メタバースのデザインにおススメツール6選|制作手順も解説

MetaのXRヘッドセットのQuestシリーズが累計販売台数2,000万台を突破し、Appleも初のXRデバイスの発売を発表するなど、近年メタバースへの注目はより一層高まっています。

 

一方で、自社でメタバース事業への参入やメタバース活用を検討するにあたって、「そもそもメタバースサービスのデザインをどう進めたらよいか分からない」「メタバースのデザインに必要なスキルや技術を知りたい」という方も多いのではないでしょうか?

 

そこで今回は、メタバースのおススメのデザインツールを、開発の進め方とともに分かりやすくご紹介します。

 

本記事は、以下のような方におすすめの記事となっています。

 

  • メタバースのデザインに必要な技術・ツールを知りたい
  • メタバース開発の進め方の全体像を知りたい

 

本記事を読めば、メタバースのデザインの全体像を一気にキャッチアップできる内容となっておりますので、ぜひ最後までご一読ください。


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目次

メタバースにおけるデザインとは

メタバースにおけるデザインとは Maya
(画像:Maya

メタバースにおけるデザインとは、メタバース空間そのものやメタバース上のあらゆるコンテンツをデザインすることです。単なる2Dのアプリやクリエイティブのデザインだけでなく、メタバースの世界を構成するオブジェクトの制作や空間演出などの3DCGコンテンツの制作も指すことが多いです。

 

デザインはメタバース開発プロセスにおいて上流に位置づけられ、ユーザー体験に直結することからメタバースサービスにおいて非常に重要です。

メタバースのデザインに必要なツール6選

メタバースのデザインに必要なツール6選

メタバースのデザインに必要なツールとしては、大きく3DCGソフトとWebデザインソフトがあります。3DCGソフトはメタバース空間上のコンテンツやアニメーションの作成に、WebデザインソフトはアプリのUI/UXのデザインに利用されます。

具体的なツールとしては以下の6つが挙げられます。

 

<3DCGソフト>

  • ①Maya:世界最大手の3DCGソフト
  • Blender:無料で一通りの機能が利用できる新興3DCGソフト
  • 3ds MAX:Mayaと並ぶプロ向けの大手3DCGソフト

 

<Webデザインソフト>

  • ④Figma:リアルタイムでの共同編集が可能なデザインソフト
  • ⑤Adobe XD:Adobe製品との連携に強みを持つデザインソフト
  • ⑥Sketch:長年の実績を持つmacOS専用のデザインソフト

 

それぞれについてわかりやすく紹介していきます。

 

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3DCGソフト:Maya、Blender、3ds Max

①Maya:世界最大手の3DCGソフト

Maya:世界最大手の3DCGソフト
(画像:AUTODESK)

Mayaは、アメリカのAUTODESK社によって2002年にリリースされた、世界最大手のプロ向け3DCGソフトです。

 

ディズニーを始めとする世界最高峰のクリエイティブ企業にも採用されているなど、3DCGソフトの定番的な存在です。

 

アニメーションやバーチャルエフェクトなどの機能の高さや、初期装備されているツールセットの豊富さ、関連教材などの学習環境の高さなどの特徴により、多くの3DCGデザイナーに長年愛用されています。

②Blender:無料で一通りの機能が利用できる新興3DCGソフト

Blender:無料で一通りの機能が利用できる新興3DCGソフト
(画像:NaN)

Blenderは、オランダのNaN社によって1998年にリリースされた、基本無料で利用できるオープンソースの3DCGソフトです。

 

無料ソフトでありながら、モデリングやアニメーション、シミュレーションなど様々な機能が利用できることやオープンソースであるため、ソースコードが公開されており、世界中の誰でも自由に改良や配布をできる柔軟性などにより、2020年時点での公式サイトへのアクセス数は月間2300万人を記録しています。

 

近年、アップデートが繰り返されており、業界で主流な有料3DCGソフトMayaとも肩を並べるほどの充実した機能を無料で利用できることから、大きな注目を集める3DCGソフトです。

③3ds MAX:Mayaと並ぶプロ向けの大手3DCGソフト

3ds MAX:Mayaと並ぶプロ向けの大手3DCGソフト
(画像:AUTODESK)

3ds MAXは、アメリカのAUTODESK社によって1996年にリリースされた、大手のプロ向け3DCGソフトです。

 

