AR(拡張現実)とは何か?VRや今話題のメタバースとの違いは?

AR拡張現実とは何か?

FacebookのMetaへの社名変更をきっかけに、メタバースやVR/ARの活用が様々な業界で注目を集めています。

 

一方で、「ARのなんとなくのイメージできるが、VRやメタバースとの明確な違いは理解できていない」という方も多いのではないでしょうか?

 

そこで今回は、ARとVR、メタバースの違いを解説いたします。

本記事を読めばAR、VR、メタバースの違いが具体的に理解でき、活用の第一歩となるかと思いますので、ぜひ最後までご一読ください。


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ARとは

ARとはAugumeted Realityの略称で、拡張現実とも呼ばれます。リアルの世界にデジタルの情報/コンテンツを視覚的に重ね合わせることで、リアルの世界を拡張する技術のことを指します。

 

ARを活用することで、「Pokemon Go」のように、リアルの街にポケモンが存在するかのようなゲームを楽しんだり、「GoogleMap」のARナビのように、リアルの街に道順を示す矢印などの情報が表示され、スムーズに目的地にたどり着くことができたりと、私たちの暮らしをより豊かに・便利にすることができます。

ARとVR・MR・メタバースの違い

ARとVR・MR・メタバースの違い

ARとVRの違い

VRとはVirtual Realityの略称で、仮想現実とも呼ばれます。

最先端の3DモデリングやVRデバイスなどの技術により、まるでその世界に入り込んでいるかのように感じられる、デジタル上の仮想空間を提供する技術のことを指します。

Meta Quest2などのVRゴーグルやスマホの専用アプリからアクセスすることができます。

 

VRはARと同時に紹介されることが多いのですが、両者は異なる概念です。

ARはリアルの世界がベースで、視覚・音声などの情報を新たに追加する技術であるのに対し、VRはあくまでデジタル上の仮想空間がベースで、まるでその世界に入り込んでいるような感覚を提供する技術です。

ARとMRとの違い

MRとはMixed Realityの略称で、複合現実とも呼ばれます。

ARとVRを融合させたような概念で、リアルの世界にデジタルのオブジェクト(情報/コンテンツ)が表示された上で、手などを使ってオブジェクトを直観的に操作できる技術のことを指します。名称の通り、現実世界と仮想世界がミックスされたような体験をすることができます。

 

MRもARと同時に紹介されることが多いのですが、両者は似ているものの異なる概念です。

MRではリアルの世界の上に重ねられたデジタルのオブジェクトを、直観的に操作できるのに対し、ARでは操作することができません。

ARとメタバースの違い

ARとメタバースの違い

メタバースとは、人々がコミュニケーションや経済活動を行うことができる三次元の仮想空間のことを指します。ユーザーは自身の分身であるアバターを操作して、三次元の仮想空間内を移動し、他のユーザーと交流します。

そのため、現在提供されているARサービスではアバターを介したユーザー同士の活発な交流や経済活動は見られず、一方的な情報の取得がメインであるため、メタバースとは異なる概念と言えます。

 

しかし、将来的にAR上でユーザー同士の交流が活発に行われるよう進化していけば、メタバースの一種として捉えることもできるかもしれません。

 

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ARの仕組み

ARの仕組み

ARは位置合わせの仕組みの観点で、ロケーションベースARとビジョンベースARの大きく2つに分類されます。

ロケーションベースARとは

ロケーションベースARとは、GPSや加速度センサーからユーザーの位置や向きを特定し、デジタルオブジェクトを表示させるARのことを指します。

 

ロケーションベースARの主なメリットとしては、電波が届くところからならどこからでも手軽に利用できる点が挙げられます。

一方で、主なデメリットとしてはGPSの精度には限界があり、オブジェクトを数センチ単位の精度でピッタリ表示することが難しい点が挙げられます。

ビジョンベースARとは

ビジョンベースARとは、デバイスのカメラが捉えた画像情報からユーザーの位置や向きを特定し、デジタルオブジェクトを表示させるARのことを指します。

 

また、捉える画像情報の種類によって細分化ができ、事業者が事前に準備したQRコードなどを読み取らせるマーカー型ビジョンベースARと空間や物体をそのまま読み取らせるマーカーレス型ビジョンベースARが存在します。

 

マーカー型ビジョンベースARの主なメリットとしては、位置合わせの精度が他の仕組みと比べ非常に高い点が挙げられます。

一方で、主なデメリットとしては物理的なマーカーを準備・普及させる手間や難しさが挙げられます。

 

