メタバースの就活への活用方法とは?メリットや事例8選も紹介
本記事では、メタバース×就職/採用活動に関心のある方向けに、メタバースの基本から就職/採用活動での活用事例までわかりやすくご紹介します。
こんな方におススメ
- メタバースを就活/採用活動で活用したい
- メタバースを就活/採用活動で活用するメリットが知りたい
- 具体的な活用事例を知りたい
本記事を読めば、就活/採用活動でのメタバース活用の検討に必要な最新情報を、一気に理解することができますのでぜひ最後までご一読ください。
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目次
就活/採用活動にメタバースを活用する9つのメリット
採用活動にメタバースを活用するメリットとして、候補者側の4つと企業側の5つが挙げられます。それぞれを分かりやすく解説していきます。
候補者側の4つのメリット
- ①採用活動への参加コストが軽減される
- ②コミュニケーションの心理的ハードルが下がる
- ③企業の魅力をよく知ることができる
- ④メタバースコンテンツによる新たな体験を楽しみながら参加できる
①採用活動への参加コストが軽減される
オフラインでの採用活動に参加する場合と比べ、会場までの移動時間や費用、身支度の手間などの負担を軽減できます。
②コミュニケーションの心理的ハードルが下がる
アバターを介したコミュニケーションにより、対面やZOOM等で採用活動を実施する場合に比べ、企業の担当者と直接会話する際の心理的ハードルを下げることができます。顔出しなしで参加できるため、容姿などの外部的要因に捉われずに自己アピールが可能です。
③企業の魅力をよく知ることができる
企業紹介の動画や3Dコンテンツ、担当者とのN対Nでのコミュニケーションなど、多様な方法を通じて限られた時間で企業をより深く理解でき、企業とのミスマッチを防ぐことが可能です。
④メタバースコンテンツによる新たな体験を楽しみながら参加できる
従来の選考とは異なる、インタラクティブかつ没入感のあるメタバース内での体験により、楽しみながら選考に参加することが出来ます。
企業側の5つのメリット
- ⑤リーチできる候補者数の増加
- ⑥候補者理解の促進
- ⑦企業イメージの向上
- ⑧候補者への訴求力向上
- ⑨コスト削減
⑤リーチできる候補者数の増加
オフラインで採用活動を実施する場合に比べ、候補者の移動の時間や費用の負担が小さく参加ハードルが下がることから、幅広い地域の多くの候補者にリーチすることができることができます。
⑥候補者理解の促進
アバターを介することで候補者とのコミュニケーションが円滑になり、限られた時間で候補者をより深く理解でき、求める人材の選定に繋がります。
⑦企業イメージの向上
採用活動へのメタバース活用という先進的な取り組みをすること自体が、候補者に対する企業の先進性のアピールとなります。
⑧候補者への訴求力向上
企業紹介の動画や3Dコンテンツ、候補者と担当者とのN対Nでのコミュニケーションなど、多様な方法を通じ、限られた時間で企業の魅力を強力にアピールすることができます。
⑨コスト削減
オフラインでの採用活動に比べ、相互理解が早く進むことによる選考フローの短縮や、リアルの会場設置や候補者の交通費/宿泊費などの費用削減により、コストカットが可能です。
就活/採用活動にメタバースを活用する3つの方法
就活/採用活動にメタバースを活用する方法として、主に以下の3つが挙げられます。
- ①メタバース上で採用イベントの開催
- ②メタバース上での面談・面接
- ③メタバース上での実務形式の選考
それぞれをわかりやすく解説していきます。
①メタバース上で採用イベントの開催
企業説明会や各企業のブースを設置した就活フェアなどの採用イベントを、メタバース上で開催することが出来ます。従来のZoomなどによるオンライン開催と比べ、多様な方法で企業の魅力をアピールし、候補者に理解してもらうことが可能です。
②メタバース上での面談・面接
