生産管理へのAI活用事例12選|生産計画立案~品質検査まで
生産管理とは、主に製造業の分野において、あらかじめ策定された計画に基づいた最適な製品の生産を管理する取り組みのことです。
生産管理にAIを導入することで、需要予測に基づく生産量の最適化、設計・製造の自動化、品質検査の自動化など、様々な工程を効率化することができます。
本記事では、AIを活用して生産管理を効率化・最適化したい方に向けて、生産管理へのAIの活用事例やメリットをわかりやすくご紹介します。
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目次
生産管理とは?
生産管理とは、主に製造業の分野において、あらかじめ策定された計画に基づいた最適な製品の生産を管理する取り組みのことです。
生産管理においては、品質・原価・納期の3つの要素を最適化することが重要であり、以下に質の高いものを低コストかつ短納期で作ることができるかが、自社の競争力を左右する分かれ目となります。
生産管理は、製品設計、原料調達、製造、出荷までの全工程を監視し、コスト管理や現場リソースの過不足調整、在庫管理など幅広い業務を行う必要があるため、高度なスキルが必要となります。
近年では、担当者の負担を減らすとともに、生産管理の質を高めるために、生産管理を自動化・標準化するシステムの開発が進められています。
生産管理における3つの課題
生産管理における課題として、以下の3つが挙げられます。
- ①経験豊富な人材の不足
- ②生産計画の正確性の限界
- ③管理プロセスの複雑化による情報共有の不透明化
それぞれについてわかりやすく紹介していきます。
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①経験豊富な人材の不足
生産管理は、製品の設計から調達、製造、出荷に至る全ての工程を管理する必要があり、製造プロセスに対する深い知識・経験と高度なタスク遂行能力が求められます。
しかし、製造現場全般の人手不足に伴い、生産管理を行える経験豊富な人材も不足しており、多くの製造企業の課題となっています。
②生産計画の正確性の限界
効率的な生産を行うための生産計画の策定は、生産管理における重要な業務の一つです。
しかし、正確な生産計画を作成するためには、原材料の価格状況、現場の作業員への負担、需要状況など様々な要因を考慮しなければならず、全てを人の手で完璧にこなすことは困難です。そのため、人が生産計画を策定する場合には、その正確性に限界があります。
③管理プロセスの複雑化による情報共有の不透明化
生産管理は、製品設計から原材料調達・製造・出荷までの全プロセスを含むため、管理プロセスが複雑化する傾向にあります。
これにより、担当者間での情報共有が不透明化し、効率的な生産体制の構築が妨げられるおそれがあります。
生産管理にAIを導入する5つのメリット
生産管理にAIを導入することで、生産管理が抱える課題の解消に繋がります。生産管理にAIを導入する主なメリットとして、以下の5つが挙げられます。
- ①人材不足の解消
- ②適正な需要予測による生産量の最適化
- ③品質検査の標準化・自動化
- ④設備メンテナンスの標準化・自動化
- ⑤現場作業員の安全確保
それぞれについてわかりやすく紹介していきます。
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①人材不足の解消
AIにより、原材料コストや需要予測など、生産管理業務の一部を自動化・効率化することができます。
これにより、生産管理にかかる担当者の負担を軽減し、人材不足を解消することができます。
②適正な需要予測による生産量の最適化
AIは、過去の販売履歴や市場の価格動向など様々なデータをもとに、製品の需要を正確に予測することができます。
これにより、需要に応じて生産量を調整し、過剰生産による廃棄防止、コスト削減を実現することができます。
③品質検査の標準化・自動化
近年、AIの画像認識技術の精度は向上しており、製品の不良品検知や異常検知を人間よりもはるかに正確かつ迅速に行います。
これにより、品質検査の質の標準化・自動化や品質検査業務の効率化を実現することができます。
④設備メンテナンスの標準化・自動化
