メタバースを事業に活用する方法|全4フェーズと35ステップ【担当者必見】
メタバース総研は幅広い業界の企業のメタバース活用支援により培った知見を活かし、これまで200記事以上のメタバース活用方法に関する記事をリリースし、多くの方からご好評を頂いております。
今回は、それらの記事の内容を網羅し、担当者なら絶対に抑えておきたいメタバース活用の進め方の全体の流れを要点を絞って解説します。
本記事は、以下のような方におすすめの記事となっています。
- メタバース領域の経験や知識がなく何から取り組めばよいのか分からない
- 具体的にどのような流れで何を進めたらいいか分からない
- 成果に繋がる活用を実現するためのポイントを抑えておきたい
本記事を読めば、企画から開発・運用までの具体的な進め方から成果を挙げるためのポイントまで一気にキャッチアップできる内容となっておりますので、ぜひ最後までご一読ください。
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目次
メタバース活用を進めるための4つのフェーズ
メタバース活用の進め方は大きく4つのフェーズに分けられます。
- Phase1:市場動向・知見のキャッチアップ
- Phase2:戦略/企画の立案
- Phase3:事業計画の策定
- Phase4:開発・運用
それぞれのフェーズについて分かりやすく紹介していきます。
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Phase1:市場動向・知見のキャッチアップ
1つ目のPhaseとして取り組むべきは、最先端の市場動向・知見のキャッチアップです。MetaやApple、Microsoftなどのビックテックやユーザーの動向・先行活用事例など、日々変化する市場動向やナレッジへのキャッチアップが必要です。このフェーズが、成果に繋がる骨太な戦略/企画策定の基盤となります。
Phase2:戦略/企画の立案
2つ目のPhaseはメタバース活用の戦略/企画です。活用目的を踏まえ、中長期で目指す事業の姿や自社の強みの活用の仕方、実現に向けた企画を立案しましょう。ユーザーバリューと自社の事業性の両方を満たす、質の高い戦略/企画の立案が、成果につながるメタバース活用の実現に向け最も重要なポイントとなります。
Phase3:事業計画の策定
3つ目のPhaseは事業計画の策定です。事業に期待する成果や開発・運用のアプローチやタイムライン、必要な投資額などを検討しましょう。メタバース開発・運用といっても、プロジェクト毎に求められるケイパビリティは様々であるため、自社にマッチするツール・ベンダーの選定が非常に重要です。
Phase4:開発・運用
4つ目のPhaseが開発・運用です。メタバース開発・運用には幅広い領域の知見や技術スタックが求められるため、外部のベンダーなどを有効活用し、不足するケイパビリティやリソースを補完しつつ、ユーザーに届けたい体験を実現するメタバースの開発とマーケティングを含めた運用を実施しましょう。
メタバース活用を進めるための35のステップ
メタバース活用を進める上では、先ほど紹介したフェーズごとに以下の35ステップを抑える必要があります。
<Phase1:業界動向・知見のキャッチアップ>
- メタバースの基礎知識
- ①ユーザー・企業ができること/メリット
- ②注目を集める背景・歴史
- ③XRデバイス・Web3等の関連テクノロジー
- ④今後の普及・発展への展望
- 市場/ユーザー動向
- ⑤ビックテックなどの戦略・取り組み
- ⑥主要メタバースプラットフォーム
- ⑦各業界における大手企業の取り組み
- ⑧国内外のユーザーの動向
- メタバース活用手法・先行事例
- ⑨メタバース活用手法の全体像
- ⑩自社と類似する業界における国内外の事例
- ⑪自社が検討する活用手法の国内外の事例
<Phase2:戦略/企画の立案>
- 自社が取り得る活用の方向性の洗い出し
- ⑫ターゲットとする経営課題と活用目的の明確化
- ⑬目的達成に向けた活用手法候補の幅出し
- 目的達成に向けた活用の方向性の評価
- ⑭自社の目的に合わせた評価軸の設定
- ⑮評価軸に沿った活用の方向性の評価
- メタバース戦略の立案
- ⑯自社の強み・アセットの活かし方を検討
- ⑰中長期で目指す姿と企画のコンセプトの立案
- ⑱ビジネスモデルの設計
- 詳細な先行事例ベンチマーク
