【事例11選】メタバースへの出店方法とは?メリットや注意点も解説

コロナウイルス感染拡大による行動制限の影響で、多くの企業のリアルでのマーケティング活動が大きな打撃を受けています。

 

そんななか、メタバースをマーケティングに活用する動きが注目を集めています。

実は既に三越伊勢丹や日産自動車、東京海自日動など、幅広い業界の大手企業がメタバースへの出店を進めていることをご存知でしょうか?

 

そこで今回は、メタバースに出店する方法を事例やメリット、費用とともにご紹介します。

本記事をお読みいただければ、メタバースをマーケティングに活用するためのヒントが得られるかと思いますので、ぜひ最後までご一読ください。


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メタバースに出店する3つのメリット

メタバースに出店する3つのメリット

メタバースにECを出店するメリットとして主に以下の3つが挙げられます。

 

  • ①メタバースならではの体験による訴求力/売上向上
  • ②幅広い顧客層へのリーチ
  • ③コロナ禍対策としてのオンラインシフト

 

それぞれのメリットについてわかりやすく紹介していきます。

 

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①メタバースならではの体験による訴求力/売上向上

メタバースならではの体験による訴求力/売上向上
(画像:三越伊勢丹)

1つ目のメリットは、メタバースならではの体験による訴求力/売上向上が期待できるという点です。

メタバースを活用することで、サービスや商品の訴求力を向上することができます。訴求力向上に繋がるポイントは大きく2点あります。

 

1点目は、3Dモデルを活用した訴求力の向上です。顧客が商材や店舗、施設を目の前にしているような体験を提供でき、従来オンラインで商材の魅力が伝わりづらく、オンラインプロモーションに苦戦していた商材の訴求力を向上することができます。

 

2点目は、メタバースならではの体験を通じた、新たな購買体験による訴求力の向上です。オンラインでありながら、友人と一緒に買い物が出来る環境を構築したり、リアルでは簡単に提供できない非現実的な体験型のプロモーション施策を低コストで実施したりすることができます。

②幅広い顧客層へのリーチ

2つ目のメリットは、幅広い顧客層へのリーチが期待できる点です。メタバースを活用したマーケティング施策の特徴の1つとして、「いつでも、どこからでもアクセスしてもらえる」という点があります。従来のリアルな空間でのプロモーションイベントでは、ターゲットとなる人が地理的に大きく制限されているため、一定程度ターゲットが密集している都心部など以外で施策を実施しづらいという課題がありました。そこで、メタバース上でマーケティング施策を行うことで、幅広い地域のターゲットにリーチすることが可能です。

 

また、メタバースを活用することで、従来若者世代との接点獲得に苦戦していた企業・商材のマーケティングを加速させることもできます。メタバースがデジタルネイティブの比較的若い世代から人気を集めていることや、人気のコンテンツなどとコラボしたりゲーミフィケーションを取り入れたプロモーション施策との相性が良いことから、若者世代の顧客獲得への打ち手としての活用が進んでいくことが考えられます。

③コロナ禍対策としてのオンラインシフト

3つ目のメリットは、コロナ禍対策としてのオンラインシフトを進められる点です。コロナウイルス感染拡大防止のための行動制限などの影響で、幅広い業界のマーケティング・プロモーション活動が打撃を受けています。商材によってはオンラインでのプロモーションへのシフトを成功させています。

 

一方で、実物を確認して買いたいという人が多い商材や実店舗でのプロモーションイベントや顧客ひとり一人に寄り添った提案が重要な商材のマーケティングのオンラインシフトは非常に難易度が高く、幅広い業界の企業の課題となっています。そこで、EC/マーケティングにメタバース活用することで、実店舗などのリアル空間で行っていた顧客接点のオンラインシフトを行うことが可能です。

メタバースに出店する3つの方法

メタバースに出店する3つの方法

メタバースに自社の店舗を出店する方法として主に以下の3つが挙げられます。

 

  • ①メタバースイベントへの出店
  • ②メタバースプラットフォームへの出店
  • ③自社独自のメタバース空間の構築

 

それぞれの方法についてわかりやすく紹介していきます。

 

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①メタバースイベントへの出店

メタバースイベントへの出店
(画像:大丸松坂屋)

