VRショッピングとは?ECへの導入メリットや事例10選も紹介

コロナウイルス感染拡大による行動制限の影響で、EC市場はさらに成長しました。

そんななか、従来のWebサイトに比べ多くのメリットを持つVRショッピングを導入したECサービスを提供する動きが注目を集めています。

 

一方で、「VRショッピングをECに活用する方法がわからない」という方も多いのではないでしょうか?

 

そこで今回は、VRショッピングのECへの導入方法や導入のメリットを事例とともに分かりやすくご紹介します。

 

本記事は、以下のような方におすすめの記事となっています。

 

  • VRショッピングをECに導入することを検討している
  • VRショッピングをECに導入する方法が知りたい
  • VRショッピングを導入している企業の事例をおさえておきたい

 

本記事を読めば、VRショッピングのECへの導入方法や導入のメリット、企業による活用事例まで一気にキャッチアップできる内容となっておりますので、ぜひ最後までご一読ください。


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目次

VRショッピングとは

そもそもVRショッピングとは 三越伊勢丹
(画像:三越伊勢丹)

VRショッピングとは、消費者が実店舗を訪れることなく、VR空間上の仮想店舗で買い物などの体験を行うことです。

 

VR上の仮想店舗では実店舗と同様、様々な商品が陳列されており、アバター姿の店員と相談しながら商品を選んだり、気に入った商品は購入しリアルの世界で郵送して貰うなどの体験が可能です。

 

VRショッピングを行う際は、スマホやPCからもアクセス可能ですが、Oculas QuestなどのVRヘッドセットからアクセスすることでより没入感のあるまるで実店舗を訪れているかのような体験をすることができます。

VRショッピングをECサイトに導入する3つのメリット

VRショッピングをECサイトに導入する3つのメリット

企業がVRショッピングをECサイトに導入するメリットとして、以下の3つが挙げられます。

 

  • ➀顧客接点のオンラインシフトの実現
  • ②幅広い顧客層へのリーチ
  • ③VRショッピングならではの体験による訴求力/売上向上

 

それぞれについてわかりやすく紹介していきます。

 

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➀顧客接点のオンラインシフトの実現

コロナウイルス感染拡大防止のための行動制限などの影響で、幅広い業界のマーケティング・プロモーション活動が打撃を受けました。商材によってはオンラインでのプロモーションへのシフトを成功させています。

 

一方で、実物を確認して買いたいという人が多い商材や実店舗でのプロモーションイベントや顧客ひとり一人に寄り添った提案が重要な商材のマーケティングのオンラインシフトは非常に難易度が高く、幅広い業界の企業の課題となっています。

 

そこで、EC/マーケティングにVRショッピングを活用することで、実店舗などのリアル空間で行っていた顧客接点のオンラインシフトを行うことが可能です。

②幅広い顧客層へのリーチ

VRショッピングを活用したマーケティング施策の特徴の1つとして、「いつでも、どこからでもアクセスしてもらえる」という点があります。従来のリアルな空間でのプロモーションイベントでは、ターゲットとなる人が地理的に大きく制限されているため、一定程度バーチャル店舗でマーケティング施策を行うことで、幅広い地域のターゲットにリーチすることが可能です。

 

また、VRショッピングを活用することで、従来若者世代との接点獲得に苦戦していた企業・商材のマーケティングを加速させることもできます。VRショッピングがデジタルネイティブの比較的若い世代から人気を集めていることや、人気のコンテンツなどとコラボしたりゲーミフィケーションを取り入れたプロモーション施策との相性が良いことから、若者世代の顧客獲得への打ち手としての活用が進んでいくことが考えられます。

③VRショッピングならではの体験による訴求力/売上向上

VRショッピングを活用することで、自社の商材の訴求力を向上することができます。訴求力向上に繋がるポイントは大きく2点あります。

 

1点目は、3Dモデルを活用した訴求力の向上です。顧客が商材や店舗、施設を目の前にしているような体験を提供でき、従来オンラインで商材の魅力が伝わりづらく、オンラインプロモーションに苦戦していた商材の訴求力を向上することができます。

 

2点目は、VRショッピングならではの体験を通じた、新たな購買体験による訴求力の向上です。オンラインでありながら、友人と一緒に買い物が出来る環境を構築したり、リアルでは簡単に提供できない非現実的な体験型のプロモーション施策を低コストで実施したりすることができます。