候補者との個人/グループ面談・面接をメタバース上で行うことができます。候補者は移動の費用、時間といったコストがかからず、参加の負担を小さくすることが可能です。また候補者、企業担当者ともにアバターを通じた顔出しなしでのコミュニケーションにより、心理的ハードルが下がり会話が活発になるため、相互理解を深めることに繋がります。
③メタバース上での実務形式の選考
実務形式の選考もメタバース上で行うことができます。グループディスカッションや短期インターンシップのような従来の選考はもちろん、メタバース空間ならではの課題を提示し取り組んでもらうことも可能です。
就活/採用活動へのメタバースの活用事例8選
就活/採用活動にメタバースを活用した代表的事例として、以下の8つが挙げられます。
- ①中京テレビ放送:メタバース会社説明会
- ②CAREER THEATER:複数企業によるメタバース上での合同説明会
- ③Hirect:メタバース上でテック系スタートアップの展示ブースを設置した就職フェア
- ④ビヨンド:メタバース上での面接
- ⑤マイクロソフト:「マインクラフト」上でのグループ課題
- ⑥三菱UFJ信託銀行:VR上での新卒採用イベントを開催
- ⑦凸版印刷:メタバースを新入社員同士の交流に活用
- ⑧神奈川県:Metapa上で人との交流や就労の機会を提供するイベントを開催
それぞれをわかりやすく紹介していきます。
①中京テレビ放送:メタバース会社説明会
中京テレビ放送は2022年、会社説明会をメタバース上で開催しました。定員200名に対し約2倍の応募があり、抽選での実施となりました。
参加者からは、アバターを通じたコミュニケーションにより、リアルでは聞きにくい質問もでき、理解が深まりやすかったという感想が寄せられています。また、Zoomなどのブレイクアウトルームとは異なり、各ブース間の行き来が自在にできることで、参加者は自分の参加したいブースに気軽に訪れ、社員と話すことが可能となりました。
人事担当者としても、コミュニケーションの双方向性が担保できる、一つの空間内で様々な部署との質疑応答の場を設置できる、といったメリットを感じられたようです。
②CAREER THEATER:複数企業によるメタバース上での合同説明会
NPO法人エンカレッジは2022年、P&Gジャパン合同会社、LINE株式会社、株式会社三井住友銀行など24社以上が登壇する合同説明会「CAREER THEATER 2022」をメタバース上で開催しました。clusterを運営するクラスター株式会社などと協力してメタバース上に劇場型の空間を開発し、キャリア講演、パネルディスカッション、企業ブースの設置などを行いました。
2020年以降、新型コロナウイルスの影響でオフラインからオンラインへの変更を余儀なくされた当イベントですが、メタバースならでは映画館のような体験を提供し、参加学生への訴求力を高めることに成功しています。
③Hirect:メタバース上でテック系スタートアップの展示ブースを設置した就職フェア
人材紹介会社のHirect社は2022年、スタートアップ30社を集めた就職フェアをメタバース上で開催しました。会場内にはロビー、各企業の展示エリア、講演会場といった複数エリアを用意し、参加者は自由に行き来することが出来ます。
講演中はアバターが質問のために列を作ったり、拍手をしたりといったリアルに近いアクションが可能でした。また、企業担当者の頭上に名前と電子メールアドレスが表示されており、クリックするだけでメッセージを送ることができるといった、メタバースならではの便利な体験も用意されました。
アバターの精度など課題はありますが、リアルのイベントと近い体験と、リアルにはない独自の体験を両立することに成功しています。
④ビヨンド:メタバース上での面接
株式会社ビヨンドは、2024年度新卒の採用面接をメタバース上で実施しました。面接官と就活生はともにVRゴーグルを着用し、就活生は名前・年齢・学歴・性別を明かさずに面接に挑むことが出来ます。就活生側は、学歴や容姿などの外部的要因に捉われずに内面や経験をアピールすることができ、企業側も余計なフィルターなしにそれらを判断することが可能です。
