メタバース×生成AIの5つの可能性とは?事例5選や活用方法も紹介
メタバースと生成AIは、時代を代表する革命的なテクノロジーとして注目を集めています。
この2つの技術を組み合わせることで、仮想キャラクターと自然な会話が可能になったり、リアルで没入感のあるオンラインの世界で生活できるようになるなど、SFのような体験が可能となると言われています。
本記事では、メタバースと生成AIがもたらす5つの可能性について、事例とともにわかりやすくご紹介します。
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目次
メタバース×生成AIがもたらす5つの可能性
メタバースと生成AIの組み合わせがもたらす5つの可能性は以下の通りです。
- ①ワールドやコンテンツ制作の自動化・効率化
- ②同時翻訳による言語の壁を超えたコミュニケーション
- ③仮想キャラクターとのより自然な対話
- ④ユーザーごとにパーソナライズされた体験の提供
- ⑤リアルな空間やオブジェクトによる没入感の向上
それぞれについてわかりやすく紹介していきます。
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①ワールドやコンテンツ制作の自動化・効率化
生成AIは、テキストで指示を出すだけで、文章やイラスト、映像などのコンテンツを自動で作成することができます。
今までは人の手で行っていたワールドの背景や3Dオブジェクトの制作を、生成AIにより自動化し、作業の大幅な効率化を実現します。
ChatGPTのリリースで有名になったOpenAIが2024年2月に発表した動画生成AIのSoraは、物理法則も反映したあまりにもリアルな映像で話題となりました。生成AIにより、本物と見間違うようなリアルなワールドを誰もが制作できる時代が到来すると考えられます。
②同時翻訳による言語の壁を超えたコミュニケーション
生成AIの同時翻訳機能により、世界中のユーザーと言語の壁を超えたコミュニケーションが可能になります。メタバースは、物理的制約がないため世界中からユーザーが集まることができるという魅力がある一方で、ユーザー間の言語の壁が大きな課題でした。
しかし、生成AIによる同時翻訳の精度は年々向上しており、世界中のユーザーがメタバース内で言語の壁を超えて会話できるようになると考えられています。
実際に、Meta社は2022年に200の言語を同時翻訳できるAIの「Babelfish」を開発中と発表しており、メタバース空間での実用化が期待されています。
③仮想キャラクターとのより自然な対話
生成AIによって、メタバース空間内の仮想キャラクターが、人間のような自然なコミュニケーションを取ることができるようになります。
従来型ゲームなどに登場する、プレイヤーが操作しないキャラクター(Non Player Character、NPC)は、あらかじめプログラムされた決まったセリフしか発しないものでした。
これに対し、生成AIにより生み出されたNPCは、まるでプレイヤーが操作しているキャラクターと同じように、ユーザーの言葉を汲み取って自然な会話ができるようになります。
これにより、仮想キャラクターとの会話自体を楽しむという新たな体験が生まれることが期待されます。
④ユーザーごとにパーソナライズされた体験の提供
メタバース内では、ユーザーの全ての行動をデータ化することが可能です。それらのデータを生成AIが自己学習し、ユーザーの行動履歴をもとに、各ユーザーに最適なコンテンツやUIを提供できます。
例えばゲームであれば、ユーザーごとにイベントやキャラクターの会話内容が変わるといった仕掛けを施すことが可能となります。
これにより、メタバースサービスに対するユーザーの満足度やロイヤリティのさらなる向上に繋がります。
⑤リアルな空間やオブジェクトによる没入感の向上
生成AIの自然言語処理や画像生成などの技術によって、現実と見間違うほどのリアリティの高いメタバース空間を構築することができます。また、メタバース内のオブジェクトやキャラクターを生成AIが作成し、現実に近い形で再現することができます。
さらに、ユーザー自身の選択により次に起きる展開が変わるので、各ユーザーがメタバース空間の主人公としての気分を味わいながらサービスを楽しむことができるようになると考えられます。
生成AI×メタバースの活用事例5選
生成AI×メタバースの活用事例として、主に以下の5つが挙げられます。
- ①MetaのProject CAIRaoke:音声によるメタバース構築の実現
- ②NVIDIAのNVIDIA Avatar Cloud Engine for Games:仮想キャラクターとのリアルな会話の実現
- ③GoogleのDreamFusion:テキストを入力して3Dモデルを生成
- ④クラスターのAIエージェント:メタバースプラットフォームclusterに会話型AIを実装
- ⑤KDDIのαU metaverse:AIと会話しながら謎解きをするメタバースゲームイベントを開催
それぞれの事例についてわかりやすく紹介していきます。
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①MetaのProject CAIRaoke:音声によるメタバース構築の実現
