ARのマーケティングへの活用事例10選|メリットや注意点も解説
コロナウイルス感染拡大による行動制限の影響で、多くの企業のリアルでのマーケティング活動が大きな打撃を受けています。
そんななか、コカ・コーラやNIKEなど幅広い業界の大手企業がARをマーケティングに活用する動きが注目を集めています。
一方で、「ARマーケティングって聞いたことはあるけどメリットまでは分からない」、「具体的にどのような活用事例があるのか知りたい」という方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、ARのマーケティングへの活用事例やメリット、注意点をわかりやすく紹介します。
本記事をお読みいただければ、ARをマーケティングに活用するためのヒントが得られるかと思いますので、ぜひ最後までご一読ください。
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目次
そもそもAR(拡張現実)とは
ARとはAugumeted Realityの略称で、拡張現実とも呼ばれます。リアルの世界にデジタルの情報/コンテンツを視覚的に重ね合わせることで、リアルの世界を拡張する技術のことを指します。
ARを活用することで、「Pokemon Go」のように、リアルの街にポケモンが存在するかのようなゲームを楽しんだり、「GoogleMap」のARナビのように、リアルの街に道順を示す矢印などの情報が表示され、スムーズに目的地にたどり着くことができたりと、私たちの暮らしをより豊かに・便利にすることができます。
また、ARとVR・MRとの違いは下図をご参照ください。
ARの概要やVR・MRとの違いの詳細についてはこちらの記事をご覧ください。
参照:XR TODAY-What is Augmented Reality? An Introduction to AR Tech
ARをマーケティングに活用する3つのメリット
ARをマーケティングに活用する代表的なメリットとして以下の3つが挙げられます。
- ①SNS等でのバズマーケティングに繋がりやすい
- ②コンバージョン率が高い
- ③ブランドへのロイヤリティを強化しやすい
それぞれのメリットについてわかりやすく紹介していきます。
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①SNS等でのバズマーケティングに繋がりやすい
1つ目のメリットはSNS等でのバズマーケティングに繋がりやすいという点です。ARマーケティングは他の画像や動画をベースとした一般的なWebマーケティングと比べ、珍しさがあることや、アニメーションやゲーミフィケーションを取り入れることで、コンテンツとしての魅力があることなどからSNS等でシェアされやすい傾向があります、
そのため、費用以上のマーケティング効果が得られたり、SNS上でのトレンドになれば、ユーザーに対し強力なインパクトを残すことができます。
②コンバージョン率が高い
2つ目のメリットは、コンバージョン率が高い点です。ARマーケティングは他の画像や動画をベースとした一般的なWebマーケティングと比べ、3Dの立体的なコンテンツで商品を訴求できるため、コンバージョンに繋がりやすいという特徴があります。
また、アパレルや家具など、実物を確認してから商品を購入したいという理由でEC化が遅れている業界での活用は大きなインパクトが期待されています。
③ブランドへのロイヤリティを強化しやすい
3つ目のブランドへのロイヤリティを強化しやすいという点です。ARマーケティングは、見て終わることの多い既存のWebマーケティングと比べ、ゲーミフィケーションなどを取り入れることで、コンテンツを体験してもらうことのできるマーケティング手法であるため、短期的な売上だけでなく、中長期的なブランドへのロイヤリティ向上に向けた効果も期待できます。
ARのマーケティングでの活用事例10選
ARのマーケティング・広告への活用事例として以下の10事例が挙げられます。
- ①ドミノピザ:AR上で世界中のチーズをめぐる旅を体験
- ②コカ・コーラ:ARを活用したプレゼントキャンペーンを実施
- ③アサヒビール:乃木坂46の限定トークがARで楽しめる
- ④ジャックダニエル:歴史や製造方法を学べるAR絵本
- ⑤NIKE:計測された足のサイズから靴をレコメンド
- ⑥Warbyparker:ARでいつでもどこでもメガネを試着
- ⑦資生堂:ARメイクで複数のアイシャドウを試せる
- ⑧ZOZOCOSME:ARメイクで自分の顔で化粧品を試せる
- ⑨花王:ヘアカラー剤の色選びサポートにARを活用
- ⑩Snapchat:世界最大のARSNS上で広告を配信
それぞれの事例についてわかりやすく紹介していきます。
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食品業界:ドミノピザ
①ドミノピザ:AR上で世界中のチーズをめぐる旅を体験
ドミノピザ社は、AR上で世界のチーズをめぐる旅を体験してもらいながら、チーズピザの購買に繋げるというプロモーションを行いました。
チラシや特設サイトからARカメラ起動ページにアクセスすると、目の前に地球儀が登場し、世界中のチーズの名産地が表示されます。ユーザーは各産地のチーズの特徴や楽しみ方を確認することができました。
飲料業界:コカ・コーラ、アサヒビール、ジャックダニエル
②コカ・コーラ:ARを活用したプレゼントキャンペーンを実施
コカ・コーラ社は、プレゼントキャンペーンとARを組み合わせたプロモーションを行いました。
キャンペーン期間中に、コカ・コーラのラベルに記載されているQRコードを読み取ると、スマホのカメラ画像に女優の綾瀬はるかさんが登場し、おみくじの結果を教えてくれるというもので、おみくじの結果に合わせて綾瀬はるかさんオリジナルカードやLINEポイントを獲得することができました。
③アサヒビール:乃木坂46の限定トークがARで楽しめる
