【2024年最新】AR開発/活用に必要な7つの技術や仕組みを紹介

関連技術の進歩などを背景とし、今後急速に人々の生活や仕事に普及していくと考えられるARですが、様々な業界の企業が自社のビジネスへの活用を進めています。

 

一方で、「ARを活用するのに必要な技術を知りたい」という方も多いのではないでしょうか?

 

そこで、今回はARの開発・活用に必要な7つの要素技術を分かりやすく解説します。

本記事を読めば、ARを構成する技術の全体像を効率良くキャッチアップできると思いますので、ぜひ最後までご一読ください。


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そもそもAR(拡張現実)とは

そもそもAR(拡張現実)とは VR,MRとの違い

ARとはAugumeted Realityの略称で、拡張現実とも呼ばれます。リアルの世界にデジタルの情報/コンテンツを視覚的に重ね合わせることで、リアルの世界を拡張する技術のことを指します。

 

ARを活用することで、「Pokemon Go」のように、リアルの街にポケモンが存在するかのようなゲームを楽しんだり、「GoogleMap」のARナビのように、リアルの街に道順を示す矢印などの情報が表示され、スムーズに目的地にたどり着くことができたりと、私たちの暮らしをより豊かに・便利にすることができます。

 

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ARを構成する4つの技術カテゴリと7つの要素技術

ARを構成する4つの技術カテゴリと7つの要素技術

AR体験を構成する技術カテゴリとして以下の4つが挙げられます。

 

  • 1.デバイス
  • 2.3Dコンテンツ
  • 3.空間認識
  • 4.通信

 

また、ARを構成する要素技術として以下の7つが挙げられます。

 

  • ①ディスプレイ
  • ②バッテリー
  • ③プロセッサー
  • ④3Dモデリング
  • ⑤空間構造データ
  • ⑥自己位置認識
  • ⑦5G

 

それぞれについてわかりやすく紹介していきます。

 

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1.ARデバイス

ARデバイス Meta
(画像:Meta)

MetaQuestやPlaystation ARに代表されるようなARヘッドマウントディスプレイの進化は、ARの発展において最も重要なファクターの1つです。近年様々な要素技術の発展により、「より没入感のある体験」を「より身体的な負担が少なく楽しめる」デバイスが登場し始めています。

①ディスプレイ

ARデバイスに搭載されるディスプレイ技術の発展は、AR空間により没入しているような体験の実現に繋がっています。具体的にはディスプレイの解像度や反応速度、色合いなど様々な要素の発展が、ARへの没入感を増大させ、体験価値を大きく向上させています。

②バッテリー

ARデバイスに搭載されるバッテリー技術の発展は、AR空間にアクセスする負担を減らし、長時間アクセスし続けることを可能にしています。スマホなどのデバイスにも言えることですが、バッテリーの小型化・軽量化により、ユーザーが長時間利用し続けることが可能になりつつあります。

③プロセッサー

ARデバイスに搭載されるプロセッサー技術の発展は、AR空間における体験の質の向上とアクセスの負担軽減に繋がっています。具体的には、プロセッサーの性能の進化に伴い、デバイスからアクセスするAR空間のコンテンツの解像度や処理速度の向上が進んでいます。また、プロセッサーの小型化・軽量化に伴い、デバイスをPCにコードで接続することのない、小型・軽量のスタンドアロン型のデバイスが登場しています。

 

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2.3Dコンテンツ作成

3Dコンテンツ作成技術の進化は、ARの発展において非常に重要なファクターです。AR上に存在するモノやヒトを、よりリアルかつ簡単に作成することができるツールの開発・普及により、多くの企業やクリエイターがAR空間自体やコンテンツを制作する環境が整ってきています。

④3Dモデリング

3Dモデリング Unity
(画像:unity)

3Dモデリングとは、3Dモデルと呼ばれる、3次元のオブジェクトをソフトウェアを使用して作成することを指します。

3Dモデリング技術の発展は、AR空間上のコンテンツの質と量の向上に繋がっています。

 

近年ゲーム向けを中心に、3Dモデル制作ツールが発展したきたことにより、3Dモデルを用いたコンテンツが広く普及しました。3Dモデル制作ツールの代表例として、「Unity」や「Maya」、「Blender」などが存在し、これらは高度なプログラミングを用いずに利用することができるため、3Dモデルを取り扱えるクリエイターや企業の数が増えたことが、3Dモデルを用いたコンテンツが広く普及してきた背景の1つです。

