自動翻訳サービス展開のメタリアルグループがメタバースに本格参入する理由とは?

2020年よりメタバース事業に本格参入したメタリアルグループは、コロナ禍で大きな話題となったVRを活用したバーチャルツアーサービス「どこでもドア」に加え、昨年よりメタバース自動生成AIの開発にも取り組んでいます。

一方で、実はメタリアルグループは、法人向け自動翻訳サービス「T400」などを手がけ、自動翻訳領域で20年以上の歴史を持つ企業としても知られています。

どのような背景や狙いでメタバースへの参入を決めたのか?

その真相を探るべく、メタリアルグループのCEOである五石順一さんに取材の機会を頂きました。

メタリアルグループが一見遠い領域に思えるメタバース参入に至った想いやAI×メタバースの可能性を、ぜひご覧ください。

五石 順一氏

五石 順一氏 メタリアル
(画像:MATRIX)

株式会社メタリアル CEO
1989年京都大学法学部卒業、NOVAに入社。2004年に自動翻訳サービスを展開するロゼッタ(メタリアルグループ)を創業し、2015年東証マザーズに上場。「場所、時間、言語の制約からの解放」を掲げ、2021年よりメタバース旅行サービス「どこでもドア」を展開。

メタリアルグループがメタバースに本格参入する理由

ーメタリアルグループの概要を教えていただけますでしょうか?

五石:メタリアルグループの子会社であるロゼッタ社は2004年の創業以来、法人向けの自動翻訳サービスを展開しています。創業から10年ほど翻訳が実用レベルに達しなかったものの、AIの活用に着手してから精度が飛躍的に向上し、今では5,000以上の企業・公共機関様に導入いただいています。

ーなぜ今回自動翻訳サービスを展開してきたメタリアルグループがメタバースに参入することとなったのでしょうか?

五石:自動翻訳事業もメタバース事業も、取り組む根底にある想いは「人々をハンディキャップから解放したい」というものです。これまで約20年自動翻訳に取り組み、言語のハンディキャップを乗り越えることができました。次は地理的・時間的・身体的制約を解決し得るメタバースに取り組みたいと考えています。

 

メタリアルグループがメタバースに本格参入する理由
(画像:MATRIX)

 

メタリアルグループがメタバースに本格参入する理由
(画像:MATRIX)

“リアル”メタバースは企業にとって大きなビジネスチャンス

ーメタリアルグループの提供するメタバースの概要や特徴はどのようなものなのでしょうか?

五石:現在は「どこでもドア」というVR旅行を中心とした3Dの実写型メタバース空間を提供しています。コロナ禍で実際に旅行に行けなくなったことを背景にバーチャルツアーの需要が高まり、多くの方にご利用いただくきっかけとなりました。
弊社メタバースの特徴は”リアル”なメタバースであることです。一般的なメタバース空間はゲームやアニメ調の3DCGで構成されているのに対し、弊社のメタバースは実写の3Dコンテンツにこだわりを持っています。映画にもアニメと実写があるように、メタバースでも実写でよりリアルな体験をしたいというニーズがあると考えています。

ー”リアル”メタバースによって企業にはどのようなビジネスチャンスがあるとお考えでしょうか?

五石:現在はバーチャル寄りのメタバース活用に注目が集まっていますが、今後はリアル寄りのメタバース活用が幅広い業界で進んでいくと考えています。観光、エンタメ、ショッピング、不動産など、ユーザーによりリアルな体験をいつでもどこへでも届けられることに価値が生まれる業界では、新たなビジネスチャンスが生まれると考えています。

 

どこでもドア MATRIX
(画像:MATRIX)

メタバース×AIで人々をより自由にしたい

ー現在メタバース自動生成AIを開発中とのことですが、概要を教えていただけますか?

五石:開発中のメタバース自動生成AI「Genesis」は、「雪の降る砂漠にラクダが歩いている」などと話しかけるだけで、メタバース空間を自動生成できるAIを目指しています。弊社は全世界1,200箇所の画像データを有しており、それらを学習させることでメタバース空間を生成する仕組みです。生成の精度はまだまだこれからですが、逆に実現できれば非常に大きなインパクトがあると考えています。

ーAIの活用により誰でもメタバースを生成できるようになった社会とはどのようなものなのでしょうか?

五石:SNSの登場により好きな人と自由に繋がれるようになりましたが、メタバース自動生成AIの登場は、好きな人と思い通りの世界をつくれるようになります。現代では、個人で思い通りの世界を制作するのは技術やコストの観点でかなり厳しいですが、誰もが思い描いた理想郷で理想の生活が送れるようになる。大半の制約から解放され人々がより自由に生きられる時代に近づいていくと考えています。

 

Genesis MATRIX
(画像:MATRIX)

世の中はクリエイティビティ勝負の時代へ

ー自動生成AIの登場はメタバース市場にどのような影響をもたらすのでしょうか?

五石:現在のメタバースビジネスは、大企業が中心に大きなコストと時間をかけて取り組むことが多い一方で、自動生成AIの活用により、技術的・時間的・経済的制約が解決されるでしょう。その結果、一人ひとりのクリエイティビティが勝負の時代が訪れると考えています。この流れは昨今ChatGPTなどのGenerative AIの成熟により、メタバース以外の領域でも起こっていることです。これからの時代は、何ができるかではなく、どんな世界を思い描けるのかがより重要となっていくでしょう。

まとめ<メタリアル CEO 五石様インタビュー>

「人々をハンディキャップから解放したい」という一貫した信念を持ち、メタバース事業を展開される五石さんから、メタバースが社会や人々の生き方を大きく変える可能性を持つことを再確認することができた取材でした。

ChatGPTの台頭により大きな注目を集めるAIですが、メタバース領域でも活用が進めば、誰もがメタバースを簡単につくれる時代がそう遠くない将来やってくるかもしれません。

そうなると、現在とは比べ物にならない程活発なメタバースの生成・競争が行われ、より質の高いメタバース空間が登場し、メタバースのエコシステム/市場全体が大いに活性化することでしょう。

どのような技術開発や活用が進んでいくのか、今後の動向から目が離せません。

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このナレッジの著者

メタバース総研 代表取締役社長

今泉 響介

株式会社メタバース総研(現・CREX)代表取締役社長。
慶應義塾大学経済学部卒業。学生起業した事業を売却後、日本企業の海外展開/マーケティングを支援する株式会社Rec Loc を創業・社長就任を経て、現職に。メタバースのビジネス活用に特化した国内最大級の読者数を誇るメディア「メタバース総研」の運営やメタバースに関するコンサルティング及び開発サービスの提供を行っている。著書に『はじめてのメタバースビジネス活用図鑑』(中央経済社)

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