VRの医療業界での活用事例10選|7つのメリットも紹介
関連技術の進歩とともに近年多くの注目を集めるVR。多くの企業がVR事業に参入する中、一部の企業では、VRを医療に活用する動きがみられています。
一方で、「医療にどのようにVRを活用するのかイメージが沸かない」、「具体的にどのような活用事例があるのか知りたい」という方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、VRの医療業界での活用事例をメリットとともに分かりやすくご紹介します。
本記事は、以下のような方におすすめの記事となっています。
- 医療へのVRの活用を検討している
- 医療にVRを活用するメリットが知りたい
- 実際に医療にVRを活用している企業の事例をおさえておきたい
本記事を読めば、VRの医療業界へのビジネス活用のヒントが得られると思いますので、ぜひ最後までご一読ください。
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目次
医療業界でのVRの活用が注目される3つの理由
医療業界でのVRの活用が注目される理由として、以下の3つが挙げられます。
- ①VR技術の進歩
- ②ビッグテックなど多くの企業によるVRへの参入
- ③医療分野におけるVRの有用性の高さ
それぞれの理由についてわかりやすく紹介していきます。
①VR技術の進歩
1つ目の理由は、VR技術が進歩したことです。
通信技術の向上やコンピューターの処理性能の向上などによりVR関連技術は大きく進歩しており、以前と比べると、VR体験をよりスムーズに、よりリアリティのある形で実現することができるようになりました。
このようなVR技術の進歩をうけて、幅広い業界の企業がVR領域に参入し始めており、同様に医療業界でも多くの企業や団体がVRの活用を勧めています。
今後幅広い業界の企業がVR領域へ参入し始めると考えられ、VR業界全体が大きく盛り上がっています。医療業界でのVR活用が注目を集めているのにもこのような背景があります。
②ビッグテックなど多くの企業によるVRへの参入
2つ目の理由は、ビッグテックなど多くの企業がVRに参入していることです。
例えば、Facebookは、2021年末に社名をMetaに変更し、VR/メタバース事業に注力していくことを発表しました。また、Appleは、2023年6月の開発者向けカンファレンスWWDC2023にて、同社として初となるVRデバイスである、「Apple Vision Pro」を2024年に発売すると発表しました。
他にも、医療業界を含む多くの業界の企業の間で、VRに参入しビジネスに活用しようとする動きが見られています。
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③医療分野におけるVRの有用性
3つ目の理由は、医療分野におけるVRの有用性の高さです。
近年、VRを医療分野に活用する企業・団体が増えており、医療分野におけるVRの汎用性が高く、有用であることが発見されています。現に、遠隔治療、若手医師の研修、リハビリ、カウンセリングなど、様々な分野でVRが活用されており、その有用性が注目を集めています。
このように、VRを医療分野に活用し、成功している企業が増えていることが、ますます医療分野へのVR活用に注目が集まっている背景にあると考えられます。
医療業界でVRを活用する7つのメリット
医療業界でVRを活用するメリットとして、以下の7つが挙げられます。
- ①遠隔治療の精度向上
- ②医師・看護師に対する研修の充実化
- ③患者自身の健康状態理解の促進
- ④医療従事者への情報提供の効率化
- ⑤リハビリ患者向けの体験型トレーニングの実施
- ⑥アバターを介した気軽な診察の実施
- ⑦新たなフィットネス体験の実現
それぞれについてわかりやすく紹介していきます。
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①遠隔治療の精度向上
1つ目のメリットは、遠隔治療の精度が向上することです。
病院を訪れることが難しい地方在住の患者や移動が困難な患者への治療の実現や、手術の効率化など多くのメリットがあり、近年注目を集めている遠隔医療ですが、実現には様々なハードルが存在しています。
そのハードルの解消にVRの活用が有効ではないかと考えられています。例えば、AR・VRを活用し遠隔地から手術ロボットなどの操作を行う医師への情報提供を行うことで、手術中に視線を動かさずに情報を確認したり。現場の助手との連携をスムーズにしたりすることが期待されています。
②医師・看護師に対する研修の充実化
2つ目のメリットは、医師・看護師に対する研修を充実化できることです。
