VRの現在と未来予測|普及のシナリオやビジネス活用事例5選も解説
MetaのVRヘッドセットのQuestシリーズが累計販売台数2,000万台を突破し、Appleも初のXRデバイスの発売を発表するなど、近年VRへの注目はより一層高まっています。
幅広い業界の企業が相次いでVR活用を進めるなかで、今後の自社のビジネスにどのような影響があるのか気になっているかたも多いのではないでしょうか?
そこで今回は、VRの現在と未来について、普及のシナリオや3つのビジネスチャンス、活用事例などについて分かりやすく紹介していきます。
本記事は、以下のような方におすすめの記事となっています。
- VRが今後どのように普及・発展していくのか知りたい
- VRの普及・発展がもたらすビジネスチャンスを抑えておきたい
- 企業がVRをどのように活用しているのか気になる
本記事を読めば、VRのビジネス活用を進める上で絶対に抑えておきたい重要なポイントを効率よくキャッチアップできると思いますので、ぜひ最後までご一読ください。
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VRの今後の普及・発展のシナリオ
VRの今後の普及・発展のシナリオとして以下の3フェーズが挙げられます。
- ①黎明期(~2025年):一般ユーザーにVRの認知が広まる
- ②普及期(2025~2030年):VRが一気に人々の生活に普及
- ③定着期(2030年~):多くの人々が当たり前にVR空間で活動
それぞれのフェーズについて分かりやすく紹介していきます。
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①黎明期(~2025年):一般ユーザーにVRの認知が広まる
現在〜2025年までのVR黎明期は、VRを構成する技術要素の進化と社会的なニーズの高まりを機に、多くの一般ユーザーがVRに興味を示し始めます。それに伴い多くの企業がVR市場への参入を始めます。
具体的には技術の発展により、VRデバイスの低価格や小型化が進み、一般ユーザーでも利用しやすいデバイスになること、新型コロナウイルスの流行により、リモートコミュニケーションの需要が高まることなどにより、現実世界に近いリモートコミュニケーションの場としてVRが大きく発展する準備が整うフェーズと言えます。
一方で、メインのユーザー層はVRゲームを目的とするコアユーザーであり、市場としてもデバイスやゲームタイトルが中心となっています。
②普及期(2025~2030年):VRが一気に人々の生活に普及
2025〜2030年のVR普及期は、要素技術の更なる発展と、VR上で提供されるサービスの充実により、VRが一気に人々の生活に普及し始めます。
この頃にはVRデバイスはかなり小型化・軽量化され、長時間装着することが可能になっており、現代におけるスマホのような感覚で、幅広い活動をVR上で行うようになっていきます。
人々がVRで過ごす時間が長くなるにつれ、VR空間上のデジタルアセット(アバターやアバターの洋服など)がより価値を持ったり、VR上のメディアやSNSの広告がより価値を持っていくと考えられます。
③定着期(2030年~):多くの人々が当たり前にVR空間で活動
2030年以降のVR定着期は、要素技術が一通り成熟し、人々がVR空間にアクセスする上での課題は解決され、老若男女問わず多くの人々が当たり前にVR空間で活動するようになると考えられています。
現代のスマホのように、あらゆる領域のサービスにアクセスするベースとなる存在に発展しており、消費者向けのサービスの充実はもちろん、多くの企業の業務プロセスにVRが取り込まれていくと考えられます。
具体的には、企業の教育研修がVRを通じて行われたり、製造業のバリューチェン全体がVR上に構築され、各種シミュレーションや現場の作業員のサポートにも活用されるなど、仕事でもVRを活用することがごく自然に行われるようになっていくでしょう。
VRの普及がもたらす3つのビジネスチャンス
VRの普及がもたらすビジネスチャンスとして以下の3つが挙げられます。
- ①新規事業の創出
- ②マーケティング・ブランディングの強化
- ③企業の社内業務の効率化
それぞれのビジネスチャンスを分かりやすく紹介していきます。
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①新規事業の創出
1つ目のビジネスチャンスは、VRサービスやイベントなどの新規事業の創出です。
VRを活用し新たなサービスを構築することで、ユーザーに対し現実に存在するもの/しないものを含め、仮想空間上に3Dの世界を構築することができるというVRならではの特徴を活かし、ユニークな体験を提供するサービスを提供することができます。
また、VR上でアーティストや企業を集めたイベントをすることで、入場券やデジタルコンテンツの販売など収益性の高い新たなビジネスを展開できることが挙げられます。