- ⑲企画コンセプトに類似する国内外の事例ベンチマーク
- ⑳企画の立案・具体化に向けた示唆出し
- 企画の立案・具体化
- ㉑コアターゲット像と提供価値
- ㉒ユーザー体験/コンテンツ案
- ㉓活用チャネル/プラットフォーム案
<Phase3:事業計画の策定>
- 事業計画の策定
- ㉔期待する成果/主要KGI・KPIの設定
- ㉕開発・運用アプローチ(活用ツール・ベンダー等)の設計
- ㉖必要なリソース(コスト・人員等)の算出
- ロードマップ策定
- ㉗開発・運用のタイムラインの設定
- ㉘主要マイルストーンの設定
- ㉙想定されるリスクと対処方法の検討
<Phase4:開発・運用>
- 開発
- ㉚不足するケイパビリティやリソースの補完
- ㉛要件定義・システムの基本設計
- ㉜開発の実行
- 運用
- ㉝メタバースへの集客/マーケティング
- ㉞運用・保守の実施
- ㉟効果測定と運用方法の見直し
4つのフェーズに分けて、それぞれをわかりやすく紹介していきます。
Phase1:市場動向・知見のキャッチアップ
メタバースの基礎知識のキャッチアップ
①ユーザー・企業ができること/メリット
メタバースを活用すると具体的にどのようなユーザー体験を実現でき、どのようなメリットが存在するのかをキャッチアップしましょう。これにより、メタバースの多岐にわたる可能性の全体像を把握することができます。
②注目を集める背景・歴史
メタバースが世界的に注目を集める背景や歴史をキャッチアップしましょう。これにより、なぜ”今”メタバース活用に取り組む必要があるのか理解することができ、社内でのメタバース活用推進への合意形成に繋がります。
※関連記事:メタバースはいつから始まった?歴史や注目の理由をわかりやすく解説
③XRデバイス・Web3等の関連テクノロジー
MetaQuestやNrealなどのXRデバイスや、NFTを始めWeb3などの関連テクノロジーについて理解し、それらとメタバースの関係性をキャッチアップしましょう。これにより、メタバース体験の具体イメージの把握や今後のメタバースの普及や発展の可能性の理解を進めることができます。
※関連記事:【2023年最新】メタバース開発に必要な13の技術や仕組みを紹介
④今後の普及・発展への展望
今後のメタバースの本格普及・発展の展望やそれらを左右するドライバーをキャッチアップしましょう。これにより、今後の市場成長への見立てをより詳細化でき、骨太な戦略の立案に繋がります。
※関連記事:メタバースはまた失敗に終わってしまうのか?展望と普及のカギも解説
市場/ユーザー動向のキャッチアップ
⑤ビックテックなどの戦略・取り組み
市場動向を大きく左右する、MetaやGoogleなどのビックテック各社の戦略やデバイス開発・サービス展開に関する動向をキャッチアップしましょう。これにより、メタバースの本格普及までの時間軸や展開されるビジネスへの見立てをより詳細化でき、骨太な戦略の立案に繋がります。
※関連記事:Facebook改め「Meta」が目指すメタバースの未来と戦略とは
⑥主要メタバースプラットフォーム
近年、若年層を中心に急速に普及が進んでいる、FortniteやRobloxなどの主要メタバースプラットフォームの特徴やユーザー動向などをキャッチアップしましょう。
これにより、現在のメタバース業界のメインストリームでのユーザー動向をより詳細に把握でき、マクロトレンドに沿った戦略設計が可能となります。
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⑦各業界における大手企業の取り組み
各業界の大手企業がどんな目的でどのようにメタバース活用を進めているのかをキャッチアップしましょう。これにより、幅広い目的や手法の活用事例に触れ、自社の活用方法検討の土台作りをすることができます。
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⑧国内外のユーザーの動向
ユーザー数・属性・利用デバイス・利用コンテンツなど、国内外のユーザー動向をキャッチアップしましょう。これにより、ユーザー動向の実態に即した、成果に繋がるメタバース活用の戦略/企画の立案に繋がります。
メタバース活用手法・先行事例のキャッチアップ
⑨メタバース活用手法の全体像
新サービス開発・マーケティングへの活用・社内業務効率化など、多岐にわたる企業のメタバース活用手法の全体像をキャッチアップしましょう。