コロナウイルスの感染拡大の影響により、対面での研修の機会が限られていること、先生となるはずの医療従事者がコロナ患者への緊急対応に追われていることなどから、医師・看護師を目指す学生・研修医の対面で医療技能を学ぶ機会が減少しています。
そこで、VRを活用し没入感の高い体験を通じて患者の治療の際の手技など、現場での実務的な動きを学ぶことができる環境を整備することは、医療業界の未来を担う学生・研修医や日本の医療業界全体にとって非常に価値のある取り組みだと言えます。
③患者自身の健康状態理解の促進
3つ目のメリットは、患者自身の健康状態理解を促進できることです。
従来の患者自身が健康状態を理解する方法は、口頭・文書ベースでの医師からの診断や、文書ベースでの健康診断の結果など、身体の中で何が起こっているのかを具体的にイメージするのが難しいものばかりでした。
そこで、VR上に患者自身の身体のモデルを作成し、体内の臓器などの状態を3Dで再現することで、患者が自身のリアルな健康状態を視覚的に理解することができるのではと考えられています。これにより、自身の健康状態が理解しきれないことによる心理的負担の改善や健康への危機意識の高まりによる生活習慣の改善などが期待できます。
④医療従事者への情報提供の効率化
4つ目のメリットは、医療従事者への情報提供の効率化です。
コロナウイルスの感染拡大の影響で、MRの方々が医療従事者の方に対面で情報提供を行う場が減少しています。もちろん、メールやZOOMなどでのコミュニケーションの方が、効率的な場面もありますが、一方で、対面ならではの信頼関係構築やその場での偶然の出会いなどの機会は失われつつあります。
そこで、VR空間上でMRの方や医療従事者の方が交流できる場を提供することで、コロナ以前にあったコミュニケーションの機会を再現しようという動きが始まっています。
⑤リハビリ患者向けの体験型トレーニングの実施
5つ目のメリットは、リハビリ患者向けの体験型トレーニングを実施できることです。
メタバースはその没入感の高さと身体の動きとの連動性から、学校教育や企業研修の分野への活用が始まっていますが、同様の理由でリハビリ患者向けの体験型トレーニングへの活用も期待されています。
リハビリ患者に提供できるトレーニング環境は、そもそも身体が不自由で移動の制約があることから限定的でした。しかしメタバースを活用することで、視覚や聴覚、触覚など五感を通じた患者のリハビリの効率化、モチベーション向上に繋がる体験の提供を実現することが出来ます。
また、リハビリサービスを提供する側も、今まではトレーナー個人に留まってしまっていたリハビリの効果検証をデータを共有しながら行うことが可能で、リハビリプログラム自体の改善にも繋げることができます。
⑥アバターを介した気軽な診察の実施
6つ目のメリットは、アバターを介して気軽な診察が実施できることです。
これまで病院での病気の診察やメンタルヘルスのカウンセリングは、患者にとって心理的障壁の高いものでした。ただでさえ、心身が弱っている時に、自らの健康に関するセンシティブな相談をするのは、かなりの負担を伴うものでした。
そこで、VR空間上でアバターを通じた診療やカウンセリングを行うことで、お互いの表情や声色は感じ取りつつ、リラックスした状態でのコミュニケーションを実現できるのではないかと期待されており、既に国内でもサービスが開発・提供されて始めています。
⑦新たなフィットネス体験の実現
7つ目のメリットは、新たなフィットネス体験を実現できることです。
ヘッドセットなどを着用しVRコンテンツを視聴しながらエクササイズを行うという、新たなフィットネス体験がアメリカを中心に普及し始めています。
VRを活用したフィットネス体験は、従来に比べ、楽しみながらエクササイズを行えたり、それらのデータを収集・活用できたりと、健康増進に向けた様々なメリットが存在します。
医療業界におけるVRの活用事例10選
医療業界におけるVRの活用事例として以下の10個が挙げられます。
- ➀イマクリエイト:VRを活用した注射手技の研修
- ②IBM×順天堂大学:VRを用いた医療サービス構築へ
- ③comatsuna:アバターを介した対話によるメンタルケア
- ④mediVR:VRを活用したリハビリのサポート
- ⑤Capti:VRと連動するフィットネスバイクを販売
- ⑥Black Box VR:VRを活用した体験型フィットネスジム
- ⑦Supernatural:サブスク型のVRフィットネスサービス
- ⑧ジョリーグッド:VRを活用した医療人材育成
- ⑨デマンド・アンド・ケア:メタバースを活用した障がい者就労支援
- ⑩株式会社ジャパンディスプレイ:VRソリューションを医療研修に活用
それぞれの事例についてわかりやすく紹介していきます。
