3Dモデルの作り方は?作成手順やおすすめの作成ソフト3選を紹介!

世の中のコンテンツが画像から動画、そしてARやVRへとシフトしていくなかで、3Dモデルの重要性が増しています。メタバースにおいても、ワールドを構成するキャラクターやオブジェクトの3Dモデル作成は必要不可欠です。

 

一方で、3Dモデルを作成する際に、どの制作会社に頼んでどのソフトを使えばいいのか、分からないという方も多いのではないでしょうか。

 

そこで今回は、3Dモデルの作り方やおすすめの制作ソフト、制作会社についてわかりやすく紹介します。

本記事をお読みいただければ、3Dモデルをビジネスに活用するためのヒントが得られるかと思いますので、ぜひ最後までご一読ください。


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そもそも3Dモデルとは?

バンタンゲームアカデミー
(画像:バンタンゲームアカデミー)

3Dモデルとは、3次元空間において立体的な表現をするために用いられる、3D(3次元)のモデルデータのことです。3次元空間でオブジェクトと呼ばれる3Dの物体を作り、色をつけたり光を当てたり、自在に動かしたりすることができます。

 

映画やゲームといったエンタメ、ファッション、建築など多くの分野で、主にCG映像の作成に3Dモデルが利用されています。メタバース上のキャラクターやオブジェクトも、3Dモデルが元となり作られています。

3Dモデルの作成の流れ

3Dモデルの作り方は以下の通りです。

 

  • STEP1. ブロッキング
  • STEP2. カスタマイズ
  • STEP3. テクスチャリング
  • STEP4. リギング
  • STEP5. レンダリング
  • STEP6. ポストプロセス

 

それぞれのステップについてわかりやすく解説していきます。

 

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STEP1. ブロッキング

ブロッキング
(画像:wylog)

3Dモデル作成の最初の工程であるブロッキングでは、大まかな配置やモデルのポーズなどを決定します。ブロッキングを行うことでメタバース作成の工数が大幅に削減されます。ポイントは以下の通りです。

 

  • 適切なサイズ・形状による空間の設計

後工程での拡張や変更が容易にできるように設計することが重要です。

  • オブジェクト配置

全体のバランスや構成を把握することで、細部のデザインやアニメーション作業の効率化が見込めます。

  • シーン構成

ユーザーの視線の流れや動線を意識することで、ユーザーに提供する体験全体のストーリーを設計することが可能です。

  • ナビゲーション

空間内の移動や視点変更の方法をこの段階で検討することで、ユーザーが快適にメタバース内を移動できるようになります。

STEP2. カスタマイズ

カスタマイズ
(画像:wylog)

カスタマイズでは、ブロッキングで作成した3Dモデルの詳細を作り込みます。3Dモデルの形状を曲げたりして、最終の完成形に近づけます。ポイントは以下の通りです。

 

  • リアルかつ適切な3Dモデリング

ポリゴンやNURBSの形状を操作し、リアルな見た目を追求しつつも、全体のバランスやリアリティを保つため、プロポーションとスケールは慎重に調整します。

  • 既存モデルの適切な活用

用途に合わせてオープンソースや市販のモデルを活用することで、工数とコストを削減することが可能です。

  • オブジェクトの階層

複雑なプロジェクトや機械については、可動部分に応じてオブジェクトの階層を作ることが可能です。

  • ポリゴン数やテクスチャの最適化

メタバース内でのパフォーマンスや動作負荷を考慮し、ポリゴン数やテクスチャを最適化することで質の高い体験に変えることができます。

STEP3. テクスチャリング

テクスチャリング
(画像:wylog)

テクスチャリングでは、STEP2で作成した3Dモデルに対して、色、デザイン、素材感を追加して、3Dモデルをよりリアルに近づけます。テクスチャリングにはテクスチャーとマテリアルの2つの手法があります。テクスチャーは3Dデータに色や模様を貼り付ける手法、マテリアルは質感を設定する手法です。意識するべきポイントは以下の通りです。

 

  • 丁寧なUVマッピング

3Dモデルの表面を2D平面に展開しテクスチャ画像と対応させるUVマッピングでは、テクスチャの継ぎ目や伸びが目立たない様、慎重に行う必要があります。

  • マテリアルの一貫性

メタバース内のオブジェクトやキャラクター間で質感の一貫性を保ち、全体の雰囲気を統一することが重要です。

  • パフォーマンスとの兼ね合い

高解像度のテクスチャーやマテリアルは美麗な表現ができる一方で、動作が重くなるなどパフォーマンスに悪影響を及ぼす可能性があるため注意が必要です。

STEP4. リギング

リギング
(画像:AutoDesk)

リギングでは、3Dモデルにボーン(骨)を埋め込み、リグ(キャラが動く仕組み)を作成します。リギングは、テクスチャリング後の3Dモデルを動かしたい場合に必要になります。また、骨格に対して3Dモデルのメッシュを割り当てるスキニングを行います。どのボーンによってどの3Dメッシュがどう変形するかを、ウェイトペイントを使うことで制御することが可能です。リギングを通じて、キャラクターに手を振らせたり、歩かせたりすることができるようになります。ポイントは以下の通りです。

 

  • 正確な骨格構造

自然な動作を実現するために、骨格構造を正確に作成し、関節の位置や向きを適切に設定する必要があります。

  • ウェイトペイントの調整

ボーンの向きに応じたメッシュの変形を自然なものにするために、スキニングの際にウェイトペイントを適切に調整する必要があります。

  • コントローラーの使いやすさ

リグのコントローラーを直感的かつ使いやすいものにすることで、アニメーターの工数削減に繋がります。

STEP5. レンダリング

レンダリング
(画像:wylog)