アサヒビールは、缶の記載されたコードを読み取ると、乃木坂46の限定トークがARで楽しめるというプロモーションを行いました。
読み取った缶の下図によって登場するメンバーの数が変化し、全部で20種類以上あるトークがランダムに出現するというゲーミフィケーションも取り入れられており、より多くのビールを買いたくなる仕掛けが施されています。
④ジャックダニエル:歴史や製造方法を学べるAR絵本
ウイスキーメーカーであるジャックダニエルは、自社の歴史やウイスキーの製法を学べるARアプリをリリースしました。
アプリにてウイスキーボトルを読み取ると、ボトル上に飛び出す絵本のような立体的なコンテンツが表示され、楽しみながらジャックダニエルの歴史やウイスキーの製法を学ぶことができます。
このARアプリの提供は、短期的な売上だけでなく、中長期的なブランドへのロイヤリティ向上に向けた効果がある取り組みと言えます。
アパレル:NIKE、Warbyparker
⑤NIKE:計測された足のサイズから靴をレコメンド
Nikeは公式アプリ上で足のサイズを測ることのできる機能である「Nike Fit」を提供しています。Nike Fitは最新のAR技術を使って、わずか数秒で両足の13カ所からデータを収集し、足のサイズや幅などの計測を行うことができます。
計測結果をもとに、ユーザーに最適なシューズがレコメンドされ、サイズ違いで返品しなければならなくなる事態を防ぐことができます。また、このデータはアプリに保存されるので、ナイキの実店舗に行ったときや、オンラインで次のキックを注文するときにも、QRコードを使ってすぐに店員にサイズを伝えることができます。
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⑥Warbyparker:ARでいつでもどこでもメガネを試着
アメリカのメガネブランドであるWarbyparkerは、いつでもどこでもARを活用して眼鏡を試着できるサービスを提供しています。
こちらのサービスでは、iPhoneのFace ID等に活用されるカメラ機能を用いて、自分の顔にメガネをかけるとどうなるかをリアルにシミュレーションすることができます。
化粧品:資生堂、ZOZOCOSME
⑦資生堂:ARメイクで複数のアイシャドウを試せる
資生堂は、自社の総合美容サイト「ワタシプラス」内でARを活用したメイクのシミュレーション機能を導入しました。
様々なブランドのアイシャドウを組み合わせてシミュレーションすることができ、手持ちの商品との相性なども、店舗を訪れずに手軽に確認できます。
⑧ZOZOCOSME:ARメイクで自分の顔で化粧品を試せる
ZOZOTOWNはZOZOTOWN上のコスメ専門モール「ZOZOCOSME」でバーチャルにメイクアップアイテムを試せる新機能「ARメイク」を提供しています。
ZOZOTOWNの「ARメイク」機能は、商品詳細ページからワンタップで起動し、簡単な操作で顔にメイクを施すシミュレーションを行うことができます。
「ARメイク」機能では、メイクの濃淡を調整したり、メイクのオンオフを切り替えることができ、実際にコスメアイテムを使用した際の色や質感を容易に想像することができます。また、「ARメイク」画面下部の「カートに入れる」ボタンから直接商品の購入に進むことができます。
日用品:花王
⑨花王:ヘアカラー剤の色選びサポートにARを活用
花王は、ヘアカラー材の色選びのサポートにARを活用する取り組みを進めています。
この取り組みにより、従来のリアルな毛束見本を用いたサポートと比較し、いつでもどこでもイメージを確認できたり、毛束見本に使われるプラスチックが削減できたりするなどの成果を上げました。
業界横断:Snapchat
⑩Snapchat:世界最大のARSNS上で広告を配信
Snapchat上でのAR広告は様々な業界の大手企業により活用されています。
Snapchatとは、ARを活用した画像・動画投稿が楽しめるSNSで、10~20代の若者を中心に人気を集めており、米国を中心に3億人を超えるアクティブユーザーを抱えています。
Snapchatの広告を活用する企業の例として、DiorやGUCCI、PRADAなどが挙げられます。
Snapchatを活用したプロモーションは、他のSNSでの広告と比べ、立体的なコンテンツで訴求できる点やゲーミフィケーションを取り入れられる点などが特徴であり、注目を集めています。
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ARをマーケティング・広告に活用する際の2つの注意点
ARマーケティングの活用を検討する際に注意すべき点として以下の2つが挙げられます。
- ①ARでしかできない体験が設計できているか
- ②ユーザーの手間・負担が大きくないか
それぞれの注意点についてわかりやすく紹介していきます。
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①ARでしかできない体験が設計できているか
1つ目の注意点は、ARでしかできない体験が設計できているかです。なんとなく流行っているからARをマーケティング活用してみようといった流れで、ARの特徴が活かせていない体験を設計してしまうと、従来のWebマーケティングと比べ、制作費が高く、ユーザーの負担も大きいという結果になりかねません。「カメラの先の物理空間上に3Dの情報を付与できる」という特徴を最大限生かした体験設計・企画が重要になります。
②ユーザーの手間・負担が大きくないか
2つ目の注意点は、ユーザーの手間・負担が大きくないかという点です。一般的にユーザーがARを体験する際は、QRコードを読み取ったり、ARコンテンツを操作したりと、従来のWebマーケティングに比べユーザーに求める手間が大きい傾向にあります。そのため、ユーザーの体験したいというインセンティブを高める企画や体験の手間を最小限に抑えるUI/UX設計が重要になります。
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