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➀イマクリエイト:VRを活用した注射手技の研修
イマクリエイト社の提供する「VRワクチン注射シミュレーター」は、VR内に表示される模型に従うだけで、筋肉注射の手順を感覚的に習得することができる研修用のサービスです。座学や教材を用いた事前学習にシミュレーターを加えることで、手順のミス防止が期待されます。
実際の患者さんに注射の処置を行えるようになるためには、十分な練習が必要です。しかし、定期的にトレーニング用品を補充する必要があることや、多数の生徒が同時に練習することが困難であり、医療現場での悩みの種となっています。そこでイマクリエイトは「実生活と同じように自分の身体を使って練習する」というコンセプトのもと、このバーチャルトレーニングシステムを開発しました。医学生は施設や設備の有無にかかわらず、いつでも、何度でもトレーニングが可能になりました
②IBM×順天堂大学:VRを用いた医療サービス構築へ
日本IBMと順天堂大学は「メディカル・メタバース共同研究講座」を設置し、産学連携の取り組みを開始しました。同共同研究講座では、VR/メタバース技術の活用による時間と距離を超えた新たな医療サービスの研究・開発に取り組むとのこと。
具体的には、患者や家族が来院前にバーチャルで病院を体験できる環境や外出が困難な入院患者が病院の外の仮想空間で家族や友人と交流できる「コミュニティ広場」の構築、メタバース空間での活動によるメンタルヘルス等の疾患の改善の実証などを検討しています。
③comatsuna:アバターを介した対話によるメンタルケア
デジタルヘルスケア・産業保健事業を手がけるcomatsuna社は先ごろ、VR/メタバースを活用した法人向け社員メンタル支援サービス「メンサポドクター」をリリースしました。
メンズサポートドクターは、アバターを介したオンラインでのコミュニケーションによりメンタルヘルスの改善を図るもので、人見知りや対面でのコミュニケーションに抵抗のある方にも、気軽に利用できるメンタルヘルスケアサービスを提供することを目的とし開発されました。アバターを介したコミュニケーションが、対面での対話に比べ、人々の緊張を和らげ、より早く心を開いてもらい、悩みを相談しやすくすることができると考えているとのことです。
企業もこのサービスを導入することで、社員の潜在的な不満や不安、問題点をいち早く検出することができるとともに、社員のメンタル不調予防、離職予防に繋げることができます。
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④mediVR:VRを活用したリハビリのサポート
mediVR社の提供するリハビリサポートサービスである「mediVRカグラ」は、姿勢の崩れや不安定さを抱える患者さんが、仮想現実空間に表示された物体に向かって手を伸ばす動作(リーチング動作)を繰り返すことで、姿勢バランスや重心移動のコツをつかむことができるリハビリテーション用医療機器です。この医療機器は歩行特性を改善することを目的としています。
このサービスの特徴として立ったまま歩行することが困難な方でも取り組める点やこれまで曖昧だったリハビリの指示や評価が明確に行える点、視覚・聴覚・触覚からのフィードバックにより、脳の報酬系を刺激することでモチベーション向上が期待できる点などが挙げられます。
⑤Capti:VRと連動するフィットネスバイクを販売
Capti社はメタバースと連動するフィットネスバイク「Expresso Bike」を販売しています。Expresso Bikeはサイクリングゲームを楽しみながらフィットネスをすることができ、近くのユーザーとレースを楽しむことができ、将来的には世界中のユーザーと同時に楽しめるようにする構想を発表しています。
また、同社の有するサイクリングプラットフォームは、アンリアルエンジンのプラットフォームに組み込まれており、バーチャル世界との互換性を備えています。
アンリアルエンジンのプラットフォームとの互換性により、社外のエンジニアがExpresso Bikeで利用可能なメタバースフィットネスアプリを開発し、利用できるアプリが増えることにより、結果的にExpresso Bikeの価値が高まるというエコシステムを構築しようとしています
⑥Black Box VR:VRを活用した体験型フィットネスジム
Black Box VRは、カリフォルニア州やアリゾナ州などで展開されているVRを活用した体験型フィットネスジムです。
ジムの会員はVRヘッドセットを着用し、オリジナルのVRゲームを楽しみながらフィットネスを行います。1バトルは30分となっており、プレイヤーの動きがゲーム内に反映され相手への攻撃に繋がります。
