メタバースに店舗を出店する4つのステップ|費用相場も紹介

MetaやAppleなどのビッグテックの参入によりますます注目が高まっているメタバース。その活用の仕方は様々であり、近年は、三越伊勢丹や凸版印刷などの大企業をはじめとする多くの企業がメタバース上に店舗を出店し、商品の販売を行っています。

  

幅広い業界の企業が相次いでメタバースに店舗の出店を進めるなかで、自社でもメタバース店舗を出店することを検討しているという方も多いのではないでしょうか?

そこで今回は、メタバースに店舗を出店する4つのステップについて、費用相場や成功のポイントなどとともにわかりやすくご紹介します。

 

本記事は、以下のような方におすすめの記事となっています。

 

  • メタバースに店舗を出店することを検討している
  • メタバースに店舗を出店する方法が知りたい
  • メタバース店舗の出店にかかる費用相場を知りたい

 

本記事を読めば、メタバース店舗の出店を進める上で絶対に抑えておきたいポイントを効率よくキャッチアップできると思いますので、ぜひ最後までご一読ください。


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目次

企業がメタバースに店舗を出店する3つのメリット

企業がメタバースに店舗を出店する3つのメリット

企業がメタバースに店舗を出店するメリットとして、以下の3つが挙げられます。

 

  • ➀顧客接点のオンラインシフトの実現
  • ②幅広い顧客層へのリーチ
  • ③メタバース店舗ならではの体験による訴求力/売上向上

 

それぞれについてわかりやすく紹介していきます。

➀顧客接点のオンラインシフトの実現

コロナウイルス感染拡大防止のための行動制限などの影響で、幅広い業界のマーケティング・プロモーション活動が打撃を受けました。商材によってはオンラインでのプロモーションへのシフトを成功させています。

 

一方で、実物を確認して買いたいという人が多い商材や実店舗でのプロモーションイベントや顧客ひとり一人に寄り添った提案が重要な商材のマーケティングのオンラインシフトは非常に難易度が高く、幅広い業界の企業の課題となっています。

 

そこで、メタバース上に店舗を出店することで、実店舗などのリアル空間で行っていた顧客接点のオンラインシフトを行うことが可能です。

②幅広い顧客層へのリーチ

メタバース店舗を活用したマーケティング施策の特徴の1つとして、「いつでも、どこからでもアクセスしてもらえる」という点があります。従来のリアルな空間でのプロモーションイベントでは、ターゲットとなる人が地理的に大きく制限されているため、一定程度バーチャル店舗でマーケティング施策を行うことで、幅広い地域のターゲットにリーチすることが可能です。

 

また、メタバース店舗を活用することで、従来若者世代との接点獲得に苦戦していた企業・商材のマーケティングを加速させることもできます。メタバース店舗がデジタルネイティブの比較的若い世代から人気を集めていることや、人気のコンテンツなどとコラボしたりゲーミフィケーションを取り入れたプロモーション施策との相性が良いことから、若者世代の顧客獲得への打ち手としての活用が進んでいくことが考えられます。

③メタバース店舗ならではの体験による訴求力/売上向上

メタバース店舗を出店することで、自社の商材の訴求力を向上することができます。訴求力向上に繋がるポイントは大きく2点あります。

 

1点目は、3Dモデルを活用した訴求力の向上です。顧客が商材や店舗、施設を目の前にしているような体験を提供でき、従来オンラインで商材の魅力が伝わりづらく、オンラインプロモーションに苦戦していた商材の訴求力を向上することができます。

 

2点目は、メタバース店舗ならではの体験を通じた、新たな購買体験による訴求力の向上です。オンラインでありながら、友人と一緒に買い物が出来る環境を構築したり、リアルでは簡単に提供できない非現実的な体験型のプロモーション施策を低コストで実施したりすることができます。

企業がメタバースに店舗を出店するための4つのステップ

企業がメタバースに店舗を出店するための4つのステップ

企業がメタバースに店舗を出店するためのステップとして、大きく以下の4つのフェーズが挙げられます。

 

  • Step1:市場動向・知見のキャッチアップ
  • Step2:戦略/企画の立案
  • Step3:事業計画の策定
  • Step4:開発・運用

 

