業界別の新規事業へのメタバース活用事例5選を紹介【2024年最新】

関連技術の進歩やオンラインコミュニケーション需要の高まりなどを背景とし、今後急速に人々の生活や仕事に普及していくと考えられるメタバース。

メタバースは現状ゲームやエンタメ業界を中心に活用されていますが、今後は業種を問わず、プロモーションや業務効率化など幅広い領域でのビジネス活用が進んでいくと考えられており、様々な業界の企業が相次いでメタバース市場への参入を発表しています。

 

そんななか、メタバースを活用した新規事業を検討している方のなかでも、「既に新規事業にメタバースの活用を進めている企業の取り組みを知りたい」といった方も多いのではないでしょうか?

 

そこで今回は、メタバースを活用した業界別の新規事業をメリットとともにわかりやすくご紹介します。

本記事を読めば、メタバースを活用した新規事業の検討へのヒントが得られると思いますので、ぜひ最後までご一読ください。


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メタバースを新規事業に活用する3つのメリット

メタバースを新規事業に活用する3つのメリット

メタバースを新規事業に活用する代表的なメリットとして以下の3つが挙げられます。

  • ①新たな顧客接点の獲得
  • ②新たな収益源の獲得
  • ③メタバースから得られたデータの活用

それぞれのメリットについてわかりやすく紹介していきます。

 

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①新たな顧客接点の獲得

小売業界:三越伊勢丹が独自メタバース上に百貨店を再現
(画像:三越伊勢丹)

1つ目のメリットは新たな顧客接点の獲得です。メタバース空間にはいつでもどこからでもアクセスできるという特徴があり、コロナウイルス感染拡大の影響で実店舗での顧客との繋がりが希薄化するなか、新たな顧客接点としての活用が期待されています。メタバースの特徴である、3Dのコンテンツで、スタッフが説明しながら商品やサービスを訴求できるという点を活かし、特に今までEC化に苦戦していた業界の企業にとって、貴重なオンラインでの顧客接点になり得ると考えられます。

②新たな収益源の獲得

アパレル業界:アンリアレイジの販売したNFT作品が総額5000万円で落札
(画像:アンリアレイジ)

2つ目のメリットは、新たな収益源の獲得です。メタバース上でのユーザーのゲーム・ライブなどのサービス利用料や利用する武器・アバターなどのデジタルコンテンツへの課金を新たな収益源とすることができます。

その背景として、人々の消費対象がモノからコトにシフトしていることや、メタバースの利用時間増加にあたり、アバターや洋服などのデジタルアセットがより高い価値を持つようになること、NFTを活用することで唯一無二の価値を持ち取引が容易になることなどが挙げられます。

③メタバースから得られたデータの活用

3つ目のメリットは、メタバースから得られたデータの活用による商品・サービスの改善です。メタバース上の人々の行動データはWebサイトやSNS上のものに比べ圧倒的にリッチになると考えられています。メタバース上ではいつ、誰と、どのような行動を取っていたかはもちろん、ウェアラブルデバイスの発展によりどのような感情になっていたかなどの多様なデータを取得できるようになると考えられています。そのため、メタバース上のユーザーに商品やサービスを試してもらい、その反応をデータとして収集することで、商品やサービスの改善につなげることが可能です。

業界別メタバースを活用した新規事業5選

業界別のメタバースを活用した新規事業として以下の5事例が挙げられます。

  • ①小売業界:三越伊勢丹が独自メタバース上に百貨店を再現
  • ②玩具業界:バンダイナムコがファンが交流できるガンダムメタバースを構築へ
  • ③アパレル業界:アンリアレイジの販売したNFT作品が総額5000万円で落札
  • ④エンタメ業界:ぴあがバーチャルライブ向けの独自メタバースを構築
  • ⑤観光業界:ANAがバーチャル旅行プラットフォーム設立を目指す

それぞれの事例についてわかりやすく紹介していきます。

 

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①小売業界:三越伊勢丹が独自メタバース上に百貨店を再現

小売業界:三越伊勢丹が独自メタバース上に百貨店を再現
(画像:三越伊勢丹)

三越伊勢丹は、独自のメタバース上の仮想都市である「レヴ ワールズ」を構築し提供しています。来場者はアバターの姿で、デジタル空間の「バーチャル伊勢丹」での買い物を楽しむことができます。店員のアバターも配置され、チャット機能を使った接客も受けられます。

 

現在は婦人服や食品など180ブランドを扱っていますが、今後は家具や日用品にも対象を広げる方針です。友人のアバターと一緒に会話しながら買い物できるようにするなど機能も強化する予定です。他社がメタバース上で開催されるイベントへの出展が中心のなか、三越伊勢丹は既に独自のメタバース空間を構築・提供しており、小売・百貨店業界のメタバース活用をリードする存在といえます。

 

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②玩具業界:バンダイナムコがガンダムファンが交流できるメタバースを構築へ