Mayaと比べ、基本的な仕様は似ているものの、3Dモデリングやレンダリング性能の高さや対応するプラグインの豊富さなどが特徴であり、ゲーム開発やXR開発に適しているツールと言えます。そのため、Mayaと同様、長年多くの3DCGデザイナーに長年愛用されているツールです。

 

また、CADソフトとの連携が可能で、建設業界での3DCG作成にも多く活用されています。

Webデザインソフト:Figma、Adobe XD、Sketch

④Figma:リアルタイムでの共同編集が可能なデザインソフト

Figma:リアルタイムでの共同編集が可能なデザインソフト
(画像:Figma)

Figmaは、アメリカのFigma社によって2016年にリリースされた、ブラウザ上でリアルタイムでの共同編集が可能なデザインソフトです。Figmaには、複数人が同時に作業を行えるリアルタイムコラボレーション機能が備わっており、デザインする画面数が多くても効率的に作業を進めることができます。

 

また、Figmaはブラウザ上で利用できるため、専用アプリのインストールは不要です。そのため、OS(Windows・Mac)やデバイスに左右されずに利用できることもメリットとなります。

 

料金無料のスタータープランから始めることができるため、デザイン初心者にとっても利用しやすくなっています。

⑤Adobe XD:Adobe製品との連携に強みを持つデザインソフト

Adobe XD:Adobe製品との連携に強みを持つデザインソフト
(画像:Adobe)

Adobe XDは、アメリカのAdobe社が提供するデザインソフトで、主にWeb・アプリのUIデザイン作成やプロトタイピングに利用されています。他のAdobe製品の「Photoshop」や「Illustrator」と連携しやすい点が強みとなっています。

 

料金については、月額1,298円から利用できるようになっており、7日間の無料トライアルもあります。

⑥Sketch:長年の実績を持つmacOS専用のデザインソフト

Sketch:長年の実績を持つmacOS専用のデザインソフト
(画像:Sketch)

Sketchは、オランダのBohemian Coding社によって2010年にリリースされた、UIデザインソフトです。macOSでのみ利用が可能で、Windowsでの利用は基本的にできません。

 

Sketchは、FigmaとAdobe XDよりも前にリリースされており、長年にわたって世界中の多くのユーザーから利用されています。シンプルな操作性やプラグインが豊富といった特徴があります。

 

料金については、月額9ドルから利用できるようになっており、30日間の無料トライアルもあります。

メタバースを開発するための5つのステップ

メタバースを開発するための5つのステップ

メタバースを自社開発するためのステップとして以下の5つのステップが挙げられます。

 

  • ①メタバースの企画
  • ②サービスの体験設計・デザイン
  • ③開発環境・ツールの選定
  • ④サービスの開発
  • ⑤サービスのテスト・公開

 

それぞれについてわかりやすく紹介していきます。

 

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①メタバースの企画

1つ目のステップは、メタバースの企画です。成果を挙げるメタバース開発を行うには、強力な開発体制の構築はもちろん、自社の目的達成に向け、「どのようなメタバースを開発すべきか」を検討するリサーチと企画のプロセスが極めて重要となります。

 

メタバース開発で成果を上げるためのリサーチ・企画のポイントとして、以下の2点が挙げられます。

 

  • 1. 最先端の市場動向・定石の把握/活用
  • 2. 各社の課題や目的にマッチするメタバース戦略・企画の立案

1. 最先端の市場動向・
定石の把握/活用

近年幅広い業界・用途でのメタバース活用が進む中で、成果が上がっている事例には共通点が存在します。そのため、最新の市場動向やノウハウを抑えることが、成功確度の高い戦略・企画の大前提となります。

2. 各社の課題や目的にマッチするメタバース戦略・企画の立案

メタバースに取り組むこと自体を目的とするのではなく、”事業成長のための有効な手段”としての、自社ならではのメタバース戦略・企画を立案できるかが極めて重要となります。

②サービスの体験設計・デザイン

2つ目のステップは、サービスの体験設計・デザインです。サービスを通して実現したいユーザー体験を設計した後、サービスのUI/UXをデザインします。サービスのUI/UXデザインには、Figma、Adobe XD、Sketchなどのデザインソフトが利用されます。

③開発環境・ツールの選定

開発環境・ツールの選定 Unity
(画像:Unity)

3つ目のステップは、開発環境・ツールの選定です。メタバースを開発する目的・ターゲットとする顧客を明確にした上で、目的に沿った開発環境・ツールを選定しましょう。代表的な開発環境・ツールとしては、3DCGの制作においては「Blender」や「Maya」、VR/ARの開発においては「Unity」や「Unreal Engine」などが挙げられます。

