XRの医療業界での活用事例17選|メリットや成功のカギも紹介

xr 医療

関連技術の進歩やMetaやAppleのデバイス発売などに伴い、多くの企業がXR(VR・AR・MR)のビジネス活用を進めています。

 

最近では、XRと医療分野の相性の良さから病院や製薬会社など多くの医療関係企業の間でもXRを医療分野に活用する動きが広がっています。

 

そこで今回は、XRの医療業界での活用事例17選を、活用のメリットや成功のポイントなどとともにわかりやすくご紹介します。

 

本記事は、以下のような方におすすめの記事となっています。

 

  • 医療業界でのXR活用を検討している
  • 他社による医療業界でのXR活用事例が知りたい
  • XR活用を成功させるためのポイントを押さえておきたい

  

本記事を読めば、医療業界でのXR活用の最新情報を一気にキャッチアップできる内容となっておりますので、ぜひ最後までご一読ください。


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目次

そもそもXRとは?

そもそもXRとは?

XRとはExtented Reality(拡張現実)の略称で、リアルの世界とバーチャルの世界を融合した技術を指す、広い概念です。XRに含まれる代表的な技術としてVR・AR・MRなどの先端技術があります。新たな技術開発が多数行われている分野であり、明確にVRやARに分類できない技術をXR技術と表現することもあります。

 

VR・AR・MRの定義と違いについては、以下の記事で詳しく紹介しています。

 

※関連記事:【図解】VR・AR・MRの違いとは?初心者にもわかりやすく解説!

医療業界でXRを活用する7つのメリット

医療業界でXRを活用する7つのメリット

医療業界でXRを活用するメリットとして、以下の7つが挙げられます。

 

  • ①遠隔治療の精度向上
  • ②医師・看護師に対する研修の充実化
  • ③患者自身の健康状態理解の促進
  • ④医療従事者への情報提供の効率化
  • ⑤リハビリ患者向けの体験型トレーニングの実施
  • ⑥アバターを介した気軽な診察の実施
  • ⑦新たなフィットネス体験の実現

 

それぞれについてわかりやすく紹介していきます。

 

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①遠隔治療の精度向上

1つ目のメリットは、遠隔治療の精度が向上することです。

病院を訪れることが難しい地方在住の患者や移動が困難な患者への治療の実現や、手術の効率化など多くのメリットがあり、近年注目を集めている遠隔医療ですが、実現には様々なハードルが存在しています。

 

そのハードルの解消にXRの活用が有効ではないかと考えられています。例えば、AR・VRを活用し遠隔地から手術ロボットなどの操作を行う医師への情報提供を行うことで、手術中に視線を動かさずに情報を確認したり。現場の助手との連携をスムーズにしたりすることが期待されています。

②医師・看護師に対する研修の充実化

医師・看護師に対する研修の充実化 イマクリエイト
(画像:イマクリエイト)

2つ目のメリットは、医師・看護師に対する研修を充実化できることです。

コロナウイルスの感染拡大の影響により、対面での研修の機会が限られていること、先生となるはずの医療従事者がコロナ患者への緊急対応に追われていることなどから、医師・看護師を目指す学生・研修医の対面で医療技能を学ぶ機会が減少しています。

 

そこで、XRを活用し没入感の高い体験を通じて患者の治療の際の手技など、現場での実務的な動きを学ぶことができる環境を整備することは、医療業界の未来を担う学生・研修医や日本の医療業界全体にとって非常に価値のある取り組みだと言えます。

③患者自身の健康状態理解の促進

3つ目のメリットは、患者自身の健康状態理解を促進できることです。

従来の患者自身が健康状態を理解する方法は、口頭・文書ベースでの医師からの診断や、文書ベースでの健康診断の結果など、身体の中で何が起こっているのかを具体的にイメージするのが難しいものばかりでした。

 

そこで、XR上に患者自身の身体のモデルを作成し、体内の臓器などの状態を3Dで再現することで、患者が自身のリアルな健康状態を視覚的に理解することができるのではと考えられています。これにより、自身の健康状態が理解しきれないことによる心理的負担の改善や健康への危機意識の高まりによる生活習慣の改善などが期待できます。