業界別 VRショッピングの活用事例10選

業界別 VRショッピングの活用事例10選

VRショッピングの業界別活用事例として以下の10事例が挙げられます。

 

<小売業界>

  • ①三越伊勢丹:独自のVR空間上に百貨店を再現
  • ②大丸松坂屋:VR上の百貨店で600種類の食品を販売
  • ③凸版印刷:VR上のショッピングモールメタパを展開
  • ④阪急阪神百貨店:VR上の百貨店でアバター接客を実施
  • ⑤高島屋:VRを活用した家具のオンライン接客を実施

 

<食品業界>

  • ⑥ふくや :ECにVRショッピングを活用しCVR30%を記録
  • ⑦カンジュクファーム:VR空間上でフルーツを販売

 

<自動車業界>

  • ⑧日産自動車:VRChat上で新車発表・試乗会を開催

 

<不動産業界>

  • ⑨大和ハウス:VR上に自由に見学できる住宅展示場をオープン
  • ⑩東急不動産:複数人での同時参加可能なVRモデルルーム

 

それぞれの事例についてわかりやすく紹介していきます。

 

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小売業界

①三越伊勢丹:独自のVR空間上に百貨店を再現

三越伊勢丹:独自のVR空間上に百貨店を再現
(画像:三越伊勢丹)

三越伊勢丹は、独自のVR上の百貨店である「レヴ ワールズ」を構築し、専用アプリから提供しています。利用者はアバターを登録し、デジタル空間の「バーチャル伊勢丹」での買い物を楽しむことができます。店員のアバターも配置され、チャット機能を使った接客も受けられます。

β版のリリースから1年以上が経過する「レヴ ワールズ」ですが、百貨店の強みである「デパ地下」や「ギフト」への関心の高さが確認できているとのことです。

現在は婦人服や食品など180ブランドを扱っていますが、今後は家具や日用品にも対象を広げる方針です。友人のアバターと一緒に会話しながら買い物できるようにするなど機能も強化する予定です。

他社がVR上で開催されるイベントへの出展が中心のなか、三越伊勢丹は既に独自のメタバース空間を構築・提供しており、百貨店業界のメタバース活用をリードする存在といえます。

 

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②大丸松坂屋:VR上の百貨店で600種類の食品を販売

大丸松坂屋:VR上の百貨店で600種類の食品を販売
(画像:大丸松坂屋)

大丸松坂屋は、世界最大のメタバース/VRのイベント「バーチャルマーケット」への出展を発表しました。大丸松坂屋は専用のブースであるニューヨークの街並みを再現した空間に、「バーチャル大丸・松坂屋」を出展します。来場者は百貨店内で600種類以上のグルメの買い物を楽しんだり、大丸松坂屋の400年の歴史を体感できるアトラクションを楽しんだりすることができます。

食品ブースでは、来場者が自由に店内をまわり、食品3Dモデルを手に取って商品の形状を確認したり、バーチャルカタログで詳細を見たり、商品を購入することが可能です。夏に食べたい「しろくまアイス」や「盛岡冷麺」などのグルメを600点以上が販売される予定です。購入した商品は、後日自宅に届きます。

また、今回のイベント開催に伴い、「メタバース上で働くアルバイト」を初めて採用。バーチャル接客の経験があり、商品知識を身につけたスタッフが商品の魅力を伝えます。

③凸版印刷:VR上のショッピングモールメタパを展開

凸版印刷:VR上のショッピングモールメタパを展開
(画像:凸版印刷)

メタパは凸版印刷が提供するリアルとバーチャルを融合したVRショッピングモールです。
メタパの特徴は次の2点です。

 
①リアルとバーチャルを融合した新しい買い物体験
②友だちや家族とグループでショッピングができる

 

1点目のリアルとバーチャルを融合した新しい買い物体験に関して、メタパではリアルのお店で販売されているリアルの商品をメタバース上で購入することができます。

 

2点目の友だちや家族とグループでショッピングができる点に関して、メタパは メタ+パーティの造語であり、仲間と集まれるメタバース(仮想空間)です。人が集まる賑わいや、友だちや家族といろんなお店を一緒に巡ってショッピングできる楽しさをバーチャルで体験できます。

 