それぞれのフェーズについて分かりやすく紹介していきます。

Step1:市場動向・知見のキャッチアップ

1つ目のStepとして取り組むべきは、最先端の市場動向・知見のキャッチアップです。MetaやApple、Microsoftなどのビックテックやユーザーの動向・先行活用事例など、日々変化する市場動向やナレッジへのキャッチアップが必要です。

このフェーズが、成果に繋がる骨太な戦略/企画策定の基盤となります。

Step2:戦略/企画の立案

2つ目のStepはメタバース店舗出店の戦略/企画です。目的を踏まえ、中長期で目指す事業の姿や自社の強みの活用の仕方、実現に向けた企画を立案しましょう。

ユーザーバリューと自社の事業性の両方を満たす、質の高い戦略/企画の立案が、成果につながるメタバース店舗の出店の実現に向け最も重要なポイントとなります。

Step3:事業計画の策定

3つ目のStepは事業計画の策定です。事業に期待する成果や開発・運用のアプローチやタイムライン、必要な投資額などを検討しましょう。

メタバース店舗の開発・運用といっても、プロジェクト毎に求められるケイパビリティは様々であるため、自社にマッチするツール・ベンダーの選定が非常に重要です。

Step4:開発・運用

4つ目のStepが開発・運用です。メタバース店舗の開発・運用には幅広い領域の知見や技術スタックが求められるため、外部のベンダーなどを有効活用し、不足するケイパビリティやリソースを補完しつつ、ユーザーに届けたい体験を実現するメタバース店舗の開発とマーケティングを含めた運用を実施しましょう。 

 

4つのフェーズで取り組むべき35のステップに関しては、以下の関連記事で詳しく解説しています。

 

※関連記事:メタバースを活用した事業を作る方法|全4フェーズと35ステップ【担当者必見】

メタバース店舗の出店にかかる費用相場

メタバース店舗の出店にかかる費用相場

メタバース店舗の出店にかかる費用は、以下の2つの場合によって相場が異なります。

 

  • ①出店支援会社に依頼した場合
  • ②メタバース店舗導入用ツール/プラットフォームを活用した場合

 

それぞれを分かりやすく解説していきます。

①出店支援会社に依頼した場合

出店支援会社に依頼した場合 費用

メタバース店舗の出店支援会社に依頼する場合は、上の表のようにどの工程を依頼するかによって金額が変わります。全ての工程を依頼した場合、3DCGの作成数にもよりますが、最低でも80万円、平均すると250万円以上はかかる計算です。そのため、自社の人材や開発能力などのアセットと相談し、必要な分だけ外注するのがおすすめです。

1.企画・構成費:5万円~50万円

メタバ―スに店舗を出店するため、どのようなデザインのメタバースを制作するのかの企画・構成を考えてもらう費用として5万円~50万円ほどがかかります。この費用には、メタバ―ス制作の一連のプロジェクトマネジメント費用も含まれることが多いです。

2.撮影費:5万円~50万円

メタバ―ス店舗の素材となる360°映像を撮影する場合、費用として5万円~50万円ほどがかかります。一般的な撮影と比較して、全方位を収める必要があるため費用が高くなる傾向にあります。また、撮影場所、撮影スタッフの人数、撮影機材のグレード等によって費用が変わります。

3.編集費:5万円~40万円

撮影した素材を編集する場合、費用として5万円~40万円ほどかかります。複数のカメラで撮影した映像のつなぎ目(ステッチ)を違和感がないように処理する作業(ステッチワーク)に技術と時間がかかるため、一般的な動画編集と比べると費用が高くなります。

4.3DCG作成費:30万円~

メタバ―ス店舗の背景や各種オブジェクトなどの3DCGを制作する費用として30万円~ほどかかります。モーションキャプチャーを使ってキャラクターを動かしたり、細部まで細かく作り込む3DCG等は費用が高くなります。

5.音響・ナレーション費:5万円~20万円

編集済みのメタバ―ス店舗に音響やナレーションを加える費用として5万円~20万円ほどかかります。Web上のフリー音源などを活用すれば、コストを抑えることができます。

