生成AIを活用したSaaSとは?メリットやサービス10選、選び方も紹介
SaaSとは、Software as a Serviceの略で、ネットワーク上で提供されるソフトウェアやアプリなどのサービスのことです。これに生成AIの技術が加わることで、大幅な業務効率化やクリエイティブなコンテンツ生成が可能になります。
ChatGPTの爆発的な普及をきっかけに生成AIへの注目がますます高まる中、生成AIを活用したSaaSが次々と登場し、多くの企業や個人に利用されています。
本記事では、生成AIを活用したSaaSに関心のある方向けに、生成AI SaaSの基本やメリット・デメリット、代表的なサービスまでわかりやすくご紹介します。
またAI総研では、AI活用を検討する上で押さえておきたい、AI・ChatGPTの最新活用事例50選の狙いや取り組みをまとめたレポートを無料で配布しています。ご興味のある方は、以下リンクからダウンロードしてご活用ください。
⇒AI・ChatGPT活用事例50選の資料ダウンロードはこちら(無料)
目次
- 生成AIを活用したSaaSとは
- 生成AIを活用したSaaSを利用する2つのメリット
- 生成AIを活用したSaaSを利用する2つのデメリット
- 生成AIを活用した代表的なSaaSサービス10選
- ①ChatGPT:OpenAIが開発し、世界中で最も使われている生成AI SaaS
- ②Copilot:Microsoft×OpenAIが実装するAIアシスタント
- ③Gemini:「GPT超え」と言われているGoogleの対話型AI SaaS
- ④Claude:長文処理能力やデータ分析に長けた新星の生成AI SaaS
- ⑤Perplexity AI:Webサイトの情報を検索するリサーチ特化の生成AI SaaS
- ⑥WebPilot:最新情報を反映した回答ができるChatGPTのプラグイン
- ⑦Whisper:会議の自動書き起こしによる議事録作成自動化SaaS
- ⑧Stable Diffusion:オープンソースとして無料公開されている画像生成AI SaaS
- ⑨Midjourney:Discord上で利用できるハイクオリティな画像生成AI SaaS
- ⑩Runway:動画生成・編集・加工まで可能な万能動画生成AI SaaS
- 生成AIを活用したSaaSサービスを選ぶ際の3つのポイント
- 企業が生成AIを導入するための4つのステップ
- 企業が生成AI活用を成功させるための5つのポイント
生成AIを活用したSaaSとは
SaaS(サース)とは、Software as a Serviceの略で、ネットワーク上で提供されるソフトウェアやアプリなどのサービスのことです。代表例として、Microsoft 365やGmail、Slackなどがあります。
生成AIを活用したSaaSとは、生成AI機能を搭載したSaaSのことで、従来のSaaSに生成AIの技術が加わることで、大幅な業務効率化やクリエイティブなコンテンツ生成が可能になります。
生成AI技術の進展を背景に、自動で文章を作成するChatGPTなどの文章生成AIサービスやテキスト指示だけでクリエイティブな画像を生成する画像生成AIサービスなど、様々な生成AI SaaSが爆発的に普及しています。
※生成AI/ChatGPTの活用を検討する際に必ず押さえておきたい、基礎知識から活用の進め方、ポイントまでをまとめた資料をダウンロード頂けます。
⇒【ゼロから分かる】生成AI/ChatGPT活用ガイドブックの資料ダウンロードはこちら(無料)
生成AIを活用したSaaSを利用する2つのメリット
生成AIを活用したSaaSを利用するメリットとして、主に以下の2つが挙げられます。
- ①開発コスト・期間を抑制できる
- ②AI人材がいなくても生成AI活用が可能
それぞれについてわかりやすく紹介していきます。
※200事例の分析に基づく、企業の生成AI/ChatGPT活用方法の9つの定石と最新事例をまとめた資料をダウンロード頂けます。
⇒生成AI/ChatGPTの活用アイデア集の資料ダウンロードはこちら(無料)
①開発コスト・期間を抑制できる
生成AIを活用したSaaSを利用することで、一から生成AIを開発することなく、生成AIのコンテンツ自動生成技術を活用することができます。
これにより開発にかかるコストや期間を抑え、迅速に生成AIを導入することができます。
