AR・VRの学校教育・研修への活用事例10選!4つのメリットも解説

近年、注目を集めるAR・VRですが、広く利用される用途はゲーム・エンタメである一方で、3Dの没入型の体験を提供できる相性の良さから、学校教育・企業研修の現場への活用も注目を集めています。

 

そこで今回は、AR・VRの学校教育・企業研修の現場への活用事例10選を、4つのメリットや導入における課題とともに詳しくご紹介します。

 

コロナウイルスの影響もあり、IT化・リモート化が加速する教育・研修現場が、AR・VRによってどのように変化していくのでしょうか?

学校教育や企業研修の現場でのAR・VR活用にご興味・関心をお持ちの方は、ぜひ最後までご一読ください。


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目次

そもそもAR(拡張現実)とは

AR(拡張現実)とは、スマートフォン等ののディスプレイに表示される現実世界にデジタルの情報を視覚的に重ね合わせ情報を追加することで、リアルの世界を拡張する技術のことを指します。

 

ARを活用した代表的なサービスとして、「Pokémon GO」や「Snapchat」のフィルターなどがありますが、AR技術の活用はゲームに限ったものではありません。教育や広告、医療、製造業など様々な分野への活用が期待されています。

そもそもVR(仮想現実)とは

VR(仮想現実)とは、コンピュータが作り出した仮想空間を、あたかも現実のように疑似体験することができる技術を指します。
そのため、VRはゲームやエンターテインメントなどを中心に、教育や建設業、製造業など様々な分野で活用されています。

AR・VRを教育現場に活用する4つのメリット

AR・VRを教育現場に活用する4つのメリット

VRを研修や社員教育に活用するメリットとして、以下の4点があげられます。

 

  • ①好奇心が刺激され・楽しく学ぶことができる
  • ②コンテンツが3Dで表示されるため、学習効率が向上
  • ③非常時のシチュエーションを再現することが出来る
  • ④学習の時間的・地理的制約から解消される

 

それぞれについて、わかりやすく解説します。

 

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①好奇心が刺激され・楽しく学ぶことができる

AR・VRの教育コンテンツは好奇心を持ってもらうのに最適です。思考力や分析力、そして創造力や想像力を養うことができます。さらに、ARを活用することで、教師は生徒とよりインタラクティブなコミュニケーションをとることができ、学習効果を高めることができます。

②コンテンツが3Dで表示されるため、学習効率が向上

従来の2Dの教科書やテキストベースの学習だと、直観的に理解するのが難しい立体的な構造に関連する学習の効率を高めることができます。

 
例えば、生物における生物の臓器の構造や機械の操作方法などは3Dの教育コンテンツの方が遥かに理解が促進されやすいです。またコンテンツが3D化されることに加え、アニメーションを用いた学習なども可能なため、学習効率の向上が期待されています。

③非常時のシチュエーションを再現することが出来る

VR技術はデジタル上の仮想空間に入り込んだような体験を提供することができます。そのため従来の技術では再現度合いや危険性の面で再現するのが難しかった、または再現できたとしても高額なコストが必要となっていた非常時のシチュエーションを、比較的安価に再現することができます。

④学習の時間的・地理的制約から解消される

仮想空間に学習場所を設定することで、これまで屋外で行わなければならなかった訓練をオフィス内で行ったり、夜間に行う必要があった学習を日中に行ったり、学習の場所や時間をを柔軟に変更することができます。

 

新型コロナウイルス感染拡大の影響で、リモートワークが普及するなか、AR・VRなどの先端技術を活用した教育・研修現場のアップデートは更に注目を集めそうです。

ARの教育現場への活用事例3選

①Gugenka:ARで心肺蘇生の非対面での訓練を実現

心肺蘇生AR
(画像:Gugenka)

株式会社Gugenkaが開発した「心肺蘇生ARアプリ」は、スマートフォンの画面上に現れた心停止者のアバターに対して、ARを通じて心肺蘇生の手順を実践できるため、流れを確認しながら心臓マッサージやAED操作などの方法を習得することが可能です。