 

メタバース開発の中でも、単にVR/ARのコンテンツを制作したいのか、iOS/Androidで利用できるアプリを開発したいのかによって、利用する開発環境・ツールは異なります。

④サービスの開発

4つ目のステップは、サービスの開発です。実現したいユーザー体験の設計に沿って、実際の開発を行います

 

単にVR/ARのコンテンツを制作したいのであれば簡易なツールでも対応可能な場合がありますが、よりクオリティの高いユーザー体験を実現するためには、「Unity」や「Unreal Engine」を利用してプログラミングを行い、アプリケーションを開発する必要があります。

⑤サービスのテスト・公開

5つ目のステップは、サービスのテスト・公開です。スマホ、タブレット、ヘッドマウントディスプレイなど対象とするデバイスにおいて、バグがないか、表示速度に問題がないかなどをテストします

 

動作に問題がなければ、アプリであればデバイスごとにアプリストアに申請を行い、審査が通ればリリースとなります。

メタバースデザイナーの職種2選

メタバースデザイナーの職種2選

メタバース開発に必要なデザイナーの職種として主に以下の2つが挙げられます。

 

  • ①3DCGデザイナー:メタバース空間やアバターをデザイン
  • ②UI/UXデザイナー:メタバース上での操作や体験を設計

 

それぞれについてわかりやすく紹介していきます。

①3DCGデザイナー:メタバース空間やアバターをデザイン

3DCGデザイナー:メタバース空間やアバターをデザイン
(画像:AUTODESK)

3DCGデザイナーは、3Dコンピュータグラフィックス(3DCG)技術を使用して、メタバース空間やアバターのデザイン・モデリングを行う職種です。

 

メタバース空間の見た目やアバター、アイテム、建築物など、ユーザーの目に触れる部分のデザインを担うため、メタバース開発において重要性の高い職種と言えます。

②UI/UXデザイナー:メタバース上での操作や体験を設計

UI/UXデザイナーとは、UI(ユーザーインターフェース)やUX(ユーザーエクスペリエンス)のデザインに携わる職種です。

 

具体的には、Webアプリやスマホアプリなどのインターフェースをデザインし、ユーザーが使いやすく、直感的に操作できるようなUXの設計を行います。

おすすめのメタバース開発会社3選

おすすめのメタバース活用支援会社3選

おススメのメタバース開発会社は以下の3企業です。

 

  • ①ハシラス:VRコンテンツ専門の開発会社
  • メタバース総研:各社の目的達成に向けた成果に繋がるメタバース/XRを開発
  • ③ハコスコ:脳科学をベースにしたワンストップソリューションの開発・提供

 

それぞれについてわかりやすく解説します。

 

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①ハシラス:VRコンテンツ専門の開発会社

ハシラス:VRコンテンツ専門の開発会社
(画像:ハシラス)

ハシラスは、VRコンテンツ専門の開発会社です。なかでもハイエンドVRデバイスと独自のハードウェア・ソフトウェアを組み合わせたVRアトラクションの企画・開発の実績が豊富です。

 

ハシラスの強みは次の3点です。

 

  • 1.豊富な導入実績・事例と圧倒的な体験ユーザー数
  • 2.オリジナル体感ハードウェアの作成
  • 3.ハイエンドVRの豊富なノウハウ

 

それぞれの強みについてわかりやすく紹介していきます。

1.豊富な導入実績・事例と圧倒的な体験ユーザー数

ハシラスは2014年からVRアトラクションの開発を行なっており、国内外問わず多数の施設にコンテンツを納入しています。多くの実績と、圧倒的な体験ユーザー数から得られるフィードバックにより、豊富な技術・知見を育んでいます。

2.オリジナル体感ハードウェアの作成

VR向けライドなどの体感ハードウェアを自主開発している点がハシラスのコンテンツ開発の特徴であり、良好な体感性やアテンド性、酔い防止などの最新の知見を盛り込んだハードウェアを継続的に開発しています。

3.ハイエンドVRの豊富なノウハウ

ハシラスはハイエンドなVR機器をフル活用した体験価値の高いコンテンツ開発を得意としています。一般的な360度動画と異なり、現実の身体とVR空間が相互作用するコンテンツを実現可能です。アニメやマンガなどのIP活用においても、原作そのままの世界観に体験者自身が入り込んで活躍できるリッチなコンテンツ開発が可能です。

 