②AI人材がいなくても生成AI活用が可能
生成AIを一から開発し活用するとなると、生成AIに関する専門的な知識を有するエンジニアを雇わなければなりません。
生成AIを活用したSaaSを利用すれば、自社で生成AIを開発する必要がないため、AI人材が不足している企業でも生成AIを導入することができます。
生成AIを活用したSaaSを利用する2つのデメリット
生成AIを活用したSaaSを利用するデメリットとして、主に以下の2つが挙げられます。
- ①生成AIの機能や業務範囲のカスタマイズは難しい
- ②課題にマッチするSaaSが導入できないと業務効率が下がる
それぞれについてわかりやすく紹介していきます。
①生成AIの機能や業務範囲のカスタマイズは難しい
生成AIを活用したSaaSを自社の業務に導入するためには、自社の業務や業態に合わせて機能や業務範囲をカスタマイズする必要があります。
例えば、代表的な生成AIであるChatGPTを導入する場合には、ChatGPTが有する多くの機能のうちどの機能を活用するかを検討した上で、自社の業態に合わせた適切なインターフェースにカスタマイズする必要があります。
活用方法や活用目的によっては、専門的な知識を有するAI人材がいないと、このようなカスタマイズが難しい場合もあります。そのため、生成AI導入を支援するコンサルティング会社などに依頼することも有効な方法となります。
②課題にマッチするSaaSが導入できないと業務効率が下がる
生成AI SaaSの導入で成果を上げるためには、自社の課題や目的にマッチした適切なSaaSを選定することが重要となります。これができないと、せっかくSaaSを導入しても、自社の課題解決に必要な機能を有しておらず、無駄に終わってしまう場合もあります。
適切な生成AI SaaSを選定するための知見が社内にない場合には、外部のコンサルティング会社などに依頼することも有効です。
生成AIを活用した代表的なSaaSサービス10選
生成AIを活用した代表的なSaaSサービス10選は以下の通りです。
- ①ChatGPT:OpenAIが開発し、世界中で最も使われている生成AI SaaS
- ②Copilot:Microsoft×OpenAIが実装するAIアシスタント
- ③Gemini:「GPT超え」と言われているGoogleの対話型AI SaaS
- ④Claude:長文処理能力やデータ分析に長けた新星の生成AI SaaS
- ⑤Perplexity AI:Webサイトの情報を検索するリサーチ特化の生成AI SaaS
- ⑥WebPilot:最新情報を反映した回答ができるChatGPTのプラグイン
- ⑦Whisper:会議の自動書き起こしによる議事録作成自動化SaaS
- ⑧Stable Diffusion:オープンソースとして無料公開されている画像生成AI SaaS
- ⑨Midjourney:Discord上で利用できるハイクオリティな画像生成AI SaaS
- ⑩Runway:動画生成・編集・加工まで可能な万能動画生成AI SaaS
それぞれについてわかりやすく紹介していきます。
※生成AIツールの導入を検討される方に、おすすめの10大生成AIツールの特徴や選び方、活用方法をまとめた資料をダウンロード頂けます。
⇒10大生成AIツール徹底比較の資料ダウンロードはこちら(無料)
①ChatGPT:OpenAIが開発し、世界中で最も使われている生成AI SaaS
ChatGPTとは、人間と会話しているような形式でやりとりができるサービスです。
ユーザーの指示に基づき、質問への回答や文章の要約/翻訳、メールや企画書の文書作成などの幅広い知的作業を自動で行うことが可能です。
ChatGPTのGPTとは「Generative Pre-traind Transfomer」の略で、本に換算すると約25万冊分以上の、圧倒的に大規模な言語データを事前に学習させることで、従来人間にしかできなかった知的な作業を高精度で実施することが可能となっています。
ChatGPTは、アメリカのスタートアップ企業のOpenAI社により、2022年11月にリリースされました。その後、リリースから5日間で100万人、2ヶ月で1億人と世界最速でユーザーを獲得した代表的な生成AI SaaSとなり、大きな注目を集めています。