マーカーレス型ビジョンベースARの主なメリットとしては、マーカーなどを用いずに高精度な位置合わせが出来る点が挙げられます。

一方で、主なデメリットとしては、膨大な街の景観データや高度な画像認識技術が必要となることが挙げられます。

企業のARの活用事例12選

ARのビジネスへの活用事例の代表的なものとして以下の12事例が挙げられます。

 

  • 家具業界:IKEA、ニトリ
  • 不動産業界:東急住宅リース、不動産SHOPナカジツ
  • 食品業界:ジャックダニエル、ドミノピザ
  • アパレル業界:NIKE、Warbyparker
  • 化粧品業界:資生堂、ZOZOCOSME
  • 日用品業界:花王
  • 物流業界:DHL

 

それぞれの事例についてわかりやすく紹介していきます。

 

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家具業界:IKEA、ニトリ

①IKEA:自宅の部屋にIKEAの家具を自由にレイアウト

IKEA:自宅の部屋にIKEAの家具を自由にレイアウト
(画像:IKEA)

IKEAは自宅の部屋にIKEAの家具をレイアウトしコーディネートできるアプリ「IKEA Studio」を発表しました。IKEA Studioは、LiDARを搭載したiPhone 12 Proおよび12 Pro Max向けのアプリケーションで、部屋の形状を測定し、窓やドアを認識し、必要に応じて家具やオブジェクトを配置し、床に転がっているおもちゃなどのオブジェクトを消したり、白く塗ったりすることも可能です。

 
また、壁紙の色を変えたり、様々なIKEAの家具を置いたりして、実際にどのように見えるかを確認することができます。また、オブジェクトを重ねることができるのも特徴です。例えば、ARで表示されるイスの上に、ランプや植木鉢のオブジェを置くことができるのです。IKEA Studioはβ版のみのリリースとなっており、スペインとスウェーデン、韓国のみで利用可能となっています。

②ニトリ:家具や設置場所を測定しサイズ違いの不安を解消

ニトリ:家具や設置場所を測定しサイズ違いの不安を解消
(画像:ニトリ)

ニトリは公式アプリ上で、家具やそれらの設置場所のサイズをスマホのAR機能を使って計測できるサービスを提供しています。顧客はこのサービスを活用することで、家具や家電を選ぶ際に重要なサイズの計測が簡単にできるようになり、サイズ違いの心配をすることなく家具をECで購入できるようになりました。

 

顧客は公式アプリを起動した状態でスマホカメラで家具や設置場所を撮影すると、大きさなどが記載された画像が生成され、その画像は編集・保存ができメモとしても活用できます。

不動産業界:東急住宅リース、不動産SHOPナカジツ

③東急住宅リース:内見にARを活用

東急住宅リース:内見にARを活用
(画像:東急住宅リース)

東急住宅リースは、同社が管理する賃貸マンションにおいて、ARを活用した内見サービス「AR内見」の実証実験を開始しました。同社では、内見客に本サービスを利用してもらい、成約が増えれば本格的な導入に踏み切る考えです。x garden社のメガネ型デバイス「AR glasses」を使い、家具などのバーチャル映像を内見する部屋に重ね合わせることで、家具のレイアウトや入居後の生活スタイルがイメージしやすくなります。

 

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④不動産SHOPナカジツ:これから建つ家をARで確認

不動産SHOPナカジツ:これから建つ家をARで確認
(画像:不動産SHOPナカジツ)

愛知県岡崎市で戸建住宅を販売する株式会社不動産SHOPショップナカジツは、お客様が検討している住宅が建設後にどのようになるかをイメージしやすいように、ASATEC株式会社の「build+」サービスを採用しました。販売前の未開発の土地に、現在の分譲地の様子をイメージした画像を重ねることで、着工前のお客様に新しい住まいのイメージをより鮮明にお伝えすることができます。広さや間取りのイメージを着工前にお客様にシェアすることが可能なため、購買意欲の促進が期待されています。

食品業界:ジャックダニエル、ドミノピザ

⑤ジャックダニエル:歴史や製造方法を学べるAR絵本

Jack Daniel's | Augmented Reality
(動画:ジャックダニエル)

ウイスキーメーカーであるジャックダニエルは、自社の歴史やウイスキーの製法を学べるARアプリをリリースしました。

アプリにてウイスキーボトルを読み取ると、ボトル上に飛び出す絵本のような立体的なコンテンツが表示され、楽しみながらジャックダニエルの歴史やウイスキーの製法を学ぶことができます。

 

