ARの小売業界への活用事例15選|5大メリットも紹介
関連技術の進歩やMetaやAppleのデバイス発売などに伴い、多くの企業がARの活用を進めています。
最近では、ARと小売業界との相性の良さから、ARを小売業界の店舗に活用する企業が増えています。
そこで今回は、小売業界へのARの活用事例9選を、活用のメリット、成功のポイントなどとともにわかりやすくご紹介します。
本記事は、以下のような方におすすめの記事となっています。
- 小売店舗へのAR活用を検討している
- 他社による小売業界へのARの活用事例を押さえておきたい
- ARを小売業界に活用するメリットが知りたい
本記事を読めば、小売業界へのAR活用を進める上で押さえておきたい知識を、一気にキャッチアップできる内容となっておりますので、ぜひ最後までご一読ください。
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目次
そもそもARとは?
ARとはAugumeted Realityの略称で、拡張現実とも呼ばれます。リアルの世界にデジタルの情報/コンテンツを視覚的に重ね合わせることで、リアルの世界を拡張する技術のことを指します。ARには、ゴーグルを装着せずに、スマートフォンやタブレットの画面にデジタルの情報/コンテンツを表示させるものも含みます。
ARを活用することで、「Pokemon Go」のように、リアルの街にポケモンが存在するかのようなゲームを楽しんだり、「GoogleMap」のARナビのように、リアルの街に道順を示す矢印などの情報が表示され、スムーズに目的地にたどり着くことができたりと、私たちの暮らしをより豊かに・便利にすることができます。
ARを小売業界に活用する5つのメリット
ARを小売業界のビジネスに活用するメリットとして主に以下の5つが挙げられます。
- ①コロナ禍対策としてのオンラインシフト
- ②幅広い顧客にリーチできる
- ③ARならではの体験により訴求力が向上する
- ④ブランドへのロイヤリティを強化しやすい
- ⑤SNS等でのバズマーケティングに繋がりやすい
それぞれのメリットについてわかりやすく紹介していきます。
①コロナ禍対策としてのオンラインシフト
1つ目のメリットは、コロナウイルス感染拡大防止のための行動制限などの影響で、幅広い業界のマーケティング・プロモーション活動が打撃を受けています。商材によってはオンラインでのプロモーションへのシフトを成功させています。一方で、実物を確認して買いたいという人が多い商材や実店舗でのプロモーションイベントや顧客ひとり一人に寄り添った提案が重要な商材のマーケティングのオンラインシフトは非常に難易度が高く、幅広い業界の企業の課題となっています。
そこで、マーケティングにAR活用することで、実店舗などのリアル空間で行っていたマーケティング施策のオンラインシフトを行うことが可能です。
②幅広い顧客にリーチできる
2つ目のメリットは、幅広い顧客にリーチできるという点です。ARを活用したマーケティングの特徴の1つとして、「いつでも、どこからでもアクセスしてもらえる」という点があります。
従来のリアルな空間でのプロモーションイベントでは、ターゲットとなる人が地理的に大きく制限されているため、一定程度ターゲットが密集している都心部など以外で施策を実施しづらいという課題がありました。そこで、AR上でマーケティング施策を行うことで、幅広い地域のターゲットにリーチすることが可能です。
また、ARを活用することで、従来若者世代との接点獲得に苦戦していた企業・商材のマーケティングを加速させることもできます。ARがデジタルネイティブの比較的若い世代から人気を集めていることや、人気のコンテンツなどとコラボしたりゲーミフィケーションを取り入れたプロモーション施策との相性が良いことから、若者世代の顧客獲得への打ち手としての活用が進んでいくことが考えられます。
③ARならではの体験による訴求力向上
3つ目のメリットは、ARならではの体験による訴求力向上ができるという点です。
マーケティングにARを活用することで、オンラインでの商材の訴求力を向上することができます。訴求力向上に繋がるポイントは大きく2点あります。
1点目は、3Dモデルを活用した訴求力の向上です。顧客が商材や店舗、施設を目の前にしているような体験を提供でき、従来オンラインで商材の魅力が伝わりづらく、オンラインプロモーションに苦戦していた商材の訴求力を向上することができます。