使い方次第で仕事の生産性や効率を大幅に上げることができるので、すべてのビジネスパーソンが使いこなせるようになるべきツールと言えます。
※これさえ読めば、ChatGPTの機能・できること・活用方法まで全てわかる、最新情報をまとめた資料をダウンロード頂けます。
⇒【5分でわかる】ChatGPT活用ガイドブックの資料ダウンロードはこちら(無料)
②Copilot:Microsoft×OpenAIが実装するAIアシスタント
Copilot は、MicrosoftがブラウザやWindow OS向けに提供しているAIチャットアシスタントです。Microsoftの提携先であるOpenAIのAIモデル「GPT-4」や「DALL-E 3」を搭載し、文章生成や対話を行うことができます。
Copilotは、「副操縦士」のことであり、AIがまるで副操縦士のように人間のタスクをサポートするという意味がこめられています。
さらに、Microsoft 365と組み合わせた「Copilot for Microsoft 365」では、普段利用するWordやPowerPoint、ExcelとCopilotが連携し、Copilotの助けを得ながら文書やプレゼン資料を作成することができます。
WordやExcelなどMicrosoftのアプリケーションを利用する多くのビジネスパーソンにとって、Copilotは仕事の生産性や効率を高める強力なSaaSとなります。
③Gemini:「GPT超え」と言われているGoogleの対話型AI SaaS
Geminiとは、Googleが2023年12月に発表した対話型AI SaaSです。文章だけでなく、画像や動画、音声も理解できる”マルチモーダル機能”を備えている点が特徴で、複雑な数学の問題やプログラミング言語の理解など、難しいタスクもこなすことができると発表されています。
Geminiは性能に応じて3つのモデル「Gemini Ultra」、「Gemini Pro」、「Gemini Nano」に分かれています。最も性能の高いGemini Ultraは、数学、物理学、歴史、法律、医学、倫理など、あらゆる科目の知識・問題解決能力テストで人間の専門家を上回るパフォーマンスを発揮したと発表されています。
Googleは、GeminiがGPT-4を上回る性能を持つと強調しており、ChatGPTの有力な対抗馬として注目されています。
④Claude:長文処理能力やデータ分析に長けた新星の生成AI SaaS
Cluadeは、新興の生成AIスタートアップであるAnthoropicが提供する対話型生成AI SaaSです。人間のフィードバックに基づく強化学習により回答精度を極限まで高めており、AIチャットボットの性能を競うコンテストでChatGPTを上回り1位になるなど、世界トップクラスの生成AIとして注目を集めています。
Cluadeとはフランス語の男性名のことで、その名があらわす通り、本物の人間のような自然な言葉遣いで回答する点が大きな特徴です。
本1冊分のテキストも1分程度で解析できる長文処理能力や、複雑で高度なデータ分析に強みがあり、ビジネスでの活用に期待が広がっています。
⑤Perplexity AI:Webサイトの情報を検索するリサーチ特化の生成AI SaaS
Perplexity AI(パープレキシティ・エーアイ)とは、Webブラウザから無料で利用できる対話型AI検索エンジンのことです。アメリカの技術者らによって開発され、2022年12月にリリースされました。
ユーザーからの質問に対して、Webサイトからの最新情報をもとに回答します。回答には参照元となるURLも表示するなど、ファクトチェックが容易であることから、リサーチに特化した生成AI SaaSとして注目されています。
ChatGPTが苦手とする最新情報も反映した回答が可能であるため、最強のリサーチAIツールとして人気が高まっており、ビジネスパーソンを中心に徐々に普及が進んでいます。
※文章作成やリサーチなど日々の業務効率化に使える、おすすめ生成AIツールや5大活用方法、ポイントをまとめた資料をダウンロード頂けます。
⇒【今日から使える】AI/生成AI活用仕事術大全の資料ダウンロードはこちら(無料)
⑥WebPilot:最新情報を反映した回答ができるChatGPTのプラグイン
WebPilotとは、ChatGPTのプラグインの一つであり、Webサイトをパイロットのように巡回し、最新情報を反映した回答をすることができるSaaSです。従来のChatGPTでは、最新の情報を反映した回答ができないという欠点がありましたが、WebPilotによりこの欠点が克服されました。