④医療従事者への情報提供の効率化

4つ目のメリットは、医療従事者への情報提供の効率化です。

コロナウイルスの感染拡大の影響で、MRの方々が医療従事者の方に対面で情報提供を行う場が減少しています。もちろん、メールやZOOMなどでのコミュニケーションの方が、効率的な場面もありますが、一方で、対面ならではの信頼関係構築やその場での偶然の出会いなどの機会は失われつつあります。

 

そこで、XR空間上でMRの方や医療従事者の方が交流できる場を提供することで、コロナ以前にあったコミュニケーションの機会を再現しようという動きが始まっています。

⑤リハビリ患者向けの体験型トレーニングの実施

リハビリ患者向けの体験型トレーニングの実施 mediVR
(画像:mediVR)

5つ目のメリットは、リハビリ患者向けの体験型トレーニングを実施できることです。

メタバースはその没入感の高さと身体の動きとの連動性から、学校教育や企業研修の分野への活用が始まっていますが、同様の理由でリハビリ患者向けの体験型トレーニングへの活用も期待されています。

 

リハビリ患者に提供できるトレーニング環境は、そもそも身体が不自由で移動の制約があることから限定的でした。しかしメタバースを活用することで、視覚や聴覚、触覚など五感を通じた患者のリハビリの効率化、モチベーション向上に繋がる体験の提供を実現することが出来ます。

 

また、リハビリサービスを提供する側も、今まではトレーナー個人に留まってしまっていたリハビリの効果検証をデータを共有しながら行うことが可能で、リハビリプログラム自体の改善にも繋げることができます。

⑥アバターを介した気軽な診察の実施

6つ目のメリットは、アバターを介して気軽な診察が実施できることです。

これまで病院での病気の診察やメンタルヘルスのカウンセリングは、患者にとって心理的障壁の高いものでした。ただでさえ、心身が弱っている時に、自らの健康に関するセンシティブな相談をするのは、かなりの負担を伴うものでした。

 

そこで、XR空間上でアバターを通じた診療やカウンセリングを行うことで、お互いの表情や声色は感じ取りつつ、リラックスした状態でのコミュニケーションを実現できるのではないかと期待されており、既に国内でもサービスが開発・提供されて始めています。

⑦新たなフィットネス体験の実現

新たなフィットネス体験の実現 Black Box VR
(画像:Black Box VR)

7つ目のメリットは、新たなフィットネス体験を実現できることです。

ヘッドセットなどを着用しXRコンテンツを視聴しながらエクササイズを行うという、新たなフィットネス体験がアメリカを中心に普及し始めています。

 

XRを活用したフィットネス体験は、従来に比べ、楽しみながらエクササイズを行えたり、それらのデータを収集・活用できたりと、健康増進に向けた様々なメリットが存在します。

XRの医療業界での活用事例17選

XRの医療業界での活用事例17選

XRの医療業界での活用事例17選は以下の通りです。

 

<VRの活用事例>

  • ➀イマクリエイト:VRを活用した注射手技の研修
  • ②IBM×順天堂大学:VRを用いた医療サービス構築へ
  • ③富士通:病院・患者の状態を仮想空間上に再現
  • ④comatsuna:アバターを介した対話によるメンタルケア
  • ⑤mediVR:VRを活用したリハビリのサポート
  • ⑥Capti:VRと連動するフィットネスバイクを販売
  • ⑦Black Box VR:VRを活用した体験型フィットネスジム
  • ⑧Supernatural:サブスク型のVRフィットネスサービス
  • ⑨ジョリーグッド:VRを活用した医療人材育成
  • ⑩デマンド・アンド・ケア:メタバースを活用した障がい者就労支援
  • ⑪株式会社ジャパンディスプレイ:VRソリューションを医療研修に活用
  • ⑫オプティム:手術ロボットの稼働情報・手術室の映像をリアルタイム取得

 

<ARの活用事例>

  • ⑬Feca:ARを活用して肉眼では見えない患部の状態を可視化
  • ⑭NECソリューションイノベータ:電子聴診器とスマートグラスで遠隔医療の質向上
  • ⑮Kapanu:口腔内を3Dスキャンし、義歯の完成イメージを患者と共有