6.専用アプリ・システム開発費:30万円~200万円

専用アプリ・システムを開発する費用として30万円~200万円ほどかかります。アプリの機能を高度なものにしたり、複数機能を追加する場合などは費用が高くなります。一方で、一般的な機能を用いたアプリであれば、コストを抑えることができます。

②メタバース店舗導入用ツール/プラットフォームを活用した場合

既存のメタバース店舗導入用ツール/プラットフォームを活用してメタバース店舗を導入する場合の費用は、そのプラットフォームを運営している企業にもよりますが、多くの場合、月額数万円程度から出店することができます。作成できるメタバース店舗のクオリティや機能によって追加で課金する設定となっていることが多いです。

メタバース店舗の出店に失敗しないための5つのポイント

メタバース店舗の出店に失敗しないための5つのポイント

企業がメタバース店舗の出店に失敗しないためのポイントとして以下の5つが挙げられます。

 

  • ①最先端の市場動向・ノウハウのキャッチアップ
  • ②活用目的の明確化と骨太な戦略策定
  • ③ユーザーファーストなUX設計
  • ④アジャイルアプローチによるプロジェクトの推進
  • ⑤強力な開発・運用体制の構築

 

それぞれについて分かりやすく紹介していきます。

 

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①最先端の市場動向・ノウハウのキャッチアップ

1つ目のポイントは、最先端の市場動向・ノウハウのキャッチアップです。

デバイスの進化やユーザーの動き、各領域の先進事例をキャッチアップし、出店方法や成果に繋がる活用のポイントを抑えた上で活用に着手しましょう。

 

メタバース店舗の出店には取り組むのに一定の予算や工数が必要となるため、自社にとって重要な最新動向や活用のノウハウを抑えておくことが、成功確度の高い戦略・企画立案の大前提となります。

②活用目的の明確化と骨太な戦略の立案

2つ目のポイントは、メタバース店舗を出店する目的の明確化と骨太な戦略の策定です。

現在メタバース活用に取り組む企業には、メタバース活用の取り組みが単発で終わってしまっている企業が見受けられます。

 

その結果、活用のPDCAが回らない、メタバース活用が小粒な施策の1つに留まってしまうなど大きな収益機会の獲得に繋がらないという結果に終わってしまいます。

 

自社の経営課題を踏まえ、「活用によりどのような経営課題を解決したいのか?」「課題解決の打ち手としてなぜメタバースではないといけないのか?」といった明確な活用目的を整理した上で、中長期で目指す事業の姿や自社の強みの活用の仕方などの実現に向けた戦略を立案しましょう。

③ユーザーファーストな企画・UX設計

3つ目のポイントは、自社のターゲットにとってユーザーファーストなメタバース店舗の企画・UX設計です。

現在、多くの企業がメタバースに参入を進めていますが、そのなかには、企業側の都合のみでサービス・体験が設計されたようなメタバースが多く存在します。それらのメタバースは、ユーザーに利用されず、企業の活用の目的を達成できない結果に終わってしまいます。

 

そのため、「メタバースならではの高い体験価値を届けられているか」や「ユーザーの利用にあたっての手間や負担が大きくないか」といった観点を踏まえたUX設計が重要です。

④アジャイルアプローチによるプロジェクトの推進

4つ目のポイントは、アジャイルアプローチによるプロジェクトの推進です。

メタバース市場は今後大きな成長が予想されているものの、いまだ成長期にあり、様々な業界の企業が中長期的な収益最大化に向け、最適な活用を模索している段階にあります。

 

そのため、計画と実行のプロセスを短いスパンで回し、仮説立案・実行・検証・施策立案のサイクルを何度も繰り返すことが、プロジェクトを机上の空論で終わらせないために重要です。

⑤強力な開発・運用体制の構築

5つ目のポイントは、強力なメタバースの開発・運用体制の構築です。

高いユーザー体験と事業性を両立するメタバースの開発とマーケティングを含めた運用を実施しましょう。

 

メタバース開発・運用には幅広い領域の知見や技術スタックが求められるため、外部のベンダーなどを活用し、不足するケイパビリティやリソースを補完することも有効です。

おススメのメタバース店舗出店支援会社3選

おススメのメタバースマーケティング支援会社3選

おススメのメタバース店舗の出店支援会社は以下の3社です。

 