WebPilotに質問をすると、複数のサイトを横断し、最も適切な内容を選んで、回答します。また、特定のサイトのURLを読み込んだうえで、サイトの内容を要約したり、考察を展開することもできます。
また、回答には参照したURLも明記されるため、ファクトチェックも容易に行うことができます。主にリサーチ業務において、大幅な効率化を実現するツールとして、注目を集めています。
⑦Whisper:会議の自動書き起こしによる議事録作成自動化SaaS
Whisperは、OpenAIが提供する文字起こし生成AI SaaSです。音声認識機能により会議や会話の内容を認識し、自動で書き起こしができます。Webから収集した68万時間分の多言語音声データを学習しており、日本語でもほとんどミスなく正確な聞き取りが可能です。
ChatGPTと組み合わせて活用することで、議事録の作成も自動化・効率化することができます。
Whisper Transcriptionというアプリを購入すれば、オフラインでも利用できるため、情報漏洩のリスクを回避しながら安心して活用することができます。
⑧Stable Diffusion:オープンソースとして無料公開されている画像生成AI SaaS
Stable Diffusionは、イギリスのAIベンチャーStability AIが開発・提供している画像生成AI SaaSです。
Stable Diffusionの重要な特徴として、オープンソースとして無料で公開されている点が挙げられます。これは、「誰もが自由にAI技術を活用できるようになるべきである」というStability AIの考えに基づくものです。その結果、多くのユーザーから支持を集め、一気に知名度が高まりました。
2023年には、日本法人Stability AI Japan株式会社が設立され、日本向けのサービス提供も本格的に始動しています。
無料で使えるため、AIツール初心者やライトユーザーにおすすめのツールです。
⑨Midjourney:Discord上で利用できるハイクオリティな画像生成AI SaaS
Midjourneyは、日本でも多くのユーザーに利用されている最も有名なハイクオリティ画像生成AI SaaSです。チャットアプリであるDiscord上で利用でき、単語や文章などのテキストを入力するだけで簡単に画像を作成することが可能です。
日々バージョンが更新され、よりクオリティの高い画像を生成できるようになっており、アニメやマンガのイラスト作成やプレゼン資料の作成など様々な場面で活用することができます。
料金プランは、10ドルから120ドルまで複数用意されており、使う頻度や目的によって自由に選択することができます。そのため、気軽に画像生成で遊んでみたい方にとっても、本格的に仕事で使いたい方にとってもおすすめです。
⑩Runway:動画生成・編集・加工まで可能な万能動画生成AI SaaS
Runway(ランウェイ)は、テキスト・画像・動画など複数の媒体から動画を自動で作成する動画生成AI SaaSです。Gen-2という動画生成AIモデルを搭載しており、最大16秒間の動画を生成することができます。
動画生成だけでなく、動画の切り抜き、アニメーション化、サイズ変換、オブジェクト消去、字幕追加など、自由自在に編集が可能です。
Runwayは、Google、Microsoft、NVIDIAなどの名だたる大企業に導入されており、信頼性の高いツールです。
生成AIを活用したSaaSサービスを選ぶ際の3つのポイント
生成AIを活用したSaaSサービスを選ぶ際のポイント・注意点として、主に以下の3つが挙げられます。
- ①利用目的を明確にする
- ②機能が料金に見合っているか確認する
- ③自社の業界・業務に対応しているか確認する
それぞれについてわかりやすく紹介していきます。
※AI総研では経験豊富なコンサルタントによる、生成AI/ChatGPT活用の個別無料相談会を実施しております。自社に合った活用方法や導入の進め方などでお困りの方は、お気軽にご相談ください。
⇒生成AI/ChatGPT活用の個別無料相談会の詳細はこちら
①利用目的を明確にする
生成AIを活用したSaaSを利用するにあたっては、自社の利用目的や課題を明確にし、自社の目的や課題を解決するために最適な生成AI SaaSを選ぶことが重要です。