 

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3.空間認識

空間認識技術の発展は、メタバースを次のレベルに大きく飛躍させる可能性を秘めています。現状メタバースとして広く利用されているのは、完全な仮想空間をベースとするVRメタバースです。一方で、今後はリアルの世界とバーチャルの世界が融合したAR/MRメタバースが発展していくと考えられています。そこで必要になるのが、空間認識の技術です。リアルとバーチャルの世界を融合させるためには、リアルの世界のデータとユーザーがどのような場所にいるのか特定する技術が非常に高い精度で求められます。

⑤空間構造データ

空間構造データ 国土交通省
(画像:国土交通省)

空間構造データとは、現実世界の土地や建物などの3Dデータのことです。空間構造データが整備されることで、現実世界と紐づいたメタバース(AR/MRメタバース)が実現されています。

 

空間構造データは企業や政府が整備を進めており、代表的なプレイヤーとしてはGoogleMapによる大量の地図データを有するGoogleや、日本の国土交通省等が挙げられます。

 

国土交通省は2020年度から「Project PLATEAU(プロジェクトプラトー)」という、スマートシティをはじめとする都市開発のDX化を目的とし、都市の3Dモデルの整備・活用を推進するプロジェクトを進めています。地方自治体や民間企業を巻き込みながら、全国の3D都市モデルのデータ整備、ユースケース開発、3D都市モデルの整備・利活用ムーブメントの惹起とオープンデータ化に取り組んでいます。

⑥自己位置認識

自己位置認識技術とは、デバイスが世界のどの位置にあるかをリアルタイムで計測する技術の事です。自己位置認識技術の発展により、現実世界と紐づいたメタバース(AR/MRメタバース)が実現されています。自己位置認識には大きく、SLAMとVPSのいずれかの技術が用いられます。

 

SLAM マクニカ
(画像:マクニカ)

SLAMは「Simultaneous Localization and Mapping」の略で、地図データと位置情報の特定によって、自分がどこにいるのか、周辺環境はどのようなものなのかを判断する技術の事です。強みとしてはGPSをベースにしているため、世界中幅広いエリアをカバーできるという点が挙げられます。

 

VPS ナイアンティック
(画像:ナイアンティック)

VPSは、「Visual Positioning Service」の略で、スマホ等のカメラから得られた画像情報を基に、自分がどこにいるのか、どちらを向いているのかなどを判断する技術の事です。

 

強みとしては、SLAMに比べ、数センチ単位での正確な位置特定ができる点と、屋外だけでなく屋内の位置特定ができる点が挙げられます。一方で、VPSサービスを利用するには、対象エリアの画像情報を大量に収集する必要があり莫大なコストがかかります。将来的な本格活用を見据え、大量の地図データを持つGoogleやApple、ポケモンGOを提供する米ナイアンティック社など、海外ビックテックがデータ収集を進めています。

 

このように、SLAMとVPSにはメリット・デメリットが存在し、どちらの技術を採用するかに、各社の戦略が現れています。

4.通信

⑦5G

5Gとは、第5世代移動通信システム(5th Generation)のことで、大きな特徴として「高速大容量」、「高信頼・低遅延」、「多数同時接続」の3つが挙げられます。5G通信が普及したことで、多くのユーザーがAR空間でスムーズな体験をすることが可能になりました。ARは三次元の仮想空間上に多くのユーザーがアクセスするため、データ通信技術の発展は、ARの普及の絶対条件と言えます。

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このナレッジの著者

メタバース総研 代表取締役社長

今泉 響介

株式会社メタバース総研(現・CREX)代表取締役社長。
慶應義塾大学経済学部卒業。学生起業した事業を売却後、日本企業の海外展開/マーケティングを支援する株式会社Rec Loc を創業・社長就任を経て、現職に。メタバースのビジネス活用に特化した国内最大級の読者数を誇るメディア「メタバース総研」の運営やメタバースに関するコンサルティング及び開発サービスの提供を行っている。著書に『はじめてのメタバースビジネス活用図鑑』(中央経済社)

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