2点目は、ARならではの体験を通じた、新たな購買体験による訴求力の向上です。オンラインでありながら、友人と一緒に買い物が出来る環境を構築したり、リアルでは簡単に提供できない非現実的な体験型のプロモーション施策を低コストで実施したりすることができます。
④ブランドへのロイヤリティを強化しやすい
4つ目のメリットは、ブランドへのロイヤリティを強化しやすいという点です。ARを活用することで新たなブランド体験を提供できるためです。広告・マーケティング活動をWebやSNSで行う場合とAR上で行う場合の最も大きな違いは、ブランドがユーザーに対し3次元の空間上でインタラクションを交えた体験を設計できることです。
そのため、従来は各ブランドがリアルで開催していたイベントや、リアルでは実現の難しいゲーミフィケーションを交えた体験設計などを通じて、ブランドの世界観を体験してもらう取り組みが可能です。
⑤SNS等でのバズマーケティングに繋がりやすい
5つ目のメリットはSNS等でのバズマーケティングに繋がりやすいという点です。ARは他の画像や動画をベースとした一般的なWeb広告と比べ、珍しさがあることや、アニメーションやゲーミフィケーションを取り入れることで、コンテンツとしての魅力があることなどからSNS等でシェアされやすい傾向があります、
そのため、広告宣伝費以上の広告効果が得られたり、SNS上でのトレンドになれば、ユーザーに対し強力なインパクトを残すことができます。
ARの小売業への活用事例15選
ARの小売業への活用事例として代表的なものに、以下の15事例が挙げられます。
化粧業界:資生堂、ZOZOCOSME、花王
- ①資生堂:ARメイクで複数のアイシャドウを試せる
- ②ZOZOCOSME:ARメイクで自分の顔で化粧品を試せる
- ③花王:ヘアカラー剤の色選びサポートにARを活用
飲食業界:ジャックダニエル、ドミノピザ、コカ・コーラ、アサヒビール
- ④ジャックダニエル:歴史や製造方法を学べるAR絵本
- ⑤ドミノピザ:AR上で世界中のチーズをめぐる旅を体験
- ⑥コカ・コーラ:ARを活用したプレゼントキャンペーンを実施
- ⑦アサヒビール:乃木坂46の限定トークがARで楽しめる
家具業界:IKEA、ニトリ、楽天、アイリスオーヤマ、ベガコーポレーション
- ⑧IKEA:自宅の部屋に家具を自由にレイアウトできるサービスを提供
- ⑨ニトリ:家具や設置場所を測定しサイズ違いの不安を解消
- ⑩楽天:楽天市場に家具の試し置き機能を搭載
- ⑪アイリスオーヤマ:複数の家具を同時に試し置きできるサービスの提供
- ⑫ベガコーポレーション:家具ブランドLOWYAにAR機能を搭載
アパレル:RTFKT、NIKE、Warbyparker
- ⑬RTFKT:バーチャルスニーカーが販売開始7分で売上3.2億円を記録
- ⑭NIKE:計測された足のサイズから靴をレコメンド
- ⑮Warbyparker:ARでどこでもメガネを試着できるサービスを提供
それぞれについて、わかりやすく紹介します。
化粧業界:資生堂、ZOZOCOSME、花王
①資生堂:ARメイクで複数のアイシャドウを試せる
資生堂は、自社の総合美容サイト「ワタシプラス」内でARを活用したメイクのシミュレーション機能を導入しました。
様々なブランドのアイシャドウを組み合わせてシミュレーションすることができ、手持ちの商品との相性なども、店舗を訪れずに手軽に確認できます。
②ZOZOCOSME:ARメイクで自分の顔で化粧品を試せる
ZOZOTOWNはZOZOTOWN上のコスメ専門モール「ZOZOCOSME」でバーチャルにメイクアップアイテムを試せる新機能「ARメイク」を提供しています。
ZOZOTOWNの「ARメイク」機能は、商品詳細ページからワンタップで起動し、簡単な操作で顔にメイクを施すシミュレーションを行うことができます。
「ARメイク」機能では、メイクの濃淡を調整したり、メイクのオンオフを切り替えることができ、実際にコスメアイテムを使用した際の色や質感を容易に想像することができます。また、「ARメイク」画面下部の「カートに入れる」ボタンから直接商品の購入に進むことができます。
③花王:ヘアカラー剤の色選びサポートにARを活用
花王は、ヘアカラー材の色選びのサポートにARを活用する取り組みを進めています。
この取り組みにより、従来のリアルな毛束見本を用いたサポートと比較し、いつでもどこでもイメージを確認できたり、毛束見本に使われるプラスチックが削減できたりするなどの成果を上げました。