Metaは2022年、メタバース用AIアシスタント「Project CAIRaoke」を発表し、その中の「Builder Bot」という機能により音声によるメタバース構築が可能になると明かしています。
Project CAIRaokeは会話型AIと呼ばれるAIで、人間でいう秘書のように音声で相談事を話すとサポートしてくれます。例えば、レストランの予約をAIに頼むこともできます。
また、Builder Botという機能では、メタバース上のオブジェクトの設置やアバターのデザインを声で指示することが可能です。「ヤシの木を置いて」というオブジェクトの指示や、「アバターをゴーギャン風のファッションにして」という指示をするだけで、AIが指示通りに作成してくれます。
将来的にVR/ARデバイスのUIは会話型AIになると考えられており、Apple社も発売予定の「Vision Pro」では音声による操作が可能になると発表しています。
②NVIDIAのNVIDIA Avatar Cloud Engine for Games:仮想キャラクターとのリアルな会話の実現
NVIDIAは2023年5月に「NVIDIA Avatar Cloud Engine for Games(NVIDIA ACE for Games)」を発表し、仮想キャラクターとリアルな人間同士のように会話ができるデモ動画を公開しました。
開発者は、NVIDIA ACE for Gamesを活用してAIモデルを取り込んだゲーム、ソフトウェアを開発することが可能になります。例えばデモ動画では、プレイヤーがゲーム内の仮想キャラクターであるラーメン店の店主と、リアルな人間同士と遜色ない自然な会話を展開する様子が映し出されました。
今までのゲームでは、NPC(Non Player Character)との会話はゲームをクリアするための情報を得ることが主な目的でしたが、今後はNPCとの会話自体も楽しめるようになり、ユーザーにとっての新たな体験価値になると予想されます。
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③GoogleのDreamFusion:テキストを入力して3Dモデルを生成
(動画:Google)
Googleの「DreamFusion」は、テキストを入力するだけで3Dモデルを生成することが可能なツールです。
「ハンバーガー」「木彫りのワシ」といった簡単な指示から、「ろくろの前に座り年度の器を作るリス」「真っ二つに割れた卵の殻とその隣に立つ可愛らしいひよこ」といった複雑な指示まで、AIが3Dモデルに反映してくれます。
DreamFusionの特徴として、生成する3Dモデルのクオリティが高いこと、生成した3Dモデルをテキストによる追加の指示で何度も修正できることが挙げられます。
他にもOpenAIの「Point-E」やNVIDIAの「Magic3D」などもテキストから3Dモデルを作成できるAIツールであり、今後の発展が期待されています。
④クラスターのAIエージェント:メタバースプラットフォームclusterに会話型AIを実装
国内最大級のメタバースプラットフォーム「cluster」を運営するクラスター株式会社は、cluster上で使用できる会話型AI「AIエージェント」を実装することを決定しました。
生成AIを搭載したアバターがメタバース上で会話をするもので、メタバースイベント・展示会での案内や商品・サービスの説明などに活用されることが想定されています。
会話型AIの導入により、クラスターがこれまで開催してきたメタバースイベントがさらにパワーアップすると考えられます。
クラスターは、現在AIエージェントの実装に向けた準備を進めており、2024年3月にリリースを予定しているとのことです。
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⑤KDDIのαU metaverse:AIと会話しながら謎解きをするメタバースゲームイベントを開催
KDDIは、自社が運営するメタバースプラットフォーム「αU metaverse」において、生成AIと会話しながら謎解きをしていく推理ゲームのイベントを開催しました。
プレイヤーは、ある事件の真相を突き止めるために、被害者の生前の記憶を学習した生成AIと音声会話をしながら、犯人を探していきます。
ゲームのルールをすべて把握した生成AIが、プレイヤーがスムーズにゲームを楽しめるように指示・誘導してくれるため、ゲーム初心者でも簡単にプレイを楽しむことができました。
αU metaverseは、今後も生成AIを活用したコンテンツを提供していくとのことです。
生成AI×メタバース活用を成功させるための5つのポイント
企業が生成AI×メタバースの活用を成功させるためのポイントとして以下の5つが挙げられます。
- ①最先端の市場動向・ノウハウのキャッチアップ
- ②活用目的の明確化と骨太な戦略策定
- ③ユーザーファーストなUX設計
- ④アジャイルアプローチによるプロジェクトの推進
- ⑤強力な開発・運用体制の構築
それぞれについて分かりやすく紹介していきます。