  • クラスター:メタバースプラットフォームclusterを運営
  • メタバース総研:国内最大級の知見に基づき戦略/企画策定から開発・運用まで支援
  • ③ハコスコ:誰でも簡単にバーチャル店舗を開設できるソリューションを提供

 

それぞれの会社の概要やおすすめポイントついて、わかりやすく紹介していきます。

①クラスター:メタバースプラットフォームclusterを運営

クラスター:メタバースプラットフォームclusterを運営
(画像:クラスター)

クラスター株式会社は、メタバースプラットフォームclusterの運営と、同プラットフォームを活用したい企業の支援を行っています。

クラスターの強みとして以下の3点が挙げられます。

  • 1.100万アプリダウンロードを超えるメタバースプラットフォームを運営
  • 2.自社プラットフォームと連携した開発支援
  • 3.cluster上での多数の企業の取り組み支援による知見

1.100万アプリダウンロードを超えるメタバースプラットフォームを運営

運営するclusterはアプリダウンロード数が100万を超えており、多くのユーザーを集めるメタバースプラットフォームとなっています。

 

そのため、より多くのユーザーにリーチしたい企業にとって、clusterの活用は有効な選択肢と言えます。

2.自社プラットフォームと連携した開発支援

clusterは、自社プラットフォーム上にメタバース空間を展開したい企業向けのコンサル・開発支援も行っています。

 

そのため、cluster上でのメタバースサービスの企画・開発の支援におけるスムーズな連携が特徴です。

3.cluster上での多数の企業の取り組み支援による知見

clusterは、これまでに幅広い業界の企業のclusterの活用支援実績を有しています。

 

そのため、企業のcluster活用に関する豊富なノウハウを活かした支援が強みとなっています。

②メタバース総研:国内最大級の知見に基づき戦略/企画策定から開発・運用まで支援

メタバース総研:国内最大級の知見に基づき戦略/企画策定から開発・運用まで支援

メタバース総研は、企業向けのメタバース/XRのコンサルティング・開発を行っている会社です。

  

メタバース総研の強みとして以下の3点が挙げられます。

 

  • 1.国内最大級のメディア運営/豊富なコンサルティング経験による戦略策定力
  • 2.中立的な立場から各社に最適なツール/プラットフォームを選定可能
  • 3.強力なパートナー企業/クリエイターによる総合的な支援力

1.国内最大級のメディア運営/豊富なコンサルティング経験による戦略策定力

メタバース総研 国内最大級のメディア運営/豊富なコンサルティング経験による戦略策定力

メタバース総研は、国内最大級のビジネスに特化したメタバース/XRメディアの運営と幅広い業界の大手企業へのコンサルティング経験を通じた戦略策定力を強みとしています。

 

そのため支援の際は、クライアント企業様の事業の課題・活用の目的を踏まえたメタバース/XRの活用戦略/企画策定を徹底しています。このこだわりが、多くの企業が陥っている”メタバース/XR活用自体の目的化”を防ぎ、成果に繋がる活用を実現します。

2.中立的な立場から各社に最適なツール/プラットフォームを選定可能

メタバース総研 中立的な立場から各社に最適なツール/プラットフォームを選定可能

メタバース総研は、特定のメタバース/XR開発ツールやプラットフォームを有していません。

 

そのため、特定の開発ツールやプラットフォームの活用ありきの支援ではなく、中立的な立場からクライアント企業様のプロジェクト毎に最適なプラットフォームやツールを選定し、支援が可能です。

3.強力なパートナー企業/クリエイターによる総合的な支援

メタバース総研 強力なパートナー企業/クリエイターによる総合的な支援

メタバース総研は、技術領域・ユースケース毎に、業界を代表する実績/ソリューションを有する、12社の企業や38名のクリエイターとパートナーとして協働しています。

 

そのため、クライアント企業様の課題やご要望に合わせ、パートナー企業/クリエイターらとともに最適な各種ソリューションをご提供しています。

 
※メタバース総研は豊富な経験とナレッジに基づき、各社様に合わせた先進事例や具体的な活用アイデアなどの最新ナレッジをご提供させていただいております。 メタバース/XR活用でお困りの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
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③ハコスコ:誰でも簡単にバーチャル店舗を開設できるソリューションを提供