目的を明確にしないまま見切り発車でSaaSを利用しても、単に導入しただけで、何の成果もなく終わってしまうといった事態に繋がりかねません。
②機能が料金に見合っているか確認する
生成AIを活用したSaaSは、種類によって提供される機能や料金が異なります。生成AI SaaSの利用には、継続的な料金支払が必要となる場合が多いため、できるだけコストパフォーマンスの高いサービスを選択する必要があります。
そのため、利用しようとしている生成AI SaaSがどのような機能を提供しているのか、同様の機能をより安価で提供しているサービスがないかを事前に調べた上で、利用することが重要です。
③自社の業界・業務に対応しているか確認する
生成AIを活用したSaaSの中には、特定の業界や業務に特化したものも存在します。そのため、利用しようとしているSaaSが自社の業界や業務に対応しているかを事前に確認しておくことが重要です。
企業が生成AIを導入するための4つのステップ
企業が生成AIの導入を進めるための流れとして、以下の4つのステップがあげられます。
<Step1:活用方針の検討>
- 最新の市場動向のキャッチアップ
- 自社の活用可能性の整理
- 生成AIの活用目的・ゴールの設定
<Step2:利用環境構築>
- セキュリティ・データ管理体制の強化
- ガイドライン・マニュアルの策定
- 社員向けのAIリテラシー研修
- 社内業務での試験運用
<Step3:試験開発・運用(PoC)>
- PoCを行うユースケースの検討
- 要件定義・プロトタイプ開発
- 運用と評価
<Step4:本開発>
- 本開発を行うユースケースの検討
- 要件定義・本開発
- 運用と評価
- 活用方針・内容の継続的なカイゼン
それぞれについてわかりやすく紹介していきます。
※生成AI/ChatGPTを導入する前に必ず押さえておきたい、基礎知識や導入方法3パターンの比較、リスクと対策などをまとめた資料をダウンロード頂けます。
⇒生成AI/ChatGPT導入マニュアルの資料ダウンロードはこちら(無料)
Step1:活用方針の検討
1つ目のステップは、自社として生成AIをどのように活用していくかの大方針の検討です。
生成AIは社内業務効率化や顧客体験の向上、新規事業創出など様々な目的で活用が可能だからこそ、自社の課題にマッチした目的とユースケースで活用することが、投資対効果を大きく左右します。
最新の技術や競合の動向をキャッチアップした上で、自社の活用可能性の幅出し・整理を行います。その上で、生成AIをどのような領域で、どの程度ダイナミックに活用していくかの目的やゴールを初期的に設定しましょう。
Step2:利用環境構築
2つ目のステップは、生成AIを安全かつ効率的に活用できる、社内のシステムやルールなどの利用環境の構築です。
企業が生成AI活用に踏み切れない理由として、機密情報漏洩などのセキュリティリスクの懸念が挙げられますが、適切なシステム設計・データ管理やガイドラインの策定などを行うことで、それらのリスクに対処しながら、業務効率化に繋げることが可能です。
社員に対し、生成AIをリサーチや文書作成などの日常的な業務に安心して活用できる環境を提供することで、自社のどのような業務と生成AIの相性が良いのかという現場からの示唆を得ることができ、プロトタイプ・本開発の企画への重要なインプットとなります。
Step3:試験開発・運用(PoC)
3つ目のステップは、自社にマッチするユースケースの検証に向けた、プロトタイプの開発と運用です。
顧客対応支援や社内のナレッジ検索、新機能・サービスの実装などの生成AIの幅広いユースケースの中から、自社の経営課題解決にマッチするいくつかのユースケースに絞り込み、プロトタイプを開発し、実際の業務で運用します。
PoCを実施することで、コストを抑えながら生成AI活用のインパクトを検証しつつ、見えてきた改善点から本開発の精度を高めることが可能です。
Step4:本開発と運用
4つ目のステップは、本格的な生成AIを活用したシステムの開発と運用、継続的なカイゼンです。
自社独自のデータ基盤の構築・連携や活用シーンに特化したアウトプット精度の改善などを実施し、自社の目的達成に特化した生成AIシステムを開発します。