 

<MRの活用事例>

  • ⑯メディカロイド:MRを活用した手術支援ロボの操作
  • ⑰アステラス製薬:バーチャルMRを活用した医療従事者への講演会

 

それぞれの事例についてわかりやすく紹介していきます。

 

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VRの活用事例

➀イマクリエイト:VRを活用した注射手技の研修

イマクリエイト:VRを活用した注射手技の研修
(画像:イマクリエイト)

イマクリエイト社の提供する「VRワクチン注射シミュレーター」は、VR内に表示される模型に従うだけで、筋肉注射の手順を感覚的に習得することができる研修用のサービスです。座学や教材を用いた事前学習にシミュレーターを加えることで、手順のミス防止が期待されます。

 

実際の患者さんに注射の処置を行えるようになるためには、十分な練習が必要です。しかし、定期的にトレーニング用品を補充する必要があることや、多数の生徒が同時に練習することが困難であり、医療現場での悩みの種となっています。そこでイマクリエイトは「実生活と同じように自分の身体を使って練習する」というコンセプトのもと、このバーチャルトレーニングシステムを開発しました。医学生は施設や設備の有無にかかわらず、いつでも、何度でもトレーニングが可能になりました。

②IBM×順天堂大学:VRを用いた医療サービス構築へ

IBM×順天堂大学:VRを用いた医療サービス構築へ
(画像:日本IBM)

日本IBMと順天堂大学は「メディカル・メタバース共同研究講座」を設置し、産学連携の取り組みを開始しました。同共同研究講座では、VR/メタバース技術の活用による時間と距離を超えた新たな医療サービスの研究・開発に取り組むとのこと。

 

具体的には、患者や家族が来院前にバーチャルで病院を体験できる環境や外出が困難な入院患者が病院の外の仮想空間で家族や友人と交流できる「コミュニティ広場」の構築、メタバース空間での活動によるメンタルヘルス等の疾患の改善の実証などを検討しています。

 

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③富士通:病院・患者の状態を仮想空間上に再現

富士通:病院・患者の状態を仮想空間上に再現
(画像:富士通)

2022年に富士通は、医療分野での共同研究に向け東北大学と包括提携を発表しました。病院や患者の状態を仮想空間上に再現するデジタルツイン開発を目指しています。

 

富士通はトップシェアを持つ電子カルテのノウハウを活かし、診療情報や病院職員の勤務状況、医療機器の稼働情報などを統合し、病床の稼働状況の把握や将来の状況のシミュレーションを行うことで運営の最適化を図ります。

 

また、ウェアラブルデバイスを通して取得した患者の状態もデジタル上で再現し、投薬や手術に活用する予定です。

④comatsuna:アバターを介した対話によるメンタルケア

comatsuna:アバターを介した対話によるメンタルケア
(画像:comatsuna)

デジタルヘルスケア・産業保健事業を手がけるcomatsuna社は先ごろ、VR/メタバースを活用した法人向け社員メンタル支援サービス「メンサポドクター」をリリースしました。メンズサポートドクターは、アバターを介したオンラインでのコミュニケーションによりメンタルヘルスの改善を図るもので、人見知りや対面でのコミュニケーションに抵抗のある方にも、気軽に利用できるメンタルヘルスケアサービスを提供することを目的とし開発されました。

 

アバターを介したコミュニケーションが、対面での対話に比べ、人々の緊張を和らげ、より早く心を開いてもらい、悩みを相談しやすくすることができると考えているとのことです。

 
企業もこのサービスを導入することで、社員の潜在的な不満や不安、問題点をいち早く検出することができるとともに、社員のメンタル不調予防、離職予防に繋げることができます。

⑤mediVR:VRを活用したリハビリのサポート

mediVR:VRを活用したリハビリのサポート
(画像:mediVR)

mediVR社の提供するリハビリサポートサービスである「mediVRカグラ」は、姿勢の崩れや不安定さを抱える患者さんが、仮想現実空間に表示された物体に向かって手を伸ばす動作(リーチング動作)を繰り返すことで、姿勢バランスや重心移動のコツをつかむことができるリハビリテーション用医療機器です。この医療機器は歩行特性を改善することを目的としています。

