AIの農業への活用事例4選|3つのメリットや活用方法も紹介

2022年末に登場したChatGPTなど、AIはますます性能が向上しており、幅広い業界の企業が業務効率化やサービスの付加価値向上などに向けた活用を進めています。

農業においても、農作物の生育環境の分析や農作業の自動化などのためにAI活用が進んでいます。

 

本記事では、農業でのAI活用に関心のある方向けに、活用事例や活用のメリットをまとめてご紹介します。


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そもそもAI(人工知能)とは?

そもそもAI(人工知能)とは

AIとは、「Artificial Intelligence(人工知能)」の略称で、コンピューターがまるで人間のように学習・判断・予測などの知的作業を行うことを可能にする技術のことを指します。

  

例えば、画像を認識し異常を検知する、過去のデータから未来を予測する、依頼を元に文章や画像を作成するなどの様々な活用が可能です。

 

近年、ビッグデータの蓄積や分析技術の進歩などにより、2020年以降その性能が飛躍的に向上し、幅広い業界・用途での活用が急激に進んでいます。

 

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AIを農業に活用する3つのメリット

AIを農業に活用する3つのメリット

AIを農業に活用するメリットとして以下の3つが挙げられます。

 

  • ①農作業の自動化による負担軽減・人手不足解消
  • ②データ分析による農作物の品質向上
  • ③農薬の利用量の最適化・コスト削減

 

それぞれについてわかりやすく紹介していきます。

 

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①農作業の自動化による負担軽減・人手不足解消

AIによる農作物の生育状況の解析・把握の自動化・効率化、AIを搭載した農業機械による農作業の自動化などにより、農業従事者の負担が軽減されます。また、農作業の人手不足の解消にも貢献します。

②データ分析による農作物の品質向上

AIは、農作物の生育状況や温度、湿度、日射量などのデータを分析することで、それぞれの農作物に適した栽培方法や生育環境を提案することができます。これにより、果物の糖度を高めるなど、高品質な農作物の大量かつ安定した生産に繋がります。

③農薬の利用量の最適化・コスト削減

AIは、農地や農作物の画像を分析することで、害虫が多く発生している地点を特定することができます。これにより、害虫が発生しやすい場所にピンポイントで農薬を散布することが可能となり、農薬の利用量の最適化とコスト削減を実現できます。

AIの農業への活用事例4選

AIの農業への活用事例4選

AIの農業への活用事例として、以下の4つが挙げられます。

 

  • ①オプティム:AIとドローンによるピンポイント農薬散布で農薬使用量の最適化
  • ②スカイマティクス:AIが葉の色を解析し生育状況をいつでもどこでも把握可能に
  • ③Happy Quality:AIが最適な水分量を調整して高糖度なトマトの安定生産を実現
  • ④プレンティ:AIが植物工場を制御し最高の風味を持つ野菜・果物の栽培に成功

 

それぞれの事例についてわかりやすく紹介していきます。

 

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①オプティム:AIとドローンによるピンポイント農薬散布で農薬使用量の最適化

オプティム:AIとドローンによるピンポイント農薬散布で農薬使用量の最適化
(画像:オプティム)

オプティムはAIとドローンを活用して農薬散布を効率化・最適化する技術を提供しています。

 

ドローンが畑の上を飛行して撮影した画像と病害虫が発生している画像をAIが比較判定して、病害虫が発生している地点を特定します。これにより、病害虫が発生している地点のみピンポイントで農薬を散布することができるようになります。

 

この技術はすでに実用化され、農薬量の大幅な節約と農薬散布の作業時間の大幅な短縮に貢献しています。例えば、大豆栽培では、農薬の使用量が慣行栽培での使用量より90%以上も削減され、農薬散布の時間も90%以上短縮されたという結果が出ています。

②スカイマティクス:AIが葉の色を解析し生育状況をいつでもどこでも把握可能に

スカイマティクス:AIが葉の色を解析し生育状況をいつでもどこでも把握可能に
(画像:スカイマティクス)

スカイマティクスは、AIで作物の生育状況を管理するシステム「葉色解析サービスいろは」を開発しました。

 

