KDDIのメタバース「αU」とは?できることや特徴を徹底解説

2021年末のFacebookのMetaへの社名変更をきっかけに、世界的に注目を集めるメタバース。KDDIは過去にも、「バーチャル渋谷」「デジタルツイン渋谷」などメタバースにおける取り組みを行ってきましたが、今回さらに大規模な取り組みとして「αU」の提供を開始し、注目が集まっています。

そこで、今回は「αU」の概要や特徴を初心者の方にも分かりやすく解説します。

本記事を読めば、携帯大手で最大のメタバースサービスであるαUの概要を効率良くキャッチアップできると思いますので、ぜひ最後までご一読ください。


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メタバースとは

メタバースとは KDDI
(画像: KDDI)

メタバースとは、ユーザーひとり一人のアバターを通じてコミュニケーションや経済活動を行うことのできる3次元の仮想空間のことです。

メタバース空間では、現実に近い環境で活動ができます。例えば、集まって会話をしたり、スポーツライブや買い物などを楽しんだりすることができます。また、将来的には、SF映画のように、メタバース上のサービスとデバイスが進化していけば、「食事と睡眠以外のほぼ全てが体験できるようになる」とも言われています。

αUとは

αUとは
(画像:KDDI)

αUとは、KDDIが提供するライブ配信、バーチャルショッピングなどを行うことができるメタバースです。KDDIはこれを「現実と仮想を軽やかに行き来する新しい世代に寄り添い、誰もがクリエイターになりうる世界に向けたメタバース・Web3サービス」と位置付け、メタバースは「体験する場所」から「発信する場所」へと進化していきます。αUではライブ配信やバーチャルショッピングを楽しめることに加えて、アバターやマイルームの制作、マイルームの家具の販売など、ユーザーがクリエイターになる体験ができます。さらにクリエイター支援の取り組みとして、国内外のパートナーと連携し、日本のクリエイターやコンテンツのグローバル展開をサポートします。KDDIはこの新サービスに1000億円投入しメタバース関連のコンテンツを拡大していく予定です。

αUでできること5選

αUでできること5選

αUでできる代表的な体験はとして以下の5つが挙げられます。

 

  • ①αU metaverse:メタバースでエンタメ体験や友人との会話を楽しめる
  • ②αU live:360度自由視点の高精細な音楽ライブを楽しめる
  • ③αU market:デジタルアート作品などの購入ができる
  • ④αU wallet:暗号資産を管理できる
  • ⑤αU place:実店舗と連動したバーチャル店舗でショッピングができる

 

それぞれについて分かりやすく解説していきます。

①αU metaverse:メタバースでエンタメ体験や友人との会話を楽しめる

αU metaverse:メタバースでエンタメ体験や友人との会話を楽しめる
(画像: KDDI)

αU metaverseとは、バーチャル空間に再現された渋谷や大阪の街を舞台に、アーティストによる音楽ライブや、利用者同士が集まって会話を楽しめる、さまざまなコミュニティに出会うことができるメタバースサービスです。無料アプリをインストールすることで誰でも利用が可能で、音声によるアバターコミュニケーションに加えて、イベントへの参加や、アバター、マイルームの制作を行うことができます。

②αU live:360度自由視点の高精細な音楽ライブを楽しめる

αU live:360度自由視点の高精細な音楽ライブを楽しめる
(画像: KDDI)

αU liveとは、360度・自由視点映像で高精細な映像を視聴できるライブ体験サービスです。アーティストと会場をバーチャル空間に再現し、視聴者はリアルのライブに近い体験ができます。スマートフォン、PCのウェブブラウザから利用可能で、バーチャルで活躍するアーティスト、リアルで活躍するアーティスト問わず、さまざまなαU liveのパフォーマンスを楽しめます。

③αU market:デジタルアート作品などの購入ができる

αU market:デジタルアート作品などの購入ができる
(画像: KDDI)

αU marketとは、デジタルアート作品 (NFT) などが購入できるマーケットプレイスです。有名ファッションデザイナーや著名なNFTアーティストによる作品がαU market限定で登場します。クレジットカード決済やauかんたん決済対応で、初めてのお客さまでも簡単にNFTの購入が可能です。なお、他のマーケットプレイスとも互換性があるNFTネットワーク「Polygonブロックチェーン」に対応し、購入した作品を他人に販売することもできます。

④αU wallet:暗号資産を管理できる

αU wallet:暗号資産を管理できる
(画像: KDDI)