 

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②東京海上日動:ARで洪水・土砂災害を疑似体験

災害体験AR
(画像:東京海上日動)

東京海上日動と東京海上ディーアールは、河川の氾濫による洪水や土砂災害の危険性を疑似体験できる「災害体験AR」を共同開発しました。災害体験ARは、スマートフォンやタブレット端末を用いて、河川の氾濫による洪水や土砂災害の危険性を疑似体験することができるサービスです。

 

このサービスはより多くの人に洪水や土砂災害の危険性を知ってもらい、社会全体の防災意識を高めることを目的とし、開発・提供されています。

③関西学院高等部:ARマップで戦争遺跡を学習

KG PEACE MAP
(画像:関西学院)

関西学院高等部の生徒たちが、キャンパス内の戦争遺跡をスタンプラリー形式で学ぶことのできる「KG PEACE MAP」を作成しました。このマップを作成したのは、当時高校2年生だった11人の生徒たち。授業で平和について考え、身近な場所が戦争で被害を受けたことに気づき、ARマップの作成を計画したそうです。

VRの教育現場への活用事例3選

①VictoryVR:VR技術を活用したメタバース上の大学を設立

AR VR 教育 VictoryXR
(画像:VictoryXR)

VictoryXRは、VRおよびARの教育ソリューションを提供する企業です。VictoryXRは、デジタルツイン技術を使用して既存のキャンパスをデジタル化し、メタバースの中で新しい学習環境を提供することを目指しています。VictoryXRはMeta社と提携し、「メタバーシティ」と呼ばれるVR技術を活用したメタバース上の大学を複数設立しています。

 

生徒はVRヘッドセットを通じてリモートで講義を受けることが可能です。VictoryXRのCEOであるSteve Grubbs氏はVRのより没入感のある学習環境を提供することで、生物、化学、歴史などを学ぶ学生の学習体験を向上させることができると述べています。

 

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②Bronx Latin School:Google Expeditionsを活用した社会科授業

AR VR 教育 Bronx Latin
(画像:Bronx Latin)

Bronx Latin Schoolでは、社会科の授業でVRゴーグルを活用した見学旅行プログラムを実施しています

Googleが提供する教育用VRツアーアプリ「Google Arts & Culture」を活用して、教科書では伝わりにくい世界中の名所を再現したメタバース空間を体験し、没入感を持って学ぶことができます。

 

この事例のように、VRによる校外学習が一般化すれば裕福な家庭以外も様々な疑似体験をすることができ、費用問題による教育機会の解消が期待されます。

③NTTドコモ:VR教育コンテンツを遠隔講義で提供

AR VR 教育  NTT
(画像: NTT)

 NTTドコモは、三山時代の今帰仁城をリアルに再現した高品質の4KVRコンテンツを遠隔授業で使用しました。5G通信を活用し、VRヘッドセットやタブレットなどのデバイスに配信することで、過去の重要な歴史的事件が実際に起こっている場所にいるかのような臨場感を生徒たちに提供します。さらに、専門家がその場で説明しているかのような体験も可能にしました。

 

このシステムは、沖縄を訪れる修学旅行生や観光客に向け、沖縄の歴史をより深く学べる教育や観光のコンテンツとしてさらに発展させることが期待されています。

VRの企業研修への活用事例4選

①ANA:VRを飛行機の機体整備士の危険予知研修に活用

ANA VR Safety Training System
(画像:ANA)

ANAは労災ゼロを目指し、整備士に向けた安全体験教育にVRコンテンツ「ANA VR Safety Training System」を導入しています。ANA VR Safety Training Systemは、整備士が作業の安全を確保するための危険予知能力を向上させるための研修プログラムです。