ハコスコ:誰でも簡単にバーチャル店舗を開設できるソリューションを提供
(画像:ハコスコ)

ハコスコは、脳科学をベースにしたワンストップなメタバースソリューション提供会社であり、VRゴーグルや360°カメラ、ECメタバースの提供、メタバース体験・配信・映像作成支援など、幅広いサービスを展開しています。

 

ハコスコは、メタストアというバーチャル空間を運営しています。企業は、メタストア上で、バーチャル店舗を開設したり、ショールームや展示イベントを開催したりすることができます。テンプレートから選ぶだけで簡単にバーチャル店舗を開設することができる点、音声での対話接客ができる点、Shopifyと連携しECショップに誘導できる設計となっている点などが特徴です。

 

料金は、無料プランと月額1万円プランがあります。

 

コストをかけずに手軽にバーチャル店舗を開設したい企業におススメです。

業界別 企業によるメタバース店舗の活用事例5選

業界別 企業によるバーチャル店舗の導入事例5選

業界別の企業によるメタバース店舗の活用事例として、主に以下の5つが挙げられます。

 

  • ①小売業界:三越伊勢丹がメタバース上に百貨店を再現
  • ②アパレル業界:BEAMSがメタバースイベントに仮想店舗を出店
  • ③通信業界:ソフトバンクがメタバースモール「メタパ」にバーチャル店舗を開設
  • ④不動産業界:大和ハウスがメタバース上で自由に見学できる住宅展示場を出店
  • ⑤自動車業界:日産がメタバース上で新車の試乗会を開催

 

それぞれの事例についてわかりやすく紹介していきます。

 

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①小売業界:三越伊勢丹がメタバース上に百貨店を再現

小売業界:三越伊勢丹がメタバース上に百貨店を再現
(画像:三越伊勢丹)

三越伊勢丹は、独自のメタバース上の仮想都市である「レヴ ワールズ」を構築し提供しています。来場者はアバターの姿で、デジタル空間の「バーチャル伊勢丹」での買い物を楽しむことができます。店員のアバターも配置され、チャット機能を使った接客も受けられます。

 

また、メタバース上ではバーチャルファッションショーを楽しんだりや人気格闘漫画『刃牙』シリーズに登場する“地下闘技場”をモデルとしたイベントスペースが設けられ、アバターとなった一部の人気キャラクターに会えたり、関連するデジタルアイテムを入手したりすることもできます。

 

現在は婦人服や食品など180ブランドを扱っていますが、今後は家具や日用品にも対象を広げる方針です。友人のアバターと一緒に会話しながら買い物できるようにするなど機能も強化する予定です。他社がメタバース上で開催されるイベントへの出展が中心のなか、三越伊勢丹は既に独自のメタバース空間を構築・提供しており、小売・百貨店業界のVRショッピングの活用をリードする存在といえます。

 

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②アパレル業界:BEAMSがメタバースイベントに仮想店舗を出店

アパレル業界:BEAMSがメタバースイベントに仮想店舗を出店
(画像:BEAMS)

ファッション大手であるビームスは世界最大のメタバースイベントである「バーチャルマーケット」に4度出展を行っています。バーチャルマーケットとはメタバース上にある会場で、アバターなどのさまざまな 3D アイテムや、リアル商品(洋服、PC、飲食物など)を売り買いでき、日本はもとより世界中から100万人を超える来場者を誇る世界最大のVRイベントです。

 

バーチャルマーケットでは、アバター用の洋服であるデジタルアイテムの販売やライブなどのイベントの開催が行われました。アバター用の洋服であるデジタルアイテムは、ビームスの2022年の秋冬商品を3Dモデルに起こした、Tシャツやワンピースなどの全7種類が販売されました。

 

また、ライブでは池田エライザさんがバーチャルライブを開催し、メタバースに着想を得た新曲の発表も行われました。一方でリアルでの商品販売も行われ、バーチャルマーケットの出展を記念したリアルな洋服の商品もビームスの公式オンラインショップにて販売されました。

 

4度目の参加の際には、関西のショップスタッフも含む約50名の社員が交代でバーチャル接客にあたり、メタバース上での接客を通じてリアル店舗への来客に繋がっている事例も生まれてきているとのことです。