また、ビヨンド社はメタバースを用いた選考により、メタバースを始めとした先端技術へ高い関心を持った学生と出会えることを期待しているとのことです。
⑤マイクロソフト:「マインクラフト」上でのグループ課題
マイクロソフト社は採用プロセスのひとつとして、メタバースゲームの「マインクラフト」を導入しています。メタバース空間での課題を提示し、候補者にグループで取り組んでもらうことで、問題解決能力やチームビルディング力などを見極めることが可能です。
ゲーム内では気軽にチャットでコミュニケーションを取ることができ、アバターを通すことで会話の心理的ハードルも下がるため、企業は候補者の能力や素性をより正確に知ることができると考えられています。
⑥三菱UFJ信託銀行:VR上での新卒採用イベントを開催
三菱UFJ信託銀行は、日本最大のソーシャルVRプラットフォーム「Cluster」上で、新卒採用イベントを実施しました。Cluster上に三菱UFJ信託銀行の大会議室を3DCGで再現し、就活生のバーチャルでのオフィス訪問を可能とします。会場では、従来の採用イベントと同様、会社紹介や人事部とのトークセッションの他、内定者との座談会が実施されました。
近年、コロナウイルス感染拡大の影響で、対面での会話やオフィス訪問などが制限され、企業がどのように自社の魅力を伝え、就活生がどのように自身をアピールするのかが課題となっています。同社は、この取り組みを通じて、新卒採用における課題解決に繋げたいとしています。
⑦凸版印刷:メタバースを新入社員同士の交流に活用
凸版印刷は新入社員研修において、新入社員同士の新たなコミュニケーションのプラットフォームとして、同社メタバースアプリ「メタパ™」をカスタマイズして導入し、メタバース上に新入社員同士の交流を促進できる場を開設しました。さらに新入社員同士だけでなく、先輩社員とのコミュニケーションの場としても活用しています。
これにより、入社における新入社員の不安を払拭する手厚いサポート体制を、メタバース上でも整備しています。
⑧神奈川県:Metapa上で人との交流や就労の機会を提供するイベントを開催
神奈川県はひきこもり当事者などに向けて、他者との交流や就労のきっかけを提供することを目的としたメタバースイベント「”つながり発見”パーク」を開催しました。
イベントはTOPPAN株式会社のメタバースプラットフォーム「Metapa」上で行われました。アバターを使った参加者同士のコミュニケーションの場の提供、キャリア教育動画の投影、神奈川県の観光スポットの写真掲載など、新たな人とつながったり、キャリアについて見つめなおす機会が提供されました。
参加費無料・申込み不要で、スマホやパソコンから気軽に参加できるなど、参加のための心理的ハードルを下げる工夫も参考になります。
メタバースのビジネス活用を成功に導く5つのポイント
メタバースのビジネス活用を成功に導くポイントとして以下の5つが挙げられます。
- ①最先端の市場動向・ノウハウのキャッチアップ
- ②活用目的の明確化と骨太な戦略策定
- ③ユーザーファーストなUX設計
- ④アジャイルアプローチによるプロジェクトの推進
- ⑤強力な開発・運用体制の構築
それぞれについて分かりやすく紹介していきます。
①最先端の市場動向・ノウハウのキャッチアップ
1つ目のポイントは、最先端の市場動向・ノウハウのキャッチアップです。
デバイスの進化やユーザーの動き、各領域の先進事例をキャッチアップし、自社が取り組むべき活用方法や成果に繋がる活用のポイントを抑えた上で活用に着手しましょう。
メタバース活用には取り組むのに一定の予算や工数が必要となるため、自社にとって重要な最新動向や活用のノウハウを抑えておくことが、成功確度の高い戦略・企画立案の大前提となります。
②活用目的の明確化と骨太な戦略の立案
2つ目のポイントは、メタバースを活用する目的の明確化と骨太な戦略の策定です。
現在メタバース活用に取り組む企業には、メタバース活用の取り組みが単発で終わってしまっている企業が見受けられます。
その結果、活用のPDCAが回らない、メタバース活用が小粒な施策の1つに留まってしまうなど大きな収益機会の獲得に繋がらないという結果に終わってしまいます。