玩具業界:バンダイナムコがガンダムファンが交流できるメタバースを構築へ
(画像:バンダイナムコ)

バンダイナムコグループは、2022年4月から掲げる中期ビジョン「Connect with Fans」の重点戦略の1つとして、IPでファンとつながる「IPメタバース」を設定しました。これは、メタバースを介して、バンダイナムコグループとファンのコミュニティを作る仕組みで、その第1弾がガンダムメタバースです。先日のガンダムカンファレンスで流れたイメージ映像では、メタバース上に世界中のガンダムファンが集い、語り合ったり、ライブイベントに参加したりする様子が描かれていました。

 

今後はバンダイナムコグループ以外の企業によるガンダムビジネスへの参入促進やガンダムファンがガンダムを活用したビジネスができる場の提供を目指して事業展開を行っていく予定とのことです。

③アパレル業界:アンリアレイジの販売したNFT作品が総額5000万円で落札

アパレル業界:アンリアレイジの販売したNFT作品が総額5000万円で落札
(画像:アンリアレイジ)

日本を代表するファッションブランドの1つであり、パリコレクションなどへの参加をはたしているアンリアレイジは、メタバース・NFT領域への進出を進めるファッションブランドの代表格と言えます。

同ブランドは2022年3月にVRプラットフォーム「ディセントラランド」を舞台に開催されたファッションイベント「メタバースファッションウィーク」に、日本のファッションブランドとして唯一の参加を果たしています。

 

また、2022年春夏のパリコレクションにて、映画「竜とそばかすの姫」とのコラボ作品をリアルとバーチャルの洋服で発表し、販売したバーチャルの洋服であるNFT作品11点が総額5000万円で落札され、大きなニュースとなりました。

アンリアレイジは2014年からパリコレクションの参加をきっかけに、海外の歴史あるブランドに対抗する方法としてテクノロジーの活用に取り組んできていたため、業界でも早い段階からデジタルファッションへの取り組みを進めていました。

 

同ブランドのデザイナーである森永さんは、洋服のデジタルアセットをNFT化して販売するメリットの1つとしてNFTは二次流通、三次流通でも利益が発行者に還元される仕組みがあり、理論上半永久的にその価値が担保される点を挙げています。

 

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④エンタメ業界:ぴあがバーチャルライブ向けの独自メタバースを構築

エンタメ業界:ぴあがバーチャルライブ向けの独自メタバースを構築
(画像:ぴあ)

ぴあ株式会社は、バーチャルライブプラットフォーム「NeoMe」(ネオミー)をスマートフォンアプリのサービスとして提供開始しました。「NeoMe」は、ユーザーがアバターとなってバーチャル空間に入り、バーチャルライブを中心に、ユーザー同士の交流やアバターのコーディネートを楽しむことができるスマートフォンアプリです。

 

ぴあは、「NeoMe」を通じて、次世代を担う若手パフォーマーに対して、バーチャルを起点とした新たな表現や活動の場を提供しています。ユーザーやファンは、同じ趣味の人とつながる場を提供し、パフォーマーとユーザーの新たなコミュニティづくりを支援します。

バーチャルライブの第1弾となる「NeoMe Live Vol.1」には、ヤバイTシャツ屋さんが出演しました。

⑤観光業界:ANAがバーチャル旅行プラットフォーム設立を目指す

観光業界:ANAがバーチャル旅行プラットフォーム設立を目指す
(画像:ANAホールディングス)

ANAホールディングスは、新会社「ANA NEO」の設立を発表しました。ANA NEOは、インターネット上の仮想空間で様々なアトラクションを体験できる「バーチャル旅行プラットフォーム」SKY WHALEの設立・運営を担当する予定です。2022年内のサービス開始を目指しています。

 

仮想空間での地域コミュニティによる経済発展や社会課題の解決を促進することで、生活者に新たな価値の創造を目指すとのことです。

メタバースを活用した新規事業を成功させる3つのポイント

メタバースを活用した新規事業を成功させる3つのポイント

メタバースを活用した新規事業を成功させるポイントとして以下の3つが挙げられます。

 

  • ①最先端の市場動向・ナレッジのキャッチアップ
  • ②メタバース活用の目的の明確化
  • ③アジャイルなプロジェクトの推進

 

それぞれのポイントの詳細についてはこちらの記事をご覧ください。

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このナレッジの著者

メタバース総研 代表取締役社長

今泉 響介

株式会社メタバース総研(現・CREX)代表取締役社長。
慶應義塾大学経済学部卒業。学生起業した事業を売却後、日本企業の海外展開/マーケティングを支援する株式会社Rec Loc を創業・社長就任を経て、現職に。メタバースのビジネス活用に特化した国内最大級の読者数を誇るメディア「メタバース総研」の運営やメタバースに関するコンサルティング及び開発サービスの提供を行っている。著書に『はじめてのメタバースビジネス活用図鑑』(中央経済社)

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