 
航空機整備の環境や過去の労働災害事例をもとにコンテンツを作成し、格納庫での整備作業を再現したVRシステムです。受講者が危険を見逃したまま次の行動に移ったり、安全行動の手順を間違えたりすると、VRシステム内で転倒を体験することになります。このとき、ナレーションで行動を振り返り、なぜ参加者が転倒・転落したのかを説明します。このような手順で実際の作業における危険を予見し、転倒・転落から身を守ることができます。

 

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②ウォルマート:VRで混雑等の状況を再現した研修

Walmart VR研修
(画像:ウォルマート)

世界的なスーパーマーケットチェーンであるウォルマートは、接客のトレーニングにVRを導入しています。従業員にHMD(ヘッドマウントディスプレイ)を装着させ、ブラックフライデーなどの販売イベント時に大勢のお客様に対応するためのトレーニングを行っています。

 
従来の研修とは異なり、現実には再現が困難な状況を実際に体験しているかのような研修を行うことができます。

 
この研修を行うため、ウォルマートは1万7000台のOculas Questを約4700店舗に準備するなど大規模な投資を行っています。

③JR東日本:VRで鉄道との接触等による事故現場を再現した研修

JR 東日本 VR教育システム
(画像:JR東日本)

JR東日本は鉄道の事故現場のシュミレーションを研修に取り入れ、研修の質の向上に取り組んでいます。鉄道の3大労災である。「触車」、「墜落」、「感電」のうち、「触車」と「墜落」に関する4つの事故を再現しました。高額で準備する手間のかかるHMDを使用せず、スマホを使ってVRコンテンツを体験するため、社員が集合して研修することもないというメリットもあります。

STRIVR:メタバースを活用した従業員研修プラットフォーム

AR VR 教育 STRIVR
(画像:STRIVR)

STRIVRはVRを活用し従業員に様々な研修を実施できるプラットフォームです。VRの特徴を活かし、日常業務から緊急時の対応まで幅広いシチュエーションを再現した研修が可能です。また、研修を経て得られたデータを分析し、学習効率を高める機能などを搭載しており、既にウォルマートなどの多くの導入先で大きな成果を挙げています。

AR・VRの教育・研修への活用における2つの課題

これまで紹介してきた通り、今後AR・VRの学校教育・企業研修の現場への活用が期待される一方で、導入に向けた課題も存在します。そのなかでも大きな課題として導入コストの高さと導入先の担当者のITリテラシーの2点が挙げられます。

 

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①導入コストの高さ

学校教育・企業研修へのAR・VRの導入にあたっても資金に限りのある学校や中小企業にとって、AR・VR導入のコストは大きな問題となります。AR・VR教育を行うには、ヘッドマウントディスプレイやコントローラーなどのVR機器が必要です。シンプルな構成の機器であれば数万円程度で購入できますが、複雑な構成になると数十万円以上かかります。

 
また、AR・VR機器の購入費用に加えて、AR・VRコンテンツの開発費用も必要で、再現するコンテンツによって金額は異なりますが、数十万円〜数百万円程度のコストがかかります。

②導入先のITリテラシー

学校教育への活用に関しては、学校の先生の中には高齢者もおり、これを解決しないままARを導入すると、教える側のITリテラシーが問題になることは容易に想像できます。

 

この課題を解決しないままARを導入すると、教師がITリテラシーを持つかどうかで、提供する教育の質が変わってしまうのです。
東進ハイスクールの映像授業のように、1人の先生が1つの授業を担当する従来の授業形態から、専門の先生がオンラインで複数の授業を担当する柔軟な授業形態に移行するのも1つの方法です。

 

また、企業研修への活用に関しても、一部の大企業では導入が進んでいる一方、多くの企業はVRトレーニングプログラムを導入する際に何から始めればよいのかわからず、まだ活用には至っていないケースが多いです。

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このナレッジの著者

メタバース総研 代表取締役社長

今泉 響介

慶應義塾大学経済学部卒業。学生起業した事業を売却した後、日本企業の海外マーケティングを支援する株式会社Rec Loc を設立して代表取締役社長に就任。メタバースのビジネス活用を支援するメタバース総研を設立して代表取締役社長に就任。

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