 
このサービスの特徴として立ったまま歩行することが困難な方でも取り組める点やこれまで曖昧だったリハビリの指示や評価が明確に行える点、視覚・聴覚・触覚からのフィードバックにより、脳の報酬系を刺激することでモチベーション向上が期待できる点などが挙げられます。

 

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⑥Capti:VRと連動するフィットネスバイクを販売

Capti:VRと連動するフィットネスバイクを販売
(画像:Capti)

Capti社はメタバースと連動するフィットネスバイク「Expresso Bike」を販売しています。Expresso Bikeはサイクリングゲームを楽しみながらフィットネスをすることができ、近くのユーザーとレースを楽しむことができ、将来的には世界中のユーザーと同時に楽しめるようにする構想を発表しています。

 

また、同社の有するサイクリングプラットフォームは、アンリアルエンジンのプラットフォームに組み込まれており、バーチャル世界との互換性を備えています。

 

アンリアルエンジンのプラットフォームとの互換性により、社外のエンジニアがExpresso Bikeで利用可能なメタバースフィットネスアプリを開発し、利用できるアプリが増えることにより、結果的にExpresso Bikeの価値が高まるというエコシステムを構築しようとしています。

⑦Black Box VR:VRを活用した体験型フィットネスジム

Black Box VR:VRを活用した体験型フィットネスジム
(画像:Black Box VR)

Black Box VRは、カリフォルニア州やアリゾナ州などで展開されているVRを活用した体験型フィットネスジムです。

 

ジムの会員はVRヘッドセットを着用し、オリジナルのVRゲームを楽しみながらフィットネスを行います。1バトルは30分となっており、プレイヤーの動きがゲーム内に反映され相手への攻撃に繋がります。

 

また、トレーニングを続けていくことで、利用できるキャラクターの種類が増えたり、レベルが上昇するなどやり込み要素を備えています。

さらに、トレーニングを経て収集された各種データは専用のアプリから確認できるとのことです。

⑧Supernatural:サブスク型のVRフィットネスサービス

Supernatural:サブスク型のVRフィットネスサービス
(画像:Supernatural)

Supernaturalは、Within社によって提供されるサブスクリプション型のVRフィットネスサービスです。

Supernaturalのユーザーは、音楽やゲーミフィケーション、有名コンテンツとのコラボなどを取り入れたワークアウトプログラムを楽しみながらこなすことで、自身の健康状態を改善することができます。

 

また、メタバース上では専属のコーチが着き、指導とモチベーションを高める言葉をかけてもらうことができます。

月額料金は15ドルからで、フィットネスジムの利用料と比べるとお手頃価格と言えます。

 

また、Supernaturalは、リリース後半年の2020年10月にMetaから買収されています。

 

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⑨ジョリーグッド:VRを活用した医療人材育成

ジョリーグッド:VRを活用した医療人材育成
(画像:ジョリーグッド)

ジョリーグッドは、医療福祉において人の成長を支援するVRサービスを開発・提供するメディカルテクノロジーカンパニーです。具体的には、医療スタッフ教育のプロダクトやデジタル治療を実現するために、VRとAIのテクノロジーを活用しています。

 

同社の主な取り組みは、「オペクラウドVR」や「JOLLYGOOD+」などのプロジェクトです。オペクラウドVRは、手術等の臨床現場にいる専門スタッフの視野を360度VRカメラで撮影し、学習コンテンツ化するものです。

 

JOLLYGOOD+は、医療福祉分野に特化したVRコンテンツのプラットフォームで、看護教育の課題解決を目指しており、患者さんへの応対や多職種連携、インフォームドコンセントなどのリアルな臨床現場を教材に、ノンテクニカルスキルが学べる教育プログラムを提供しています。

⑩デマンド・アンド・ケア:メタバースを活用した障がい者就労支援

デマンドアンドケア 医療
(画像:デマンド・アンド・ケア)

一般社団法人デマンド・アンド・ケア(代表:小林弘幸)が運営する就労継続支援B型事業所「BE-JOY」で取組むオンライン在宅支援では、外出や人とのコミュニケーションが苦手な障がいのある方に向けメタバースが活用されました

 