ハシラスは、株式会社サンシャインシティや株式会社リクルートテクノロジーズなどのハイエンドVRの開発支援をしています。

②メタバース総研:各社の目的達成に向けた成果に繋がるメタバース/XRを開発

メタバース総研:各社の目的達成に向けた成果に繋がるメタバース/XRを開発

メタバース総研は、企業向けのメタバース/XRのコンサルティング・開発を行っている会社です。

  

メタバース総研の強みとして以下の3点が挙げられます。

 

  • 1.国内最大級のメディア運営/豊富なコンサルティング経験による戦略策定力
  • 2.中立的な立場から各社に最適なツール/プラットフォームを選定可能
  • 3.強力なパートナー企業/クリエイターによる総合的な支援力

1.国内最大級のメディア運営/豊富なコンサルティング経験による戦略策定力

国内最大級のメディア運営/豊富なコンサルティング経験による戦略策定力

メタバース総研は、国内最大級のビジネスに特化したメタバース/XRメディアの運営と幅広い業界の大手企業へのコンサルティング経験を通じた戦略策定力を強みとしています。

 

そのため支援の際は、クライアント企業様の事業の課題・活用の目的を踏まえたメタバースの活用戦略/企画策定を徹底しています。このこだわりが、多くの企業が陥っている”メタバース/XR活用自体の目的化”を防ぎ、成果に繋がる活用を実現します。

2.中立的な立場から各社に最適なツール/プラットフォームを選定可能

中立的な立場から各社に最適なツール/プラットフォームを選定可能

メタバース総研は、特定のメタバース/XR開発ツールやプラットフォームを有していません。

 

そのため、特定の開発ツールやプラットフォームの活用ありきの支援ではなく、中立的な立場からクライアント企業様のプロジェクト毎に最適なプラットフォームやツールを選定し、支援することが可能です。

3.強力なパートナー企業/クリエイターによる総合的な支援

強力なパートナー企業/クリエイターによる総合的な支援

メタバース総研は、技術領域・ユースケース毎に、業界を代表する実績/ソリューションを有する12社の企業や38名のクリエイターとパートナーとして協働しています。

 

そのため、クライアント企業様の課題やご要望に合わせ、パートナー企業/クリエイターらとともに最適な各種ソリューションをご提供しています。

 
※メタバース総研は豊富な経験とナレッジに基づき、各社様に合わせた先進事例や具体的な活用アイデアなどの最新ナレッジをご提供させていただいております。 メタバース/XR活用でお困りの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
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③ハコスコ:脳科学をベースにしたワンストップソリューションの開発・提供

ハコスコ:脳科学をベースにしたワンストップソリューションの開発・提供
(画像:ハコスコ)

ハコスコは、脳科学をベースにしたワンストップなソリューションの開発・提供を行っている企業です。

 

ハコスコの強みは次の3点です。

 

  • 1.仮想現実を使った脳科学の知見
  • 2.手軽にVRを体験できるスマホを使ったVRサービス
  • 3.ハコスコの展開するVRプラットフォーム

 

それぞれの強みについてわかりやすく紹介していきます。

1.仮想現実を使った脳科学の知見

ハコスコの代表取締役 CEO の藤井氏は適応知性および社会的脳機能解明を研究する医学博士・脳科学者であり、「つながる脳」(毎日出版文化賞 受賞)などの書籍も出版しています。また、ハコスコは2014年7⽉に理化学研究所の理研ベンチャー制度により創業された会社です。

2.手軽にVRを体験できるスマホを使ったVRサービス

箱+スコープ=「ハコスコ」の名前のとおり、ダンボールにレンズをつけ、スマートフォンを利用しただけのミニマルなつくりのHMDを提供しており、累計141万台を販売しています。

3.ハコスコの展開するVRプラットフォーム

ハコスコはECメタバース、VRゴーグル、360°カメラを提供しており、VRを体験する・配信をする・映像を作るというVRをワンストップで体験できるプラットフォームを実現しています。

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このナレッジの著者

メタバース総研 代表取締役社長

今泉 響介

株式会社メタバース総研(現・CREX)代表取締役社長。
慶應義塾大学経済学部卒業。学生起業した事業を売却後、日本企業の海外展開/マーケティングを支援する株式会社Rec Loc を創業・社長就任を経て、現職に。メタバースのビジネス活用に特化した国内最大級の読者数を誇るメディア「メタバース総研」の運営やメタバースに関するコンサルティング及び開発サービスの提供を行っている。著書に『はじめてのメタバースビジネス活用図鑑』(中央経済社)

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