飲食業界:ジャックダニエル、ドミノピザ、コカ・コーラ、アサヒビール
④ジャックダニエル:歴史や製造方法を学べるAR絵本
ウイスキーメーカーであるジャックダニエルは、自社の歴史やウイスキーの製法を学べるARアプリをリリースしました。
アプリにてウイスキーボトルを読み取ると、ボトル上に飛び出す絵本のような立体的なコンテンツが表示され、楽しみながらジャックダニエルの歴史やウイスキーの製法を学ぶことができます。
このARアプリの提供は、短期的な売上だけでなく、中長期的なブランドへのロイヤリティ向上に向けた効果がある取り組みと言えます。
⑤ドミノピザ:AR上で世界中のチーズをめぐる旅を体験
ドミノピザ社は、AR上で世界のチーズをめぐる旅を体験してもらいながら、チーズピザの購買に繋げるというプロモーションを行いました。
チラシや特設サイトからARカメラ起動ページにアクセスすると、目の前に地球儀が登場し、世界中のチーズの名産地が表示されます。ユーザーは各産地のチーズの特徴や楽しみ方を確認することができました。
⑥コカ・コーラ:ARを活用したプレゼントキャンペーンを実施
コカ・コーラ社は、プレゼントキャンペーンとARを組み合わせたプロモーションを行いました。
キャンペーン期間中に、コカ・コーラのラベルに記載されているQRコードを読み取ると、スマホのカメラ画像に女優の綾瀬はるかさんが登場し、おみくじの結果を教えてくれるというもので、おみくじの結果に合わせて綾瀬はるかさんオリジナルカードやLINEポイントを獲得することができました。
⑦アサヒビール:乃木坂46の限定トークがARで楽しめる
アサヒビールは、缶の記載されたコードを読み取ると、乃木坂46の限定トークがARで楽しめるというプロモーションを行いました。
読み取った缶の下図によって登場するメンバーの数が変化し、全部で20種類以上あるトークがランダムに出現するというゲーミフィケーションも取り入れられており、より多くのビールを買いたくなる仕掛けが施されています。
家具業界:IKEA、ニトリ、楽天、アイリスオーヤマ、ベガコーポレーション
⑧IKEA:自宅の部屋で家具を自由にレイアウト可能
IKEAは自宅の部屋にIKEAの家具をレイアウトしコーディネートできるアプリ「IKEA Studio」を発表しました。IKEA Studioは、LiDARを搭載したiPhone 12 Proおよび12 Pro Max向けのアプリケーションで、部屋の形状を測定し、窓やドアを認識し、必要に応じて家具やオブジェクトを配置し、床に転がっているおもちゃなどのオブジェクトを消したり、白く塗ったりすることも可能です。
また、壁紙の色を変えたり、様々なIKEAの家具を置いたりして、実際にどのように見えるかを確認することができます。複数のオブジェクトを重ねることができるのも特徴です。例えば、ARで表示されるイスの上に、ランプや植木鉢のオブジェを置くことができるのです。IKEA Studioはβ版のみのリリースとなっており、スペインとスウェーデン、韓国のみで利用可能となっています。
⑨ニトリ:家具や設置場所を測定しサイズ違いの不安を解消
ニトリは公式アプリ上で、家具やそれらの設置場所のサイズをスマホのAR機能を使って計測できるサービスを提供しています。顧客はこのサービスを活用することで、家具や家電を選ぶ際に重要なサイズの計測が簡単にできるようになり、サイズ違いの心配をすることなく家具をECで購入できるようになりました。
顧客は公式アプリを起動した状態でスマホカメラで家具や設置場所を撮影すると、大きさなどが記載された画像が生成され、その画像は編集・保存ができメモとしても活用できます。
⑩楽天:楽天市場に家具の試し置き機能を搭載
楽天は、ARで家具を試し置き出来るサービスを提供しています。スマホをかざすだけで家具などのインテリアが自分の部屋にマッチするかを確認することができます。
楽天のECサイトである楽天市場に追加された機能であるため、家具の試し置きをしたユーザーをすぐに購買に誘導できる導線が確保されています。
楽天市場が抱える多くのECユーザーにARサービスを提供することで、購買率の大幅な向上を狙っていると考えられます。
⑪アイリスオーヤマ:複数の家具を同時に試し置きできるサービスの提供
アイリスオーヤマは、ECサイトであるSimple Styleにおいて、ARで家具を試し置きできる機能を追加しました。一度にまとめて3つまで家具を設置することができるため、机といす、本棚とたんすなど複数の家具を同時に配置したときの様子も再現することができます。