1つ目の方法はメタバースイベントへの出店です。バーチャルマーケットなどのメタバース上で開催されるイベントの企業ブースに出店するという方法で、最も手軽にメタバースへの出店を行うことができます。出店にあたっての費用や工数を抑えることができ、実証的にメタバースに活用に取り組む企業にマッチする方法といえます。

②メタバースプラットフォームへの出店

メタバースプラットフォームへの出店
(画像:エイベックス)

2つ目の方法はメタバースプラットフォームへの出店です。VRChatclusterなどの多くのユーザーを集めるメタバースプラットフォームに出店する方法で、既に存在する多くのユーザーにリーチすることができます。

③自社独自のメタバース空間の構築

3つ目の方法は自社独自のメタバース空間の構築です。専用のメタバース空間自体を構築し、専用アプリやwebサイトからアクセスしてもらうという方法です。出店に当たり費用や工数はある程度かかってしまうものの、展開できるサービスやビジネスの自由度は高く、本格的にメタバース市場に参入したい企業にマッチする方法といえます。

業界別企業のメタバースへの出店事例11選

業界別企業のメタバースへの出店事例11選

企業のメタバースへの出店事例として以下の11事例が挙げられます。

 

  • ①三越伊勢丹:独自のメタバース空間上に百貨店を再現
  • ②大丸松坂屋:メタバース上の百貨店で600種類の食品を販売
  • ③BEAMS:メタバースイベントへの出展を通じリアル店舗への送客も
  • ④エイベックス:The Sandbox上にエイベックスランドを開設
  • ⑤ぴあ:バーチャルライブ向けの独自メタバースを構築
  • ⑥ANA:バーチャル旅行プラットフォーム設立を目指す
  • ⑦大日本印刷:「バーチャル秋葉原」をオープン
  • ⑧みずほ銀行:メタバース上に店舗を開設し、決済機能提供などを検討
  • ⑨大和ハウス:メタバース上の住宅展示場を自由に見学
  • ⑩日産自動車:メタバース上での新車発表・試乗会を開催
  • ⑪アステラス製薬:バーチャルMRを活用した医療従事者への講演会

 

それぞれの事例についてわかりやすく紹介していきます。

 

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小売業界:三越伊勢丹、大丸松坂屋

①三越伊勢丹:独自のメタバース空間上に百貨店を再現

三越伊勢丹:独自のメタバース空間上に百貨店を再現
(画像:三越伊勢丹)

三越伊勢丹は、独自のメタバース上の仮想都市である「レヴ ワールズ」を構築し、専用アプリから提供しています。利用者はアバターを登録し、デジタル空間の「バーチャル伊勢丹」での買い物を楽しむことができます。店員のアバターも配置され、チャット機能を使った接客も受けられます。

 

β版のリリースから1年ほどが経過する「レヴ ワールズ」ですが、百貨店の強みである「デパ地下」や「ギフト」への関心の高さが確認できているとのことです。

現在は婦人服や食品など180ブランドを扱っていますが、今後は家具や日用品にも対象を広げる方針です。友人のアバターと一緒に会話しながら買い物できるようにするなど機能も強化する予定です。

 

他社がメタバース上で開催されるイベントへの出展が中心のなか、三越伊勢丹は既に独自のメタバース空間を構築・提供しており、百貨店・小売業界のメタバース活用をリードする存在といえます。

②大丸松坂屋:メタバース上の百貨店で600種類の食品を販売

大丸松坂屋:メタバース上の百貨店で600種類の食品を販売
(画像:大丸松坂屋)

大丸松坂屋は、世界最大のメタバース/VRのイベント「バーチャルマーケット」への出展を発表しました。大丸松坂屋は専用のブースであるニューヨークの街並みを再現した空間に、「バーチャル大丸・松坂屋」を出展します。来場者は百貨店内で600種類以上のグルメの買い物を楽しんだり、大丸松坂屋の400年の歴史を体感できるアトラクションを楽しんだりすることができます。

 

食品ブースでは、来場者が自由に店内をまわり、食品3Dモデルを手に取って商品の形状を確認したり、バーチャルカタログで詳細を見たり、商品を購入することが可能です。夏に食べたい「しろくまアイス」や「盛岡冷麺」などのグルメを600点以上が販売される予定です。購入した商品は、後日自宅に届きます。

 

また、今回のイベント開催に伴い、「メタバース上で働くアルバイト」を初めて採用。バーチャル接客の経験があり、商品知識を身につけたスタッフが商品の魅力を伝えます。

 