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④阪急阪神百貨店:VR上の百貨店でアバター接客を実施

阪急阪神百貨店:VR上の百貨店でアバター接客を実施
(画像:阪急阪神百貨店)

阪急阪神百貨店は、世界最大のメタバース/VRのイベント「バーチャルマーケット」への出展を発表しました。来場者は自身のアバターの姿で、百貨店内を自由に歩き回り、洋服や食品、家電などの買い物を楽しむことができます。

洋服コーナーでは、実在する靴下を愛する阪神百貨店のスタッフが、アバターの姿で接客を担当し、来場者ひとり一人にピッタリの靴下をレコメンドしてくれます。実物の靴下をECから購入できるのはもちろん、実物と同様のデザインのアバターが着用できるデジタルアイテムとしての靴下も購入可能です。

食品コーナーでは、関西の名物グルメである「551HORAI」「阪神名物いか焼き」「クラブハリエ」「フジマル醸造所」などのショップが、阪神梅田本店内のショップをイメージした内装でメタバースに登場。ECサイトとも連携しており、購入後日本全国に発送可能です。

家電コーナーでは、人気の生活家電ブランド「バルミューダ」のコーヒーメーカーやケトルなどを3DCGで再現します。ケトルを手に持って好きな角度から眺めたり、椅子に座るなど人気のインテリアアイテムをバーチャル上で試すことが可能です。

⑤高島屋:VRを活用した家具のオンライン接客を実施

高島屋:VRを活用した家具のオンライン接客を実施
(画像:高島屋)

高島屋はVRを活用した家具のバーチャル売り場を構築している。家具売り場の一角に設けられたVR体験スペースでは、来客がVRヘッドセットを着用し、仮想空間上に構築された12部屋のモデルルームに配置された家具を体感することができます。12部屋の内の1つは本店に実在するバラショップの部屋で、バラを飾った生活を体験し、気に入った場合は購入をすることも可能です。こちらのバーチャル家具売り場と連携する取引先を2022年には3倍にも拡大する予定です。

従来の家具販売では、スペースの関係で限られた家具しか置けないなか、バーチャル空間上で多数のモデルルームや家具を体感してもらいながら接客をすることで、百貨店の強みがより活かされるとしています。今後は、家具だけでなく百貨店の取り扱う生活全般の提案にVRが活用できないか検討していくとのことです。

食品業界

⑥ふくや :ECにVRショッピングを活用しCVR30%を記録

ふくや :ECにVRショッピングを活用しCVR30%を記録
(画像:ふくや)

明太子メーカーのふくやは、バーチャル店舗をメタバース上に設置し、リアル店舗同様に商品を確認し、店員から説明を受け、購入ができるという取り組みを実施し、来場者の約3割が商品を購入するという成果をあげました。

来場者は、PRG風のメタバース空間上で、自分のアバターを操作し、別のアバターに近づくことでチャットやビデオ通話などができ、コミュニケーションをとりながら買い物を楽しむことができました。

⑦カンジュクファーム:VR空間上でフルーツを販売

カンジュクファーム:VR空間上でフルーツを販売
(画像:カンジュクファーム)

山梨県で果物の生産・販売を行う株式会社カンジュクファームは、3D仮想空間「ガイアタウン」内に設計した自社独自のVR空間で、果物の販売を開始しました。販売だけでなく、現在利用者が急増しているメタバース空間でアバターと直接会話することで、フルーツ王国・山梨の素晴らしさを国内外の消費者に伝えることを目的としています。

同社は、VRショッピングを活用した新たなコミュニケーションにより、農家と消費者の関係性を進化させようとしています。生産者や他のお客さまとのボイスチャットを通じて、お客さまが果物のさまざまな食べ方を楽しめる体験を提供しています。また専用フロアでは、桃の生産工程を見学することができます。

6月にオープンした自社専用フロアでは、すでに初日からアバターによるコミュニケーションのみで注文を獲得しています。今後は、桃に続き、キウイフルーツ、さらにシャインマスカットや山梨の秋の名産品「あんぽ柿」などを季節に合わせて販売する予定です。

自動車業界

⑧日産自動車:VRChat上で新車発表・試乗会を開催

日産自動車:VRChat上で新車発表・試乗会を開催
(画像:日産自動車)

日産自動車はVR上で、新型軽電気自動車「日産サクラ」の発表・試乗会を開催しました。イベントは参加者は世界最大のVR SNSプラットフォーム「VRChat」で開催されました。