アイリスオーヤマのECサイト内の機能であるため、楽天と同様、家具の試し置きをしたユーザーをすぐに購買に誘導できる導線が確保されているといえます。
⑫ベガコーポレーション:家具ブランドLOWYAにAR機能を搭載
ベガコーポレーションは、家具を実寸大で部屋に表示することができるアプリを提供しています。
ベガコーポレーションの家具ブランドLOWYAのサイトに追加された機能であり、デスク、ソファ、テーブル、ベッドなどあらゆる家具の試し置きが可能です。
楽天などと同様、自社のECサイトの購買率向上を狙った施策であると考えられます。
アパレル:RTFKT、NIKE、Warbyparker
⑬RTFKT:バーチャルスニーカーが販売開始7分で売上3.2億円を記録
RTFKT(アーティファクト)は2020年にロンドンで立ち上げられたブランドで、スニーカーを中心にデジタルアセットのデザイン・NFTの販売を行っています。オークションでの多額の販売実績や有名ブランド・アーティストとのコラボなど、メタバース・NFT×デジタルファッションの文脈では圧倒的な存在感を誇っています。
RTFKTの販売するNFTの保有者はスニーカーや洋服をAR上で自身のアバターに着用させられたり、ARを活用して自身が実際にスニーカーを履いているような体験ができたりします。RTFKTが脚光を浴びたのは2021年3月のこと、バーチャルスニーカーNFTのオークションを行い、開始7分で600足、約3.2億円の売上を記録しました。
また、数々のコラボレーションで度々注目を集めており、スポーツファッションブランドのNIKEや、アーティストの村上隆などとのコラボNFTをローンチしており、NFTの購入者はデジタルアセットだけでなく、NFTとリンクした実物の洋服を入手できるなどの取り組みが行われています。
RTFKTは2021年末にNIKEに買収されたことをTwitterで発表し、今後NIKEのケイパビリティを活かし、更なる成長を遂げることが期待されています。
⑭NIKE:計測された足のサイズから靴をレコメンド
Nikeは公式アプリ上で足のサイズを測ることのできる機能である「Nike Fit」を提供しています。Nike Fitは最新のAR技術を使って、わずか数秒で両足の13カ所からデータを収集し、足のサイズや幅などの計測を行うことができます。
計測結果をもとに、ユーザーに最適なシューズがレコメンドされ、サイズ違いで返品しなければならなくなる事態を防ぐことができます。また、このデータはアプリに保存されるので、ナイキの実店舗に行ったときや、オンラインで次のキックを注文するときにも、QRコードを使ってすぐに店員にサイズを伝えることができます。
⑮Warbyparker:ARでいつでもどこでもメガネを試着
アメリカのメガネブランドであるWarbyparkerは、いつでもどこでもARを活用して眼鏡を試着できるサービスを提供しています。
こちらのサービスでは、iPhoneのFace ID等に活用されるカメラ機能を用いて、自分の顔にメガネをかけるとどうなるかをリアルにシミュレーションすることができます。
AR活用を成功に導く5つのポイント
企業がAR活用で成果を上げるためのポイントとして以下の5つが挙げられます。
- ①最先端の市場動向・ノウハウのキャッチアップ
- ②活用目的の明確化と骨太な戦略策定
- ③ユーザーファーストなUX設計
- ④アジャイルアプローチによるプロジェクトの推進
- ⑤強力な開発・運用体制の構築
それぞれについて分かりやすく紹介していきます。
①最先端の市場動向・ノウハウのキャッチアップ
1つ目のポイントは、最先端の市場動向・ノウハウのキャッチアップです。
デバイスの進化やユーザーの動き、各領域の先進事例をキャッチアップし、自社が取り組むべき活用方法や成果に繋がる活用のポイントを抑えた上で活用に着手しましょう。
AR活用には取り組むのに一定の予算や工数が必要となるため、自社にとって重要な最新動向や活用のノウハウを抑えておくことが、成功確度の高い戦略・企画立案の大前提となります。
②活用目的の明確化と骨太な戦略の立案
2つ目のポイントは、ARを活用する目的の明確化と骨太な戦略の策定です。
現在AR活用に取り組む企業には、AR活用の取り組みが単発で終わってしまっている企業が見受けられます。