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ファッション業界:BEAMS、アダストリア

③BEAMS:メタバースイベントへの出展を通じリアル店舗への送客も

BEAMS:メタバースイベントへの出展を通じリアル店舗への送客も
(画像:BEAMS)

ファッション大手であるビームスはメタバース領域への参入を果たしています。具体的な取り組みとしては、世界最大のVRイベントである「バーチャルマーケット」に4度出展を行っています。バーチャルマーケットとはメタバース上にある会場で、アバターなどのさまざまな 3D アイテムや、リアル商品(洋服、PC、飲食物など)を売り買いでき、日本はもとより世界中から100万人を超える来場者を誇る世界最大のVRイベントです。

 

バーチャルマーケットでは、アバター用の洋服であるデジタルアイテムの販売やライブなどのイベントの開催が行われました。アバター用の洋服であるデジタルアイテムは、ビームスの2022年の秋冬商品を3Dモデルに起こした、Tシャツやワンピースなどの全7種類が販売されました。また、ライブでは池田エライザさんがバーチャルライブを開催し、メタバースに着想を得た新曲の発表も行われました。一方でリアルでの商品販売も行われ、バーチャルマーケットの出展を記念したリアルな洋服の商品もビームスの公式オンラインショップにて販売されました。

 

4度目の参加の際には、関西のショップスタッフも含む約50名の社員が交代でバーチャル接客にあたり、メタバース上での接客を通じてリアル店舗への来客に繋がっている事例も生まれてきているとのことです。

音楽業界:エイベックス、ぴあ

④エイベックス:The Sandbox上にエイベックスランドを開設

エイベックス:The Sandbox上にエイベックスランドを開設
(画像:エイベックス)

エイベックス・テクノロジーズは、The Sandboxとパートナーシップ体制を構築し、アーティストとファンが仮想空間上で交流できるテーマパーク「エイベックスランド(仮称)」をオープンすると発表しました。エイベックスランド(仮称)は2022年度中に、「The Sandbox(ザ・サンドボックス)」内にオープンする予定で、アーティストのライブ配信やファンミーティングの実施、NFTアイテムの販売などが検討されています。

 

これらに先駆けて、ピコ太郎さんや浜崎あゆみさんに関連するNFTアイテムなどをセットにしたプレミアムLANDを2022年3月3日に販売しました。

 

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⑤ぴあ:バーチャルライブ向けの独自メタバースを構築

ぴあ:バーチャルライブ向けの独自メタバースを構築
(画像:ぴあ)

米津玄師や星野源は、フォートナイト上でバーチャルライブを開催しました。

米津玄師は2020年に開催中であったライブツアー「米津玄師 2020 TOUR / HYPE」の中断等に伴いフォートナイトでの全世界同時バーチャルライブを開催し、世界中から様々なプレイヤーが参加しました。米津玄師は「STRAY SHEEP」のジャケットに描かれた羊のマスクを被った3DCGの姿で様々な場所に移動しながらパフォーマンスを披露しました。

 

星野源はフォートナイト内で開催されるバーチャルイベント「Soundwave Series」に参加して世界中のアーティストとともにバーチャルライブを披露しました。

観光業界:ANA、大日本印刷

⑥ANA:バーチャル旅行プラットフォーム設立を目指す

ANA:バーチャル旅行プラットフォーム設立を目指す
(画像:ANA)

ANAホールディングスは、2022年5月に新会社「ANA NEO」の設立を発表しました。同社は、インターネット上の仮想空間で様々なアトラクションを体験できる「バーチャル旅行プラットフォーム」SKY WHALEの設立・運営を担当する予定です。2022年内のサービス開始を目指しています。

 

ANAホールディングスでは、アバターロボット「newme」を用いた遠隔案内などの実証実験を行っていますが、ANA NEOでは、ANAグループが航空会社として培ってきた知見や「newme」が提供する各種サービスを活用し、ビジネスモデルのデジタル化を推進します。仮想空間での地域コミュニティによる経済発展や社会課題の解決を促進することで、生活者に新たな価値の創造を目指すとのことです。

 

同社がリリース予定のSKY WHALEは、「Skyパーク」「Skyモール」「Skyビレッジ」という3つのサービスで構成されています。

 