ドローンが撮影した画像をAIが解析し、葉の色や作物の生育状況、雑草、害虫の有無を診断・記録します。

 

これにより、農地全体の状況や各農作物の状況の把握・管理業務が大幅に効率化されます。また、農作物の生育状況や解析の結果はクラウド上に保管され簡単に共有できるので、どこにいても手元のスマホやPCから生育状況や害虫の発生の有無を知ることができます

③Happy Quality:AIが最適な水分量を調整して高糖度なトマトの安定生産を実現

Happy Quality:AIが最適な水分量を調整して高糖度なトマトの安定生産を実現
(画像:Happy Quality)

Happy Qualityは、静岡大学との共同研究により、AIの分析により最適な水分量を算出して糖度の高いトマトを生産することに成功しました。

 

トマトの画像や温度、湿度、明るさなどのデータを収集し、茎の太さの変化量を高精度に予測。この予測に基づく灌水制御によって、高糖度なトマトを低コストかつ大量に安定生産できることを実証しました。

 

さらに、天候の変化にも対応したAIの灌水制御によって、果実の裂果を減らし、高糖度なトマトを可販果率95%で生産できることも証明しました。

④プレンティ:AIが植物工場を制御し最高の風味を持つ野菜・果物の栽培に成功

プレンティ:AIが植物工場を制御し最高の風味を持つ野菜・果物の栽培に成功
(画像:プレンティ)

アメリカの農業スタートアップであるプレンティは、AIが植物工場を制御することで、わずかな水分量で味の良い野菜や果物を栽培できる技術を開発しました。

 

垂直に立てた柱のような栽培装置で土を使わずに野菜や果物を栽培。温度や湿度、二酸化炭素濃度などのデータをもとに、AIが作物ごとに最適なパラメーターを設定します。これにより最高の風味をもった野菜・果物の栽培に成功しています。

 

また、パラメーターの最適化は、水分の使用量の削減や農作物の収穫量の増加にも繋がっており、農作業の生産性向上・コスト削減にも貢献しています。

企業がAI活用を成功させるための5つのポイント

企業がAI活用を成功させるための5つのポイント

企業がAI活用を成功させるためのポイントとして以下の5つが挙げられます。

 

  • ①中長期でのAI活用戦略の策定
  • ②投資対効果の高い活用目的・方法の選定
  • ③アジャイルアプローチでの開発・導入
  • ④システムとルールの両面からのリスク管理
  • ⑤研修等での社員のAI活用リテラシー向上

 

それぞれについてわかりやすく紹介していきます。

 

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①中長期でのAI活用戦略の策定

AIの性能進化が加速しているこれからの時代、足元の取り組みはもちろん、3年・5年スパンでAIをどこまでダイナミックに活用できるかが、企業の競争優位性に直結します。

 

また、AI活用のレベルは、比較的簡単な各社員のAIツール利用による生産性向上から、AI活用による業務プロセス革新、顧客向けサービスの進化、新サービス/商品の創出まで様々です。

 

そのため、中長期で目指すAI活用の姿を見据え、その実現に向け逆算したロードマップや、まず足元進めるべき活用を設計することが重要です。

②投資対効果の高い活用目的・方法の選定

AIは人間と同様、全ての業務に対して万能という訳ではなく、膨大なデータに基づいた分析や対応、コンテンツ制作は得意だが、複雑な問いに対して正確な答えを出すのは苦手といった、得意不得意が明確に存在します。

 

そのため、自社の業務の現状やAIの特徴を踏まえた上で、どのような課題/目的に対して、どのようなアプローチ/範囲/ツールで活用を進めるかを、検討・選定するステップがプロジェクトの投資対効果を左右する、極めて重要なプロセスとなります。

③アジャイルアプローチでの開発・導入

AIは、一度開発・導入して終わりという進め方ではなく、何度もモデル・学習データ・利用方法等を細かくカスタマイズしなおすことで、より理想とする活用を実現することができます。

 