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①最先端の市場動向・ノウハウのキャッチアップ
1つ目のポイントは、最先端の市場動向・ノウハウのキャッチアップです。
デバイスの進化やユーザーの動き、各領域の先進事例をキャッチアップし、自社が取り組むべき活用方法や成果に繋がる活用のポイントを押さえた上で活用に着手しましょう。
生成AIやメタバースの活用には取り組むのに一定の予算や工数が必要となるため、自社にとって重要な最新動向や活用のノウハウを抑えておくことが、成功確度の高い戦略・企画立案の大前提となります。
②活用目的の明確化と骨太な戦略の立案
2つ目のポイントは、生成AI・メタバースを活用する目的の明確化と骨太な戦略の策定です。
現在生成AIやメタバースの活用に取り組む企業には、活用の取り組みが単発で終わってしまっている企業が見受けられます。
その結果、活用のPDCAが回らない、生成AI・メタバース活用が小粒な施策の1つに留まってしまうなど大きな収益機会の獲得に繋がらないという結果に終わってしまいます。
自社の経営課題を踏まえ、「活用によりどのような経営課題を解決したいのか?」「課題解決の打ち手としてなぜ生成AI・メタバースではないといけないのか?」といった明確な活用目的を整理した上で、中長期で目指す事業の姿や自社の強みの活用の仕方などの実現に向けた戦略を立案しましょう。
③ユーザーファーストな企画・UX設計
3つ目のポイントは、自社のターゲットにとってユーザーファーストな生成AI・メタバースの企画・UX設計です。
現在、多くの企業が生成AIやメタバース事業に参入を進めていますが、そのなかには、企業側の都合のみでサービス・体験が設計されたようなものが多く存在します。その結果、ユーザーに利用されず、企業の活用の目的を達成できないままに終わってしまうことも少なくありません。
そのため、「生成AI×メタバースならではの高い体験価値を届けられているか」や「ユーザーの利用にあたっての手間や負担が大きくないか」といった観点を踏まえたUX設計が重要です。
④アジャイルアプローチによるプロジェクトの推進
4つ目のポイントは、アジャイルアプローチによるプロジェクトの推進です。
生成AI・メタバース市場は今後大きな成長が予想されているものの、いまだ成長期にあり、様々な業界の企業が中長期的な収益最大化に向け、最適な活用を模索している段階にあります。
そのため、計画と実行のプロセスを短いスパンで回し、仮説立案・実行・検証・施策立案のサイクルを何度も繰り返すことが、プロジェクトを机上の空論で終わらせないために重要です。
⑤強力な開発・運用体制の構築
5つ目のポイントは、強力な生成AI・メタバース開発・運用体制の構築です。
高いユーザー体験と事業性を両立する生成AI・メタバースの開発とマーケティングを含めた運用を実施しましょう。
生成AI・メタバース開発・運用には幅広い領域の知見や技術スタックが求められるため、外部のベンダーなどを活用し、不足するケイパビリティやリソースを補完することも有効です。
生成AI×メタバース活用を進めるための4つのステップ
企業が生成AI×メタバースの活用を進めるステップとして、大きく以下の4つが挙げられます。
- Step1:市場動向・知見のキャッチアップ
- Step2:戦略/企画の立案
- Step3:事業計画の策定
- Step4:開発・運用
それぞれのステップについて分かりやすく紹介していきます。
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Step1:市場動向・知見のキャッチアップ
1つ目のStepとして取り組むべきは、最先端の市場動向・知見のキャッチアップです。MetaやApple、OpenAIなどのビックテックやユーザーの動向・先行活用事例など、日々変化する市場動向やナレッジへのキャッチアップが必要です。
このフェーズが、成果に繋がる骨太な戦略/企画策定の基盤となります。
Step2:戦略/企画の立案
2つ目のStepは生成AI・メタバース活用の戦略/企画です。活用目的を踏まえ、中長期で目指す事業の姿や自社の強みの活用の仕方、実現に向けた企画を立案しましょう。
ユーザーバリューと自社の事業性の両方を満たす、質の高い戦略/企画の立案が、成果につながる生成AI・メタバース活用の実現に向け最も重要なポイントとなります。
Step3:事業計画の策定
3つ目のStepは事業計画の策定です。事業に期待する成果や開発・運用のアプローチやタイムライン、必要な投資額などを検討しましょう。
生成AI・メタバース開発・運用といっても、プロジェクト毎に求められるケイパビリティは様々であるため、自社にマッチするツール・ベンダーの選定が非常に重要です。
Step4:開発・運用
4つ目のStepが開発・運用です。生成AI・メタバース開発・運用には幅広い領域の知見や技術スタックが求められるため、外部のベンダーなどを有効活用し、不足するケイパビリティやリソースを補完しつつ、ユーザーに届けたい体験を実現する生成AI・メタバースの開発とマーケティングを含めた運用を実施しましょう。
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