このARアプリの提供は、短期的な売上だけでなく、中長期的なブランドへのロイヤリティ向上に向けた効果がある取り組みと言えます。

⑥ドミノピザ:AR上で世界中のチーズをめぐる旅を体験

ドミノ・ピザ l ワールド10チーズ・クワトロ – ドミノ ”世界のチーズをめぐる旅”AR​ 体験動画
(動画:ドミノピザ)

ドミノピザ社は、AR上で世界のチーズをめぐる旅を体験してもらいながら、チーズピザの購買に繋げるというプロモーションを行いました。

 

チラシや特設サイトからARカメラ起動ページにアクセスすると、目の前に地球儀が登場し、世界中のチーズの名産地が表示されます。ユーザーは各産地のチーズの特徴や楽しみ方を確認することができました。

アパレル業界:NIKE、Warbyparker

⑦NIKE:計測された足のサイズから靴をレコメンド

NIKE:計測された足のサイズから靴をレコメンド
(画像:NIKE)

Nikeは公式アプリ上で足のサイズを測ることのできる機能である「Nike Fit」を提供しています。Nike Fitは最新のAR技術を使って、わずか数秒で両足の13カ所からデータを収集し、足のサイズや幅などの計測を行うことができます。

 

計測結果をもとに、ユーザーに最適なシューズがレコメンドされ、サイズ違いで返品しなければならなくなる事態を防ぐことができます。また、このデータはアプリに保存されるので、ナイキの実店舗に行ったときや、オンラインで次のキックを注文するときにも、QRコードを使ってすぐに店員にサイズを伝えることができます。

 

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⑧Warbyparker:ARでいつでもどこでもメガネを試着

Warbyparker:ARでいつでもどこでもメガネを試着
(画像:Warbyparker)

アメリカのメガネブランドであるWarbyparkerは、いつでもどこでもARを活用して眼鏡を試着できるサービスを提供しています。

 

こちらのサービスでは、iPhoneのFace ID等に活用されるカメラ機能を用いて、自分の顔にメガネをかけるとどうなるかをリアルにシミュレーションすることができます。

化粧品業界:資生堂、ZOZOCOSME

⑨資生堂:ARメイクで複数のアイシャドウを試せる

資生堂:ARメイクで複数のアイシャドウを試せる
(画像:資生堂)

資生堂は、自社の総合美容サイト「ワタシプラス」内でARを活用したメイクのシミュレーション機能を導入しました。

 

様々なブランドのアイシャドウを組み合わせてシミュレーションすることができ、手持ちの商品との相性なども、店舗を訪れずに手軽に確認できます。

⑩ZOZOCOSME:ARメイクで自分の顔で化粧品を試せる

ZOZOCOSME:ARメイクで自分の顔で化粧品を試せる
(画像:ZOZOCOSME)

ZOZOTOWNはZOZOTOWN上のコスメ専門モール「ZOZOCOSME」でバーチャルにメイクアップアイテムを試せる新機能「ARメイク」を提供しています。
ZOZOTOWNの「ARメイク」機能は、商品詳細ページからワンタップで起動し、簡単な操作でにメイクを施すシミュレーションを行うことができます。

 

「ARメイク」機能では、メイクの濃淡を調整したり、メイクのオンオフを切り替えることができ、実際にコスメアイテムを使用した際の色や質感を容易に想像することができます。また、「ARメイク」画面下部の「カートに入れる」ボタンから直接商品の購入に進むことができます。

日用品業界:花王

⑪花王:ヘアカラー剤の色選びサポートにARを活用

花王:ヘアカラー剤の色選びサポートにARを活用
(画像:花王)

花王は、ヘアカラー材の色選びのサポートにARを活用する取り組みを進めています。

この取り組みにより、従来のリアルな毛束見本を用いたサポートと比較し、いつでもどこでもイメージを確認できたり、毛束見本に使われるプラスチックが削減できたりするなどの成果を上げました。

 

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物流業界:DHL

⑫DHL:倉庫でのピッキング作業の効率化

DHL:倉庫でのピッキング作業の効率化
(画像:DHL)

ドイツの大手物流企業のDHL社はグーグルのスマートグラス「Glass Enterprise Edition 2」を倉庫での配送業務に導入しています。従業員はピッキング作業の現場でグラス型デバイスを着用することで、適宜必要な情報を確認することができます。荷物を持ったまま視線を移動させる必要がないため、作業の精度と効率の向上に繋がります。

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このナレッジの著者

メタバース総研 代表取締役社長

今泉 響介

慶應義塾大学経済学部卒業。学生起業した事業を売却した後、日本企業の海外マーケティングを支援する株式会社Rec Loc を設立して代表取締役社長に就任。メタバースのビジネス活用を支援するメタバース総研を設立して代表取締役社長に就任。

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