③通信業界:ソフトバンクがメタバースモール「メタパ」にバーチャル店舗を開設

通信業界:ソフトバンクがメタバースモール「メタパ」にバーチャル店舗を開設
(画像:ソフトバンク)

ソフトバンクは、凸版印刷が運営するメタバースショッピングモール「メタパ」において、ソフトバンクショップをオープンしました。

 

ユーザーは、スマートフォンでアプリをダウンロードすると、アバターの姿でソフトバンクショップに来店することができます。ショップ内では、展示されたスマートフォンを好きな角度で見ることができるだけでなく、AR技術を用いて現実世界に表示させることでサイズや色などを確認することができます

 

ショップは24時間365日営業しており、家族や友人とコミュニケーションをとりながら買い物を楽しむことができます。また、リアルの店員がアバターとなり、商品・サービスに関する質問に答えたり、説明をしたりするなど、リアルの店舗と同じようなサービスを受けることができます。

 

さらに、公式オンラインショップとも連携しているため、バーチャルショップ上でスマートフォンを選んでそのまま購入手続きに進むことも可能です。

 

若者に人気のメタバースサービスを販売チャネルとして活用することで、多くの若年層を顧客に取り込もうとする狙いがあると考えられます。

 

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④不動産業界:大和ハウスがメタバース上で自由に見学できる住宅展示場を出店

不動産業界:大和ハウスがメタバース上で自由に見学できる住宅展示場を出店
(画像:大和ハウス)

大和ハウスはアバターを用いて担当者と見学者がコミュニケーションを図りながら仮想空間上の住宅展示場を自由に見学できる「メタバース住宅展示場」を公開しました。ユーザーはスマホやタブレット・PCからメタバースにアクセスでき、最大6名の見学者とともに担当者にリアルタイムに質問や相談を実施することが可能です。

 

メタバース上にある住宅展示場という特徴を活かし地面から屋根の上までさまざまな角度から見学できることに加え、室内では子どもやペットなどの視点でも見学が可能です。 

 

また、見学者が床や壁紙・天井等の色や素材、インテリアなどを瞬時に切り替えて、イメージを検討することもできます。今後、対応する住宅商品ラインナップを拡充していく方針とのことです。

⑤自動車業界:日産がメタバース上で新車の試乗会を開催

自動車業界:日産がメタバース上で新車の試乗会を開催
(画像:日産自動車)

自動車業界では、ディーラーでの試乗会や接客をメタバース上で行い、多くの顧客との接点獲得を狙う取り組みが進んでいます。従来はわざわざ店舗に足を運び、契約書などの手続きを行う必要のあった試乗を、いつでも、どこからでも気軽に体験することができます。

 

日産自動車は、軽電気自動車「日産サクラ」の試乗会をメタバース上で開催しました。試乗会は、世界最大のVR SNS「VRChat」上で行われ、四季を感じられるドライブコースでバーチャルな日産サクラを運転することができました。自分で運転席に座って運転したり、後部座席に座ったりと現実の試乗に近い体験ができ、新車の特徴を立体的に確認することができます。メタバース上での試乗は通常の試乗とは違い、書類での手続きなども不要で、いつでもどこからでも体験可能なのが最大の強みです。

 

同社によると、「今回の取り組みにより営業担当者にアバターの操作経験がないことや、仮想空間でのリアルな商品訴求の難しさが明らかになった」とのこと。今回のような実証を重ねることで、将来的にメタバースのマーケティングのチャネルとしての活用が本格的に進んでいくことが期待されます。

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このナレッジの著者

メタバース総研 代表取締役社長

今泉 響介

株式会社メタバース総研(現・CREX)代表取締役社長。
慶應義塾大学経済学部卒業。学生起業した事業を売却後、日本企業の海外展開/マーケティングを支援する株式会社Rec Loc を創業・社長就任を経て、現職に。メタバースのビジネス活用に特化した国内最大級の読者数を誇るメディア「メタバース総研」の運営やメタバースに関するコンサルティング及び開発サービスの提供を行っている。著書に『はじめてのメタバースビジネス活用図鑑』(中央経済社)

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