「SKYパーク」はバーチャル旅行テーマパークであり、3次元CGで描かれた世界のさまざまな都市や景勝地で、誰もが気軽に楽しめる新しい旅行体験をお客様に提供します。

 

「Skyモール」では、ご家族やご友人と自由にモール内を回遊し、お買い物や各種イベントを楽しむことができます。スカイモールは、ANAグループならではの品揃えを世界中のお客様のお手元にお届けする越境ECサービスで、偶然の出会いの楽しさや利便性を提供し、地域振興や地産外商の促進を図ります。

 

「Skyビレッジ」ではバーチャルにおけるスマートシティの実現を目指して、バーチャル上での医療・教育・行政などのサービス展開を予定しているとのことです。

⑦大日本印刷:「バーチャル秋葉原」をオープン

大日本印刷:「バーチャル秋葉原」をオープン
(画像:大日本印刷)

大日本印刷とAKIBA観光協議会は、現実世界と仮想世界を融合させた地域共創型XR街づくりプロジェクトとして、2022年4月に「バーチャル秋葉原」をオープンしました。生活者は、PC用アプリケーションやVRゴーグル、Webブラウザなどを通じて、世界のどこからでもいつでも秋葉原の魅力を楽しむことができます。仮想空間には、ショッピングができる店舗やギャラリースペース、広告看板などが設置されており、コンテンツホルダーをはじめとする様々な企業が、情報発信や販促活動を行う「第3のチャネル」として利用することができます。

 

秋葉原の特徴である商標の看板等も地元企業の協力のもと、バーチャルリアリティ上で再現します。一部のバーチャル店舗の中には、商品などを展示するスペースがあり、ECサイトへ誘導して購入に繋げることができます。

 

バーチャル秋葉原は、ユーザーの分身であるアバターが集まり、動画視聴や商品購入、バーチャルゲームへの参加などを同時に行うことができる空間です。現実の特性を踏まえ、企業はコンテンツを提供・実施するだけでバーチャル秋葉原の世界に参加できます。

 

また、クリエイターが同一IPの二次創作を行い、スペース内で展示・販売できるよう、新たなビジネススキームを準備しています。コンテンツはNFTで管理し、クリエイティブビジネスの健全な循環を実現するとのことです。

 

加えて、北米を中心としたアニメファンが交流するMyAnimeListと連携し、海外のアニメファンを取り込み、世界中のアニメファンが交流できる場を創出します。また、海外のクリエイターとファンが集うMediBangと連携し、クリエイターによる二次創作の展示・販売を行い、海外ユーザーへの認知拡大を図るとのことです。

金融業界:みずほ銀行

⑧みずほ銀行:メタバース上に店舗を開設し、決済機能提供などを検討

みずほ銀行:メタバース上に店舗を開設し、決済機能提供などを検討
(画像:みずほ銀行)

みずほフィナンシャルグループは、2022年8月に開かれる世界最大のメタバースイベトである「バーチャルマーケット2022」への出展を発表しました。

 

銀行店舗をイメージした出店ブースでは、ボルダリング体験やオリジナル3Dモデルの配布をはじめ、ゲストを招いた金融知識に関する座談会が行われる予定です。座談会では、金融知識を有するみずほ社員と、アバターを介したコミュニケーションを取ることも可能となっています。

 

同社は、将来的にはメタバース上の店舗にて資産形成の相談や商談を実施したり、決済手段の提供などを含めたメタバース上での新たな経済活動に対するソリューションの提供を目指すとのことです。また、現状メタバースには統一された決済手段が存在しないため、みずほの決済サービス「Jコインペイ」の技術を応用した決済サービスの提供が検討されています。

 

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不動産業界:大和ハウス

⑨大和ハウス:メタバース上の住宅展示場を自由に見学

大和ハウス:メタバース上の住宅展示場を自由に見学
(画像:大和ハウス)

大和ハウスはアバターを用いて担当者と見学者がコミュニケーションを図りながら仮想空間上の住宅展示場を自由に見学できる「メタバース住宅展示場」を公開しました。ユーザーはスマホやタブレット・PCからメタバースにアクセスでき、最大6名の見学者とともに担当者にリアルタイムに質問や相談を実施することが可能です。

 

メタバース上にある住宅展示場という特徴を活かし地面から屋根の上までさまざまな角度から見学できることに加え、室内では子どもやペットなどの視点でも見学が可能です。また、見学者が床や壁紙・天井等の色や素材、インテリアなどを瞬時に切り替えて、イメージを検討することもできます。今後、対応する住宅商品ラインナップを拡充していく方針とのことです。