利用者は、デザインの基礎やデザインソフトの使い方を学び、メタバース空間内で企業広告を作成、EC機能のあるブースで物販をすることができます。

 

障がいの中でも、感情と行動が安定しない精神疾患の方の対応が必要とされていた中で、このメタバース就労支援は、対人ストレスの調整が簡単、移動の困難がない、主に単純作業をする支援と比べクリエイティブな作業ができるなど、多くのメリットがあります。

こうした人々は主に自宅で過ごしているため、オンライン環境が整い、PC操作にも慣れており、利用者との親和性も高い事が分かっています。

 

また、同じメタバース内なら、他社のブースでも同じ作業ができるので、さらなる就労の機会にもつながり、障害者法定雇用率を課題としている企業にとってもプラスとなります。

今後、メタバース×障害者雇用は注目されていくでしょう。

⑪株式会社ジャパンディスプレイ:VRソリューションを医療研修に活用

ジャパンディスプレイ VR 医療
(画像:株式会社ジャパンディスプレイ)

株式会社ジャパンディスプレイはメタバースVRソリューション「VR一斉再生システム」を提供しています。同サービスは、病院と大学キャンパスなど、離れた場所での実際の現場を想定した研修をサポートします。

 

VRを装着した受講者全員が同時にコンテンツの視聴をすることができ、VRは管理者のパソコンで一括管理が可能です。同サービスを使うことで病院側と大学側双方がより効率的に研修を行うことができます。

さらに同社はVR医療教育動画制作も行っており、高度な医療教育の機会を増やすことができます。

 

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⑫オプティム:手術ロボットの稼働情報・手術室の映像をリアルタイム取得

オプティム:手術ロボットの稼働情報・手術室の映像をリアルタイム取得
(画像:オプティム)

オプティムは、手術支援ロボットシステムに搭載された各種センサー情報や内視鏡映像および手術室全体の映像といった情報をリアルタイムで収集、解析、提供できるオープンプラットフォーム「MINS」の開発を行っています。

 

オプティムのプラットフォームを活用することで、手術ロボットの稼働状況・エラー情報を収集してトラブル対応に活かしたり、手術室の映像配信により手術室の状況を正確に把握したりすることが可能になります。

ARの活用事例

Feca:ARを活用して肉眼では見えない患部の状態を可視化

Feca:ARを活用して肉眼では見えない患部の状態を可視化
(画像:Feca)

Feca社は、ARを活用して脳血管手術中に脳の血管にわかりやすく色をつけてリアルタイム投影できる「GLOW800 拡張現実蛍光システム」を開発しました。

 

従来の脳血管手術では、血管の位置を確認しながら手術を行うために、通常の視野と白/黒の近赤外線ビデオを切り替えるために手術を中断する必要があります。そのため、手術の長時間化や手術部位のの深奥部の視認性が悪いという課題がありました。

 

GLOW800 ARは、脳血管手術の各工程を効率化し、手術中の作業効率向上だけでなく、手術記録の録画も従来より容易に行うことができるため、手術のレビューや教育目的にも活用できます。

 

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NECソリューションイノベータ:電子聴診器とスマートグラスで遠隔医療の質向上

NECソリューションイノベータ:電子聴診器とスマートグラスで遠隔医療の質向上
(画像:NECソリューションイノベータ)

NECソリューションイノベータは、電子聴診器とスマートグラスを用いた遠隔診療サービスを開発しています。このサービスは、患者宅に出向いた看護師を介して、遠隔にいる医師が指示したり心音を聞きながら診療することを可能にするサービスです。

 

医師は病院に居ながらにして、スマートグラスを装着した現場の看護師と視野や器具を共有して診察を行うことが可能です。医師がその場にいなければ医療行為が行えないという遠隔診療に関する法整備の問題がクリアされれば、過疎化が進む農村部や島嶼部への医療サービスの提供という社会課題の解決に向け大きく前進する可能性があるといえるでしょう。

Kapanu:口腔内を3Dスキャンし、義歯の完成イメージを患者と共有

Kapanu:口腔内を3Dスキャンし、義歯の完成イメージを患者と共有
(画像:Kapanu)

スイスのKapanu社は、歯科医療向けARソフトウェア「Kapanu Augmented Reality Engine」をリリースしています。

  