製造設備のメンテナンスは、生産管理における重要な業務の一つです。設備の異常検知にもAIの画像認識技術を活用することができ、人間よりも速く正確にメンテナンス業務を行うことができます。
⑤現場作業員の安全確保
製造現場においてAIを搭載したカメラを設置することで、現場作業員の安全確保に活用することができます。現場作業員が立ち入り禁止エリアに誤って立ち入ってしまった場合にアラートを発したり、設備の稼働を止めたりすることで、事故や怪我の防止に繋がります。
AIを活用した生産管理システム選びの3つのポイント
AIを活用した生産管理システムを開発・導入することで、生産管理の質の向上や業務効率化を実現することができます。生産管理システムを選ぶポイントとして、以下の3つが挙げられます。
- ①生産管理における自社の課題を明確にする
- ②システムが自社の生産方式と合っているかを確認する
- ③費用対効果が見合っているかを検討する
それぞれについてわかりやすく紹介していきます。
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①生産管理における自社の課題を明確にする
まず、生産管理のどの工程に課題を抱えているかを明確にする必要があります。この過程を経ずに闇雲にシステムを導入しても、自社の課題解決に繋がらず、かえって生産効率が悪化するおそれもあります。
生産管理における自社の課題を洗い出して明確化し、その課題をピンポイントで解決する機能を有するシステムを選択することが重要です。
②システムが自社の生産方式と合っているかを確認する
生産管理システムの中には、ライン生産方式に適しているもの、ロット生産方式に適しているものなど特定の生産方式に特化したタイプのものもあります。
そのため、導入しようとしているシステムが、自社の生産方式と合っているかを確認することが重要です。
③費用対効果が見合っているかを検討する
生産管理システムは、種類によって料金体系が異なり、高いからといって必ずしも性能が良いものとは限りません。
そのため、価格だけでなく、実際の機能や実績なども確認した上で、価格に見合う価値がありそうか、他のより低額なシステムで代用できないかを検討することが重要です。
生産管理へのAI活用事例12選
生産管理へのAIの活用事例として、以下の12事例が挙げられます。
<生産計画の最適化>
- ①ニチレイフーズ:食品工場での生産/要員計画をAIが立案し、作業時間を1/10に短縮
- ②キッコーマン:2000種類の商品の需要をAIが予測し、生産計画を最適化
<品質検査の標準化・自動化>
- ③花王:製品製造プロセスの異常をAIが検知、新人オペレータをサポート
- ④NTTロジスコ:AI画像認識を用いて検品作業の生産性を60%向上
- ⑤三井物産グローバルロジスティクス:AIが製品の自動封函の異常を検知するシステムを導入
<製造・設計の自動化・効率化>
- ⑥ブリヂストン:タイヤ成形をAIが自動化し生産性と品質が大幅に向上
- ⑦オムロン:生成AIを活用した言語指示で動くロボットの開発へ
- ⑧パナソニック:電気シェーバーのモーター設計に生成AIを活用
<設備メンテナンスの標準化・自動化>
- ⑨トヨタ:AIで機械の寿命を予測し、部品の交換頻度を必要最小限に
- ⑩前川製作所:冷凍機の故障の兆候をAIが事前に察知し、保守コストの削減
<現場作業員の安全確保>
- ⑪JFEスチール:画像認識AIが製鉄所の作業員を検知し安全を確保
- ⑫東京エレクトロン:AIカメラで労災を予防するシステムを開発
それぞれの事例についてわかりやすく紹介していきます。
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<生産計画の最適化>
①ニチレイフーズ:食品工場での生産/要員計画をAIが立案し、作業時間を1/10に短縮
ニチレイフーズは、AIを活用して食品工場での生産計画・要員計画を自動で立案するシステムを導入しました。
熟練者が立案する複雑な制約条件を考慮した計画を、AIによりさらに進化させるシステムであり、生産計画立案にかかる時間を10分の1に短縮できる見込みです。また、適切な要員計画が立案されることで、労働時間の削減など働き方改革も実現します。
ニチレイフーズは、このシステムの導入を全国の11工場及び海外工場へと拡大し、生産性向上やリードタイム短縮、在庫圧縮などをさらに推進していくとのことです。
