NTTのメタバースDOORとは?できることや活用事例5選も紹介

関連技術の進歩やオンラインコミュニケーション需要の高まりなどを背景とし、今後急速に人々の生活や仕事に普及していくと考えられるメタバース。

 

そんな中、日本を代表する企業であるNTTのメタバースDOORが、ユーザー数100万人を突破するなど、話題になっています。

 

一方で、「NTTのメタバースDOORがどのようなサービスなのかよくわからない」、「具体的にどのようなことができるのか知りたい」という方も多いのではないでしょうか?

 

そこで今回は、NTTのメタバースDOORでできることや使い方を、活用事例とともに分かりやすくご紹介します。

本記事は、以下のような方におすすめの記事となっています。

 

  • NTTのメタバースDOORがどのようなサービスなのか知りたい
  • DOORでどのようなことができるのか知りたい
  • DOORが企業によってどのように活用されているのか知りたい

 

本記事を読めば、NTTのメタバースDOORのサービスの内容から使い方まで一気にキャッチアップできる内容となっておりますので、ぜひ最後までご一読ください。


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NTTドコモのメタバースDOORとは

NTTドコモのメタバースDOORとは
(画像:NTT)

DOORは、NTTが2020年11月にリリースしたVR空間メタバースプラットフォームです。

 

DOORの特徴として、①誰でも簡単にバーチャルルームを作成できる点、②スマートフォン、PCなど様々なデバイスに対応している点、③NTTのインフラにより安全性・信頼性が担保されている点が挙げられます。

 

個人利用だけでなく、企業のイベントやバーチャルショップ、バーチャル学校、Vtuberによるライブなど様々な用途で活用されており、ユーザー数は100万人を突破しています。

 

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ユーザーがDOORでできること3選

ユーザーがDOORでできること3選

ユーザーがDOORでできることとして以下の3つが挙げられます。

 

  • ①アバター同士のコミュニケーション
  • ②オリジナルのバーチャルルームの作成
  • ③資料の画面共有やライブ配信

 

それぞれについてわかりやすく紹介していきます。

①アバター同士のコミュニケーション

アバター同士のコミュニケーション DOOR
(画像:NTT)

1つ目は、アバター同士のコミュニケーションです。ユーザーは、アバターの姿で、他のユーザーとコミュニケーションをとることができ、ビジネスでの会議などに活用することができます。

 

コミュニケーションの方法としては、音声での通話、テキストメッセージによるチャット、ビデオ通話があり、目的に応じて使い分けることができます。

 

zoomやteamsなど、従来型のオンラインコミュニケーションツールと異なる特徴として、DOORのコミュニケーションでは、アバター同士の距離が近いほど声がよく聞こえるようになり、対面での会話と同じような臨場感を味わえる点が挙げられます。

②オリジナルのバーチャルルームの作成

オリジナルのバーチャルルームの作成 DOOR
(画像:NTT)

2つ目は、オリジナルのバーチャルルームの作成です。

DOORでは、ルームレイアウト機能を使うことで、バーチャルルームのデザインを変えたり、3Dのコンテンツを配置したりするなど、ユーザーの好みに合わせて自由にアレンジすることができます。

 

例えば、企業がDOOR上でオフィスや店舗を再現したり、リアルの世界では実現できないような独特の演出を施したイベント会場などを作成したりすることも可能です。作成したバーチャルルームには専用のURLが発行されるので、そのURLを知っている特定の人だけが参加できるようなプライベート空間を作ることも可能です。

 

また、ユーザーは、すでに用意されているテンプレートの部屋を活用することもできるので、自ら3Dモデルを作らなくても、簡単にオリジナルのバーチャルルームを作成することができます。

③資料の画面共有やライブ配信

資料の画面共有やライブ配信 DOOR
(画像:NTT)

3つ目は、資料の画面共有やライブ配信です。

DOORでは、PDFなどの資料や画像を好きな場所から映し出して共有したり、動画を配信したりすることができます。

 

これにより、DOORの空間上で、ビジネス会議や勉強会・講演会などを開催することが可能となります。

企業によるDOORのビジネスへの活用事例5選

DOORは多くの企業によって、イベント会場やPRの場として活用されています。企業によるDOORの代表的な活用事例として、以下の5つが挙げられます。

 

  • ①ドワンゴ:ニコニコ超会議の一部をDOORのVR空間上で開催
  • ②NTTコミュニケーションズ:アイデア交換やプレゼンを行うビジネスイベントの開催
  • ③Gugenka:人気アニメの世界を再現したバーチャル展覧会の開催
  • ④国際総合学園新潟コンピュータ専門学校:バーチャルオープンキャンパスの開催
  • ⑤RAKUTO:自社のPR/情報発信のために広報ルームを設置