②マーケティング・ブランディングの強化
2つ目のビジネスチャンスは、VRを活用したマーケティング・ブランディングの強化です。
VRが人々の生活に普及するにつれ、オフラインからオンラインへ、WebからSNSへと起こってきたのと同様の顧客接点のシフトが、VRでも起こると考えられます。
VRをマーケティング・ブランディングに活用することで、従来はオンラインでの実施が難しかった商品・サービスの販促やVRならではの体験を通じた強力なブランディングを行うことができます。VRは従来のWebページや動画と比べ伝えられる情報がリッチかつインタラクティブな体験を提供可能なため、ユーザーを惹きつけやすく幅広い業種での活用が進んでいます。
③企業の社内業務の効率化
3つ目のビジネスチャンスは、企業の社内業務の効率化です。
VRを社内業務の効率化に活用することで、バリューチェーン全体や工程全体の最適化や社員の作業のサポート、研修の効率化をすることができます。
VR上で現状存在しない施設や設備を設計し、シミュレーションを行うことで、最適な製造ラインや運用方法を特定したり、VRの特徴である3Dでの情報の表示により現場の作業員の作業をサポートしたり、VRヘッドセットにより様々なシチュエーションを想定した研修を行ったりと多岐にわたる活用方法が存在します。
業界別VRの活用事例5選
業界別のVRの活用事例として以下の5事例が挙げられます。
- ①小売業界:三越伊勢丹が独自VR空間上に百貨店を再現
- ②アパレル業界:BalenciagaがVRゲーム「Fortnite」向けのスキンを販売
- ③エンタメ業界:サンリオが開催したVR上のフェスに有名アーティストが集結
- ④広告業界:電通が東京ゲームショウVRに基盤システムを提供
- ⑤不動産業界:大和ハウスが自由に見学できるVR上の住宅展示場をオープン
それぞれの事例についてわかりやすく紹介していきます。
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①小売業界:三越伊勢丹が独自VR空間上に百貨店を再現
三越伊勢丹は、独自のVR上の仮想都市である「レヴ ワールズ」を構築し提供しています。来場者はアバターの姿で、デジタル空間の「バーチャル伊勢丹」での買い物を楽しむことができます。店員のアバターも配置され、チャット機能を使った接客も受けられます。
現在は婦人服や食品など180ブランドを扱っていますが、今後は家具や日用品にも対象を広げる方針です。友人のアバターと一緒に会話しながら買い物できるようにするなど機能も強化する予定です。
他社がVR上で開催されるイベントへの出展が中心のなか、三越伊勢丹は既に独自のVR空間を構築・提供しており、小売・百貨店業界のVR活用をリードする存在といえます。
②アパレル業界:バレンシアガがVRゲーム「Fortnite」向けのスキンを販売
ラグジュアリーブランドのバレンシアガは、人気オンラインゲームであり近年メタバース化が進みつつある「Fortnite(フォートナイト)」とコラボレーションを行いました。
バレンシアガがゲーム用のデジタルファッションアイテムを制作し、同様のデザインのリアルのアイテムをバレンシアガの一部店舗やオンラインショップにて販売しました。リアルのアイテムの価格は約5万〜17万円ほどです。
フォートナイトのゲーム内では、バレンシアガの仮設店舗をオープンし、ウェアやスキンを取りそろえました。それらのアイテムはバレンシアガの2020〜2021年のコレクションアイテムをスキャンし3Dモデル化して制作されています。
また他にも、ゲーム内にバレンシアガが2021年秋コレクションのために制作したオンラインゲーム「アフターワールド:ザ・エージ・オブ・トゥモロー」に着想を得たエリアを特設するなど、ユーザーが楽しみながらバレンシアガのブランドに触れられる取り組みが行われました。
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③エンタメ業界:サンリオが開催したVR上のフェスに有名アーティストが集結
サンリオバーチャルフェストは、VR上で開催された、リアル/バーチャルのアーティスト総勢52組が集まったライブイベントです。
アーティストは、AKB48などのリアルアーティストから、Vtuber、VRChat上で活動するアーティストまで、幅広いジャンルのアーティストが一堂に会することで、大きな話題を呼びました。
この取り組みのポイントは、ユーザーが求めるものを実現するために、企業や団体の垣根を超えたコラボレーションを実現させた点です。このように、ユーザーを特定の企業やプラットフォームに囲い込もうとするWeb2.0的な発想とは違った取り組みが、今後のVR市場の盛り上がりに繋がっていくでしょう。
④広告業界:電通が東京ゲームショウVRに基盤システムを提供
電通はバーチャル空間上で行われるイベント「東京ゲームショウVR」向けに、大型イベントのVR化を推進するシステムを開発・提供しました。