αU walletとは、αU marketで購入したNFTや、取引時に使用する通貨である暗号資産の管理ができる暗号資産ウォレットです。αU walletアプリのダウンロードで利用が可能です。

⑤αU place:実店舗と連動したバーチャル店舗でショッピングができる

αU place:実店舗と連動したバーチャル店舗でショッピングができる
(画像: KDDI)

αU placeとは、店舗を見渡して好みの商品を探すことや、家族や友人と一緒に買い物ができることなどリアル店舗の良さと、いつでもどこでも買い物ができるECの良さを組み合わせた新しいショッピングサービスです。店舗スタッフからビデオ通話で商品説明やアドバイスを受けることもできます。

αUの3つの特徴

αUの3つの特徴

①誰もがクリエイターになれる

誰もがクリエイターになれる αU
(画像: KDDI)

街とは別に用意されたマイルームを、家具などで模様替えをして自分らしさを表現するところからクリエイター活動を始めることができます。今後、マイルームに招待した仲間と会話を楽しむ延長でのトークライブ開催、アバターやマイルームの家具の制作や販売が可能になります。

②有名人とのコラボが豊富

αUのローンチを記念して開催されたイベント「αU spring week 2023」では人気アーティストの水曜日のカンパネラさんの音楽ライブや、人気YouTuberのとうあさんのトークショーが行われるなど、注目度の高い活動者とのコラボレーション行われました。大企業ならではの大規模な取り組みが特徴です。

③音声によるアバターコミュニケーション

参加者は好きなアバターになって音声でコミュニケーションをします。音声は、テキストでは得られない相手の気持ちを理解することができ、心地よい交流のベースとなります。街中にある、バーや居酒屋、カフェといったコミュニケーションスペースに参加者が集い、会話が広がり、コミュニティが誕生することで、新しいエンタメやクリエイティブが生まれる場となります。

KDDIがメタバースに注目する理由

KDDIがメタバースに注目する理由

KDDIがメタバースに3年で1000億円もの巨額の投資を発表するなど、注力する主な理由として以下の3点が挙げられます。

 

  • ①メタバース市場が拡大しているから
  • ②国内外の競合に対し先行者優位性を構築するため
  • ③蓄積したノウハウやケイパビリティなどを活用できるから

 

それぞれの理由について分かりやすく解説していきます。

①メタバース市場が拡大しているから

近年メタバース市場が急速に拡大しており、多くの企業がメタバースサービスの取り組みを開始しています。KDDIもこの流れに乗り遅れないために大規模な投資を行うことを決定しました。KDDIの中馬和彦事業創造本部副本部長は、αUについて「当社は通信事業の補完ではなく、これで稼ぐつもりだ。」と述べていることからも、メタバース市場に大きな期待を持っていることが伺えます。

②国内外の競合に対し先行者優位性を構築するため

メタバースプラットフォームは、独自のエコシステムを構築し、多くのユーザーや企業が参加することで競合他社が追随しにくくなるため、先行者優位なビジネスです。先行者が市場をリードし、多くのユーザーを獲得すれば、新規参入者がその市場で存在感を示すことが難しくなります。また、メタバースは仮想空間であるため、既存のプラットフォームがさまざまなサービスや機能を提供し続けることで、新規参入者が追いつくことが難しくなります。ソフトバンクやNTTドコモなど、他の携帯大手がメタバース事業を強化するなか、KDDIも本格的に参入する必要があります。

③蓄積したノウハウやケイパビリティなどを活用できるから

KDDIは過去にも、都市連動型メタバース「バーチャル渋谷」、リアルとバーチャル空間が連動する「デジタルツイン渋谷」など、5G通信とAR・MR技術を活用した都市体験の拡張に取り組んできました。これらの経験を踏まえて現在のメタバースの勝ち筋を追求し、新たなサービス「αU」を開発しました。

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このナレッジの著者

メタバース総研 代表取締役社長

今泉 響介

株式会社メタバース総研(現・CREX)代表取締役社長。
慶應義塾大学経済学部卒業。学生起業した事業を売却後、日本企業の海外展開/マーケティングを支援する株式会社Rec Loc を創業・社長就任を経て、現職に。メタバースのビジネス活用に特化した国内最大級の読者数を誇るメディア「メタバース総研」の運営やメタバースに関するコンサルティング及び開発サービスの提供を行っている。著書に『はじめてのメタバースビジネス活用図鑑』(中央経済社)

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