また、トレーニングを続けていくことで、利用できるキャラクターの種類が増えたり、レベルが上昇するなどやり込み要素を備えています。
さらに、トレーニングを経て収集された各種データは専用のアプリから確認できるとのことです。
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⑦Supernatural:サブスク型のVRフィットネスサービス
Supernaturalは、Within社によって提供されるサブスクリプション型のVRフィットネスサービスです。
Supernaturalのユーザーは、音楽やゲーミフィケーション、有名コンテンツとのコラボなどを取り入れたワークアウトプログラムを楽しみながらこなすことで、自身の健康状態を改善することができます。
また、メタバース上では専属のコーチが着き、指導とモチベーションを高める言葉をかけてもらうことができます。
月額料金は15ドルからで、フィットネスジムの利用料と比べるとお手頃価格と言えます。
Supernaturalは、リリース後半年の2020年10月にMetaから買収されています。
⑧ジョリーグッド:VRを活用した医療人材育成
ジョリーグッドは、医療福祉において人の成長を支援するVRサービスを開発・提供するメディカルテクノロジーカンパニーです。具体的には、医療スタッフ教育のプロダクトやデジタル治療を実現するために、VRとAIのテクノロジーを活用しています。
同社の主な取り組みは、「オペクラウドVR」や「JOLLYGOOD+」などのプロジェクトです。オペクラウドVRは、手術等の臨床現場にいる専門スタッフの視野を360度VRカメラで撮影し、学習コンテンツ化するものです。JOLLYGOOD+は、医療福祉分野に特化したVRコンテンツのプラットフォームで、看護教育の課題解決を目指しており、患者さんへの応対や多職種連携、インフォームドコンセントなどのリアルな臨床現場を教材に、ノンテクニカルスキルが学べる教育プログラムを提供しています。
この取り組みについてより詳細に知りたい方はこちらの公式HPをご覧ください。
⑨デマンド・アンド・ケア:メタバースを活用した障がい者就労支援
一般社団法人デマンド・アンド・ケア(代表:小林弘幸)が運営する就労継続支援B型事業所「BE-JOY」で取組むオンライン在宅支援では、外出や人とのコミュニケーションが苦手な障がいのある方に向けメタバースが活用されました。
利用者は、デザインの基礎やデザインソフトの使い方を学び、メタバース空間内で企業広告を作成、EC機能のあるブースで物販をすることができます。
障がいの中でも、感情と行動が安定しない精神疾患の方の対応が必要とされていた中で、このメタバース就労支援は、対人ストレスの調整が簡単、移動の困難がない、主に単純作業をする支援と比べクリエイティブな作業ができるなど、多くのメリットがあります。
こうした人々は主に自宅で過ごしているため、オンライン環境が整い、PC操作にも慣れており、利用者との親和性も高い事が分かっています。
また、同じメタバース内なら、他社のブースでも同じ作業ができるので、さらなる就労の機会にもつながり、障害者法定雇用率を課題としている企業にとってもプラスとなります。
今後、メタバース×障害者雇用は注目されていくでしょう。
⑩株式会社ジャパンディスプレイ:VRソリューションを医療研修に活用
株式会社ジャパンディスプレイはメタバースVRソリューション「VR一斉再生システム」を提供しています。同サービスは、病院と大学キャンパスなど、離れた場所での実際の現場を想定した研修をサポートします。VRを装着した受講者全員が同時にコンテンツの視聴をすることができ、VRは管理者のパソコンで一括管理が可能です。同サービスを使うことで病院側と大学側双方がより効率的に研修を行うことができます。
さらに同社はVR医療教育動画制作も行っており、高度な医療教育の機会を増やすことができます。
より詳しく知りたい方はこちらの公式HPをご覧ください。
医療業界でのVR活用で企業が成果を上げるための5つのポイント
医療業界でのVR活用で企業が成果を上げるためのポイントとして以下の5つが挙げられます。
- ①最先端の市場動向・ノウハウのキャッチアップ
- ②活用目的の明確化と骨太な戦略策定
- ③ユーザーファーストなUX設計
- ④アジャイルアプローチによるプロジェクトの推進
- ⑤強力な開発・運用体制の構築
それぞれについて分かりやすく紹介していきます。
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①最先端の市場動向・ノウハウのキャッチアップ
1つ目のポイントは、最先端の市場動向・ノウハウのキャッチアップです。
デバイスの進化やユーザーの動き、各領域の先進事例をキャッチアップし、自社が取り組むべき活用方法や成果に繋がる活用のポイントを抑えた上で活用に着手しましょう。