東京ゲームショウVRでは、ゲーム関連企業のみならず、飲料メーカーやアパレル企業などのブランドを体験できる特設ブースが設けられ、各ブースでの体験を通じて、リアルでは提供が難しいバーチャルならではのブランド体験の実現を目指しています。
同社は出資を行っているVR関連のスタートアップであるabmr社とともに、基盤プロダクトの改善を通じ、広告機能はもちろんのこと、VR空間ならではのブランド体験の構築やイベントでの体験全体の質向上を目指していくとのこと。
「東京ゲームショウVR2021」では、バーチャル会場の総来場者数は約21万人を記録、参加者の98.8%が再来訪意向を示すなど、大きな反響を呼びました。
⑤不動産業界:大和ハウスが自由に見学できるVR上の住宅展示場をオープン
大和ハウスはアバターを用いて担当者と見学者がコミュニケーションを図りながら仮想空間上の住宅展示場を自由に見学できる「VR住宅展示場」を公開しました。ユーザーはスマホやタブレット・PCからVRにアクセスでき、最大6名の見学者とともに担当者にリアルタイムに質問や相談を実施することが可能です。
VR上にある住宅展示場という特徴を活かし地面から屋根の上までさまざまな角度から見学できることに加え、室内では子どもやペットなどの視点でも見学が可能です。また、見学者が床や壁紙・天井等の色や素材、インテリアなどを瞬時に切り替えて、イメージを検討することもできます。今後、対応する住宅商品ラインナップを拡充していく方針とのことです。
企業がVR活用で成果を上げるための5つのポイント
企業がVR活用で成果を上げるためのポイントとして以下の5つが挙げられます。
- ①最先端の市場動向・ノウハウのキャッチアップ
- ②活用目的の明確化と骨太な戦略策定
- ③ユーザーファーストなUX設計
- ④アジャイルアプローチによるプロジェクトの推進
- ⑤強力な開発・運用体制の構築
それぞれについて分かりやすく紹介していきます。
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①最先端の市場動向・ノウハウのキャッチアップ
1つ目のポイントは、最先端の市場動向・ノウハウのキャッチアップです。
デバイスの進化やユーザーの動き、各領域の先進事例をキャッチアップし、自社が取り組むべき活用方法や成果に繋がる活用のポイントを抑えた上で活用に着手しましょう。
VR活用には取り組むのに一定の予算や工数が必要となるため、自社にとって重要な最新動向や活用のノウハウを抑えておくことが、成功確度の高い戦略・企画立案の大前提となります。
②活用目的の明確化と骨太な戦略の立案
2つ目のポイントは、VRを活用する目的の明確化と骨太な戦略の策定です。
現在VR活用に取り組む企業には、VR活用の取り組みが単発で終わってしまっている企業が見受けられます。
その結果、活用のPDCAが回らない、VR活用が小粒な施策の1つに留まってしまうなど大きな収益機会の獲得に繋がらないという結果に終わってしまいます。
自社の経営課題を踏まえ、「活用によりどのような経営課題を解決したいのか?」「課題解決の打ち手としてなぜVRではないといけないのか?」といった明確な活用目的を整理した上で、中長期で目指す事業の姿や自社の強みの活用の仕方などの実現に向けた戦略を立案しましょう。
③ユーザーファーストな企画・UX設計
3つ目のポイントは、自社のターゲットにとってユーザーファーストなVRの企画・UX設計です。
現在、多くの企業がVRに参入を進めていますが、そのなかには、企業側の都合のみでサービス・体験が設計されたようなVRが多く存在します。それらのVRは、ユーザーに利用されず、企業の活用の目的を達成できない結果に終わってしまいます。
そのため、「VRならではの高い体験価値を届けられているか」や「ユーザーの利用にあたっての手間や負担が大きくないか」といった観点を踏まえたUX設計が重要です。
④アジャイルアプローチによるプロジェクトの推進
4つ目のポイントは、アジャイルアプローチによるプロジェクトの推進です。
VR市場は今後大きな成長が予想されているものの、いまだ成長期にあり、様々な業界の企業が中長期的な収益最大化に向け、最適な活用を模索している段階にあります。
そのため、計画と実行のプロセスを短いスパンで回し、仮説立案・実行・検証・施策立案のサイクルを何度も繰り返すことが、プロジェクトを机上の空論で終わらせないために重要です。
⑤強力な開発・運用体制の構築
5つ目のポイントは、強力なVR開発・運用体制の構築です。
高いユーザー体験と事業性を両立するVRの開発とマーケティングを含めた運用を実施しましょう。
VR開発・運用には幅広い領域の知見や技術スタックが求められるため、外部のベンダーなどを活用し、不足するケイパビリティやリソースを補完することも有効です。
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