発表会では日産副社長のアバターが登場し、ボイスレターが再生されました。

また、試乗会では日本の四季を感じられるドライブコースでバーチャルなサクラを運転することができます。自分で運転席に座って運転したり、後部座席に座ってみたりと、現実の試乗さながらの体験ができ、新車の特徴を確認することができます。VR上での試乗は通常の試乗とは違い、書類での手続きなども不要で、いつでもどこからでも体験可能なのが強みです。

日産の担当者いわく、今回の取り組みにより、販売スタッフのアバター操作経験不足やリアルな商品を仮想空間上でプロモーションする難しさなどが明らかになったとのこと。

このような試験的な取り組みを重ねるなかで、将来的に製品のプロモーションチャネルとしてVRが本格的に活用できるユースケースが確立されていくことが期待されます。

 

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不動産業界

⑨大和ハウス:VR上に自由に見学できる住宅展示場をオープン

大和ハウス:VR上に自由に見学できる住宅展示場をオープン
(画像:大和ハウス)

大和ハウスはアバターを用いて担当者と見学者がコミュニケーションを図りながら仮想空間上の住宅展示場を自由に見学できる「メタバース住宅展示場」を公開しました。ユーザーはスマホやタブレット・PCからメタバースにアクセスでき、最大6名の見学者とともに担当者にリアルタイムに質問や相談を実施することが可能です。

VR上にある住宅展示場という特徴を活かし地面から屋根の上までさまざまな角度から見学できることに加え、室内では子どもやペットなどの視点でも見学が可能です。また、見学者が床や壁紙・天井等の色や素材、インテリアなどを瞬時に切り替えて、イメージを検討することもできます。今後、対応する住宅商品ラインナップを拡充していく方針とのことです。

⑩東急不動産:複数人での同時参加可能なVRモデルルーム

東急不動産:複数人での同時参加可能なVRモデルルーム
(画像:東急不動産)

東急不動産は、複数人が同時に参加できるモデルルームをブランズシティ湘南台マンションギャラリーにて公開しました。こちらのVRモデルルームはVR企画制作を行うハシラス社のVRソリューションである「キネトスケイプ」を活用しています。

これまでのVRモデルルームは体験人数が1人に限定されていましたが、こちらのソリューションを活用することにより、複数人で同時にVRを視聴することが可能になり、ご家族と話をしながらのリアルな内見さながらの体験をすることが可能です。こちらの物件は若い世代がターゲットであることから、VRでの物件提案が有効と考え導入を決定したとのこと。今後も他のマンションギャラリーへの活用を進める方針です。

おススメのVRショッピング導入支援企業3選

おススメのVRショッピング導入支援企業として以下の3つが挙げられます。

 

  • ①ハコスコ:脳科学の知見を活かしたVR開発
  • メタバース総研:国内最大級の知見に基づき企画から開発まで支援
  • Cluster:国内最大のメタバースプラットフォーム

 

それぞれについてわかりやすく紹介していきます。

ハコスコ:脳科学の知見を活かしたVR開発

ハコスコ:脳科学の知見を活かしたVR開発
(画像:ハコスコ)

ハコスコは、脳科学をベースにしたワンストップなソリューションの開発・提供を行っている企業です。

ハコスコの代表取締役 CEO の藤井さんは適応知性および社会的脳機能解明を研究する医学博士・脳科学者であり、「つながる脳」(毎日出版文化賞 受賞)などの書籍も出版しています。また、ハコスコは2014年7⽉に理化学研究所の理研ベンチャー制度により創業された会社です。

箱+スコープ=「ハコスコ」の名前のとおり、ダンボールにレンズをつけ、スマートフォンを利用しただけのミニマルなつくりのHMDを提供しており、累計141万台を販売しています。

ハコスコはVRショッピング開設のためのメタバース、VRゴーグル、360°カメラも提供しており、VRを体験する・配信をする・映像を作るというVRをワンストップで体験できるプラットフォームを実現しています。

②メタバース総研:国内最大級の知見に基づき企画から開発まで支援

メタバース総研:国内最大級の知見に基づき企画から開発まで支援

メタバース総研は、企業向けのメタバース/XRのコンサルティング・開発を行っている会社です。

 