歯科医師は、タブレットやスマートフォンのアプリから治療前の患者の口腔内を3Dスキャンし、患者に装着予定の歯の3DモデルをARで表示させることができます。医師と患者のコミュニケーションが円滑になり、完成イメージを共有した上で治療を行えることで、患者側からの満足度向上、歯科医師側のクレームのリスク低減など双方へのメリットがあると考えられています。

MRの活用事例

⑯メディカロイド:MRを活用した手術支援ロボの操作

メディカロイド:MRを活用した手術支援ロボの操作
(画像:メディカロイド)

2020年、川崎重工業とシスメックスの合弁会社であるメディカロイド社が初の国産手術支援ロボットである「hinotori」を実用化しました。同年12月に前立腺がん手術の1例目が行われ、その後も実績を積み上げています。

 
Hitonoriは4本のロボットアーム、内視鏡カメラ、手術器具を搭載した手術ユニットで構成されており、医師は3D画像を見ながら、内視鏡カメラと手術器具を搭載したアームをコントローラーで遠隔操作します。

 
手術支援ロボットを活用した手術は患者側、医師側双方に多く存在します。患者側のメリットとしては手術の出血や手術後の少なさ、感染症のリスクの低さなどが挙げられ、医師側のメリットとしては直観的な操作が可能、手術部位を拡大して確認できる、手の震えが伝わらないなどのメリットが挙げられます。

⑰アステラス製薬:バーチャルMRを活用した医療従事者への講演会

アステラス製薬:バーチャルMRを活用した医療従事者への講演会
(画像:アステラス製薬) 

2022年1月にアステラス製薬は、メタバースを活用した先進的な情報提供方法の構築を開始しました。フェーズ1では「仮想空間上での研究会・講演会」を試験的に実施し、フェーズ2では仮想世界と現実世界の融合など、新しいオンラインコミュニケーション手法を検討する予定です。

 

MRの領域では、コロナ禍で時間や場所に制限のないコミュニケーションへの移行が進むなかで、双方向性・対面でのコミュニケーションの重要性も明らかになり始めています。そこで、メタバースを活用することで、新たな双方向でのコミュニケーションの重要性も明らかになり始めています。

 

そこで、メタバースを活用することで、新たな双方向でのコミュニケーションの実現を目指す狙いがあるとのことです。具体的には、試験的に実施する仮想空間上での研究会・交流会では参加者同士の偶発的な情報交換など、コロナ以前にあった現場でのリアルなコミュニケーションの再現を目指しています。

医療業界でのメタバース/XR活用を成功させるための5つのポイント

医療業界でのメタバース/XR活用を成功させるための5つのポイント

医療業界でのメタバース/XR活用で成果を上げるためのポイントとして以下の5つが挙げられます。

 

  • ①最先端の市場動向・ノウハウのキャッチアップ
  • ②活用目的の明確化と骨太な戦略策定
  • ③ユーザーファーストなUX設計
  • ④アジャイルアプローチによるプロジェクトの推進
  • ⑤強力な開発・運用体制の構築

 

それぞれについて分かりやすく紹介していきます。

 

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①最先端の市場動向・ノウハウのキャッチアップ

1つ目のポイントは、最先端の市場動向・ノウハウのキャッチアップです。

デバイスの進化やユーザーの動き、各領域の先進事例をキャッチアップし、自社が取り組むべき活用方法や成果に繋がる活用のポイントを抑えた上で活用に着手しましょう。

 

メタバース/XR活用には取り組むのに一定の予算や工数が必要となるため、自社にとって重要な最新動向や活用のノウハウを抑えておくことが、成功確度の高い戦略・企画立案の大前提となります。

②活用目的の明確化と骨太な戦略の立案

2つ目のポイントは、メタバース/XRを活用する目的の明確化と骨太な戦略の策定です。

現在メタバース/XR活用に取り組む企業には、メタバース/XR活用の取り組みが単発で終わってしまっている企業が見受けられます。

 

その結果、活用のPDCAが回らない、メタバース/XR活用が小粒な施策の1つに留まってしまうなど大きな収益機会の獲得に繋がらないという結果に終わってしまいます。

 