これにより、自社の課題・目的に対し最適なメタバース活用の方法を検討することができます。
詳しくは以下の関連記事で解説しています。
※関連記事:メタバースをビジネスに活用する全12の方法|メリットと事例を紹介
⑩自社と類似する業界における国内外の事例
自社と類似する業界の企業が、どんな目的でどのように活用を進めているかをキャッチアップしましょう。これにより、業界のビジネス特性を踏まえた戦略や企画の立案に繋がります。
以下の記事で代表的な事例を紹介しています。
※関連記事:【最新55選】メタバースのビジネス活用事例集|業界・目的別に紹介
⑪自社が検討する活用手法の国内外の事例
現時点で自社が検討する活用手法を既に推進している企業が、どんな目的でどのように活用を進めているかをキャッチアップしましょう。これにより、より具体的な戦略や企画の立案に繋がります。
Phase2:戦略/企画の立案
自社が取り得る活用の方向性の洗い出し
⑫ターゲットとする経営課題と活用目的の明確化
Phase1でのインプットを元に、メタバース活用でターゲットとする経営課題と活用目的を明確化しましょう。このステップをしっかりと踏むことが、”メタバース活用自体の目的化”を防ぎ、成果につながる戦略・企画立案の前提となります。
⑬目的達成に向けた活用手法候補の幅出し
明確化した自社の活用目的を達成するための、活用手法候補の幅出し・整理を行いましょう。「同業界の競合が取り組んでいるから」や「この活用手法が流行っているから」といった表層的な理由ではなく、自社の課題解決に繋がる活用手法を検討することが極めて重要です。
目的達成に向けた活用の方向性の決定
⑭自社の目的に合わせた評価軸の設定
検討中の活用手法候補が、どの程度目的達成に貢献しそうか評価するための軸を設定しましょう。評価軸として、「UXが優れているか」、「事業性が見込めるか」、「実現可能性が高いか」の3つは必ず抑えるのがポイントです。
⑮評価軸に沿った活用の方向性の決定
設定した評価軸を元に、それぞれの活用手法候補を多面的に評価し、活用の方向性を決定しましょう。これにより、社内で納得感の高い合意形成を行った上で、本格的なプロジェクト推進に着手することができます。
メタバース戦略の立案
⑯自社の強み・アセットの活かし方
メタバース活用に取り組む上で、具体的に自社のどんな強みやアセットをどのように活用していくのか、それはどの程度競争優位性に結びつき得るのかを検討しましょう。これにより、”自社にしかできない”優位性を持ったメタバース活用の実現に繋がります。
⑰中長期で目指す姿と企画のコンセプトの立案
自社がメタバース活用を通じて中長期で目指す事業の姿と、その実現に向けた企画のコンセプトを立案しましょう。これにより、足元の取り組みが単発の打ち上げ花火的な取り組みに留まることを防ぐことが可能です。
⑱ビジネスモデルの設計
中長期で目指す姿を元に、自社がどのようなビジネスモデルを構築し得るかを検討しましょう。メタバース領域のビジネスモデルには、サービス/コンテンツ提供などシンプルなものから、プラットフォーム手数料やインフラ/ツール提供など多数のステークホルダーを巻き込むものまで幅広く存在します。これにより、収益化の方法を具体的に検討し、競争優位性と大きな収益機会の獲得に繋がります。
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詳細な先行事例ベンチマーク
⑲企画コンセプトに類似する国内外の事例ベンチマーク
企画のコンセプトに類似する国内外の活用事例を詳細にベンチマークしましょう。ここでのベンチマーク対象は、メタバースサービスに限定されず、類似のターゲットやユーザー体験を提供する幅広いwebサービスが含まれます。
⑳企画の立案・具体化に向けた示唆出し
ベンチマークした事例から、成果につながる企画の条件・ポイントを抽出し整理しましょう。これにより、精度の高い企画を立案することができ、プロジェクト全体の費用対効果を大きく高めることに繋がります。
企画の立案・具体化
㉑コアターゲット像と提供価値
先行事例のベンチマークを踏まえ、企画のコアターゲット像と提供価値を検討しましょう。このステップを踏むことで、検討にユーザー目線を取り込み、企画が企業側の都合を中心に立案されることを防ぐことができます。
㉒ユーザー体験/コンテンツ案
ターゲットに対し提供するユーザー体験やコンテンツの案を検討しましょう。
