体して組み立て、中にスマートフォンを入れれば、メタバース上でスキーのゲームを楽しむことができます。詳細は下記の動画をご確認ください。
⑤広告業界:電通が東京ゲームショウVRに基盤システムを提供
電通はバーチャル空間上で行われるイベント「東京ゲームショウVR」向けに、大型イベントのVR化を推進するシステムを開発・提供しました。
東京ゲームショウVRでは、ゲーム関連企業のみならず、飲料メーカーやアパレル企業などのブランドを体験できる特設ブースが設けられ、各ブースでの体験を通じて、リアルでは提供が難しいバーチャルならではのブランド体験の実現を目指しています。
同社は出資を行っているVR関連のスタートアップであるabmr社とともに、基盤プロダクトの改善を通じ、広告機能はもちろんのこと、VR空間ならではのブランド体験の構築やイベントでの体験全体の質向上を目指していくとのこと。
「東京ゲームショウVR2021」では、バーチャル会場の総来場者数は約21万人を記録、参加者の98.8%が再来訪意向を示すなど、大きな反響を呼びました。
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⑥不動産業界:大和ハウスが自由に見学できるVR上の住宅展示場をオープン
大和ハウスはアバターを用いて担当者と見学者がコミュニケーションを図りながら仮想空間上の住宅展示場を自由に見学できる「VR住宅展示場」を公開しました。ユーザーはスマホやタブレット・PCからVRにアクセスでき、最大6名の見学者とともに担当者にリアルタイムに質問や相談を実施することが可能です。
VR上にある住宅展示場という特徴を活かし地面から屋根の上までさまざまな角度から見学できることに加え、室内では子どもやペットなどの視点でも見学が可能です。また、見学者が床や壁紙・天井等の色や素材、インテリアなどを瞬時に切り替えて、イメージを検討することもできます。今後、対応する住宅商品ラインナップを拡充していく方針とのことです。
⑦金融業界:みずほ銀行がVR空間上に店舗を開設し、決済機能提供などを検討
みずほフィナンシャルグループは、2022年8月に開かれる世界最大のVRイベントである「バーチャルマーケット2022」への出展を発表しました。
銀行店舗をイメージした出店ブースでは、ボルダリング体験やオリジナル3Dモデルの配布をはじめ、ゲストを招いた金融知識に関する座談会が行われる予定です。座談会では、金融知識を有するみずほ社員と、アバターを介したコミュニケーションを取ることも可能となっています。
同社は、将来的にはVR空間上の店舗にて資産形成の相談や商談を実施したり、決済手段の提供などを含めたVR空間上での新たな経済活動に対するソリューションの提供を目指すとのことです。また、現状VR空間には統一された決済手段が存在しないため、みずほの決済サービス「Jコインペイ」の技術を応用した決済サービスの提供が検討されています。
⑧医療業界:IBM×順天堂大学がVRを用いた医療サービス構築へ
日本IBMと順天堂大学は「メディカル・メタバース共同研究講座」を設置し、産学連携の取り組みを開始しました。同共同研究講座では、VR/メタバース技術の活用による時間と距離を超えた新たな医療サービスの研究・開発に取り組むとのこと。
具体的には、患者や家族が来院前にバーチャルで病院を体験できる環境や外出が困難な入院患者が病院の外の仮想空間で家族や友人と交流できる「コミュニティ広場」の構築、メタバース空間での活動によるメンタルヘルス等の疾患の改善の実証などを検討しています。
⑨スポーツ業界:Black Box VRがVRを活用した体験型フィットネスジムを開設
Black Box VRは、カリフォルニア州やアリゾナ州などで展開されているVRを活用した体験型フィットネスジムです。
ジムの会員はVRヘッドセットを着用し、オリジナルのVRゲームを楽しみながらフィットネスを行います。1バトルは30分となっており、プレイヤーの動きがゲーム内に反映され相手への攻撃に繋がります。
また、トレーニングを続けていくことで、利用できるキャラクターの種類が増えたり、レベルが上昇するなどやり込み要素を備えています。
さらに、トレーニングを経て収集された各種データは専用のアプリから確認できるとのことです。
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