②キッコーマン:2000種類の商品の需要をAIが予測し、生産計画を最適化
しょうゆメーカーのキッコーマンは、AI需要予測システムを導入し、約2000種類の商品の需要予測に活用しています。
キッコーマンでは、7人の受給担当者が、約2000種類もの商品の需要を分担して予測していました。これには大量の時間がかかり、また、予測は過去の経験に基づいていたため、担当者ごとに予測にばらつきがありました。
AI需要予測システムを導入したことで、予測精度が大幅に向上するとともに、各商品の予測需要量に応じて生産計画を最適化することが可能となりました。
<品質検査の標準化・自動化>
③花王:製品製造プロセスの異常をAIが検知、新人オペレータをサポート
花王は、製品製造過程でのプロセス異常を正確に検知するため、AIを搭載した異常予兆検知システムを導入しました。
AIが製造プロセスのデータを蓄積し、生産設備の正常な振る舞いを学習します。これに基づき、正常な振る舞いとの微小な違いを検知します。
これにより、経験の浅いオペレータでもAIの力を借りて、正確に設備の監視を行うことができるようになりました。また、AIモデルの作成過程で、新人のオペレータが監視のノウハウを学習するなど、技術継承にも役立ちました。
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④NTTロジスコ:AI画像認識を用いて検品作業の生産性を60%向上
NTTロジスコは、レンタル通信機器の再生品における検品作業において、AIの画像認識技術を用いた自動検品システムを導入しました。
機器の製造番号と物品コードをAIが認識してテキスト化し、システム上で自動的に検品します。1時間当たり最大100品目の検品が可能です。
これにより、検品作業の生産性が60%向上し、検品ミスのリスクを防止することが可能となります。
⑤三井物産グローバルロジスティクス:AIが製品の自動封函の異常を検知するシステムを導入
三井物産グローバルロジスティクスは、商品発送用のパッケージに自動で封をする際の異常を検知できるAIを導入しています。
三井物産グローバルロジスティクスの物流倉庫では、商品を顧客に発送する業務を行っており、作業効率化のため、商品を自動で封函する機械も導入しています。しかし、不適切な状態で封函される事態が発生することがしばしばあったため、AIによる異常検知システムの導入に至りました。
これにより、異常検知にかかる時間を大幅に短縮し、商品発送業務の効率化を実現しています。
<製造・設計の自動化・効率化>
⑥ブリヂストン:タイヤ成形をAIが自動化し生産性と品質が大幅に向上
ブリヂストンは、タイヤの製造工程の中でも特にボトルネックとなっていたタイヤの成形をAIにより自動化・自動制御することで、品質の担保や生産性向上を実現しています。
数百のセンサーによってゴムの形状などのデータを収集し、AIが分析することで高精度なタイヤを成形することに成功しました。万が一の事態に備え、人の手が必要な時には警告音がなるように設定されています。
これにより、生産性は2倍に上昇し、品質は15%向上するなど、大きな成果を出しました。
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⑦オムロン:生成AIを活用した言語指示で動くロボットの開発へ
オムロンサイニックエックス(OSX)は、ロボットアームが自然言語の指示に応じて動作する技術の開発に取り組んでいます。
この技術は、食材の切り方など、特定の作業動作を学習したAIモデルが生成することで実現されます。
このプロジェクトは、人間の思考プロセスを模倣することで、ロボットがより自然な方法でタスクを実行できるようにすることを目指しています。
⑧パナソニック:電気シェーバーのモーター設計に生成AIを活用
パナソニック ホールディングスは、電動シェーバー「LAMDASH」シリーズに、AIがゼロベースで設計した新構造のモーターの採用を検討しています。
この生成AIが設計したモーターは、熟練技術者による最適設計と比較して、出力が15%高いことが特徴です。
同社はAI設計の有効性を確認したとして、今後は電動工具や車載用のモーター、さらにシーリングファンなどにも適用する方針とのことです。