特に、「なぜその体験や提供価値はメタバースでないと実現できないのか?」という論点には明確な答えを出せるようにすることが、成果に繋がる活用実現に向け重要なポイントです。
㉓活用チャネル/プラットフォーム案
使用デバイスやOS、活用するメタバースサービスなど、ユーザー体験を届けるための、具体的な活用チャネルとプラットフォームの案を検討しましょう。
活用するチャネルとプラットフォームにより、開発要件などが大きく異なるため、企画段階で検討しておくことが重要です。
Phase3:事業計画の策定
事業計画の策定
㉔期待する成果/主要KGI・KPIの設定
プロジェクトを通じて期待する成果と主要KGI・KPIを設定しましょう。成果や進捗の評価方法を明確にしておくことで、リソース投下や進め方の最適化を円滑に行うことができ、プロジェクト全体の費用対効果を高めることに繋がります。
㉕開発・運用アプローチ(活用ツール・ベンダー等)の設計
どのツールやベンダーを活用するかなど、企画を実現するメタバース開発・運用の具体的なアプローチを設計しましょう。一口にメタバース開発・運用といっても、プロジェクト毎に求められるケイパビリティは様々であるため、自社にマッチするツール・ベンダーの選定が非常に重要です。
㉖必要なリソース(コスト・人員等)の算出
ベンダーへの委託費やツールの使用料、自社の人員などを含む、プロジェクト全体に必要なリソースを算出しましょう。これにより、開発・運用に本格的に着手する前に、資本や人員の投資を最適化することができます。
ロードマップ策定
㉗開発・運用のタイムラインの設定
メタバース開発・運用のタイムラインを設定しましょう。特に開発のタイムラインは、開発するメタバースの種類や開発体制によって大きく異なるため、ベンダーと詳細にすり合わせを行う必要があります。
㉘主要マイルストーンの設定
要件定義やシステムの基本設計、プロトタイプの完成など、開発・運用にあたっての主要なマイルストーンを設定しましょう。これにより、社内やベンダー内での進捗管理やリソース配分が正しく行われ、プロジェクトの円滑な推進に繋がります。
㉙想定されるリスクと対処方法の検討
プロジェクト推進にあたり、想定されるリスクと対処方法を検討しましょう。これにより、想定外のトラブルにより、プロジェクトの進行が大幅に遅れてしまうことを防ぐことに繋がります。
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Phase4:開発・運用
開発
㉚不足するケイパビリティやリソースの補完
プロジェクトにマッチするベンダーなどを活用し、自社に不足するケイパビリティやリソースを効率的に補完しましょう。メタバース開発には幅広い領域の知見や技術スタックが求められるため、社内の人材のみで対応することが難しく、外部のベンダーの活用が有効であることが多いです。
㉛要件定義・システムの基本設計
立案した戦略・企画を実現するメタバースの要件定義とシステムの基本設計を行いましょう。開発フェーズのタスクではありますが、ビジネスサイドがしっかりとコミットし、開発サイドと丁寧なすり合わせを行うことが非常に重要です。
㉜開発の実行
外部のベンダー活用などで不足するケイパビリティやリソースを補完しつつ、ユーザーに届けたい体験を実現するメタバースの開発を実施しましょう。開発の際は、ユーザーを中心に据えてフォーカスしたアジャイルな手法を用いることが有効である場合が多いです。
運用
㉝メタバースへの集客/マーケティング
既存顧客基盤の活用やWeb広告・SNS運用などにより、開発したメタバースへの集客/マーケティングを行いましょう。これにより、価値あるメタバースを開発してもユーザーに利用されないという結果に終わることを防ぐことに繋がります。
㉞運用・保守の実施
ユーザーの活発化に向けた施策の実行や、リリース後に発生したバグへの対応などの運用・保守を行いましょう。リリース後の継続的な運用・保守により、ユーザー体験価値を維持し、利用され続けるメタバースの実現に繋がります。
㉟効果測定と運用方法の見直し
KGI・KPIを元に、リリースしたメタバースの効果測定と運用方法の見直しを行いましょう。メタバースが価値を生み出すかはユーザーに受け入れられ・利用されるかによって決まるため、リリース後の運用方法の見直しは欠かせないステップとなります。
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