PoCの結果を踏まえ、本開発を行うユースケースや活用範囲を決定することで、生成AI活用の費用対効果を最大化することが可能です。
また、開発しっぱなしで終わるのではなく、本開発したシステムを運用し上がった成果や改善点、技術進化などを踏まえて、活用方法や内容を継続的にカイゼンしていくことが重要です。
このプロセスを通じ、生成AI活用のポテンシャルを最大限に発揮することで、業務生産性や顧客への提供価値の観点から、大きな競争優位性を構築することに繋がります。
企業が生成AI活用を成功させるための5つのポイント
企業が生成AI活用を成功させるために抑えるべきポイントは以下の5つです。
- ①業務内容の棚卸しと活用インパクトの試算
- ②投資対効果の高い課題/目的と活用方法の選定
- ③アジャイルアプローチでの開発・導入
- ④システムとルールの両面からのリスク管理
- ⑤研修等での社員のAI活用リテラシーの向上
それぞれについてわかりやすく紹介していきます。
※200事例の分析に基づく、企業の生成AI/ChatGPT活用でよくある失敗とベストプラクティスをまとめた資料をダウンロード頂けます。
⇒生成AI/ChatGPT活用しくじり大全の資料ダウンロードはこちら(無料)
①業務内容の棚卸しと活用インパクトの試算
生成AI活用の成否を分ける最大のポイントは、生成AIを活用する意義の大きな業務に対して活用することに尽きます。
活用の方針や戦略がないまま活用を進めるのではなく、自社の業務内容・フローをしっかりと棚卸しした上で、どの程度業務効率やアウトプット向上に繋がるかを試算することが重要となります。
②投資対効果の高い課題/目的と活用方法の選定
生成AIは全ての業務に対して万能という訳ではなく、膨大なデータに基づいたコンテンツ制作は得意だが、複雑な問いに対して正確な答えを出すのは苦手といった、明確な得意不得意が存在します。
そのため、自社の業務の現状や生成AIの特徴を踏まえた上で、どのような課題/目的に対して、どのようなアプローチ/範囲/ツールで活用を進めるかを、検討・選定するステップがプロジェクトの投資対効果を左右する、極めて重要なプロセスとなります。
③アジャイルアプローチでの開発・導入
生成AIは、一度開発・導入して終わりという進め方ではなく、何度もモデル・学習データ・利用方法等を細かくカスタマイズしなおすことで、より理想とする活用を実現することができます。
具体的には、初期仮説に基づいた簡易的なプロトタイプを構築し実際に利用してみる、というサイクルを、1サイクル数週間の期間で何度も繰り返し、ブラッシュアップしていくという、アジャイル開発のアプローチを取ることが適しています。
④システムとルールの両面からのリスク管理
企業が生成AIの活用に踏み切れない最大の理由として、機密情報漏洩や著作権侵害などのリスクへの懸念が挙げられます。
確かに、社員に特段ルールを設けず、一般に公開されている生成AIを活用させた場合、様々な問題が発生する可能性は存在します。
一方で、入力するデータが学習されないようなシステム構築や使用範囲・機密情報の取扱等の運用ルールの策定により、リスクをマネジメントし最小化することが可能です。
⑤研修等での社員のAI活用リテラシーの向上
生成AIの特徴として、AIとの対話によってアウトプットを引き出すことが求められるため、使い手のリテラシーによって成果が大きく左右されることが挙げられます。
そのため、生成AIのポテンシャルを最大限に活用するためには、従業員のAIに対する理解とスキル、すなわちAIリテラシーを向上させることが不可欠です。
研修プログラムや実践的なトレーニングを通じて、従業員に生成AIの基本的な知識、適切な使用方法、関連するリスクを理解してもらい、効率的かつ責任ある方法で使用できる環境の構築が必要となります。
AI・ChatGPT活用の個別無料相談会実施中
AI総研では、AI・ChatGPT活用の個別無料相談会を実施しています。
各社様のご要望に合わせ、最新の市場動向や具体的な活用アイデアなどを、個別のオンライン個別のオンラインMTGにて、無料でご紹介させていただきます。
以下のようなお悩みをお持ちのご担当者様は、この機会にぜひお申込みください。
- 興味はあるが、そもそも活用するかどうか迷っている
- 自社に合った活用方法へのアドバイスが欲しい
- 自社の企画の参考になる活用事例を知りたい
- どのように活用を進めていけば良いか分からず困っている