自社の経営課題を踏まえ、「活用によりどのような経営課題を解決したいのか?」「課題解決の打ち手としてなぜメタバースではないといけないのか?」といった明確な活用目的を整理した上で、中長期で目指す事業の姿や自社の強みの活用の仕方などの実現に向けた戦略を立案しましょう。
③ユーザーファーストな企画・UX設計
3つ目のポイントは、自社のターゲットにとってユーザーファーストなメタバースの企画・UX設計です。
現在、多くの企業がメタバースに参入を進めていますが、そのなかには、企業側の都合のみでサービス・体験が設計されたようなメタバースが多く存在します。それらのメタバースは、ユーザーに利用されず、企業の活用の目的を達成できない結果に終わってしまいます。
そのため、「メタバースならではの高い体験価値を届けられているか」や「ユーザーの利用にあたっての手間や負担が大きくないか」といった観点を踏まえたUX設計が重要です。
④アジャイルアプローチによるプロジェクトの推進
4つ目のポイントは、アジャイルアプローチによるプロジェクトの推進です。
メタバース市場は今後大きな成長が予想されているものの、いまだ成長期にあり、様々な業界の企業が中長期的な収益最大化に向け、最適な活用を模索している段階にあります。
そのため、計画と実行のプロセスを短いスパンで回し、仮説立案・実行・検証・施策立案のサイクルを何度も繰り返すことが、プロジェクトを机上の空論で終わらせないために重要です。
⑤強力な開発・運用体制の構築
5つ目のポイントは、強力なメタバース開発・運用体制の構築です。
高いユーザー体験と事業性を両立するメタバースの開発とマーケティングを含めた運用を実施しましょう。
メタバース開発・運用には幅広い領域の知見や技術スタックが求められるため、外部のベンダーなどを活用し、不足するケイパビリティやリソースを補完することも有効です。
企業がメタバースを活用するための4つのステップ
企業がメタバースを活用するためのステップとして、大きく以下の4つのステップが挙げられます。
- Step1:市場動向・知見のキャッチアップ
- Step2:戦略/企画の立案
- Step3:事業計画の策定
- Step4:開発・運用
それぞれのステップについて分かりやすく紹介していきます。
Step1:市場動向・知見のキャッチアップ
1つ目のステップとして取り組むべきは、最先端の市場動向・知見のキャッチアップです。MetaやApple、Microsoftなどのビックテックやユーザーの動向・先行活用事例など、日々変化する市場動向やナレッジへのキャッチアップが必要です。
このステップが、成果に繋がる骨太な戦略/企画策定の基盤となります。
Step2:戦略/企画の立案
2つ目のステップはメタバース活用の戦略/企画です。活用目的を踏まえ、中長期で目指す事業の姿や自社の強みの活用の仕方、実現に向けた企画を立案しましょう。
ユーザーバリューと自社の事業性の両方を満たす、質の高い戦略/企画の立案が、成果につながるメタバース活用の実現に向け最も重要なポイントとなります。
Step3:事業計画の策定
3つ目のステップは事業計画の策定です。事業に期待する成果や開発・運用のアプローチやタイムライン、必要な投資額などを検討しましょう。
メタバース開発・運用といっても、プロジェクト毎に求められるケイパビリティは様々であるため、自社にマッチするツール・ベンダーの選定が非常に重要です。
Step4:開発・運用
4つ目のステップが開発・運用です。メタバース開発・運用には幅広い領域の知見や技術スタックが求められるため、外部のベンダーなどを有効活用し、不足するケイパビリティやリソースを補完しつつ、ユーザーに届けたい体験を実現するメタバースの開発とマーケティングを含めた運用を実施しましょう。
4つのステップで取り組むべき35のステップに関しては、以下の関連記事で詳しく解説しています。
※関連記事:メタバースを活用した事業を作る方法|全4フェーズと35ステップ【担当者必見】
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