自治体でのAIの活用事例5選|導入状況や3大メリットも紹介
本記事では、AI×自治体に関心のある方向けに、AIの自治体での活用事例をわかりやすくご紹介します。
こんな方におススメ
- AIを自治体業務で活用するメリットを知りたい
- 具体的な活用事例を知りたい
- AIの自治体業務での活用を検討している
本記事を読めば、自治体によるAIの導入状況から、メリット、具体的な活用事例まで、一気に理解することができますのでぜひ最後までご一読ください。
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目次
自治体によるAIの導入状況
総務省が全国の地方自治体のAI導入状況を調査した結果によると、2022年12月31日時点において、AIを導入済みの都道府県・政令都市は100%、その他の市区町村は45%という結果となりました。実証中や導入検討中の自治体を含めると約69%になります。
AIの中でも、音声のテキスト化や声の識別などの音声認識機能の導入件数が最も多く、文字認識機能やチャットボット機能がこれに続いています。
生成AIやChatGPTの普及により、自治体によるAIの導入は今後も加速していくと考えられます。
※参考:総務省「自治体におけるAI・RPA活用促進」
自治体がAIを導入する3つのメリット

自治体がAIを導入するメリットとして、以下の3つが挙げられます。
- ①自動化による生産性向上
- ②コスト削減・人手不足解消
- ③住民向けサービスの品質向上
それぞれについてわかりやすく紹介していきます。
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①自動化による生産性向上
生成AIなどの技術発展により、定型的な作業はもちろん、判断や創造性の求められる業務でもAI活用による自動化・業務サポートが進んでいます。
例えば、新規政策の立案やソフトウェアのコーディング、サイトや掲示物の作成、採用における候補者の絞り込みなど、幅広い業務領域で大幅な生産性向上が可能です。
また、自動化できる業務はAIに任せて、人間は人間にしかできない高付加価値の業務にフォーカスすることで、住民の満足度向上や、新たな自治体サービスの創出などに繋げることができます。
②コスト削減・人手不足解消
AIは、人手を確保しずらい、定型的で繰り返される作業の自動化・サポートを得意としており、24時間/365日、体調やモチベーションに左右されることなく働いてくれます。
例えば、書類の発行や住民からの問い合わせ対応などの業務の大部分をAIにより自動化することが可能です。これにより、人手不足の解消や人件費などのコスト削減を実現することができます。
③住民向けサービスの品質向上
AIによる業務プロセスの自動化により、ヒューマンエラーや属人的な仕事の仕方のズレをなくすことで、業務品質向上や標準化が可能です。
また、AIを活用し内部のデータ・知見を統合、チャットボットなどの形式で手軽にアクセス可能とすることで、全職員がタイムリーに最適な判断や作業を可能にする取組も進んでいます。
AIの自治体での活用事例5選

AIの自治体業務での活用事例として以下の5つが挙げられます。
- ①東京都:全局5万人の生成AI活用に向けガイドラインを策定
- ②三豊市:生成AIを活用したゴミ出し案内サービスを提供
- ③京都市:生成AIを活用した子育て支援チャットボットサービスを提供
- ④日置市:独自データを学習させた生成AIを構築し市民サービス向上へ
- ⑤神戸市:職員向けの生成AI利用ガイドラインを策定
それぞれの事例についてわかりやすく紹介していきます。
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①東京都:全局5万人の生成AI活用に向けガイドラインを策定

東京都は、職員を対象にした文章生成AIの利活用ガイドラインを策定し、全局約5万人がChatGPTを利用できる環境を構築しました。
この動きは、都政サービスの品質向上と効率化を目指すもので、特にガイドラインには個人情報保護や著作権に関するルールがなど、安全な利用に向けた方針が含まれています。
今後、本取り組みにより職員へのガイドライン浸透とAIの効果的な活用が期待されています。
②三豊市:生成AIを活用したゴミ出し案内サービスを提供

香川県三豊市は、市民からのゴミ出しのルール等に関する問い合わせに対応するために、ChatGPTを活用した実証実験を開始しました。
このチャットボットは、AIが市民からの問い合わせに24時間365日回答することで、業務の効率化と市民サービスの向上を目指しています。
また、本サービスは市内の外国人市民からの問い合わせにも対応できるよう、50カ国語以上に対応しています。
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③京都市:生成AIを活用した子育て支援チャットボットサービスを提供

京都市は、子育て施策に関する制度や手続きの問い合わせに対応するため、24時間365日サービスを提供する生成AIチャットボットを導入しました。
利用者は自由なテキスト入力や選択肢を通じて、AIと対話しながら必要な情報を得ることができます。
このサービスにより、利用者は時間や場所に制限されずに、簡単かつ迅速に子育てに関する支援を受けられるようになりました。
④日置市:独自データを学習させた生成AIを構築し市民サービス向上へ