<設備メンテナンスの標準化・自動化>
⑨トヨタ:AIで機械の寿命を予測し、部品の交換頻度を必要最小限に
トヨタは、建設機械メーカーのコマツが提供するAI予知保全システムを工場に導入しています。
このシステムは、AIが機械部品の寿命を予測し、壊れる前に通知します。また、市場の機会から劣化時・故障時のデータを収集し、AIに学習させることで、AIが機械設備の劣化部位を判定することも可能です。
これにより、自動車製造に必要な機械設備の部品交換頻度を必要最小限に抑えることが可能となり、保守費用の削減や保全業務の効率化を実現しました。
⑩前川製作所:冷凍機の故障の兆候をAIが事前に察知し、保守コストの削減
産業用冷凍機や食品加工機械などの製造販売を手掛けている前川製作所は、産業用冷凍機の保守作業にAIを導入しました。
冷凍機が故障を起こすと、その中の食材や薬品などの物質が劣化し、大きな損失が発生します。そのため、前川製作所は、冷凍機の故障を予防するために頻繁に部品交換等を行っていましたが、保守にかかるコストが問題となっていました。
冷凍機の各部にセンサを設置し、そこから得られるデータをAIが分析することで、故障の兆候を事前に察知。故障の兆候が現れた部品のみを交換することで、保守コストの削減に成功しました。
また、早期に故障の兆候を察知することで、システムダウンによる製造機会のロス発生を防止することにも役立っています。
<現場作業員の安全確保>
⑪JFEスチール:画像認識AIが製鉄所の作業員を検知し安全を確保
JFEスチールは、画像認識AIを工場に設置し、人物検知をさせることで作業員の安全を確保する新たなシステムを導入しました。
NECの画像認識技術を活用することで、照明が暗く作業員の動きも複雑な製鉄所内で、正確に人物を検知することに成功しました。作業員が立ち入り禁止のエリアに入るとAIが警報音を発し、工場ラインを停止させます。
このような作業員の安全確保のためのAI活用は、製造現場でAIを活用する重要な方法の一つとなっています。
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⑫東京エレクトロン:AIカメラで労災を予防するシステムを開発
半導体製造を手掛ける東京エレクトロンは、AIにより製造現場での労災防止を図るシステムの開発に取り組んでいます。
カメラにAIを搭載して、製造現場の様子を24時間リアルタイムで撮影した画像をAIが解析。事故の予兆をリアルタイムで検知して、作業員に警告します。警告の前後の映像は録画されるため、事後的な振り返りが可能であり、今後の対策検討に繋がります。
これにより、人手をかけずに製造現場を常時監視し、作業員の安全性の向上を実現することができます。
企業がAI活用を成功させるための5つのポイント
企業がAI活用を成功させるためのポイントとして以下の5つが挙げられます。
- ①中長期でのAI活用戦略の策定
- ②投資対効果の高い活用目的・方法の選定
- ③アジャイルアプローチでの開発・導入
- ④システムとルールの両面からのリスク管理
- ⑤研修等での社員のAI活用リテラシー向上
それぞれについてわかりやすく紹介していきます。
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①中長期でのAI活用戦略の策定
AIの性能進化が加速しているこれからの時代、足元の取り組みはもちろん、3年・5年スパンでAIをどこまでダイナミックに活用できるかが、企業の競争優位性に直結します。
また、AI活用のレベルは、比較的簡単な各社員のAIツール利用による生産性向上から、AI活用による業務プロセス革新、顧客向けサービスの進化、新サービス/商品の創出まで様々です。
そのため、中長期で目指すAI活用の姿を見据え、その実現に向け逆算したロードマップや、まず足元進めるべき活用を設計することが重要です。
②投資対効果の高い活用目的・方法の選定
AIは人間と同様、全ての業務に対して万能という訳ではなく、膨大なデータに基づいた分析や対応、コンテンツ制作は得意だが、複雑な問いに対して正確な答えを出すのは苦手といった、得意不得意が明確に存在します。