同社は、多数のメタバース/XR活用支援と国内最大級のビジネス向けメタバースメディアの運営により培った、豊富な経験と知見を武器とする、高品質のコンサルティングから制作/開発までの一気通貫での支援を強みとしています。

 

さらに、各領域に強みを持つ、38名のクリエイター/エンジニアや12社のパートナー企業による強力な支援体制を有しており、各企業の目的や要望に合わせた、オーダーメイドでの制作/開発が可能な点も特徴です。

 

そのため、現状構想段階にあり事業・企画の立案から支援してほしい企業や、テンプレ的な設計ではなく自社ならではのメタバース/XRを制作/開発したい企業におススメです。

 

※メタバース総研は豊富な経験とナレッジに基づき、各社様に合わせた先進事例や具体的な活用アイデアなどの最新ナレッジをご提供させていただいております。 メタバース/XR活用でお困りの方は、ぜひお気軽にご相談ください。 

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③Cluster:国内最大のメタバースプラットフォーム

Cluster:国内最大のメタバースプラットフォーム
(画像:Cluster)

Clusterは、人々が自由に交流する空間を提供するメタバースプラットフォームです。人々に日常的に利用されるソーシャルVRを目指し、イベント等を開催していない通常時のユーザー獲得に成功しており、日本初のメタバースプラットフォ―ムとしては圧倒的な存在感を誇ります。

 

VRショッピングの導入はもちろん、音楽ライブやカンファレンスなどのイベントも開催しており、多くのユーザーをひきつけています。また、スマートフォンやPC、VRなど、好きなデバイスから何万人もの人が同時に接続できるのが特徴です。

 

ユーザー数が国内最大規模であることから、Cluster上でVRショッピングを導入すれば、多くのユーザーに店舗を訪れてもらえることが期待できます。

 

※関連記事:日本最大のメタバースプラットフォームcluster(クラスター)とは?

VRショッピングをECサイトに導入する5つの注意点

VRショッピングをECサイトに導入する5つの注意点

VRショッピングをECサイトに導入する際の注意点として、以下の5つが挙げられます。

 

  • ①ユーザーのVR利用時の負担軽減
  • ②分かりやすいチュートリアルの作成
  • ③質の高いデジタルコンテンツの表示
  • ④購入へのスムーズな導線設計
  • ⑤ユーザーのプライバシーの保護

 

それぞれについてわかりやすく紹介していきます。

①ユーザーのVR利用時の負担軽減

1つ目の注意点は、ユーザーのVR利用時の負担を軽減することです。

現状ECへのVRショッピング活用は、アプリ上での機能提供が主流であり、公式アプリをダウンロードしていないユーザーに対してはダウンロードの負担を強いることとなります。

そのため、ユーザーにとってより負担の少ないWebブラウザ上で機能を提供することが望ましいです。また、仮にアプリ上で提供する場合には、ユーザーがアプリダウンロードの手間をかけても試してみたいと思えるような、顧客体験を提供することが重要になります。

②分かりやすいチュートリアルの作成

2つ目の注意点は、分かりやすいチュートリアルを作成することです。

 

VRは、多くの人にとってまだなじみのない技術であるため、使い方に慣れていないユーザーも多いと考えられます。そのため、VRを活用する方法や活用するメリットを分かりやすく説明したチュートリアルを用意するなどして、ユーザーにARのメリットを実感してもらうことが重要です。

③質の高いデジタルコンテンツの表示

3つ目の注意点は、表示されるデジタルコンテンツの質を高いものとすることです。

 

VR上で表示される商品の画質が悪かったり、現実の空間とうまくマッチングしていなかったりすると、実際よりも商品が劣って見え、ユーザーの購入意欲をそいでしまう可能性があります。

 

そのため、VR上で表示されるデジタルコンテンツの質を十分に保てるような通信環境や機器のスペックを確保しておくことに注意する必要があります。

④購入へのスムーズな導線設計

4つ目の注意点は、購入へのスムーズな導線を設計することです。

アプリ上でのVR機能を通じて、ユーザーの購買意欲が高まったとしても、実際に購買に至るプロセスがシンプルかつ分かりやすくないと購買まで至らずに終わってしまう場合が考えられます。そのため、アプリやWebサイトの購買導線、UI/UXを通常のECサイト以上にスムーズで洗練されたものにする必要があります。