具体的には、初期仮説に基づいた簡易的なプロトタイプを構築し実際に利用してみる、というサイクルを、1サイクル数週間~数ヶ月の期間で何度も繰り返し、ブラッシュアップしていくという、アジャイル開発のアプローチを取ることが適しています。

④システムとルールの両面からのリスク管理

企業がAI活用に踏み切れない最大の理由として、機密情報漏洩などのリスクへの懸念が挙げられます。

 

確かに、社員に特段ルールを設けず、一般に公開されているAIツールを使用させるなどの場合、様々な問題が発生する可能性は存在します。

 

一方で、セキュリティ対策を行ったシステム構築や、社員向けのAIの使用ルールやガイドラインの策定により、リスクをマネジメントし最小化することが可能です。

⑤研修等での社員のAI活用リテラシー向上

AI(特に生成AI)を活用するにあたっては、同じAIを利用していても、使い手のリテラシーによって成果が大きく左右されるという点に注意が必要です。

 

そのため、AIのポテンシャルを最大限に活用するためには、従業員のAIに対する理解とスキル、すなわちAI活用リテラシーを向上させることが不可欠です。

 

そこで、研修プログラムや実践的なトレーニングを通じて、従業員がAIの基本的な知識、適切な使用方法、関連するリスクを理解してもらい、効率的かつ責任ある方法で使用できる環境の構築が重要となります。

企業がAIを活用するための4つのステップ

企業がAIを導入するための4つのステップ

企業がAI活用を進めるための流れとして、以下の4つのステップがあげられます。

 

<STEP1:活用業務の選定>

  • 最新の市場動向のリサーチ
  • 自社での活用対象業務の幅出し・選定
  • AI活用の目的・目標の設定

 

<STEP2:活用範囲と業務プロセスの決定>

  • 対象業務の棚卸し・効率化余地の検討
  • AIを活用する業務範囲の決定
  • AIと人間の役割分担の設計

 

<STEP3:試験開発・運用(PoC)>

  • 要件定義・プロトタイプ開発
  • 試験運用
  • フィードバック収集・評価

 

<STEP4:本開発・運用>

  • PoCを踏まえた本開発
  • 運用・評価
  • 活用方針・方法の継続的なカイゼン

 

各ステップについてわかりやすく紹介していきます。

 

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STEP1:活用業務の選定

AIは、定型的な社内業務の効率化から新規事業創出まで幅広い業務に活用可能だからこそ、

AI活用の投資対効果が高い業務を適切に選定することが最も重要となります。

  

最新の技術や競合の活用動向をキャッチアップした上で、自社の活用可能性の幅出し・整理を行います。その上で、AIをどのような業務・目的・成果目標で導入するかを設定しましょう。

STEP2:活用範囲と業務プロセスの決定

大きなポテンシャルを持つAI活用ですが、人間と同様、どのようなシチュエーション・任せ方でも万能というわけではありません

 

そのため、活用業務の現状・課題と、AI・人間の得意/不得意を踏まえた上で、どの範囲の業務をどのように人間と協業しながら任せるかを決定することが重要になります。

 

STEP3:試験開発・運用(PoC)

いきなり大規模な導入を進めるのではなく、比較的小規模な試験開発・運用(PoC)により、その有効性を確かめることで、AI活用全体の投資対効果を大きく高めることが可能です。

 

検証したい仮説を事前に明確にした上で、実際にプロトタイプでの試験運用を行い、活用業務や方法の改善ポイントを洗い出しましょう。

STEP4:本開発・運用

PoCで得られた改善ポイントに基づき、自社の経営課題・業務の現状にベストマッチするAI活用の内容やシステムの要件を再度設計し、本開発を行います。

 

また、本開発後も継続的に成果や活用状況を評価し、継続的なカイゼンを行うことで、自社でのAI活用のインパクトを最大化することができます。

監修者

西本 匠

ボストンコンサルティンググループにて製造/IT業界等の数多くのリーディングカンパニーへのAI活用戦略策定/実行支援に従事 AIを活用した新規事業創出から社内活用推進に向けた戦略策定/導入支援まで豊富な実績・知見を有する 慶應義塾大学経済学部卒業

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