 

それぞれの事例についてわかりやすく紹介していきます。

 

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①ドワンゴ:ニコニコ超会議の一部をDOORのVR空間上で開催

ドワンゴ:ニコニコ超会議の一部をDOORのVR空間上で開催
(画像:NTT)

NTTとドワンゴがコラボして、ドワンゴが主催するニコニコ超会議の一部をDOORのバーチャル空間で開催し、来場者に実際にイベント会場に来たかのような臨場感のある体験を提供しました。

 

DOORのバーチャル空間内でパブリックビューイングによる生配信をしたり、従来のニコニコ超会議でも人気の超歌舞伎を配信したりするなど、様々なコンテンツで来場者を楽しませました。

 

大規模イベントの開催に耐えるほどの多人数同時接続が可能であるDOORの特徴が活用された事例と言えます。

②NTTコミュニケーションズ:アイデア交換やプレゼンを行うビジネスイベントの開催

NTTコミュニケーションズ:アイデア交換やプレゼンを行うビジネスイベントの開催
(画像:NTT)

NTTコミュニケーションズは、新規ビジネスの創出を目指す企業担当者と米国シリコンバレーのスタートアップ企業の双方を招き、アイデア交換や技術のプレゼンを行うビジネスイベントを開催しました。

 

DOORのバーチャル空間に特設されたイベント会場にアバターに扮した参加者約300名が集まり、各業界のキーパーソンによる講演会や商談、情報交換などが行われました。

 

DOORのバーチャル空間を活用することで、米国シリコンバレーのスタートアップ企業担当者など、リアルでは会うことが難しい人たちとも手軽に交流し、当社のビジネスに役立つ様々な知見を得ることができました。

③Gugenka:人気アニメの世界を再現したバーチャル展覧会の開催

Gugenka:人気アニメの世界を再現したバーチャル展覧会の開催
(画像:NTT)

Gugenkaは、人気アニメ「シドニアの騎士」のプロモーションの一環として、「シドニアの騎士 仮想現実展覧会」というバーチャル展覧会を開催しました。

 

展覧会では、バーチャル空間上に「シドニアの騎士」の世界を再現し、来場者はアバターに扮して、アニメの世界観を楽しむことができました。DOOR内のルームレイアウト機能を使うことで、クオリティの高い世界観を比較的簡単に再現することができるため、多くの企業にとって活用しやすい点もDOORのメリットの一つです。

 

また、本展覧会では、SNSや外部サイトへの導線を用意するなど、DOORの空間内にとどまらないプロモーション施策としても活用されました。

 

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④国際総合学園新潟コンピュータ専門学校:バーチャルオープンキャンパスの開催

国際総合学園新潟コンピュータ専門学校:バーチャルオープンキャンパスの開催
(画像:NTT)

国際総合学園新潟コンピュータ専門学校は、DOORのバーチャル空間上でオープンキャンパスを開催しました。

 

バーチャル空間上には、各学科を紹介する学科紹介ルームや入試説明を行うガイダンスルーム、在校生の声を紹介するルーム、在校生が制作したVRキャラクターやゲーム作品を展示する作品展示室など様々なルームが設けられました。

 

さらに、来場した高校生がアバターを介して気軽に質問や進学相談をすることができる仕組みなど、リアルのオープンキャンパスと同じような体験をすることもできました。

 

バーチャル空間を利用することで、独自の方法で学校の魅力を伝えるとともに、これから入学する高校生の学習意欲を高める効果も期待できると考えられます。

⑤RAKUTO:自社のPR/情報発信のために広報ルームを設置

RAKUTO:自社のPR/情報発信のために広報ルームを設置
(画像:NTT)

学習塾を運営するRAKUTOは、自社の教育方針を多くの人に知ってもらうための広報ルームとしてDOORのバーチャル空間を活用しました。

 

バーチャル空間上で、海に浮かぶ教室を再現したり、部屋の中に突然池を出現させたりするなど、来場者がワクワクするような仕掛けを構築し、多くの子供や保護者をひきつけました。また、RAKUTOの教育観を伝える動画を設置したり、子供たちが授業で制作した作品を展示したりするなど、RAKUTOの魅力を伝えることにも成功しました。

 

このように、企業は、DOORにおいて、自社の理想とするバーチャル空間を自由に構築することで、伝えたいメッセージを多くの人に効果的に届けることができます。

DOORの使い方

①アバターを設定する

アバターを設定する DOOR
(画像:NTT)

ユーザーは、アバターの姿でDOORの空間上を過ごすことになるため、まずは自分のアバターを設定する必要があります。

 