⑤ユーザーのプライバシーの保護

5つ目の注意点は、ユーザーのプライバシーを保護することです。

VRショッピングを提供するにあたり、ユーザーの名前やアカウント情報のほか、ユーザーの行動履歴など、プライバシーに関わる情報を取得することになります。

 

そのため、これらのプライバシーに関わる情報をしっかりと保護し、漏えいや流出といった事態が起きないように適切に管理することが重要です。

企業がVR活用で成果を上げるための5つのポイント

企業がVR活用で成果を上げるための5つのポイント

企業がVR活用で成果を上げるためのポイントとして以下の5つが挙げられます。

 

  • ①最先端の市場動向・ノウハウのキャッチアップ
  • ②活用目的の明確化と骨太な戦略策定
  • ③ユーザーファーストなUX設計
  • ④アジャイルアプローチによるプロジェクトの推進
  • ⑤強力な開発・運用体制の構築

 

それぞれについて分かりやすく紹介していきます。

①最先端の市場動向・ノウハウのキャッチアップ

1つ目のポイントは、最先端の市場動向・ノウハウのキャッチアップです。

デバイスの進化やユーザーの動き、各領域の先進事例をキャッチアップし、自社が取り組むべき活用方法や成果に繋がる活用のポイントを抑えた上で活用に着手しましょう。

 

VR活用には取り組むのに一定の予算や工数が必要となるため、自社にとって重要な最新動向や活用のノウハウを抑えておくことが、成功確度の高い戦略・企画立案の大前提となります。

②活用目的の明確化と骨太な戦略の立案

2つ目のポイントは、VRを活用する目的の明確化と骨太な戦略の策定です。

現在VR活用に取り組む企業には、VR活用の取り組みが単発で終わってしまっている企業が見受けられます。

 

その結果、活用のPDCAが回らない、VR活用が小粒な施策の1つに留まってしまうなど大きな収益機会の獲得に繋がらないという結果に終わってしまいます。

 

自社の経営課題を踏まえ、「活用によりどのような経営課題を解決したいのか?」「課題解決の打ち手としてなぜVRではないといけないのか?」といった明確な活用目的を整理した上で、中長期で目指す事業の姿や自社の強みの活用の仕方などの実現に向けた戦略を立案しましょう。

③ユーザーファーストな企画・UX設計

3つ目のポイントは、自社のターゲットにとってユーザーファーストなVRの企画・UX設計です。

現在、多くの企業がVRに参入を進めていますが、そのなかには、企業側の都合のみでサービス・体験が設計されたようなVRが多く存在します。それらのVRは、ユーザーに利用されず、企業の活用の目的を達成できない結果に終わってしまいます。

 

そのため、「VRならではの高い体験価値を届けられているか」や「ユーザーの利用にあたっての手間や負担が大きくないか」といった観点を踏まえたUX設計が重要です。

④アジャイルアプローチによるプロジェクトの推進

4つ目のポイントは、アジャイルアプローチによるプロジェクトの推進です。

VR市場は今後大きな成長が予想されているものの、いまだ成長期にあり、様々な業界の企業が中長期的な収益最大化に向け、最適な活用を模索している段階にあります。

 

そのため、計画と実行のプロセスを短いスパンで回し、仮説立案・実行・検証・施策立案のサイクルを何度も繰り返すことが、プロジェクトを机上の空論で終わらせないために重要です。

⑤強力な開発・運用体制の構築

5つ目のポイントは、強力なVR開発・運用体制の構築です。

高いユーザー体験と事業性を両立するVRの開発とマーケティングを含めた運用を実施しましょう。

 

VR開発・運用には幅広い領域の知見や技術スタックが求められるため、外部のベンダーなどを活用し、不足するケイパビリティやリソースを補完することも有効です。

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このナレッジの著者

メタバース総研 代表取締役社長

今泉 響介

株式会社メタバース総研(現・CREX)代表取締役社長。
慶應義塾大学経済学部卒業。学生起業した事業を売却後、日本企業の海外展開/マーケティングを支援する株式会社Rec Loc を創業・社長就任を経て、現職に。メタバースのビジネス活用に特化した国内最大級の読者数を誇るメディア「メタバース総研」の運営やメタバースに関するコンサルティング及び開発サービスの提供を行っている。著書に『はじめてのメタバースビジネス活用図鑑』(中央経済社)

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