製造業界:日産自動車

⑩日産自動車:メタバース上での新車発表・試乗会を開催

日産自動車:メタバース上での新車発表・試乗会を開催
(画像:日産自動車)

日産自動車はメタバース上で、新型軽電気自動車「日産サクラ」の発表・試乗会を開催しました。イベントは参加者は世界最大のVR SNSプラットフォーム「VRChat」で開催されました。

発表会では日産副社長のアバターが登場し、ボイスレターが再生されました。

 

また、試乗会では日本の四季を感じられるドライブコースでバーチャルなサクラを運転することができます。自分で運転席に座って運転したり、後部座席に座ってみたりと、現実の試乗さながらの体験ができ、新車の特徴を確認することができます。メタバース上での試乗は通常の試乗とは違い、書類での手続きなども不要で、いつでもどこからでも体験可能なのが強みです。

 

日産の担当者いわく、今回の取り組みにより、販売スタッフのアバター操作経験不足やリアルな商品を仮想空間上でプロモーションする難しさなどが明らかになったとのこと。

このような試験的な取り組みを重ねるなかで、将来的に製品のプロモーションチャネルとしてメタバースが本格的に活用できるユースケースが確立されていくことが期待されます。

医療業界:アステラス製薬

⑪アステラス製薬:バーチャルMRを活用した医療従事者への講演会

アステラス製薬:バーチャルMRを活用した医療従事者への講演会
(画像:アステラス製薬)

アステラス製薬は、メタバースを活用した先進的な情報提供方法の構築を開始しました。フェーズ1では「仮想空間上での研究会・講演会」を試験的に実施し、フェーズ2では仮想世界と現実世界の融合など、新しいオンラインコミュニケーション手法を検討する予定です。

 

MRの領域では、コロナ禍で時間や場所に制限のないコミュニケーションへの移行が進むなかで、双方向性・対面でのコミュニケーションの重要性も明らかになり始めています。そこで、メタバースを活用することで、新たな双方向でのコミュニケーションの実現を目指す狙いがあるとのことです。具体的には、試験的に実施する仮想空間上での研究会・交流会では参加者同士の偶発的な情報交換など、コロナ以前にあった現場でのリアルなコミュニケーションの再現を目指しています。

メタバースへの出店を検討する際の注意点

メタバースへの出店を検討する際の注意点

メタバースへの出店を検討する際に注意すべき点として以下の2つが挙げられます。

 

  • ①メタバースでしかできない体験が設計できているか
  • ②ユーザーの手間・負担が大きくないか

 

それぞれの注意点についてわかりやすく紹介していきます。

 

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①メタバースならではの体験設計ができているか

1つ目の注意点は、メタバースならではの体験設計ができているかです。なんとなく流行っているからメタバースを活用してみようといった流れで、メタバースの特徴が活かせていない体験を設計してしまうと、従来のWeb広告と比べ、制作費が高く、ユーザーの負担も大きいという結果になりかねません。

 

3Dコンテンツで商品情報やブランド体験を届けられる」、「店員や他ユーザーとインタラクティブにコミュニケーションが取れる」といった特徴を最大限生かした企画・体験設計が重要になります。

②ユーザーの手間・負担が大きくないか

2つ目の注意点は、ユーザーの手間・負担が大きくないかという点です。一般的にユーザーがメタバースを活用したECを利用する際は、アプリをDLしたり、メタバースの楽しみ方・操作性を理解したりと、従来のECに比べユーザーに求める手間が大きい傾向にあります。

 

そのため、ユーザーの体験したいというインセンティブを高める企画体験の手間を最小限に抑えるUI/UX設計が重要になります。

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このナレッジの著者

メタバース総研 代表取締役社長

今泉 響介

株式会社メタバース総研(現・CREX)代表取締役社長。
慶應義塾大学経済学部卒業。学生起業した事業を売却後、日本企業の海外展開/マーケティングを支援する株式会社Rec Loc を創業・社長就任を経て、現職に。メタバースのビジネス活用に特化した国内最大級の読者数を誇るメディア「メタバース総研」の運営やメタバースに関するコンサルティング及び開発サービスの提供を行っている。著書に『はじめてのメタバースビジネス活用図鑑』(中央経済社)

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