レンダリングでは、3Dモデルのデータを2Dの静止画や動画に書き出します。レンダリングすることによって3Dモデルのデータを小さくし、アニメーションなどに使いやすくします。レンダリングには膨大な時間がかかることもあるため、テクスチャリングなどのタイミングから少しずつ行い、最終調整することが多いです。

STEP6. ポストプロセス

ポストプロセス
(画像:wylog)

ポストプロセスは、レンダリングした素材を微修正するプロセスです。エフェクトを追加したり、フィルターを用いたりして、3Dモデルをよりリアルにします。本プロセスを踏まえることで、3Dモデルのクオリティを向上させることができます。ポイントは以下の通りです。

 

  • 計算された光源と陰影

光源の位置、色、強度を適切に設定することでリアルな照明効果を実現することができます。

  • ある程度の割り切り

レンダリングに注力しすぎると、レンダリングにかけるコストが大きくなりすぎる場合があるため、必要なアウトプットとのバランス感覚が重要です。

おすすめの3Dモデル作成ソフト3選

3Dモデル ソフト

3Dモデル作成ができる代表的なソフトとして、以下の3つが挙げられます。主な特徴は上の図の通りです。

 

 

Blenderは個人事業主 / 中小企業 / スタートアップの方に最適な3Dモデル作成ソフトであり、Mayaは大規模な制作会社 / ゲーム会社に最適な3Dモデル作成ソフト、3ds Maxは建築設計事務所 / アニメーションCG制作会社に最適な3Dモデル作成ソフトです。

 

Blender、Maya、3ds Maxは、いずれも統合型の3Dモデル作成ソフトで、モデリング、アニメーション、シミュレーション、レンダリング等の3Dモデル制作に必要な機能が備わっています。

 

機能軸では大きな差はありませんが、価格と習得難易度と強みに差があります。価格について、Blenderは無料で使えますが、Mayaと3DSMAXは1 ヶ月あたり¥36,300かかります。また、習得難易度について、Blenderは操作方法が難しく習得難易度が高い一方で、Mayaと3DSMAXは教材が豊富で操作方法が分かりやすいです。

 

強みについては、BlenderとMayaは3DCモデル制作全般に強みがあるのに対して、3ds Maxは建築パースの制作やアニメーションCGの制作等に強みがあります。

3つのソフトそれぞれについて、以下でわかりやすく解説していきます。

 

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①Blender:オープンソース3Dモデル作成ソフト

Blender
(画像:Blender)

Blenderは、Blender Foundationによって提供されている統合型のオープンソース3Dモデル作成ソフトです。無料で利用できることに加えて、モデリング、アニメーション、シミュレーション、レンダリング等の3Dモデル作成に必要なあらゆる機能が備わっています。機能の特徴としては、映画やエンタメ向けのアニメーションやエフェクトが豊富であることが挙げられます。

 

Blenderは個人事業主 / 中小企業 / スタートアップがメインで利用しており、ユーザー数は100万〜300万人と言われています。

 

近年、アップデートが繰り返されており、業界で主流な有料3Dモデル作成ソフトMayaとも肩を並べるほどの充実した機能を無料で利用できることから、大きな注目を集める3Dモデル作成ソフトです。

②Maya:ハイエンド3Dモデル作成ソフト

Maya
(画像:AutoDesk)

Mayaは、AutoDeskによって提供されている統合型のハイエンド3Dモデル作成ソフトです。利用料金は「¥36,300/1 ヶ月契約」ですが、モデリング、アニメーション、シミュレーション、レンダリング等の3Dモデル作成に必要なあらゆる機能が備わっています。特徴としては、アニメーションやテクスチャリング等に活用されることが挙げられます。

 

Mayaは大規模な制作会社がメインで利用しており、ユーザー数は1万〜4万人と言われています。

ディズニーを始めとする世界最高峰のクリエイティブ企業にも採用されているなど、3Dモデル作成ソフトの定番的な存在です。

③3ds Max:プロフェッショナル向け3Dモデル作成ソフト

3ds Max
(画像:AutoDesk)

3ds Maxは、AutoDeskによって提供されている統合型のプロフェッショナル向け3Dモデル作成ソフトです。利用料金は「¥36,300/1 ヶ月契約」ですが、モデリング、アニメーション、シミュレーション、レンダリング等の3Dモデル作成に必要なあらゆる機能が備わっています。特徴としては、建築パースの制作やアニメーションCGの制作等に活用されることが挙げられます。

 

3ds Maxは建築設計事務所やゲーム開発会社やアニメーション制作会社がメインで利用しており、ユーザー数は非公開ですがMayaよりは少ないと予想されます。

鬼滅の刃のアニメ制作にも採用されているなど、3Dモデル作成ソフトの定番的な存在です。

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このナレッジの著者

メタバース総研 代表取締役社長

今泉 響介

株式会社メタバース総研(現・CREX)代表取締役社長。
慶應義塾大学経済学部卒業。学生起業した事業を売却後、日本企業の海外展開/マーケティングを支援する株式会社Rec Loc を創業・社長就任を経て、現職に。メタバースのビジネス活用に特化した国内最大級の読者数を誇るメディア「メタバース総研」の運営やメタバースに関するコンサルティング及び開発サービスの提供を行っている。著書に『はじめてのメタバースビジネス活用図鑑』(中央経済社)

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