宮崎県日向市は、「日向市DX推進計画」の一環として、生成AIを活用した行政サービスの向上に向けた研究を開始しました。
このプロジェクトでは、「Microsoft Azure OpenAI」を利用して、市民サービスの向上と庁舎内業務の効率化を目指します。
具体的には、市が保有するデータを利用して、生成AIによる対話型のサービスを開発し、将来的にはLINEなどのアプリケーションと連携して、24時間対応可能な市民向けサービスを提供することを目指しています。
⑤神戸市:職員向けの生成AI利用ガイドラインを策定

神戸市は、生成AIの利用ガイドラインを定め、職員がChatGPTなどの生成AIを業務で適切に利用するための基準を設けました。
このガイドラインでは、情報漏洩リスクの回避や法令遵守、他者の権利尊重など、AI利用時の様々な注意点が詳細に説明されています。
これにより、神戸市は業務効率の向上を図りつつ、市民の権利と財産を守るという重要なバランスを保つことを目指しています。
自治体がAIを活用する5つの注意点・リスク

自治体がAIを活用する際の代表的な注意点・リスクとして以下の5つが挙げられます。
- ①個人情報や機密情報の漏洩
- ②サイバー攻撃等のセキュリティ
- ③AIの過信による業務ミスの発生
- ④AI人材の不足
- ⑤一時的なコストの増大
それぞれについてわかりやすく紹介していきます。
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①個人情報や機密情報の漏洩
AI活用で大きな成果を上げるためには、膨大な顧客の個人情報や社内の機密情報などを学習に活用することが有効です。
一方で、学習に使用する際のデータの匿名化処理や、アウトプットの管理、活用用途の制限などのセキュリティ対策を行わずに運用をしてしまうと、個人情報や機密情報が外部に流出するリスクが存在します。
②サイバー攻撃等のセキュリティ
AI活用をする際は、AIならではの脆弱性を狙ったサイバー攻撃等のセキュリティリスクへの対応を進める必要があります。
例えば、特定の自治体のAIに対して悪質なデータを学習させ、誤ったアウトプット・挙動を引き起こす攻撃や、生成AIに対して特殊な質問をすることで、本来非公開の機密データを引き出す攻撃などが挙げられます。
③AIの過信による業務ミスの発生
AIは適切に利用することで業務生産性を大きく高めることが可能ですが、どのようなシチュエーションでも万能という訳ではありません。
例えば、倫理的に問題のあるコンテンツの社外への公開や、製造ラインやロボット制御ミスによる事故などの深刻な問題に繋がる可能性があります。
④AI人材の不足
AI活用で大きな成果を上げるためには、AI導入後の活用や運用をリードできるAI人材の確保が非常に重要となります。
一方で、近年AI人材は需要が急拡大しており採用のハードルが高いこともあり、社内人材の育成や外部ベンダーの活用なども含めて対応していく必要があります。
⑤一時的なコストの増大
AI活用により中長期では生産性向上やコスト削減に繋がるものの、導入時には一定のシステム構築やコンサルティング等のコストが発生します。
また、適切な目的や範囲の選定や、大規模導入前のスモールスタートによる有効性の検証などの取り組みを進めないと、投資対効果は低下してしまいます。
自治体によるAI活用のリスクへの3つの対応策

自治体によるAI活用のリスクへの対応策として以下の3つが挙げられます。
- ①AIと人間の適切な役割分担
- ②セキュアなAIツール選定・システム構築
- ③リスクを最小化するデータ管理
それぞれについてわかりやすく解説していきます。
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①AIと人間の適切な役割分担
AI活用の成果を最大化し、リスクを最小化するためには、AIは得意な業務範囲を中心に活用し、それ以外は人間が担うという分担が重要になります。
例えば、判別やシステム操作に活用する際は、リスクの大きい部分は人間が最終確認をする、コンテンツ生成に活用する際は、叩き台や幅出しはAIに任せ、選定やブラッシュアップは人間が行うなどの分担が効果的です。
②セキュアなAIツール選定・システム構築
AIを活用したツール選定や、自治体でのシステム構築の際は、情報漏洩やサイバー攻撃などのリスクへの対応が十分かどうかを検討する必要があります。
例えば、ChatGPTを導入する場合、プランやシステム構築方法によってセキュリティが十分とは言えないものもあり、セキュリティリスクを抱えたまま運用をすることになってしまいます。
③リスクを最小化するデータ管理
AI活用に使用する個人情報・機密情報を保護するには、プライバシーポリシー等の整備や匿名化処理、セキュリティ対策などを行う必要があります。
また、AI活用による不適切な判断やアウトプット生成を防ぐためには、良質なデータの収集や整備、人間による最終アウトプットの確認などが有効です。
自治体がAI活用を成功させるための5つのポイント