DOORにログインすると、アバターを設定する画面が表示されるので、名前などを入力して自分のアバターを設定します。アバターの容姿は自分でカスタマイズすることもできます。

 

また、メニューにある「名前とアバターの変更」をクリックすると自分のアバター名を変更することが可能です。

②ルームを作成する

ルームを作成する DOOR
(画像:NTT)

ルームの作り方には、大きく分けて2つの方法があります。

 

1つ目は、既に用意されているテンプレートのルームを利用する方法です。テンプレートから自分の好きなルームを選び、ルームレイアウト機能で自分なりにカスタマイズすることでオリジナルのバーチャルルームを簡単に作ることができます。初心者や時間がない方におススメの方法です。

 

2つ目は、完全オリジナルなバーチャルルームを作成する方法です。テンプレートを使用せず、ルームを一から作成し、3Dモデルをアップロードして配置することで、完全にオリジナルなバーチャルルームを作成することができます。オリジナリティのあるルームを目指す方におススメの方法です。

③画面共有やライブ配信を行う

画面共有やライブ配信を行う DOOR
(画像:NTT)

画面下部にある共有ボタンをクリックすると、「画面共有」「カメラ」という2つのボタンが表示されます。

 

「画面共有」のボタンをクリックすると、パワーポイント等の資料が共有されます。手元の資料を操作することで、バーチャル空間内の資料も連動して動きます。

また、「カメラ」ボタンをクリックするとPC等のカメラの映像を流すことができ、ライブ配信が可能となります。

企業がメタバースを導入する3大メリット

企業がメタバースを活用する3大メリット

企業がメタバースを導入する代表的なメリットとして以下の3つが挙げられます。

 

  • ①新規事業の創出
  • ②マーケティング・ブランディングの強化
  • ③企業の社内業務の効率化

 

それぞれのメリットを分かりやすく紹介していきます。

 

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①新規事業の創出

新規事業の創出 バンダイナムコ
(画像:バンダイナムコ)

1つ目のメリットは、メタバースサービスやイベントなどの新規事業の創出です。

メタバースを活用し新たなサービスを構築することで、ユーザーに対し現実に存在するもの/しないものを含め、仮想空間上に3Dの世界を構築することができるというメタバースならではの特徴を活かし、ユニークな体験を提供するサービスを提供することができます。

 

また、メタバース上でアーティストや企業を集めたイベントをすることで、入場券やデジタルコンテンツの販売など収益性の高い新たなビジネスを展開できることが挙げられます。

②マーケティング・ブランディングの強化

マーケティング・ブランディングの強化 三越伊勢丹
(画像:三越伊勢丹)

2つ目のメリットは、メタバースを活用したマーケティング・ブランディングの強化です。

メタバースが人々の生活に普及するにつれ、オフラインからオンラインへ、WebからSNSへと起こってきたのと同様の顧客接点のシフトが、メタバースでも起こると考えられます。

 

メタバースをマーケティング・ブランディングに活用することで、従来はオンラインでの実施が難しかった商品・サービスの販促やメタバースならではの体験を通じた強力なブランディングを行うことができます。メタバースは従来のWebページや動画と比べ伝えられる情報がリッチかつインタラクティブな体験を提供可能なため、ユーザーを惹きつけやすく幅広い業種での活用が進んでいます。

③企業の社内業務の効率化

企業の社内業務の効率化 DHL
(画像:DHL)

3つ目のメリットは、企業の社内業務の効率化です。

メタバース・デジタルツインを社内業務の効率化に活用することで、バリューチェーン全体や工程全体の最適化社員の作業のサポート、研修の効率化をすることができます。

 

メタバース上で現状存在しない施設や設備を設計し、シミュレーションを行うことで、最適な製造ラインや運用方法を特定したり、メタバースの特徴である3Dでの情報の表示により、AR/MRグラスで現場の作業員の作業をサポートしたり、VRグラスにより様々なシチュエーションを想定した研修を行ったりと多岐にわたる活用方法が存在します。

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このナレッジの著者

メタバース総研 代表取締役社長

今泉 響介

株式会社メタバース総研(現・CREX)代表取締役社長。
慶應義塾大学経済学部卒業。学生起業した事業を売却後、日本企業の海外展開/マーケティングを支援する株式会社Rec Loc を創業・社長就任を経て、現職に。メタバースのビジネス活用に特化した国内最大級の読者数を誇るメディア「メタバース総研」の運営やメタバースに関するコンサルティング及び開発サービスの提供を行っている。著書に『はじめてのメタバースビジネス活用図鑑』(中央経済社)

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