自社の経営課題を踏まえ、「活用によりどのような経営課題を解決したいのか?」「課題解決の打ち手としてなぜメタバース/XRではないといけないのか?」といった明確な活用目的を整理した上で、中長期で目指す事業の姿や自社の強みの活用の仕方などの実現に向けた戦略を立案しましょう。

③ユーザーファーストな企画・UX設計

3つ目のポイントは、自社のターゲットにとってユーザーファーストなメタバース/XRの企画・UX設計です。

現在、多くの企業がメタバース/XRに参入を進めていますが、そのなかには、企業側の都合のみでサービス・体験が設計されたようなメタバース/XRが多く存在します。それらのメタバース/XRは、ユーザーに利用されず、企業の活用の目的を達成できない結果に終わってしまいます。

 

そのため、「メタバース/XRならではの高い体験価値を届けられているか」や「ユーザーの利用にあたっての手間や負担が大きくないか」といった観点を踏まえたUX設計が重要です。

④アジャイルアプローチによるプロジェクトの推進

4つ目のポイントは、アジャイルアプローチによるプロジェクトの推進です。

メタバース/XR市場は今後大きな成長が予想されているものの、いまだ成長期にあり、様々な業界の企業が中長期的な収益最大化に向け、最適な活用を模索している段階にあります。

 

そのため、計画と実行のプロセスを短いスパンで回し、仮説立案・実行・検証・施策立案のサイクルを何度も繰り返すことが、プロジェクトを机上の空論で終わらせないために重要です。

⑤強力な開発・運用体制の構築

5つ目のポイントは、強力なメタバース/XR開発・運用体制の構築です。

高いユーザー体験と事業性を両立するメタバース/XRの開発とマーケティングを含めた運用を実施しましょう。

 

メタバース/XR開発・運用には幅広い領域の知見や技術スタックが求められるため、外部のベンダーなどを活用し、不足するケイパビリティやリソースを補完することも有効です。

企業がXRを活用するための4つのステップ

企業がXRを活用するための4つのステップ

企業がXRの活用を進めるステップとして、大きく以下の4つのステップが挙げられます。

 

  • Step1:市場動向・知見のキャッチアップ
  • Step2:戦略/企画の立案
  • Step3:事業計画の策定
  • Step4:開発・運用

 

それぞれのステップについて分かりやすく紹介していきます。

 

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Step1:市場動向・知見のキャッチアップ

1つ目のStepとして取り組むべきは、最先端の市場動向・知見のキャッチアップです。MetaやApple、Microsoftなどのビックテックやユーザーの動向・先行活用事例など、日々変化する市場動向やナレッジへのキャッチアップが必要です。

このフェーズが、成果に繋がる骨太な戦略/企画策定の基盤となります。

Step2:戦略/企画の立案

2つ目のStepはXR活用の戦略/企画です。活用目的を踏まえ、中長期で目指す事業の姿や自社の強みの活用の仕方、実現に向けた企画を立案しましょう。

ユーザーバリューと自社の事業性の両方を満たす、質の高い戦略/企画の立案が、成果につながるXR活用の実現に向け最も重要なポイントとなります。

Step3:事業計画の策定

3つ目のStepは事業計画の策定です。事業に期待する成果や開発・運用のアプローチやタイムライン、必要な投資額などを検討しましょう。

XR開発・運用といっても、プロジェクト毎に求められるケイパビリティは様々であるため、自社にマッチするツール・ベンダーの選定が非常に重要です。

Step4:開発・運用

4つ目のStepが開発・運用です。XR開発・運用には幅広い領域の知見や技術スタックが求められるため、外部のベンダーなどを有効活用し、不足するケイパビリティやリソースを補完しつつ、ユーザーに届けたい体験を実現するXRの開発とマーケティングを含めた運用を実施しましょう。 

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このナレッジの著者

メタバース総研 代表取締役社長

今泉 響介

慶應義塾大学経済学部卒業。学生起業した事業を売却した後、日本企業の海外マーケティングを支援する株式会社Rec Loc を設立して代表取締役社長に就任。メタバースのビジネス活用を支援するメタバース総研を設立して代表取締役社長に就任。

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