自治体がAI活用を成功させるためのポイントとして以下の5つが挙げられます。
- ①中長期でのAI活用戦略の策定
- ②投資対効果の高い活用目的・方法の選定
- ③アジャイルアプローチでの開発・導入
- ④システムとルールの両面からのリスク管理
- ⑤研修等での社員のAI活用リテラシー向上
それぞれについてわかりやすく紹介していきます。
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①中長期でのAI活用戦略の策定
AIの性能進化が加速しているこれからの時代、足元の取り組みはもちろん、3年・5年スパンでAIをどこまでダイナミックに活用できるかが、自治体の競争優位性に直結します。
また、AI活用のレベルは、比較的簡単な各社員のAIツール利用による生産性向上から、AI活用による業務プロセス革新、顧客向けサービスの進化、新サービス/商品の創出まで様々です。
そのため、中長期で目指すAI活用の姿を見据え、その実現に向け逆算したロードマップや、まず足元進めるべき活用を設計することが重要です。
②投資対効果の高い活用目的・方法の選定
AIは人間と同様、全ての業務に対して万能という訳ではなく、膨大なデータに基づいた分析や対応、コンテンツ制作は得意だが、複雑な問いに対して正確な答えを出すのは苦手といった、得意不得意が明確に存在します。
そのため、自治体の業務の現状やAIの特徴を踏まえた上で、どのような課題/目的に対して、どのようなアプローチ/範囲/ツールで活用を進めるかを、検討・選定するステップがプロジェクトの投資対効果を左右する、極めて重要なプロセスとなります。
③アジャイルアプローチでの開発・導入
AIは、一度開発・導入して終わりという進め方ではなく、何度もモデル・学習データ・利用方法等を細かくカスタマイズしなおすことで、より理想とする活用を実現することができます。
具体的には、初期仮説に基づいた簡易的なプロトタイプを構築し実際に利用してみる、というサイクルを、1サイクル数週間~数ヶ月の期間で何度も繰り返し、ブラッシュアップしていくという、アジャイル開発のアプローチを取ることが適しています。
④システムとルールの両面からのリスク管理
自治体がAI活用に踏み切れない最大の理由として、機密情報漏洩などのリスクへの懸念が挙げられます。
確かに、社員に特段ルールを設けず、一般に公開されているAIツールを使用させるなどの場合、様々な問題が発生する可能性は存在します。
一方で、セキュリティ対策を行ったシステム構築や、社員向けのAIの使用ルールやガイドラインの策定により、リスクをマネジメントし最小化することが可能です。
⑤研修等での社員のAI活用リテラシー向上
AI(特に生成AI)を活用するにあたっては、同じAIを利用していても、使い手のリテラシーによって成果が大きく左右されるという点に注意が必要です。
そのため、AIのポテンシャルを最大限に活用するためには、従業員のAIに対する理解とスキル、すなわちAI活用リテラシーを向上させることが不可欠です。
そこで、研修プログラムや実践的なトレーニングを通じて、従業員がAIの基本的な知識、適切な使用方法、関連するリスクを理解してもらい、効率的かつ責任ある方法で使用できる環境の構築が重要となります。
自治体がAIを導入するための4つのステップ

自治体がAI導入を進めるための流れとして、以下の4つのステップがあげられます。
<STEP1:活用業務の選定>
- 最新の市場動向のリサーチ
- 自治体での活用対象業務の幅出し・選定
- AI活用の目的・目標の設定
<STEP2:活用範囲と業務プロセスの決定>
- 対象業務の棚卸し・効率化余地の検討
- AIを活用する業務範囲の決定
- AIと人間の役割分担の設計
<STEP3:試験開発・運用(PoC)>
- 要件定義・プロトタイプ開発
- 試験運用
- フィードバック収集・評価
<STEP4:本開発・運用>
- PoCを踏まえた本開発
- 運用・評価
- 活用方針・方法の継続的なカイゼン
各ステップについてわかりやすく紹介していきます。
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STEP1:活用業務の選定
AIは、定型的な社内業務の効率化から新規事業創出まで幅広い業務に活用可能だからこそ、
AI活用の投資対効果が高い業務を適切に選定することが最も重要となります。
最新の技術や競合の活用動向をキャッチアップした上で、自治体の活用可能性の幅出し・整理を行います。その上で、AIをどのような業務・目的・成果目標で導入するかを設定しましょう。
STEP2:活用範囲と業務プロセスの決定
大きなポテンシャルを持つAI活用ですが、人間と同様、どのようなシチュエーション・任せ方でも万能というわけではありません。
そのため、活用業務の現状・課題と、AI・人間の得意/不得意を踏まえた上で、どの範囲の業務をどのように人間と協業しながら任せるかを決定することが重要になります。
STEP3:試験開発・運用(PoC)
いきなり大規模な導入を進めるのではなく、比較的小規模な試験開発・運用(PoC)により、その有効性を確かめることで、AI活用全体の投資対効果を大きく高めることが可能です。
検証したい仮説を事前に明確にした上で、実際にプロトタイプでの試験運用を行い、活用業務や方法の改善ポイントを洗い出しましょう。
STEP4:本開発・運用
PoCで得られた改善ポイントに基づき、自治体の課題・業務の現状にベストマッチするAI活用の内容やシステムの要件を再度設計し、本開発を行います。
また、本開発後も継続的に成果や活用状況を評価し、継続的なカイゼンを行うことで、自治体でのAI活用のインパクトを最大化することができます。
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