その結果、活用のPDCAが回らない、AR活用が小粒な施策の1つに留まってしまうなど大きな収益機会の獲得に繋がらないという結果に終わってしまいます。
自社の経営課題を踏まえ、「活用によりどのような経営課題を解決したいのか?」「課題解決の打ち手としてなぜARではないといけないのか?」といった明確な活用目的を整理した上で、中長期で目指す事業の姿や自社の強みの活用の仕方などの実現に向けた戦略を立案しましょう。
③ユーザーファーストな企画・UX設計
3つ目のポイントは、自社のターゲットにとってユーザーファーストなARの企画・UX設計です。
現在、多くの企業がARに参入を進めていますが、そのなかには、企業側の都合のみでサービス・体験が設計されたようなARが多く存在します。それらのARは、ユーザーに利用されず、企業の活用の目的を達成できない結果に終わってしまいます。
そのため、「ARならではの高い体験価値を届けられているか」や「ユーザーの利用にあたっての手間や負担が大きくないか」といった観点を踏まえたUX設計が重要です。
④アジャイルアプローチによるプロジェクトの推進
4つ目のポイントは、アジャイルアプローチによるプロジェクトの推進です。
AR市場は今後大きな成長が予想されているものの、いまだ成長期にあり、様々な業界の企業が中長期的な収益最大化に向け、最適な活用を模索している段階にあります。
そのため、計画と実行のプロセスを短いスパンで回し、仮説立案・実行・検証・施策立案のサイクルを何度も繰り返すことが、プロジェクトを机上の空論で終わらせないために重要です。
⑤強力な開発・運用体制の構築
5つ目のポイントは、強力なAR開発・運用体制の構築です。
高いユーザー体験と事業性を両立するARの開発とマーケティングを含めた運用を実施しましょう。
AR開発・運用には幅広い領域の知見や技術スタックが求められるため、外部のベンダーなどを活用し、不足するケイパビリティやリソースを補完することも有効です。
ARの活用を進めるための4つのステップ
AR活用を進める上では、大きく4つのフェーズと以下の35ステップを抑える必要があります。
<Phase1:業界動向・知見のキャッチアップ>
- ARの基礎知識
- ①ユーザー・企業ができること/メリット
- ②注目を集める背景・歴史
- ③XRデバイス・Web3等の関連テクノロジー
- ④今後の普及・発展への展望
- 市場/ユーザー動向
- ⑤ビックテックなどの戦略・取り組み
- ⑥主要ARプラットフォーム
- ⑦各業界における大手企業の取り組み
- ⑧国内外のユーザーの動向
- AR活用手法・先行事例
- ⑨AR活用手法の全体像
- ⑩自社と類似する業界における国内外の事例
- ⑪自社が検討する活用手法の国内外の事例
<Phase2:戦略/企画の立案>
- 自社が取り得る活用の方向性の洗い出し
- ⑫ターゲットとする経営課題と活用目的の明確化
- ⑬目的達成に向けた活用手法候補の幅出し
- 目的達成に向けた活用の方向性の評価
- ⑭自社の目的に合わせた評価軸の設定
- ⑮評価軸に沿った活用の方向性の評価
- AR戦略の立案
- ⑯自社の強み・アセットの活かし方を検討
- ⑰中長期で目指す姿と企画のコンセプトの立案
- ⑱ビジネスモデルの設計
- 詳細な先行事例ベンチマーク
- ⑲企画コンセプトに類似する国内外の事例ベンチマーク
- ⑳企画の立案・具体化に向けた示唆出し
- 企画の立案・具体化
- ㉑コアターゲット像と提供価値
- ㉒ユーザー体験/コンテンツ案
- ㉓活用チャネル/プラットフォーム案
<Phase3:事業計画の策定>
- 事業計画の策定
- ㉔期待する成果/主要KGI・KPIの設定
- ㉕開発・運用アプローチ(活用ツール・ベンダー等)の設計
- ㉖必要なリソース(コスト・人員等)の算出
- ロードマップ策定
- ㉗開発・運用のタイムラインの設定
- ㉘主要マイルストーンの設定
- ㉙想定されるリスクと対処方法の検討
<Phase4:開発・運用>
- 開発
- ㉚不足するケイパビリティやリソースの補完
- ㉛要件定義・システムの基本設計
- ㉜開発の実行
- 運用
- ㉝ARへの集客/マーケティング
- ㉞運用・保守の実施
- ㉟効果測定と運用方法の見直し
それぞれのフェーズとステップの詳細については以下の記事をご覧ください。
※関連記事:ARを活用した事業を作る方法|全4フェーズと35ステップ
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