そのため、自社の業務の現状やAIの特徴を踏まえた上で、どのような課題/目的に対して、どのようなアプローチ/範囲/ツールで活用を進めるかを、検討・選定するステップがプロジェクトの投資対効果を左右する、極めて重要なプロセスとなります。
③アジャイルアプローチでの開発・導入
AIは、一度開発・導入して終わりという進め方ではなく、何度もモデル・学習データ・利用方法等を細かくカスタマイズしなおすことで、より理想とする活用を実現することができます。
具体的には、初期仮説に基づいた簡易的なプロトタイプを構築し実際に利用してみる、というサイクルを、1サイクル数週間~数ヶ月の期間で何度も繰り返し、ブラッシュアップしていくという、アジャイル開発のアプローチを取ることが適しています。
④システムとルールの両面からのリスク管理
企業がAI活用に踏み切れない最大の理由として、機密情報漏洩などのリスクへの懸念が挙げられます。
確かに、社員に特段ルールを設けず、一般に公開されているAIツールを使用させるなどの場合、様々な問題が発生する可能性は存在します。
一方で、セキュリティ対策を行ったシステム構築や、社員向けのAIの使用ルールやガイドラインの策定により、リスクをマネジメントし最小化することが可能です。
⑤研修等での社員のAI活用リテラシー向上
AI(特に生成AI)を活用するにあたっては、同じAIを利用していても、使い手のリテラシーによって成果が大きく左右されるという点に注意が必要です。
そのため、AIのポテンシャルを最大限に活用するためには、従業員のAIに対する理解とスキル、すなわちAI活用リテラシーを向上させることが不可欠です。
そこで、研修プログラムや実践的なトレーニングを通じて、従業員がAIの基本的な知識、適切な使用方法、関連するリスクを理解してもらい、効率的かつ責任ある方法で使用できる環境の構築が重要となります。
企業がAI導入を進めるための4つのステップ
企業がAI導入を進めるための流れとして、以下の4つのステップがあげられます。
<STEP1:活用業務の選定>
- 最新の市場動向のリサーチ
- 自社での活用対象業務の幅出し・選定
- AI活用の目的・目標の設定
<STEP2:活用範囲と業務プロセスの決定>
- 対象業務の棚卸し・効率化余地の検討
- AIを活用する業務範囲の決定
- AIと人間の役割分担の設計
<STEP3:試験開発・運用(PoC)>
- 要件定義・プロトタイプ開発
- 試験運用
- フィードバック収集・評価
<STEP4:本開発・運用>
- PoCを踏まえた本開発
- 運用・評価
- 活用方針・方法の継続的なカイゼン
各ステップについてわかりやすく紹介していきます。
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STEP1:活用業務の選定
AIは、定型的な社内業務の効率化から新規事業創出まで幅広い業務に活用可能だからこそ、AI活用の投資対効果が高い業務を適切に選定することが最も重要となります。
最新の技術や競合の活用動向をキャッチアップした上で、自社の活用可能性の幅出し・整理を行います。その上で、AIをどのような業務・目的・成果目標で導入するかを設定しましょう。
STEP2:活用範囲と業務プロセスの決定
大きなポテンシャルを持つAI活用ですが、人間と同様、どのようなシチュエーション・任せ方でも万能というわけではありません。
そのため、活用業務の現状・課題と、AI・人間の得意/不得意を踏まえた上で、どの範囲の業務をどのように人間と協業しながら任せるかを決定することが重要になります。
STEP3:試験開発・運用(PoC)
いきなり大規模な導入を進めるのではなく、比較的小規模な試験開発・運用(PoC)により、その有効性を確かめることで、AI活用全体の投資対効果を大きく高めることが可能です。
検証したい仮説を事前に明確にした上で、実際にプロトタイプでの試験運用を行い、活用業務や方法の改善ポイントを洗い出しましょう。
STEP4:本開発・運用
PoCで得られた改善ポイントに基づき、自社の経営課題・業務の現状にベストマッチするAI活用の内容やシステムの要件を再度設計し、本開発を行います。
また、本開発後も継続的に成果や活用状況を評価し、継続的なカイゼンを行うことで、自社でのAI活用のインパクトを最大化することができます。
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