VR活用には取り組むのに一定の予算や工数が必要となるため、自社にとって重要な最新動向や活用のノウハウを抑えておくことが、成功確度の高い戦略・企画立案の大前提となります。
②活用目的の明確化と骨太な戦略の立案
2つ目のポイントは、VRを活用する目的の明確化と骨太な戦略の策定です。
現在VR活用に取り組む企業には、VR活用の取り組みが単発で終わってしまっている企業が見受けられます。
その結果、活用のPDCAが回らない、VR活用が小粒な施策の1つに留まってしまうなど大きな収益機会の獲得に繋がらないという結果に終わってしまいます。
自社の経営課題を踏まえ、「活用によりどのような経営課題を解決したいのか?」「課題解決の打ち手としてなぜVRではないといけないのか?」といった明確な活用目的を整理した上で、中長期で目指す事業の姿や自社の強みの活用の仕方などの実現に向けた戦略を立案しましょう。
③ユーザーファーストな企画・UX設計
3つ目のポイントは、自社のターゲットにとってユーザーファーストなVRの企画・UX設計です。
現在、多くの企業がVRに参入を進めていますが、そのなかには、企業側の都合のみでサービス・体験が設計されたようなVRが多く存在します。それらのVRは、ユーザーに利用されず、企業の活用の目的を達成できない結果に終わってしまいます。
そのため、「VRならではの高い体験価値を届けられているか」や「ユーザーの利用にあたっての手間や負担が大きくないか」といった観点を踏まえたUX設計が重要です。
④アジャイルアプローチによるプロジェクトの推進
4つ目のポイントは、アジャイルアプローチによるプロジェクトの推進です。
VR市場は今後大きな成長が予想されているものの、いまだ成長期にあり、様々な業界の企業が中長期的な収益最大化に向け、最適な活用を模索している段階にあります。
そのため、計画と実行のプロセスを短いスパンで回し、仮説立案・実行・検証・施策立案のサイクルを何度も繰り返すことが、プロジェクトを机上の空論で終わらせないために重要です。
⑤強力な開発・運用体制の構築
5つ目のポイントは、強力なVR開発・運用体制の構築です。
高いユーザー体験と事業性を両立するVRの開発とマーケティングを含めた運用を実施しましょう。
VR開発・運用には幅広い領域の知見や技術スタックが求められるため、外部のベンダーなどを活用し、不足するケイパビリティやリソースを補完することも有効です。
医療業界でのVR活用を進める4つのフェーズ
医療業界でのVR活用を進める流れとして、大きく以下の4つのフェーズが挙げられます。
- Phase1:市場動向・知見のキャッチアップ
- Phase2:戦略/企画の立案
- Phase3:事業計画の策定
- Phase4:開発・運用
それぞれのフェーズについて分かりやすく紹介していきます。
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Phase1:市場動向・知見のキャッチアップ
1つ目のPhaseとして取り組むべきは、最先端の市場動向・知見のキャッチアップです。MetaやApple、Microsoftなどのビックテックやユーザーの動向・先行活用事例など、日々変化する市場動向やナレッジへのキャッチアップが必要です。
このフェーズが、成果に繋がる骨太な戦略/企画策定の基盤となります。
Phase2:戦略/企画の立案
2つ目のPhaseはVR活用の戦略/企画です。活用目的を踏まえ、中長期で目指す事業の姿や自社の強みの活用の仕方、実現に向けた企画を立案しましょう。
ユーザーバリューと自社の事業性の両方を満たす、質の高い戦略/企画の立案が、成果につながるメタバース活用の実現に向け最も重要なポイントとなります。
Phase3:事業計画の策定
3つ目のPhaseは事業計画の策定です。事業に期待する成果や開発・運用のアプローチやタイムライン、必要な投資額などを検討しましょう。
VR開発・運用といっても、プロジェクト毎に求められるケイパビリティは様々であるため、自社にマッチするツール・ベンダーの選定が非常に重要です。
Phase4:開発・運用
4つ目のPhaseが開発・運用です。VR開発・運用には幅広い領域の知見や技術スタックが求められるため、外部のベンダーなどを有効活用し、不足するケイパビリティやリソースを補完しつつ、ユーザーに届けたい体験を実現するVRの開発とマーケティングを含めた運用を実施しましょう。
4つのフェーズで取り組むべき35のステップに関しては、以下の関連記事で詳しく解説しています。
※関連記事:メタバースを活用した事業を作る方法|全4フェーズと35ステップ【担当者必見】
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